最後にちょっぴり残念なニュースも……
2014年8月13日(水)~17日(日)の5日間、ドイツ・ケルンのケルンメッセにてヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2014が開催。ここでは、会期中に行われた、マイクロソフトの期待作『Sunset Overdrive』の開発者によるプレゼンテーションの模様をお届けしよう。E3 2014で大々的に展開されていた『Sunset Overdrive』は(⇒関連記事はこちら)、マイクロソフトが今年イチオシのXbox One用ソフトとしてプッシュする期待の1作。近未来を舞台にしたちょっとぶっ飛んだ世界観と爽快なアクションは、新鮮な感覚を持って捉えていただけるのではないだろうか。実際のところ記者もそのひとりで、爽快なタッチのアクションに、「これはいいな」とファーストタッチから気に入ってしまったのでした(下手な記者でも楽しめる、絶妙なバランス調整もあるのでしょう)。プレゼンを担当した、開発元であるインソムニアック・ゲームスのブランド・デベロップメント・ディレクターのライアン・シュナイダー氏の言葉である「『Sunset Overdrive』は、従来のFPSとは異なり、“動き”を重視しています。飛び跳ねたり、壁を歩いたり、グライディングをしたりと、多彩なアクションを実現しているんです」が、『Sunset Overdrive』の魅力を象徴していると言えるだろう。
本作の導入部を改めて少し紹介しよう。本作の舞台となるのは、2027年のサンセット・シティ。グローバル企業のフィズコが、“オーバーチャージ・デリリウムXT”というドリンクを発売するが、これがとんでもない代物で、ドリンクを飲んだ街の住民がミュータント化してしまう。主人公は掃除員として仕事をしていたために、ドリンクを飲用せず難を逃れる。「主人公にとってこの状況はアポカリプス(黙示録)ではなく、新たな出発であり、自分を表現する機会なんです」とライアン。長年コミックブックを読み漁り、テレビゲームをプレイしてきた主人公にとって、“サンセット・シティ”を救うというシチュエーションは、コミックブックやテレビゲームで何度も体験していること。こうした中二病的な設定も、記者の琴線に触れるのかもしれない。
今回のデモで紹介されたのは、E3時とはまったく異なるステージ。主人公と同じ“サバイバー”(ミュータント化しなかった住人)の“Troop Bushido”が日本遺産博物館に立てこもり主人公とやりあう……というくだりが描かれる。E3でのプレゼンでは、「マップは日本の街の影響を受けている」と語られていたが、このステージではさらに日本文化に対するシンパシーが顕著で、日本人としてシンパシーが湧くところ(ちょっと、なんちゃって風でもありますが)。相変わらずの高低差を駆使したバトルや、壁走りなどは、相当楽しそうな雰囲気だ。
敵である多彩なミュータントの存在も、本作の魅力のひとつ。今回のプレゼンでは、新たなモンスターが何体も紹介された。以下に、軽く紹介しよう。
■スポーナー:後部のゴミ箱から敵が出現するので、できるだけ早く倒すこと。とてもタフな敵。
■マガー:近接攻撃を得意とする。スピードが早いので、フリーズボムなどで凍らせるとよい。
■ガンカー:背面のパックから“フリーズガス”を出してレールを凍らせて、主人公の行動を妨害する。
■ブローワー:腕から有毒な液体を出す。攻撃範囲が広いので気をつけるべし。
■ウィンガー:2種類の攻撃をしてくる。火でレールを妨害し、“フラバーズ”という物質を出す。
■スキャーブ:グレネードを射出するもの、野球のバットで攻撃してくるもの、ライフルで撃ってくるものの3タイプが存在する。
ビジュアルがないと、なかなかイメージが掴みづらいかもしれないが、本作にいかにバラエティーに富んだ敵がいるか、その一端がわかっていただけたのでは? さらに、『Sunset Overdrive』では、ミュータント以外の敵も存在する。フィズコの警備員だ。フィズコのドリンク事件は“事故”であり、起こしたくて起こしたわけではないが、会社の名前が傷つくのを何とか避けないといけない。そこで証拠隠滅のためにロボットの警備員を派遣した……という設定だ。以下、gamescom 2014に合わせて公開された、最新の動画を改めてお届けする。
そうそう、最後にちょっぴり残念なニュースを……。“gamescom 2014 Xbox Briefing”でサプライス発表された『Sunset Overdrive』の白いXbox One本体だが(⇒関連記事はこちら)、ライアン氏がプレゼンの最後に「全世界で発売されます!」とコメントしたので、「おお!日本でもか!」と喜んだのもつかの間、よくよく確認してみると、どうやら日本では発売されない模様……。うーん、残念。まあ、2014年10月30日にはソフトが発売されるので、それで心を癒やすことにしよう。