今年は一般公開日が2日間も!
海外でも高い評価を集めている、日本のインディーゲームの数々。そのインディーゲームを、広く世界へと発信していくことを目的にスタートした“BitSummit”だが(※2013年の様子はこちら)、最近のインディーゲーム市場の急速な拡大もあり、今年の“BitSummit 2014 -京都インディーゲームフェスティバル-”は、3月7日~9日(7日はメディアデイ、8・9日はパブリックデイとして一般公開)の3日間、会場も京都・みやこめっせという大きなホールで開催されることになった。
今回は、じつに100以上のインディーゲーム開発者・社が出展し、また、インディーシーンを代表するクリエイターやミュージシャンが、さまざまなセッションを展開する。ここでは、3月7日のメディアデーに行われたステージイベントの模様を中心にお届けしよう。
10時からはオープニングセレモニーが行われた。ステージには、頭に乗せたファミコンに挿したゲームソフトの音楽を再現するという、独特のスタイルで人気のサカモト教授が登場。京都ということで『スーパーマリオブラザーズ』の曲で華々しく幕を開けた。続いて、実行委員会委員長であるJames Milkie氏、京都府副知事・山下晃正氏、KYOTO CMEX実行委員長・(株)トーセ 代表取締役社長・齋藤茂氏らがステージ上に。山下副知事は「BitSummitという名前ですが、ビットコインのようになくならないように」と切り出し、会場の笑いを誘う。そして「ゲームにもつながると思いますが、来年は“琳派(りんぱ)”というデザイン運動が京都で始まってから400年になります。最初は眉をひそめられた“琳派”も、いまや京都は“琳派”の街や、と言われるまでになりました。この会場にいる人が、のちにいまの産業を支えていると言われるまでになってほしいと思っています」と語った。
水口哲也氏が半生を振り返るセッションからスタート
会場には出展者によるブースはもちろん、さまざまな内容のセッションが行われるステージが用意されており、その模様はニコニコ生放送で中継されている。ぜひ、会場の熱気を体感してほしいところだが、どうしてもいけないという遠方の人は、動画をみるのもいいかもしれない。
“BitSummit”生みの親ともいえるJames Milkie氏は、「去年のBitSummitから一年が経ちました。ここ数年、日本のゲーム業界は元気がない、などと言われますが、2013年は少し違った一年だったと思います。“BitSummit”をはじめとして、『Mighty No.9』や『Project Phenix』、『LA-MULANA』のように、インディーズのゲームクリエイターがKickstarterで成功したり、Indie Streamの開催など、インディーゲームがムーブメントとして、とても活発な一年だったと思います。こうした動きは、海外にも伝わっており、“日本のインディーズは熱い”と注目されています。インディー=アマチュアではありません。インディーとは、余計な不純物を取り除いた、純粋にモノづくりに挑む姿勢だと思います」とBitSummit開催の意義を語ってくれた。
メディアデイのセッションで、最初にステージに登壇したのは水口哲也氏。“Independent D.N.A”と題したセッションでは、自身がゲーム作りに費やしてきた四半世紀を振り返るかのような内容だった。「インディーとは別に会社を辞めて独立するとか、そんなものではなく、どのようにしてイノベーティブなものを作ったり、生み出すかということ」(水口氏)。その水口氏がもっとも影響を受けたものとしてふたつ上げたのが、『The Society of Mind(心の社会)』(著:マーヴィン・ミンスキー)と、ショートフィルム『Powers of Ten』(Charles and Ray Eames)。一見ゲームとは接点がなさそうだが、心理的な考えかたやモノの見方など、つねにゲーム作りの根底に影響を与えてきたものなのだそうだ。「“Independent D.N.A”とは、“Why?”からものを考える。そして、ジャンルから作ろうとせず、つねに人間の本質を見極めることが大事だ」として、セッションを締めくくった。
ステージではつねにセッションが!
メディアデイの初日、ステージでは、10時の開場から立て続けにトークセッションやライブが行われていたのだ。おかげで、記者はほぼステージに張り付いていたため、出展ブースはほかのスタッフにまかせっきりになってしまった。
ニンテンドー3DS用ダウンロードソフト『蒼き雷霆 ガンヴォルト』が初披露された、稲船敬二氏(&インティ・クリエイツ)の特別講演や、具体的な数字が満載だったKickstarterなどのステージセッションは、追って詳しく紹介する予定だ。
“BitSummit 2014”は、3月8日・9日が一般公開日となっている。入場料500円で、いまいちばんホットなインディーシーンを、みずからの目で体験してみよう。
<BitSummit 2014>
会場:京都・みやこめっせ
開催スケジュール:3月8日(土)12:00~19:00.3月9日(日)10:00~17:00
入場料:500円