チームバトルに向けて、マルチミッションモードに篭る!

 友人のガチゲーマーたちに「すぐ買え! そして戦え!」とチームバトルをふっかけたら快諾してくれたものの、「昨日から始めました」、「まだキャラクター全然出てないです」という駆け出しの戦士たちが多いため、先行してプレイしていた筆者と編集のまじん氏(筆者の格闘ゲーム仲間の一人)でマルチミッションモードをお手伝いすることに。筆者とまじん氏のふたり+CPUふたりでプレイしていたときに壁として立ちはだかったパーフェクトセルに挑むミッションも、意思疎通のとれる4人でやってみると驚くほど楽にクリアーできました。先輩風を吹かしながら「まぁ、こんなもんだよ」とでかい顔をしておきましたが、当時は、かめはめ波で一瞬で即死するCPUに、ふたりして本気で怒っていました。

 後半のミッションは、かなり難度が高いものもあるので、ひとりでのプレイに行き詰まってしまったら、マルチミッションモードに切り替えてみるといいかもしれません。どうしてもひとりでクリアーしたいという人は、クリリンや人造人間18号といった、回復に長けたキャラクターのパートナーレベルを上げて連れて行くのがオススメです。

『ドラゴンボールZ BATTLE OF Z』プレイインプレッション【後編】_01
▲筆者とまじん氏を苦しめたパーフェクトセルも4人パーティなら楽勝! ミッションは、回復役を入れておけば比較的楽にクリアーできます。

 マルチミッションを一通りクリアーして、皆が目当てのキャラクターを出し終えたので、次はキャラクター強化に使うカード集めに出発。本作は、多彩なカードでキャラクターを大幅に強化できるのもやりこみ要素のひとつなんです。本作はチームバトルの部屋を作る際にカードやアイテムの有無を指定できるのですが、多人数対戦ゲームなら、メチャクチャなほうが面白いのではないかということで、なんでもアリのルールで遊ぶことにしました。

 なんでもアリとなると、なるべく強いカードを揃えたくなるのがゲーマーの性。格闘や気弾の攻撃力を上昇させるカードは、+50までがミッションで手に入るようになっているので、これらを複数枚そろえるために、レアなカードが出やすくなる“ラッキーガール”のカードを2枚装備して、皆で何度もフリーザ軍団と連戦。フリーザやクウラと同時に戦えるこのミッションは、それほど難度も高くないため、効率よくカード集めができるんです。俗に言う物欲センサーが働いたのか、カードの集まりにはプレイヤーごとにばらつきがありましたが、50試合ほどこなした時点で、全員に能力上昇カードが行き渡りました。

 こうした能力上昇のカードに加えて、気弾を打ち出す数を増やすものや、特定の条件下に置かれると強化特典を受けられるといったものもあるので、カスタマイズを突き詰めていくとまだまだ時間がかかりそうです。目の前に迫っているインプレッション記事の締め切りがなければ、カード集めを延々とやっていたいところですが、記事掲載が一ヵ月後になりかねない勢いだったので、きりのいいところでミッションを打ち切って対戦をしてみることに。この時点で、丸一日かかっているんですが、さまざまな修羅場(2日徹夜でオンラインゲームや格闘ゲームを遊び続ける)などを超えてきた友人たちは、ハイテンションなままチームバトルモードへ突入。ボイスチャットを使うと、眠気を感じないところがこのゲームの恐ろしいところです。

『ドラゴンボールZ BATTLE OF Z』プレイインプレッション【後編】_02
『ドラゴンボールZ BATTLE OF Z』プレイインプレッション【後編】_03
▲カスタマイズに必要なカード集めは、RPGを1本やりこむくらいの歯ごたえ。プレミアムコレクションで週替わり販売されるカードに“+100”のものも確認できたので、さらに上を目指すということになると毎週のショップチェックが必須になりそうです。

いざ対戦へ!

 ミッションで手に入れたカードをお気に入りのキャラクターにセットして、いよいよチームバトルでの対戦が始まりました。素早くキャラクターセレクトを終えて待機していると、伝説の超サイヤ人 ブロリー、超サイヤ人ゴッド 孫悟空、パーフェクトセル……見るからに強そうな人たちが画面に並んでいきます。「18号ちゃんで頑張ります!」とか言っていた人も、魔人ブウ(純粋)とかを選んでいて、「支援タイプは火力が低そうなので」とか言っている始末。そう、本作のキャラクターは、格闘、気弾、支援、妨害の4タイプに分類されていて、格闘タイプは近接攻撃に、気弾タイプは遠距離攻撃にそれぞれ秀でていて、支援は回復や復活、妨害は相手の行動を邪魔する能力に長けているといった形になっています。息のとれたチームならまだしも、初めてチームバトルを経験する筆者たちに、支援を上手くこなせる団結力は備わっていないので、この選択は正解だったのかもしれません。

 筆者が使っている魔王ダーブラは、全キャラクターの中でも珍しい、気弾&妨害タイプに分類されるキャラクターなんですが、ミッションモードで使った感覚としては、妨害寄りの気弾タイプで直接的な攻撃能力は低め、どちらかというと協力プレイで活躍するキャラクターという印象です。

『ドラゴンボールZ BATTLE OF Z』プレイインプレッション【後編】_04
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▲支援、妨害タイプは、ミッションモードやチームバトルで輝く技が多いものの、一対一の殴り合いは苦手。

 対戦が始まり、僕がとった戦術は、強い人同士が戦っているところを横から美味しく必殺技でいただくという大変消極的なものです。対戦が始まる前に、不用意にボイスチャットで煽ってしまうと、皆から集中攻撃を浴びてしまうと考えたので、静かに魔王ダーブラを選び、さわやかに「皆強そうなキャラクターやなぁ」などと言っていた僕ですが、この駆け引きが功を奏したのか、遠くで超サイヤ人ゴッド 孫悟空同士が派手に殴り合っています。そこにプレイヤーの戦意をかきたてない程度に気弾を撃ち込んで、必殺技を放つためのSPゲージを稼いでいくという勝ちをバリバリに意識した静かな戦術で、少しずつアドバンテージを得ていきました……が、試合中盤で筆者の動きを察知した何人かにタコ殴りにされるという展開になってしまいました。ガードやステップで逃げ回ったものの、さすがにふたり以上で狙われると厳しいゲームです。筆者が殴られている間、仲間があんまり助けにこなかったような気がするけど、まさか謀略じゃありませんよね!

 チームバトルということで、なんとか勝つことができましたが、皆が不完全燃焼を訴えたため、そのままバトル続行。一回きりの真剣勝負と戦う前に決めたはずなんですが、気がついたら7時間近くいろいろなルールで対戦していました。チームバトルには、ふたつのチームに分かれて戦うノーマルバトル(相手チームのリトライ回数を削りきれば勝ち)、スコアバトル(制限時間内に相手チームをノックアウトした数を競う)、自分以外が全員敵になるバトルロイヤルという遊び方が用意されています。個人的に一番盛り上がったのは、自分以外全員敵になるバトルロイヤルモードですが、このモードでは魔王ダーブラの火力不足が目立ち、すぐに破壊神ビルスにキャラクターを変えてしまいました(笑)。

 ゲームモードによって、キャラクターの強さが変わるのも、本作の面白い要素のひとつです。ゲームの操作自体は簡単で、必殺技のコマンドなども共通なので、キャラクターを変えても、違和感なくすぐに遊べるのも嬉しいところです。

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▲1VS2の状況に陥らないように戦うのがオンラインバトルのセオリー。相手に攻め込まれたら、ガードからのステップで回避に徹しよう。必殺技が使える状態では、ガード状態から必殺技でカウンターを狙うのも有効だ。
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▲必殺技は、ヒットが期待できる状況で使っていきたい。混戦になっているところや、相手の攻撃をガードしたあとに素早く放つのだ。

『ドラゴンボール』ゲーム化作品の中で、新しい輝きを放つ本作!

 バトルを遊んだあとも、あのカードが欲しい、あのキャラクターを使いたいという声が次々にあがって、結局丸2日間、同じメンバーで本作を遊び続けていました。レビュー向きではないやや不健康な感想ですが、眠れなくなるゲームは良いゲームということで、面白さを伝えさせていただければと思います。

 多人数で遊ぶことに重きが置かれたこのゲームは、今までの『ドラゴンボール』のゲームとは遊びの方向性が大きく異なっていて、格闘ゲーム的な敷居の高さもありません。各種ミッションモードはまるで“狩りゲー”を遊んでいるような感覚ですし、キャラクターや装備、ちょっとしたテクニックを見せびらかしあいつつ戦うチームバトルは、昔熱くなっていたオンラインゲームのPvPのような熱さがあります。マルチミッションモードでキャラクターの装備をそろえて、対戦して……ちょっと物足りない能力を鍛えるために、マルチミッションモードにまた戻る……そんな流れを、ここ数日繰り返していますが、同じミッションを遊んでも、毎回新しい驚きに出会えます。そんなマルチミッションは、ひとりで飛び入り参加しても十分すぎるほど楽しめますが、ボイスチャットでコミュニケーションのとれるゲーム友達と遊べば、一味違った面白さが見えてきます。一緒に遊んで、話せる仲間がもっと欲しい! と強く思わされる作品に、久々に出会いました。

■著者紹介:浅葉たいが

インテリアデザイン会社所属のゲームライター。ロールプレイングゲーム、2D対戦格闘ゲーム、アドベンチャーゲームジャンルの記事製作、書籍企画などを手がける。趣味はアニメ、ゲーム関連グッズのコレクション。