チケットは開場直後に瞬殺

「パシフィック・リム」主人公機ジプシー・デンジャーのVRシミュレーターに乗ってきた! ワーナーブースでは超巨大竜巻をVR体験【Comic-con International 2014】_04

 アメリカのカリフォルニア州サンディエゴで開催中のComic-Con International 2014(コミコン)で、映画会社によるVRアトラクションが続々登場ということはすでにお伝えしたが、記事中で紹介した映画「パシフィック・リム」のVRアトラクション「Pacific Rim: Jaeger Pilot」を体験してきたので、その模様をリポートする。

 アトラクションを体験するにはブースで配布される時間指定つきのチケットが必要。朝の開場前に入場待機列に延々と並べばまぁ手に入るかな……というプラチナチケットとなっている(それでも手に入ったのが最後の回)。

 デモの前にはまず、コミコンのパスを元にパイロットの実名入り身分証を作ってくれる。そして説明を受け、Oculus RiftのDK2(第2世代開発キット)を被ればいよいよスタートだ。

いざドリフト! あぁヤンシー兄貴がやっぱり……。

「パシフィック・リム」主人公機ジプシー・デンジャーのVRシミュレーターに乗ってきた! ワーナーブースでは超巨大竜巻をVR体験【Comic-con International 2014】_05
▲参加すると名前入りの身分証をくれる。これで俺も今日からペントコスト司令官が上司だ!

 アトラクションは「パシフィック・リム」の戦闘ロボット“イェーガー”のパイロットシミュレーターという体裁になっており、起動直後は視界が黄色っぽいジェルで包まれている。そしてジェルが透明化されてドリフト(イェーガーとのシンクロ作業)のシミュレーションがスタートすると、横にもうひとりのパイロットがいるのがわかる。主人公ローリーの兄であるヤンシー・ベケットだ!

 というわけで乗っているのは主人公機ジプシー・デンジャー。ヤンシー兄貴が映画まんまの所定の動作でシーケンスをこなしていくのだが、これがカッコ良くて思わず一緒にやってしまう(モーションコントロールは入っていないので意味はない)。

 起動完了すると、夜の海でカイジュー“ナイフヘッド”との戦闘に突入! 大ダメージを与え、沈んでいくナイフヘッドを見て「やったぜ!」と喜ぶヤンシー兄貴。しかし体勢を立て直したナイフヘッドにコックピットをブチ破られ、続く二撃目でナイフヘッドに持って行かれてしまう。
 原作通りの悲劇を目の当たりにし、体験者が「カイジュー許さん!」となった所で「(続編が公開予定である)2017年を待て!」とドドーンと表示されてアトラクションは終了。

 デモを開発したのは、VFXスタジオのReel FX。ILMが映画のために作った素材を活用し、Unreal Engine 4で開発を行っているだけに、質感などは「そうそうこういう感じ!」という間違いない仕上がり。視界以外のコントロール要素がないのがやや残念だが、ファン向けのアトラクションとしては十分な出来であり、これを体験して続編を映画館に見に行かない人はいないんじゃないだろうか?

CGと引き換えにギミックたっぷりで出来は良かった「イントゥ・ザ・ストーム」

「パシフィック・リム」主人公機ジプシー・デンジャーのVRシミュレーターに乗ってきた! ワーナーブースでは超巨大竜巻をVR体験【Comic-con International 2014】_03

 「パシフィック・リム」は無事体験できたものの、「X-MEN: フューチャー&パスト」のプロフェッサーXデモは、デモ機が1台しかないためにチケットがさらなるスピードで瞬殺されており、残念ながら体験できず。

 しかしワーナーブースでもVRアトラクションを発見! これは日本でも8月22日より公開される映画「イントゥ・ザ・ストーム」のプロモーション用のもの。超巨大竜巻に遭遇して大変なことになるパニック映画だけに、内容はもちろん「超巨大竜巻に巻き込まれる」というもの。

 デモは、映画のトレイラーにも登場している排水溝のような場所に避難して、3人で外の様子を伺っているところからスタート。CGはちょっと安っぽいが、このデモの本領はそこじゃない! 体験者の周辺にサーキュレーターが仕込まれていて風が吹きつけられており、台風接近中の不安な感じが蘇る。そして風が強くなっていくと、クルマがすっ飛んできたり、周囲がぶっ壊れたりするたびに、連動して体験者が座っている箱が振動! 最後は案の定、竜巻に掻き出されてすっ飛んでいくところで終わるのだが、視覚体験だけでなく皮膚の感覚も足しているので、臨場感は高い。ひとつ残念だったのは、プレイヤーの見ている映像にリアクションをワイプで入れた映像を自動で生成し、体験後にシェアできるとのことだったのだが、今URLを開いてみたらいまいちちゃんと見られないこと。うーん残念!

 でも「パシフィック・リム」が“本物の素材、本物のシーン”の正攻法で攻める一方、「イントゥ・ザ・ストーム」はライドとしてのギミック勝負になっており、どちらもそれぞれ違った良さがある。今年ですでにこの感じなら、今後VRアトラクション開発の蓄積が進むことで、映画会社のPRにもっと大々的に使われる可能性も出てくるのではないだろうか?

「パシフィック・リム」主人公機ジプシー・デンジャーのVRシミュレーターに乗ってきた! ワーナーブースでは超巨大竜巻をVR体験【Comic-con International 2014】_02
「パシフィック・リム」主人公機ジプシー・デンジャーのVRシミュレーターに乗ってきた! ワーナーブースでは超巨大竜巻をVR体験【Comic-con International 2014】_01
▲サーキュレーターが仕込んであって、風に吹かれまくり。臨場感が増す!

(取材・文・写真:ミル☆吉村)