1時間オーバーするほどの白熱会議!

 2014年2月1日、大阪のライブハウス“minami horie ZERO”にて、2014年夏発売予定のプレイステーション Vita用ソフト『フリーダムウォーズ』のプレコミュ(プレイステーションファンのための公式コミュニティサイト)イベント“緊急!レッツ開発会議!”が行われた。このイベントは、2014年1月26日に東京で開催されたものに続く2回目。ちなみに、プレコミュのイベントが大阪で開催されるのは初めてとのこと。「都市国家対戦があるんだから、東京だけではなく大阪でもやろうという話になった」(プロデューサーの吉澤氏)というきっかけがあったようで、初の2都市開催ということからも、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)の『フリーダムウォーズ』への気合が伝わってくるようだ。体験会の構成は、前回の東京と基本的に同じ。今回の記事では、イベントで発覚した新情報を中心に、東京と異なるポイントをピックアップしてお届けしていくので、東京でのイベントのリポート記事をまだ読んでいない方は、“こちらの記事”と合わせて、読んでいただければ、イベント全体の内容が伝わるはずだ。

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▲会場となったminami horie ZERO。
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▲minami horie ZEROは、ライブハウス。東京会場よりもスペースは狭かったが、店内の雰囲気などは、『フリーダムウォーズ』の世界観に合っており、より本作の雰囲気を醸し出していた。
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▲参加者の中には、『フリーダムウォーズ』のネイルアートをしてきた女性も!

 大阪では、前回と同じく、プロデューサーのSCE ワールドワイド・ジャパンスタジオの吉澤純一氏、原作、ゲームデザインを担当する、シフトの保井俊之氏、司会を務めるSCEJA プロモーション担当の林慶太氏の3人に加え、本作のディレクターを務める、ディンプスの塚本高史氏が参加。「塚本さんがいるディンプスさんは、大阪を拠点にしていて、『フリーダムウォーズ』の開発で非常に忙しくしてくださっているので、東京は参加できなかったんですが、今回は大阪での開催ということで、朝まで開発をして、ちょっと休んで来てくださいました」(吉澤氏)というエピソードからは、本作がまさに鋭意開発中ということが伝わってくる。

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▲吉澤氏。
▲保井氏。
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▲塚本氏。
▲林氏。
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▲超高機能汎用窓口係“プロパくん”。ライトの影響でちょっと怖い。

 最初に行われたのは、開発スタッフによる『フリーダムウォーズ』の紹介を兼ねたプレゼンテーション。吉澤氏は、「今回、プレコミュ初の大阪開催ということで、すごくないですか? すごいですよね! 僕、本当にうれしくて!」と、東京でも興奮気味に伝えていた喜びを、大阪でも爆発させていく。そして、本作のプレゼンテーションの本題へ……入る前に、東京でも行われた吉澤氏の小噺に。この小噺、実際はスクリーンにお題などを表示する、ちょっと凝ったものなのだが、なんと大阪ではその内容がすべて新作に! もちろん、スクリーンに表示されるスライドも一新されており、吉澤氏の気合(?)が感じられた。ちなみに、小噺に入る前の挨拶は、東京でも行われた「私、SCEのペ・ヨンジュンと申します」(吉澤氏)。ポカーンとする参加者に、「あれ、大阪はやっぱり笑いのハードルが高いなあ」と言い訳する吉澤氏だが、東京でもポカーンとされていたと突っ込むのは、野暮ってものだろう。前回のリポート記事に書いたけど。そして、小噺の本題はここから。以下、小噺。

・小噺1
吉澤氏 監視とかけまして、血の出た魚と解きます。
参加者 その心は?
吉澤氏 ウオッチ。

・小噺2
吉澤氏 奪還とかけまして、不良品と解きます。
参加者 その心は?
吉澤氏 取り返(替え)します。

 観客が「その心は?」と言う声が東京よりも大きいことに、「大阪、やさしい!」(吉澤氏)、「大阪人でよかったと思いました(笑)」(塚本氏)といった反応をしつつも、小噺の後は、東京と同様に、やっぱり妙な空気に。「いつものようにおもしろくない」とバッサリ斬る保井氏に続くように、プロパくんから「吉澤さん、自由奔放すぎる発言はPT法に抵触しています。よって、懲役100年を課します」と、プロパくんからも冷たいツッコミを受けていた。

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 東京と大阪で内容が異なるのは、当然小噺だけではない。プレゼンテーションの一部も、東京と大阪では異なっていた。吉澤氏が、本作の目的として“PS Vita流行(ブーム)を作る”と語るのは同じだったが、東京で言わなかった話として、なぜブームを作りたいのかについて言及。そもそも、吉澤氏は以前、『ポケットモンスター』シリーズで知られるゲームフリークに所属していた時期があり、『ポケモン』ブームを目の当たりにしたのだという。その後、別のデベロッパーに移ったところで、塚本氏の先輩にあたる、SNK(当時)のスタッフといっしょに『餓狼伝説 WILD AMBITION』を開発。SNKでも『餓狼伝説』や『龍虎の拳』といった作品で格闘ゲームブームの一翼を担っていたことから、自分でもブームを作りたいと思ったのだそうだ。

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 続く、『フリーダムウォーズ』の説明として、“懲役100万年”、“奪還のマルチプレイアクション”、“都市国家対戦”という3つのテーマを説明。世界観を説明する“懲役100万年”のテーマでは、新たに“ロウストリート”の説明が加わっていた。ロウストリートとは、プレイヤーである咎人(トガビト)たちが暮らす独房をつなぐ、巨大な通路。「やさぐれた場所。いろいろな奴が、ずっと自分を見ている。薄汚れていて不衛生な、ちょうどいい感じの雰囲気になっている」(保井氏)とのこと。「自分は懲役100万年なんで、もう増えないかと思いきや、ロウストリートに出ると、まあ怒られる怒られる」(塚本氏)、「ムダ口を叩いていると怒られるんです」(保井氏)、「ロウストリートを歩いていると、しゃがんでいる人がいるんですね。で、その人の頭の上を見ると、200万年という懲役の年数が書かれていて、どんだけ加算されとんねんと(苦笑)」(塚本氏)という話が出るように、ロウストリートには、監視する側の人間はもちろん、いろいろな咎人たちもいるようだ。ちなみに、懲役の話と関連して、「よく、“懲役がゼロになったらどうなるんですか?”と言われますが、その前に増えるんですよね。油断していると増える?」(吉澤氏)、「油断しちゃダメだし、権利解放もしなければいけない。権利解放をしないと、何をしても怒られるのが続くゲームです」(保井氏)、「権利解放で怒られなくできますからね」(塚本氏)と、まだあまり明らかになっていない咎人の権利解放の話題が出るも、「ここまでにしましょうか(笑)」(林氏)と、プロモーション担当からのストップがかかっていた。

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 咎人の監視役であり、戦闘の相棒ともなる、生体アンドロイドの“アクセサリ”に関しては、塚本氏から「男性のアクセサリにするとイケメンに見つめられ、女性のアクセサリにかわいい子に見つめられるようなプレイができます。チェック用のプレイをするときに、毎回、どんなキャラにしてプレイしようかと考えている」という、見た目のカスタマイズの幅広さを感じさせる話題が出ていた。また、ストーリーに関するキャラクターの話題では、「いままでアクション部分を中心にお伝えしていますが、こういったキャラクターと会話をしてドラマが展開するというところを早くお伝えしたい。近々発表したいと思っています」(吉澤氏)とのこと。今度の続報が出るタイミングでは、ストーリー性を感じさせる内容が明らかになるのかもしれない。

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 続いてのテーマ、“奪還のマルチプレイアクション”では、吉澤氏、保井氏、塚本氏がマルチプレイをしながら、プレイヤーは敵の人工アブダクターから、シヴィリアン(市民)を奪還し、救出するという内容の紹介が行われた。こちらも基本的な内容は、東京会場のものと同じ。説明の中で気になる部分をピックアップして、掲載しよう。

・市民を奪還すると、アブダクターは逃走経路を阻む。ふさがれないように、みんなでアブダクターの足止めをする必要がある。

・アブダクターは破壊すればするほど、武器を強化するためのいろいろな素材が手に入る。手に入る素材は、破壊した場所によって異なり、腕の先だけ破壊するのと、腕の根本から破壊するのでも、内容が異なる。

・市民にはそれぞれに性格が設定されており、戦場が怖くて、どこかに勝手に逃げていってしまう市民もいる。

・大剣はパワーキャラクターなので、相手の足を狙って攻撃して動かなくするといい。動かなくなって倒れたところを、「みんなでしばいていく」(塚本氏)。

・アブダクターを破壊して手に入ったアイテムは、拾ったプレイヤーだけでなく、同じボランティア(戦い)に参加した人、全員がもらえる。「あの人は取ったのに、私が取れなかった」ということはない。

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 プレゼンテーションの最後は、“都市国家対戦”。この説明として、吉澤氏が「“大阪が日本一のパノプティコンになるぞ! 東京をぶっつぶせー!”と、そういうゲームなんです」と話すと、塚本氏から「でも、東京と大阪では、人数で敵わないじゃないですか」と疑問を投げかける。それに対し、保井氏は「気合です!」とかわしつつも、「何かいい方法があると思いますが、それはおいおい」と語っていたことから、何か特別なルールなどがある様子を感じさせた。

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 その後、参加者による40分間の試遊プレイ。3人ひと組で、4人目にスタッフが入るのは東京会場といっしょだったが、吉澤プロデューサーのほか、シフトのゲームデザイナーである倉田誠氏、征矢健太郎氏も4人目のスタッフとして参加し、参加者による生の感想をもらいながら、いっしょにプレイしていた。

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▲試遊プレイの前に、みんなで揃って「レッツ貢献!」の合言葉。
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▲いっしょにプレイする吉澤氏。
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▲試遊プレイの後に、プロパくんが登場。記念撮影タイムに。東京よりも、いっしょに撮影をする人が多かった。
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▲ちょっと隠れるプロパくん。
▲突然、おもしろい効果音を鳴らされたりと、スタッフに遊ばれて怒るプロパくん。
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▲いつもの笑顔だけど、すごく怖く見えるプロパくん。
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 試遊プレイも終わり、参加者がプレイリポートを提出したところで、そのリポートや参加者の声をもとに、本イベントのメインである“緊急!レッツ開発会議!”に。この開発会議には、吉澤氏、保井氏、塚本氏に加え、前述の倉田氏、征矢氏も参加。東京と同じく、“三大争点”として、“操作性”、“ゲームバランス”、“ユーザーインターフェース”という3つのポイントをメインに話し合いが行われた。本記事では、議題とそれに対する反応などを箇条書きで抜粋してお届けしよう。

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▲倉田氏。
▲征矢氏。

●アブダクターの強さについて
・今回の試遊で遊べたボランティアは、ゲームを初めて1時間遊んだくらいで出てくるもののイメージ。
・全体の難度で言うと、8段階中の2段階目。
・「難しさにも、いろいろ種類がある。敵が強いのか、どういう風に市民を奪還するのかなど」(塚本氏)。

●カメラなどの意見について
・市民を助けた後、アブダクターを倒した後の、アブダクター再起動などの演出が操作の妨げになるという意見が多かった。
・東京でも意見が多かった点で、それを踏まえ、「対応しようと思っています」(塚本氏)、「ここ2日、3日で決まった。それくらい、いただいた意見をどんどん反映していきたい」(保井氏)

●槍の投擲など、溜め攻撃の溜めをしながら移動できないのを改善してほしい
・「検討する余地がありそう。槍はもっと使いやすくしたい」(塚本氏)、「アクション向上ということで努力します」(保井氏)

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●シヴィリアン(市民)に体力設定がなく、やられたりしない。市民を放置して、アブダクターをすべて倒した後で救出すればいいゲームになりかねないのでは?
・「このゲームの設計思想は、旗取りゲームの“キャプチャー・ザ・フラッグ”。本作で言えば、市民が動く旗。それがダメージを食らうようになって、守らなくてはいけないものがありすぎると、つまらないんじゃないかという観点から、市民の体力をなくしています」(保井氏)
・敵を倒した後に救出すればいいという話について。「こういうミッションくり返し系のゲームで重要だと思っているのが、クリアーするまでがおもしろいポイントで、クリアーした後にミッションをくり返すのはお楽しみポイント。毎回倒すだけだと辛いし、毎回助けるだけだと辛い。それが交互においしく遊べるゲームデザインにすることで、ひとつのミッションをいろいろ楽しめるようにしたい。それを目指して、倒すだけではないゲームデザインにした」(保井氏)
・「強い敵もいれば、意外と弱い敵もいる。“こんな敵、倒せるわけない、とりあえずクリアーを目指そう”という敵がいたら、“ほかのミッションで稼いで、この敵を倒せるようになってから倒そう”という流れになる。ミッションをまたいだゲームデザインというのが非常に重要で、それが『フリーダムウォーズ』の根本的設計思想です」(保井氏)
・「アイテムを集めたい、素材を集めたい場合は、とにかく敵を破壊する。クリアーボーナスをもらおうとするなら、なるべく早く市民を救って、護送機まで運んで、目的を早く達成する。プレイヤーの状況によって目的が変わるようにしています」(塚本氏)
・「ボランティアのクリアーの方法は、奪還だけでなく、敵の殲滅や、市民の奪い合いという、幅があるという話をお伝えするのかと思ったら、そもそもの設計思想の話だった(笑)」(吉澤氏)
・「よく開発現場で言われている話(笑)」(征矢氏)

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●銃の攻撃がアブダクターに当たっているのかわからなかった。銃の威力、エフェクトなどを改善してほしい
・「アブダクターは銃が効きづらい。このゲームは更新されて、アップデートされていくことがあるんですが、“銃ってステキだね”となることもある」(保井氏)
・「アブダクターは近接攻撃が効くという設計。銃は銃の使いどころがある設計になっている。アブダクターの攻略に使える銃もある」(保井氏)
・「小さい銃で派手なエフェクトが出ると、“そんなに効いているの?”と思ってしまう。ロケットランチャーなどもあり、そちらはエフェクトが大きいので、その差を出したい。小銃の効いていない感じを味わって、もっと大きい銃を使いたいと思うようにしたい」(塚本氏)
・「アブダクターはでかく、遠くからの攻撃でエフェクトも見えるようにすると、“どんだけ効いているんだ”となる。パーツを集めて武器をカスタマイズするという話をしているが、ちゃんとカスタマイズすると効いている実感が出るようになる予定」(塚本氏)

●ボタンのコンフィグはできるのか。方向キーでカメラの操作などがしたい
・「いろいろな操作タイプを検討している。方向キーでカメラ変更ができるものも入れようとしている。それ以外にRボタンで銃が撃てるシュータータイプなども。方向キーでカメラ操作ができるようになったら、それを遊んで、もう一度意見を出してほしい」(塚本氏)

●画面右上にあるレーダー、マップがあまり役に立たない
・「本作はフィールド全体を見て、ここで市民を助けようなど、ほかのプレイヤーとの位置撮りが重要になってくる。そうなると、もっとマップの重要度が上がるが、まだ使いづらいのかなと思う」(倉田氏)
・「ミニマップの有用性がまだ低い。マップじゃなく、画面上にアイコンを出すようにしたりと、開発で検討したいと思います」(保井氏)

●アブダクターのパーツを斬る溶断は、荊で張りついていないとできない?
・「溶断は張りついた状態で小剣を使って行うもの。小剣には、いろいろな種類がある」(塚本氏)
・「パーツを破壊するのは、張りついていなくてもできる。大剣などは、倒れている敵の一部に集中して攻撃すれば、パーツの破壊が可能」(塚本氏)

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●溶断で張りついている最中に、アブダクターからのジャマがない。振り払うようなアクションがあってもいいのでは?
・振り払う系のアクションは存在する。「張りつかれていると嫌がるという、振り払う行為の頻度も含めて、アブダクターそれぞれに性格づけをしている」(塚本氏)
・「ただ、序盤からそれを頻繁にやってしまうと、プレイヤーが、“張りつく行為はゲーム的に望まれていないのではないか”と思ってしまう可能性があるので、序盤はあまり嫌がらないようにしている」(塚本氏)
・「先に進むと、張りついていると剥がされるようになるので、張りつくチャンスを見出すというおもしろさが出る。アブダクターが走り回ったり、振りほどいたりするのを止める役、張りつく役と分担するゲームになる」(塚本氏)
・「荊ボタンを長押しすると、荊を地面に埋めるような荊チャージができる。捕縛用の罠みたいなもので、アブダクターがそこを通ると、ビリビリと痺れて動けなくなる。アブダクターがどんどん動きまくるなかで、そういった役割分担でチャンスを見出す構造になる」(塚本氏)

●アブダクターの体力は、プレイヤーの人数によって変動するのか、それともミッションごとの固定なのか?
・「人数による調整ではなく、ミッションで調整する構造。難しいミッションと簡単なミッションの入れ子構造にしている。いままでのゲームよりも、もっとマルチプレイをしてほしいと思っていて、それに見合う報酬を用意している」(保井氏)
・「アブダクターは宝箱のような構造を持っていて、いわば、おもてなしをする宝箱。腕の先から斬り落とすと1個、根元から落とすと2個手に入るといった構造があって、ユーザーにとっては最初は救うだけ、つぎは倒すだけと、段階に応じた宝を提供してくれる設計になっている。本作は、けっこう武器を強くしていける。ということは、どんどん楽になっていく構造なので、その際どれだけ素材が消費されるのかが大事。強大な宝箱(=敵)から、強大な宝が手に入ることを長く楽しんでいただきたい」(保井氏)

●PS Vita TVをメインに遊んでいるので、PS Vita TVを考慮した操作性、ユーザーインターフェイスにしてほしい。タッチスクリーン、背面タッチを使う場合も、PS Vita TVで遊びやすい代わりの操作を用意してほしい
・「吉澤プロデューサーからも、PS Vita TVの話を発表前に聞いていたので、そこを意識して、PS Vita TVでも楽しんでもらえるような仕組みを考えている。大丈夫だと思います」(塚本氏)

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●カメラ操作のデフォルトがリバースではない理由を知りたい
・「大きな理由としては、市場のニーズに合わせているということ。現状のゲーム業界では、画面に向かって正対に動くカメラ視点がデファクトスタンダード」(吉澤氏)
・「カメラ操作も含め、すべてコンフィグできて当たり前だと思っている。市場に合わせるというのは重要なファクターで、それで対応していないものはアップデート(編注:発売後のいわゆるバージョンアップ、アップデートではなく、開発途中で内容を更新していくということ)していき、コンフィグなどで追加していく。この開発会議の内容を反映していくことも、アップデートのひとつ」(保井氏)
・「何も考えていないわけではなく、市場に合わせるということは、僕らの重要なミッション。遊びたいという欲求を引き出すために、僕らは半歩先の遊びを提案したい。ただ、先に進みすぎて、一歩も二歩も先のゲームを作ると、多くの人がわからないものになってしまう。本作では、ただ敵を倒すのではなく、ボランティアの目標を取り返す、奪還するものにした。これが半歩先のこと。だから、それ以外の文化はみんなの知っているものにしたい。みんなが慣れているものを入れるというのが大事」(吉澤氏)。
・「オプションでしっかり変更できるように、ユーザー皆さんの好みで調整できるようにしている」(塚本氏)

●アクセサリが強すぎる気がする。咎人を監視する端末なのに、咎人がターゲットしていないものを攻撃するのは、設定的にもおかしいのではないか
・「戦闘アクションが苦手な方にも遊んでいただきたいという狙いがある。アクセサリは1体が全部を見ている。アクセサリを4人連れて行くと、カメラが4台あるようなもので、1体でもボランティアは発行されるようになっている」(保井氏)
・「現状はこの方針で作ることが戦争感を出せるもの、まわりの仲間たちといっしょにやっている感覚が出せるものだと思っている。あと、ある程度役に立ってくれないと、ユーザーさんがいらないものだと思ってしまうことが怖いので、チューニングのひとつとして検討させていただく」(保井氏)

●このゲームのダメージ計算について知りたい。某ゲームだと敵ごと、部位ごとに、切断、貫通、銃、剣など攻撃の通りやすさが設定されているが、このゲームもそうなっているのか
・「武器ごとにそういうカテゴリーを設定していますので、皆さんが想像しているような遊びかたはできると思います」(塚本氏)

●荊のマーカーは、カメラを動かすことでマーカーの位置を調整していますが、カメラを動かさずに、マーカーだけ動かしたい。その方法として、『GRAVITY DAZE』にあった本体の傾きで調整できるものがあると、微調整のときにとても便利だと思う
・「検討の余地があると思います。ただ、PS Vitaは携帯機なので、寝っ転がって遊んでいたり、横を向いて遊んでいたりするので、水平の調整は難しい。でも、作り手としてはやってみたい」(征矢氏)
・「考えていく課程のなかで、微調整をどうするかがポイントだと思う。確かに、別のデバイス、別の機能というのは、『GRAVITY DAZE』が優れていると思う。ただ、PS Vita TVの人がどうするかも問題。PS3のDUALSHOCK 3、SIXAXISならできるかもしれない。検討したいと思います」(塚本氏)
・「現状、カメラの操作に関しては、加速や減速などの柔らかさといった調整ができていない。開発者として、機能を追加したほうがいいのか、いまあるものを調整したほうがいいのか、ふたり(保井氏、塚本氏)の中で考えていると思う(笑)」(吉澤氏)

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●4人が集まるロビーが見にくい。キャラクターに対してカメラが近いということと、ロビー自体の装飾が寂しい印象がある
・「薄暗いのは世界観。ストーリーを進めていくときと、マルチプレイのときとで、ロビー内の配置が違う。本当はもっと人が……。マルチプレイ用に配置物を取っ払って、必要な情報だけにしている。でも、そういうことを言っていただけてよかったです」(塚本氏)

 まだまだ、意見を言おうと手を挙げている参加者は多かったが、時間が来てしまい、イベントは最後の締めのトークへ。ちなみに、予定時刻から1時間近くオーバーしていたようで、かなり濃密かつ白熱した開発会議になっていた。

征矢氏 熱い意見、ありがとうございました。東京でも言ったんですけど、皆さんの貢献を、我々は受け止めて、しっかり応えるという貢献をしないといけないなと思いました。ここからは東京では言っていないんですが、このゲームは、すごい地域性が大事なゲームで、東京の皆さんに貢献してくださいと、お約束したんですが、それに負けないように、大阪の皆さんも、合言葉で締めて……、いや始めていただければと思います。レッツ貢献! ありがとうございました!

倉田氏 本日はボランティアにご参加、ありがとうございます。先ほど、保井が「検討します」など、いろいろと言っていましたが、これはここだけの言葉ではありません。ずっと開発をしていると怖くなるもので、“難しくしたい病”、“ユーザーの気持ちわかっているつもりになる病”などがあるんですね。でも、ユーザーさんと触れ合ったり、遊んだ人の意見をちゃんと聞いて、自分たちのなかで忘れてしまったものを、リフレッシュできる環境があることに感謝しています。プロデューサーが、「祭りを起こしたい」とよく言っているんですが、大きな祭りには御輿をいっしょに担いでくれる人が必要です。こうやって今日来ていただいて、我々にとって心が痛くなることでも何でも言ってくださることが、とてもうれしくて。皆さんといっしょに担いでいけるだけの御輿を作って、『フリーダムウォーズ』というものをしっかり支えていきたいと思いました。本日はありがとうございました。

保井氏 プレコミュは、本当に気持ちのいい、いいイベントだなと思っています。容赦のない言葉をぶつけていただかないと、我々も成長しないというのが根っこにあって。それが愛情に根ざされているのがありがたいと思いました。いまいただいたものは、嘘偽りなく、開発の方と共有して、検討し、よきところに進めるように確約できると思います。今回、ビックリするくらい激アツで、こういうイベントはバンバンやるべきだなと思いました。ゲーム業界にこういうことをしなくなってしまったことが、開発とユーザーが離れてしまっていった原因なのかもしれないと痛感しているので、その絆を取り戻すべく、奪還マルチプレイアクションを、……ちょっといまうまいこと言いましたが(笑)、改めてちゃんとしなきゃいけないなと思いました。本日はありがとうございました。

塚本氏 いただいた意見のところにも、“みんなの意見を聞きすぎて、作りたいものが失われないようにしてほしい。作り手が作りたいものを作ってほしい”と書かれていて。まさに僕もそう思っていて。僕は、もともとアーケード畑で、ロケテストをしていたんです。ロケテストは、ゲームセンターに筐体を並べて、そこにお客さんがお金を入れてもらうところからがロケテストなわけです。それを草の陰から見守るんですが、ちょっと悪いところがあると、お客さんが筐体を蹴って、「おらー! 開発ー!」と言われてしまう。そういう、お客さんが気になっている部分がダイレクトに返ってくる文化で育ってきたんです。コンシューマだとそういう文化がなくて、僕らが作りたいものを作っているけど、どこが悪いかも感じにくくなってくるということをどうにかしたいと思っていたんですが、今回ソニーさんがこういう会を開いてくださって、皆さんから「ここはこう思っているよ」という意見をいただいたので、僕としては皆さんから「こら、開発! しっかりせい!」と言われたように思っています。なるべく、皆さんのいろいろな意見を取り込みつつ、一部は形は違うけど、こうしましたよといった対応でいいものにしたいと思っているので、これからも『フリーダムウォーズ』を応援してください。

吉澤氏 皆さん、今日は本当にありがとうございました! 僕、最初に言ったんですけど、皆さんと会って話すことが、超楽しみだったんですよ! 今日、皆さんは、応募をしてくださって、この場に来てくださって、僕らと会話をするためにプレイをして、アンケートを書いて、そこでどういうものがいいのかと考えて、伝えてくれて。そこまでゲームに対して情熱的に接してくれるのが本当にうれしいです。こういう場を皆さんと共有できたことが、本当に幸せです。僕らは、これからも必死になってゲームを作ります。この『フリーダムウォーズ』、最後まで皆さんの応援をいただきたいと思うので、これからもよろしくお願いします! 今日はありがとうございました!

 熱い熱いメッセージを届けた後は、東京の会場でも行われた、3つのニュースとして、“ポータルサイトが2月にオープン”、“2014年夏発売予定”、“期間限定体験版配信決定”を発表。ポータルサイトでは、裏話などを掲載するべく、開発スタッフに裏話を集めるようにお願いしているようだった。

 そして、ラストは開発スタッフみずから参加者のお見送りをし、プロパくん&ロゴ入りのトートバッグのお土産を手渡し。参加者はここでも言葉を交わし、「期待しています」、「楽しかったです」といった言葉を口にしながら、会場を後にしていった。

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 東京に続き、非常に熱いイベントとなった、大阪の“緊急!レッツ開発会議!”。期間限定体験版の続報はもちろん、今回の参加者の意見などがどう反映されていくのかも気になるところ。2014年夏の発売に向けて、これからいろいろな動きがあるはず。ファミ通.com&週刊ファミ通は、『フリーダムウォーズ』の動きを、逐一全力でお届けしていくので、ぜひ期待してほしい。

<関連リンク>
『フリーダムウォーズ』体験イベント“緊急!レッツ開発会議!”で見えた、本作の現状とこれから

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▲Twitterで、ハッシュタグ“#フリーダムウォーズ”をつけてツイートすると、開発スタッフに声が届くかも? レッツつぶやき!