てんこ盛りの充実な内容です

 2014年7月24日(木)~27日(日)、アメリカ・サンディエゴのコンベンションセンターにて、エンターテインメントの祭典“Comic-Con International 2014”(略称:コミコン)が開催中だ。

 アメリカに来るとしみじみ思うのが、『Halo』というブランドの絶大な人気だ。開催2日目にあたる25日には、朝いちで “Halo: The Master Chief Collection Producer Panel”が実施されるというので、気張って1時間前には会場に到着したところ、すでに途方もない長蛇の列が。やっぱりXboxというハードにとって、『Halo』 がいかに特別なタイトルかということがわかる。パネルのテーマとなったXbox One用ソフト『Halo: The Master Chief Collection』は、まさに『Halo』ファンのために用意された1本と言える。同作には、『Halo: Combat Evolved Anniversary』、『Halo 2: Anniversary』、『Halo 3』そして『Halo 4』と、歴代シリーズが収録。さらに、映像特典として『Halo: Nightfall』が楽しめるという(⇒関連記事はこちら)、極めてお得なソフトだ。セッションでは、そんな『Halo: The Master Chief Collection』の魅力を、343 Industriesのシニアプロデューサーのデニス・ライズ氏とフランチャイズ・ディレクターのフランク・オコナー氏、サーティンアフィニティー社のプレジデントであるマックス・ホバーマン氏、そしてブラー社のフランク・バイソン氏らが語った。

『Halo: The Master Chief Collection』は、“マスターチーフサーガ”を堪能するためにきめ細かい配慮の行き届いたファン必携の1作【Comic-Con International 2014】_06
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▲登壇したパネリストの面々。上段左から343 Industriesシニアプロデューサー、デニス・ライズ氏、右がサーティンアフィニティー社のプレジデント、マックス・ホバーマン氏。下段左からブラー社、フランク・バイソン氏、343 Industriesのフランチャイズ・ディレクター、フランク・オコナー氏。

 デニス・ライズ氏らの説明を聞いて実感するのは、『Halo: The Master Chief Collection』の遊びやすさ。本作では、『Halo』から『Halo 4』まで、すべてのゲームにアクセスしやすくなっており、各ゲームへのアクセスはひとつのUI(ユーザーインターフェース)で行える。さらに、すべてのステージは最初から開放されており、いきなり途中のステージから遊ぶ……といったことも可能だ。さらに遊び勝手をよくしているのが“プレイリスト”で、たとえば、「ビークルだけ登場するミッションを遊ぶ」といった具合に、テーマごとに用意された“プレイリスト”を楽しむことができる。さらに、“クロスゲーム”として、4作を横断してテーマごとにプレイすることも可能だ。

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▲『Halo: The Master Chief Collection』のインターフェース。コンテンツが豊富にあるぶん、さくさく進められるような工夫が凝らされている。

 さらに『Halo: The Master Chief Collection』では、追加要素も充実している。実績は新たに4000(!)を追加。これはいままでで最大のポイントで、実績マニアにはうれしい追加と言える。さらにスカルも30以上用意されており、「ゲームプレイを変化させられるのでは?」とデニス・ライズ氏。『Halo』シリーズの世界観にさらに浸りたいという方には、『Halo: Nightfall』のほかにさらなるご褒美が。『Halo』~『Halo 4』までをつなぐストーリーが、シネマティックな映像で追加されるというのだ。制作を行うのはブラー社で、披露された美麗な映像を見た来場者からは、歓声ともため息ともつかぬ声が思わず漏れた。

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 シネマティックな表現に関しては、ブラー社のフランク・バイソン氏は「心がけたのは、追加要素がありつつも、オリジナルのよさを保つことです。シネマトグラフィー(映像の演出)に関しては、従来よりもセクシーかつ感情表現豊かなものにしたかったんです。映像は優に1時間以上の尺がありますので、ヒューマンとクリーチャーの感情をどう表現できるかに苦労しました」とのこと。映像のクオリティーは、トレーラーが公開されているので、ご確認いただくとして、「これがXbox Oneの映像の標準か~!」というのが偽らざる心境だ。

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▲シネマティックに関しては、オリジナルの素材をベースにしつつ、モーションキャプチャーやフェイシャルキャプチャー、アニメーション(動き)などを施すことでリアリティーのある映像を実現している。
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▲ジョンソン軍曹も実際の俳優さんを起用。顔をスキャンすることで、実物さながらの造形に!
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▲右がミス・コルタナ。ここまで変わりますか~というくらい変わった。シネマティックのためだけでも『Halo: The Master Chief Collection』を遊ぶ価値はある。
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▲オンラインプレイの象徴的なマップだった“Zanzibar(ザンジバー)”が復活。会場からは大きな歓声が。皆さん濃いなあ。

 さて、『Halo: The Master Chief Collection』の中で、ファンにとってもっとも注目度が高いのが、『Halo 2』。なぜなら今回、同作の発売から10周年ということで、『Halo 2: Anniversary』として、初リメイクが施されるからだ。『Halo 2: Anniversary』では、『Halo: Combat Evolved Anniversary』で好評だった、ボタンひとつでクラシックモードとリマスターモードを切り替えることが可能となっている。さらに、『Halo 2: Anniversary』の制作にあたっては、思わずうれしいプレゼントも。『Halo 2』でもひときわ人気が高かったマルチプレイヤーモードのマップ“Zanzibar(ザンジバー)”がリマスターされて復活するのだ。この“Zanzibar(ザンジバー)”を当時制作したのがマックス・ホバーマン氏。現在バンジースタジオを離れ、サーティンアフィニティー社を設立したホバーマン氏は、『Halo: The Master Chief Collection』における“Zanzibar(ザンジバー)”制作のために招かれたのだという。

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 “Zanzibar(ザンジバー)”の紹介から話題は昔話に及び、フランク・オコナー氏は「私は、2003年から『Halo』シリーズに参加しました。当時は、『Halo 2』のマルチプレイを作っている部署は大きいと思っていたのですが、マックスともうひとりだけで作っていて、“これは気違い沙汰だ”と思いました(笑)。あんなにすばらしいものをふたりで作れたのはすごい」とコメント。それに対してホバーマン氏も当時を振り返り、「当時、Xbox Liveはフレンドリストを見るために、一端ゲームを離れなければならず、原始的だと思っていました。何とか、ゲーム経験をオンラインに持っていきたいと考えていましたが、いままでになかったビジョンを理解してもらうのはたいへんでした。バンジー社内でも“マッチメイキングはうまくいかないのでは?”と疑問視されていましたから」という。ホバーマン氏は、バンジーの創業者のひとり、ジェイソン・ジョーンズ氏から、(1)キャンディマシンのように押せば必ずおいしいキャンディーが出るようにすること、(2)プレイを続けやすいようにすること、というふたつの方向性を指示され、ひとつのマッチが終わると、すぐにつぎのゲームがリストとして表示されるようにしたのだとか。

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▲プレゼンをしてくれた343 Industriesのシニアプロデューサーのデニス・ライズ氏(右)とアシスタント・プロデューサーのアイザック・クリスティン氏(左)。

 マルチプレイ用のマップが、PC版も合わせて100以上も用意されているという本作。それだけたくさんあると、いったいどれで遊べばいいのか悩んでしまいそうだが、そんな記者の素朴な疑問に、パネルディスカッションの後で行われた個別セッションで、デニス・ライズ氏は答えてくれた。『Halo: The Master Chief Collection』では、“チームスレイヤー”や“キャプチャー・ザ・フラッグ”など、最初に遊びたいルールを選べば、あとはそのルールで遊べるマップが人気の順に表示され、好きに選べるようになっているのだ。まさに痒いところに手が届く、きめ細かい配慮に満ち溢れているのが『Halo: The Master Chief Collection』だと言えるだろう。「ノスタルジーと新しさが感じられる作品に仕上がっています」(ライズ氏)という『Halo: The Master Chief Collection』。『Halo』ファンの心をくすぐる必携の1作だ。

(取材・文 編集部/F)