リリースは2015年中頃、マルチプラットフォームでの配信を予定

植松伸夫氏らが参加するJRPGタイトル“Project Phoenix”がPS4/PS Vitaでのリリースも決定_01

 Creative Intelligence Artsが、クラウドファンディングサイトのKickStarterで“Project Phoenix”の出資募集を開始した。出資希望額は10万ドル。日本時間で9月11日の午後4時までに集まればプロジェクト成立となる。

 “Project Phoenix”は、プロデューサー・ディレクターを務める由良浩明氏を中心に、植松伸夫氏ほか、日本や海外で大作タイトルに関わってきたスタッフが力を合わせ、マルチプラットフォームのRPGタイトルを制作するプロジェクト。
 ゲームとしては、RTS(リアルタイムストラテジー)ライクな戦闘システムに日本のRPGのアートスタイルなどを組み合わせたものを目指しており、リリースは2015年中頃を予定している。

 プラットフォームは、Windows、Mac、Linuxを対象にSteamや公式サイトでのダウンロード販売を予定しているほか、iOSとAndroidにも最適化したものを配信予定。
 基本的にはシングルプレイのゲームだが、ストレッチゴール(希望出資額以上の金額に設定される追加目標)の達成時に、マルチプレイやCo-op(協力プレイ)を実装するといった構想もあるとのこと。
 それだけではなく、PC版とモバイル版の連動要素や、プレイステーション4などの家庭用ゲーム機への配信についても検討しているようだ。

植松伸夫氏も参戦! 国内外のゲームクリエイターによるJRPGプロジェクト“Project Phoenix”がKickStarterで出資募集開始_05
植松伸夫氏も参戦! 国内外のゲームクリエイターによるJRPGプロジェクト“Project Phoenix”がKickStarterで出資募集開始_09

 希望額として挙げている10万ドルの用途については、どうしても人手をかけた量産が必要になってくる3Dモデルの制作に主に充てる予定で、多くのスタッフは集まった資金から直接作業費を取るのではなく、自己資金(要は貯金や他の仕事からの収入)で開発に携わり、発売後に売上純利益を作業量ベースで分配する、いわゆるレベニューシェアの形を取っているそう。
 プロのフリーランス集団によるゲーム制作の利益分配法としてレベニューシェアが採用されるのは珍しいことではないが、十分に売れなかった場合、ほとんど報酬が得られないかもしれないリスクもある。そこをあえて「ユーザーの評価がそのまま報酬の形となって現れることこそ、本来の制作のあるべき形」と言い切って挑戦する本プロジェクトは、そのユーザー重視の姿勢の部分でも興味深い。実際、クラウドファンディングを利用することにしたのも、開発チームが早い段階からユーザーに情報を共有し、ともにコミュニティを動かしていくスタイルに惹かれてのことだという。

植松伸夫氏も参戦! 国内外のゲームクリエイターによるJRPGプロジェクト“Project Phoenix”がKickStarterで出資募集開始_02
植松伸夫氏も参戦! 国内外のゲームクリエイターによるJRPGプロジェクト“Project Phoenix”がKickStarterで出資募集開始_11
▲アートディレクターを務める新井清氏ほか、GONTARO氏(リードアーティスト)、TAKE-B氏(キャラクターデザイナー/モンスターデザイナー)など、アート面では日本の家庭用ゲームに関わってきたスタッフが名を連ねる。

 なお出資の見返りとしてゲームを入手できるのは、最低20ドルの出資で選択できる“PIONEER”レベルから(クローズドβへの参加権もセットになっている)。ただし、このPIONEERと、βより早いAlphaテストにも参加できる25ドル以上の“EARLY BIRD”、限定アイテムなどもつく35ドル以上の“FOUNDER”の3つはそれぞれ5000個限定となっているのでご注意あれ。

 公開後にすぐに1000人以上の出資者から5万ドル以上が集まっており、期日までに最低ラインである10万ドルは問題なくクリアーできそう。また、オプションとして近日中にPaypalを使った出資(KickStarterと比べると比較的日本から支払いやすい)もサポートされる予定だ。