『ポケットモンスター X・Y』が1,161万本、ほか国内外でミリオンヒットが多数登場するも……

 任天堂は、平成26年(2014年)3月期第3四半期決算短信を発表した。平成26年3月期第3四半期(2013年4月~12月)の連結業績は、売上高は4991億20百万円、営業損失は15億78百万円。ただし、2013年12月末時点で、保有する外貨建資産を、同日の為替相場で評価し直したことにより、481億円の評価益が発生したこともあり、経常利益は555億66百万円(前年同期比144.2%)、四半期純利益は101億95百万円(前年同期比△29.9%)となった。

 当第3四半期累計期間において、ニンテンドー3DS(3DS LL/3DS/2DS)では、2013年10月に全世界で同時発売した『ポケットモンスター X・Y』が1,161万本を販売。国内でも、2013年4月に発売した『トモダチコレクション 新生活』が182万本の販売になるなど、自社定番タイトルも順調に販売を伸ばしたほか、サードパーティーのタイトルからもヒット作が生まれ、好調に推移した。海外においては、2013年6月に欧米で発売した『とびだせ どうぶつの森』が期間内で279万本(全世界で352万本)の販売となったほか、欧州で2013年7月、米国で2013年8月に発売した『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー』が154万本(全世界で200万本)、2013年11月に欧米で発売した『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が185万本(全世界で218万本)の販売となるなど、年間を通じて自社有力タイトルを発売。この結果、国内市場においては前年に引き続きハード・ソフトとも好調を維持し、米国でも暦年のトップシェアハードになるなど勢いの改善が見られた。
 しかし海外市場の年末商戦期の伸びが限定的であったため、販売数量はハードウェアが1,165万台、ソフトウェアは5,725万本にとどまった。

 Wii Uでは、夏から年末商戦にかけて『ゼルダの伝説 風のタクトHD』、『Wii Party U』、『スーパーマリオ 3Dワールド』などの自社有力タイトルを発売し、それぞれミリオンセラーとなったものの、Wii Uビジネス全体の勢いを回復するには至らず、ハードウェアの販売台数は241万台、ソフトウェアの販売本数は1,596万本にとどまった。

 そのほか決算短信では、営業損失を計上した理由として、欧米における本体値下げの影響などによりWii Uハードウェアの採算が依然として厳しい状況にある中、利益率の高いソフトウェアの売上高が伸びなかったこと、為替がドル・ユーロとも円安となったことにより外貨建てで発生する費用を円に換算した際の金額が大きくなったことなどもあり、販売費及び一般管理費が売上総利益を上回ったこと、などが挙げられている。