ベセスダ・ソフトワークスのオンラインRPG『The Elder Scrolls Online』のPvP戦に参加したリポートをお届けする。

 前回のリポートでは、タムリエルをソロで冒険した様子をお届けしたが、今回はメディア向けに2回行われた、Lv10から参加できるPvP(対人戦)の戦争モード“Alliance War”がメイン。
 本作でのタムリエル大陸は、皇帝の権威が失墜し、全土がEbonheart Pact、Aldmeri Dominion、Daggerfall Covenantという3大同盟によって分割されている状態。そして中央にあるシロディール(オブリビオンの舞台)が、各勢力に所属するプレイヤーによって行われるPvPの戦場となるのだ。

第1戦:まさかの不戦敗

『The Elder Scrolls Online』デモリポート――超広いシロディールで大戦争! ああDaggerfallよ永遠なれ(PvP編)_02
▲第1戦のあと。いろいろあって寝過ごしたらこうなっていた。第2戦のあとどうなったか後で出てくるので覚えといてください。

 と、2回行われたと書いたが、記者は思いっきり寝過ごしてしまい、第1戦をスルーしてしまうという事態に。
 慌ててクライアントを繋ぎ、メディア用の戦争“Bloodthorn”に入ってシロディールに行くと、我が主人公Niln(女オークのテンプラーナイト)が所属するDaggerfall Covenantはすでに大敗を喫し、バフ(補助効果)がかかるエルダースクロールは盗まれ、割とどうしようもない惨事。

 右上のマップで青いのが我らがDaggerfall軍の領地である。うん、ちょっと頭抱えるよね。
 でもどうしようもないので、兵どもが夢の跡とばかりに誰もいなくなったシロディールで、とりあえずNPCからミッションを受けてこなしてみたり。そう、シロディールは単に対人で殴りあうのではなく、偵察ミッションなども用意されていて、目的の場所に辿り着くだけで、本モード専用のAlliance Pointが貰えたりするのだ。

『The Elder Scrolls Online』デモリポート――超広いシロディールで大戦争! ああDaggerfallよ永遠なれ(PvP編)_01
▲Alliance Pointという専用のポイントがあり、活躍を通じて獲得することができる。ポイントはランキングの順位に反映されるほか、攻城兵器の購入などに使える。

 偵察という名目で誰もいない戦場を歩き、ところどころNPCの敵兵(砦などの施設には、その勢力のNPC兵士が配備される)に見つかって追われたり、キノコ採集なんかもしつつ歩いてわかったのは、シロディール超デカいということ。
 先ほどのマップ画像を見ると、ほぼ一定間隔で砦が置かれているのがわかると思うが、この一個一個の間隔が、普通に走りっぱなしで分単位の時間がかかるレベルだ。しかも起伏も結構あり、山を迂回していくとほぼ必ず通らなきゃいけないようになっている谷間の場所なんかもあって、「あぁ、ここを進軍してくる敵を待ちぶせたりするんだろうなぁ」という感じ。
 従って、快適に移動するには馬に乗るか、ワープポイントを使うのがベストなのだが、記者は馬を買えるほどお金を持っていないし(結構高い)、敵の砦までワープできるわけでもないので、まぁ徒歩で頑張った……もう誰も戦ってないので偵察というか、お遍路の気分で。

第2戦:僕らの2時間戦争(なおDaggerfallは)

『The Elder Scrolls Online』デモリポート――超広いシロディールで大戦争! ああDaggerfallよ永遠なれ(PvP編)_03
▲シロディールではバフがかかって強化される。所属国が砦をいっぱい確保していればもっと、皇帝になればさらに……。

 それから数日後。第2戦の日がやってきた。死亡時に周囲にダメージを与える自爆スキルなども取り(すでにネガティブ)、ポーションとスタミナ料理を積み、突っ込んでいくプレイヤー用(Assault)と守るプレイヤー用(Support)と2種類あるPvP用のスキルを眺め(自分が取るというより、相手が持っていたらヤバいものがないか確認)、準備は万端。

 しかし人が見当たらねぇ。シロディール広すぎるのである。テキトーな英語でチャットウィンドウに「Daggerfall民ハドコ行キャイイノ」と聞くと、すぐさま「Fort Glademistを攻めるからこの砦に集結しろ!」という力強い言葉がどっかのグループから返ってきた。おお、こやつらAldmeriから砦奪還するつもりじゃん。

 そして皆が集結し、出陣! 草原をみんなで一気に駆けていき、まずは目標の砦付近の施設をサクッと襲撃。施設には農場・鉱山・製材所があり、それぞれ衛兵・壁・門が強化されるので、潰しておくに越したことはない(全部奪うと砦へのテレポーテーションも不可能になる)。

 そのままの勢いで目指すはFort Glademist。NPC兵が倒され始めると、異変に気付いたのだろう、Aldmeriプレイヤーが続々と出てくる。
 記者のキャラクターはそんなにレベルが高くないので前線に出過ぎないように注意しつつ、範囲回復したり、仲間からはぐれたプレイヤーにスキルで連撃とDotダメージを一気に与えてキルしたり。楽しい! 両軍総勢で4~50人ぐらいはいたんじゃないかと思う(まぁ、Aldmeriにとっては数ある前線基地のひとつでしかないのだが)。

 周囲の敵を倒したら、各プレイヤーが用意していた攻城兵器も投入され始める。城壁の上にいるプレイヤーから魔法攻撃が降ってきたりする中、城門の攻略にとりかかり、専用の攻城兵器Ram(破城槌)で打ち破りにかかる……。

『The Elder Scrolls Online』デモリポート――超広いシロディールで大戦争! ああDaggerfallよ永遠なれ(PvP編)_04
▲兵站が伸びきった所を叩く! 反抗作戦としてFort Glademistに戦力を集結させた俺達Daggerfall民。砦外にいた兵を蹴散らし、攻城兵器で扉を破って突入だ!

 途中、超強力な範囲攻撃(多分誰かのアルティメットスキル)で突如城門付近のDaggerfall兵が一気に死亡するサプライズなどもありつつ、最終的に門を破壊することに成功。一気にみんなで雪崩れ込む。ああ祖国Daggerfallよ、これがAldmeriに下す最初の鉄槌である……。

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▲ついにこじ開けた! ランクも昇格! 俺たちの戦いはこれからだ!

 と、我がDaggerfallの快進撃はそこまで。砦内の攻略に手間取り、見事撃退され、攻撃目標を変えて案の定失敗したあたりでタイムアップ。今回はエルダースクロールを一個守り通したが、その間に本拠地手前の砦まで一時奪われる有り様(なんとか奪還)。

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『The Elder Scrolls Online』デモリポート――超広いシロディールで大戦争! ああDaggerfallよ永遠なれ(PvP編)_07
▲そして終戦。大正義Aldmeri。ランキングもトップ20が全部Aldmeriで、インペリアルシティ付近の砦6つも完全占拠で多分ボーナスがすごいことになってるハズ。Ebonheartは中央最北の砦だけ取り返したらしい。

まとめ:これまでのTESで歴史としてのみ語られてきた勢力間の戦争が実現

 そんな感じに結局はお通夜状態となった我がDaggerfallだが、大規模PvP自体は楽しかったし、参加してみて色々わかったこともあった。

・普段はソロプレイヤーでもグループに
→シロディールは広い。同じ場所を攻めるにしても、タイミングと攻撃する方角が揃わないとなかなか厳しいので、普段はソロで冒険していても、戦争時はグループに参加するように。チャットで呼び掛ければ大体招待をくれる。文面も大体チャットに飛び交っているのでそれを参考にすればオーケー。
・範囲スキルに注意
→モンスターとの戦い同様、敵のスキルは赤いエリアで範囲が示される。見えた時は回避。
・やっぱりPvPスキルもあったほうがいい
→基本的に近くの仲間に効果を発揮するスキルが多いので(例:自分と10メートル以内の仲間に17秒間シールドを張り、遠距離攻撃と攻城兵器を20%防ぐ)、広いフィールドではあまり関係がないが、突入時などプレイヤーが集団になる場所では違いとなって出てくる。
・前線キャンプがある時は活用すべし
→復活時は復活する場所を選べるのだが、建物攻略中は前線キャンプで復活するように。なぜなら自軍の陣地から行くと遠いから。前線キャンプが消滅している時は地形をよく見てダッシュ。
・攻城兵器の投入タイミングを見誤るな
→建物にダメージを与える攻城兵器だが、敵兵の排除中で全員が集中できない時などに投入しても、最大効果を発揮できない。現場でリーダーになっているプレイヤーが号令をかけるまで待とう。
・魂石やポーション大事。
→死亡後にまだ復活していないプレイヤーは、魂石を使って復活させることができる。ポーションや持続効果のある料理ともども、十分に準備しておきたい。

 感想としてはやっぱり大規模な戦いが面白いし、何よりこの戦いが無意味なものではなく、3大勢力による乱世の時代に身を投じるというストーリー的な意味合いも持っているのがいい。
 また、普段のエルダースクロールズタイトルでは勢力間の戦争は歴史として語られるに過ぎないが、本作ではうまくプレイヤーをまとめて勝利すれば皇帝の称号も一時的に手に入る。

 今回は参加者限定のテストであるがゆえにちょっと戦力がアンバランスになっていた気がするけど、最高を追求するプレイヤーはもちろん、タムリエルの歴史上の人物になってみたい人も、こりゃあ参加するしかないんじゃないでしょうか。(文・編集:ミル☆吉村)