開発は『ラチェット&クランク』シリーズなどでおなじみのインソムニアックゲームズ

『Sunset Overdrive』を知らないなんて言わせない! Xbox One期待のスピード感溢れる爽快アクションだ【E3 2014】_01
▲マイクロソフトイチオシといっても過言ではない『Sunset Overdrive』。

 2014年6月10日~12日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2014が開催。いよいよE3も開幕し、我先にとブースに詰めかける来場者の皆さん。当然ハードメーカーに対する注目度は高く、我らがマイクロソフトブースにもどどーっと多くの人が訪れたわけですが、一歩ブース内に足を踏み入れた方々は、あるタイトルの扱いの大きさに驚いたのではないだろうか? そう、そのタイトルの名は『Sunset Overdrive』。入り口付近の目立つところに一挙24台の試遊台を展開し、まさにE3 2014におけるマイクロソフトブースの“顔”となっていたのだ。まるで、事務所が期待の大型新人アイドルを売り出すときのような持ち上げかただなあ……と思いつつ、実際のところ不勉強な記者は、E3 2014が開幕するまでは、『Sunset Overdrive』のことはほとんど知らなかった。「ドライブとあるからには、レースゲームじゃね?」くらいに思っていたのだが、“Xbox E3 2014 Media Briefing”での大々的な取り上げかたを見て、びっくり。「どうやら、マイクロソフトは『Sunset Overdrive』を相当プッシュしているようだ」と思いつつも、E3が開幕してマイクロソフトブースに足を運んで、さらにびっくり。「もはやイチオシタイトルではあるまいか……」と、思わせるくらいのスペースの割きかただったのだ。とまあ、相当前置きが長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、『Sunset Overdrive』はマイクロソフトが贈る自信作ということです!

 で、改めて『Sunset Overdrive』の概要をざっくりと紹介すると、異形のミュータントたちが闊歩するアメリカの架空の都市、メトロポリス“サンセットシティ”を舞台に、主人公が奇想天外な冒険をくり広げるというオープンワールドタイプのアクション・シューティング。ときにジャンプし、ときにレールの上を滑走し……と、自由度の高い移動は本当にスピーディー。さらに楽しいのが武器。本作でのメインとなる武器はガンなのだが、自由にカスタマイズが可能で、それこそとんでもない武器を作ることが可能。つまりハイスピード&型破りのアクションが魅力なのが本作だ。


 なお、本作の開発を担当しているのはインソムニアックゲームズ。そう、古くはプレイステーション用ソフト『スパイロ・ザ・ドラゴン』を手がけ、ここ数年は『ラチェット&クランク』シリーズや『レジスタンス』シリーズの開発元としてゲームファンにはおなじみ。『Sunset Overdrive』は、同社が2013年にマイクロソフトと提携後、初の作品となる。さきほど「まるで、事務所が期待の大型新人アイドルを売り出すときのような」と書いたが、その表現は大いに間違いで、「大物女優の移籍第1作目を大々的に売り出すときのような」と言ったほうが的確だったのだ。

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 で、マイクロソフトブースでは、インソムニアックゲームズの開発陣を招いてのプレゼンが行われた。本作のアクションをさらにユニークなものにしているのは、“スタイルメーター”の存在。プレイヤーがアクロバティックな行動をしながらモンスターを倒すと“スタイルメーター”がどんどん溜まり、キャラクターのアビリティーが発揮できるようになるという。アクションのキモとなるのは“バウンシング”と“グライディング”。“バウンシング”はモノなどを利用して高くジャンプすること、“グライディング”は、レールの上をハイスピードで滑っていくアクションだ。いずれも、スピード感溢れる本作のアクションには不可欠の動きと言える。

 『Sunset Overdrive』でさらにユニークやフィーチャーが“サンセットTV”。こちらは、制作サイドが提供したゲーム情報や、ユーザーがFacebookやTwitterで投稿した作品に対するフィードバックをゲーム中で見られる機能。ハイスコアもここで発表されるという。「これでわざわざゲームを途中でやめて、コミュニティーの状況を確認する必要がないんです」という。“サンセットTV”がどのような楽しみかたをもたらすかは未知数だが、こうしたメタフィクション的なフィーチャーは、『Sunset Overdrive』の世界化を形作るうえで、カギを握る要素となるのかもしれない。

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▲プレゼンを担当してくれたインソムニアックゲームズのおふたり。おふたりとも『レジンスタンス』シリーズの開発に6、7年関わっており、「明るい作品を作りたい」ということで、『Sunset Overdrive』を発想したという。

 さらに本作には“カオススクワッド”という最大8人による協力プレイモードが搭載されている。ストーリーモードにあたる“キャンペーン”と“カオススクワッド”はシームレスにつながっており(“キャンペーン”のマップ上にある電話ボックスに入ると“カオススクワッド”に移行できるらしい)、“キャンペーン”でカスタマイズした武器は“カオススクワッド”に持ち込むことが可能だ。

 というわけで、マイクロソフトブースでは実際にこの“カオススクワッド”を体験することができた。ゲーム内容はというと、迫り来る敵を8人が協力して倒すという、『ギアーズ オブ ウォー』シリーズでいうところの“Horde”。試遊ではWAVE3まで遊べたのだが、どかどかと襲来する敵を倒していくのは、爽快かつ燃える。アクションは初心者ゆえに、“バウンシング”と“グライディング”を駆使して戦う……というわけには、なかなかいかなかったのだが、スピードアクションの一端は堪能できた。記者のような緩めのゲーマーにも十分に楽しめるゲーム性で、すっかり『Sunset Overdrive』のファンになってしまっていたのでした。

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▲8人の協力プレイが楽しい“カオススクワッド”罠を仕掛けて敵を一網打尽といったことも可能だ。

 さて、最後に日本のゲームファンにはちょっとうれしいこぼれ話を。『Sunset Overdrive』の舞台である“サンセットシティ”は、新宿の影響を受けているというのだ。「アメリカの都市らしくない、段々のスタイルをモチーフにしているんです」なのだとか。新宿が“段々”に見えるというのは、意表をつかれる発想だが、たしかにそう見えなくもない。いずれにせよ、新宿がモチーフなんて、日本人としてうれしくなりません? そんな『Sunset Overdrive』だが、じつは国内発売は決まっていない(北米では2014年10月28日)。とはいえ、泉水さんも「E3で発表されたタイトルはほぼ日本でも出ます!」と明言していたし、きっと出るに違いない。いや出るに決まった! というわけで、発売を心待ちにすることにしよう。

(取材・文 編集部/F)