さすが『レフト 4 デッド』を作ったスタジオ、ひと味違う出来!

モンスター対4人のハンター。怪物のパワーが蹴散らすか、コンビネーションが勝つか? FPS『EVOLVE』が非対称マルチプレイの新たな可能性を切り拓く【PAX EAST 2014】_01

 ボストンで開催中のPAX EAST 2014で、ひときわ目立っていたのが2K Gamesのブース。巨大モンスターがドカンと鎮座するのは、『レフト 4 デッド』を手掛けたタートルロックスタジオの新作FPS『EVOLVE』の試遊スペースだ。

 本作は5人のプレイヤーが一体のモンスターと4人のハンター軍団に分かれて戦う、マルチプレイ対戦ゲーム。
 PAXデモは日本で先だって国内プレス向けに行われたものと恐らく同内容で、ハンターがモンスターを狩るか、モンスターがハンターを全滅させるか、またはハンター側の施設を破壊するかという“ハント”モードがプレイ可能だった。
 というわけで、詳細は2月掲載の記事を参照してもらいつつ、今回が初見となる筆者の感想をお伝えすると、本作の非対称なマルチプレイが生み出す戦いの流れがグッと来る!

 モンスターが成長による圧倒的パワーでハンターを蹴散らして目標を達成するか、逆にハンターがそれを食い止めるか? モンスターはスタート時点は小さいが、ハンターの追っ手を逃れつつ、野良の動物やクリーチャーを捕食することでレベルアップし、次第に巨大になり、特殊能力を身につけていく。

 最初はモンスター側がそこまで強くないため、ハンターの追っ手をかわしながら小動物を倒していくという静かな立ち上がり。それがモンスターが強くなるにつれて大技が飛び出し、クリティカルヒットを食らったハンターが追撃によって一気にダウンまで持ち込まれる豪快な展開になっていく。
 この「足あとなどを手掛かりにモンスターを見つけて、やれる内にやっておきたい」というハンターと、逃げながら逆襲の機会を着々と狙うモンスターの攻防、その果てにやってくる、狙うものと狙われるものが逆転する瞬間がたまらないのだ。
 しかも、倒されたハンターは一定時間ごとに再投入されるので、勝負に出たモンスターがハンターをギリギリ倒しきれず、再投入で形勢が再逆転するといった展開もアリ。人数も能力も非対称だからこそ、機を逃すと命取りになりかねないというのが面白い。

モンスター対4人のハンター。怪物のパワーが蹴散らすか、コンビネーションが勝つか? FPS『EVOLVE』が非対称マルチプレイの新たな可能性を切り拓く【PAX EAST 2014】_02
▲『ギアーズ オブ ウォー』シリーズを手がけたことで知られるクリフ・ブレジンスキー氏もプレイ。ちなみにモンスターを使って暴れまくるも、ひとり逃したのがアダとなり、結局最後狩られてしまって苦笑い。

 成長しきったモンスターはハンター側から見るとデカく機動力も高くて超怖いのだが、逆に効率良くカバーし合って攻めてくるハンター集団にブチ当たった時のモンスターもなかなか辛く、エイヤッと思い切って「とりあえずメディック(回復役)から倒すか!」と追おうとしたら、追跡・捕獲が専門のトラッパーのハープーンガン(拘束能力がある)を打ち込まれ、ジャンプがメディックの場所まで届かずフルボッコ、みたいなこともある。

 とりあえず現状ではコンセプトの面白さはバッチリ感じられるので、前世代における『レフト 4 デッド』級の名作になれるかは、マップやモードなどで戦いのバリエーションをどう出していくか、定石が発見されて一方が圧倒的不利なことにできるだけならないよう、どうバランス調整を進めていくかといった部分が焦点になりそうだ。ぜひ今後の開発に期待したい。(取材・文・写真:ミル☆吉村)