迫力のBBC ERTHの映像を堪能、全自然界の“ベストヒッツ”が集う

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 イギリスの放送局BBCが自然番組制作に注力していることはつとにおなじみ。その驚異の映像は、世界中の多くの視聴者を魅惑してきた。過去50年にわたり、そんなBBCで過去50年にわたり制作された自然番組のコンテンツのブランドがBBC EARTHだ。この夏、BBC EARTHとセガがコラボしてのエンターテインメント施設が、横浜みなとみらいのMARK IS みなとみらいにオープンする。“Orbi Yokohama(オービィ横浜)”だ。セガとBBC Worldwide Limitedの共同プロジェクトとなるこの施設は、世界初となる“大自然超体感ミュージアム”。世界的に評価の高いBBC EARTHの映像を使っての施設ということで、世界的にも注目度の高いプロジェクトだ。ここでは、2013年8月19日のオープンに先駆けて本日(2013年8月7日)に行われた、プレス内覧会の模様をお届けしよう。

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▲BBC EARTHのプロデューサー/ディレクターのベン・ロイ氏。

 プレス内覧会の開催にあたってまず行われたのは、施設プレゼンテーション。最初にBBC EARTHのプロデューサー/ディレクターのベン・ロイ氏が登壇し、“Orbi Yokohama”設立の経緯を語った。ロイ氏はまず、「BBC EARTHでは、世界中のさまざまな自然や生き物を撮影してきたが、どんなに苦労して撮影しても、その結果が映し出されるのはTVだけだった。TVは自然の物語を伝えるにはすばらしいメディアだが、TVくらいのサイズだと自然界の大きなストーリーは伝えきれない」とコメント。BBC EARTHの映像に眠る真のポテンシャルを解き放ってくれるのが“Orbi Yokohama”だというのだ。「“Orbi Yokohama”の中を歩くのは、自然の中を歩くというよりは、全自然界の“ベストヒッツ”が一堂に会する中を歩くようなものです」と、その魅力を語る。

 引き続き登壇したのは、“Orbi Yokohama”のプロジェクトを主導した、セガ エンターテインメントパーク事業部 クリエイティブディレクターの長谷川敦彦氏。長谷川氏によると、今回のプロジェクトにあたり、セガとBBCとが目指したのは、シネマでも水族館でもテーマパークでもなく、新しい業態を開発することだったとのこと。そのため、大自然の神秘を全身で感じ、究極の没入体験を味わえる“大自然超体感ミュージアム”を目指したと、コンセプトを説明した。“Orbi Yokohama”ではふたつの強みが融合している、と長谷川氏は言う。ひとつめはテーマパークが持つ“思いきり楽しむ”、“疑似体験する”ということ。もうひとつが博物館が持つ“ノンフィクションの事実に基づく世界”、“知識を高め学習する”という要素だという。まさに、セガとBBC EARTHならではの施設と言えるのだろう。

 さらに、“Orbi Yokohama”館長の田井村勉氏は、「ファミリー三世代にわたって、多くのお客様にがんばっていただけるように、スタッフ一同準備を進めております」と抱負を語った。田井村氏によると、“Orbi Yokohama”はおもに3つのエリアから構成されているという。大小さまざまなコンテンツを通して、知らなかった地球を発見できる“EXHIBITION ZONE(エキシビションゾーン)”と、大型スクリーンで映像をお届けする“THEATRE 23.4(シアター23.4)”。そしてメイキング映像やショップなどが配置された“AFTER SHOW&SERVICES(アフターショー&サービス)”だ。

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▲セガ エンターテインメントパーク事業部 クリエイティブディレクターの長谷川敦彦氏。
▲“Orbi Yokohama”館長の田井村勉氏。

 とくに目玉となるのが、“THEATRE 23.4”。幅40m×高さ8mという、日本最大級の大きさのスクリーンを擁するこのシアターでは、BBC EARTHがこの施設のために制作した完全オリジナル映像を上映、大自然の真っ只中を再現した大自然の没入体験を味わえるようになっている。上映される作品は“ICE WORLDS(氷の世界)”。こちらは、氷に閉ざされた世界の北極と南極をテーマにした作品で、“アイスワールド”の四季が描かれる。巨大なスクリーンで再現される大自然は圧倒的な迫力で、さすがの臨場感といったところだ。シーンに合わせて実際に会場でも霧が湧き上がったり、風が吹いたりと体感的な要素も没入感を盛り上げる。プレス内覧会時は間に合わなかったが、実際には“匂い”の要素も追加されるとのことだ。なお、“THEATRE 23.4”での上映作品は、年に1~2回のペースで切り替わるとのことで、何度足を運んでも楽しめるようになっている。

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▲残念ながら写真ではその迫力はお伝えすべくもないが、とにかくスクリーンがでかい“THEATRE 23.4”。まさに臨場感たっぷり。

 一方で、“EXHIBITION ZONE(エキシビションゾーン)”では、大小12種類のエンターテインメント施設が用意されている。とくに充実しているのが、BBC EARTHの抱負な映像を駆使しての体感型アトラクションとでも呼ぶべき“EXHIBITION”。空撮映像により仮想飛行味わえる“EXHIBITION A 40,000”や、130万頭のヌーの大群の中にいる体験ができる“EXHIBITION B 1,300, 000”、世界最大のトカゲ、コモドドラゴンの生態をお届けする“EXHIBITION C 60”などが設置されており、地球の神秘に接することができるようになっている。さらには、-20℃の寒さを体験できる“EXHIBITION D -89.2”なども用意されている。“EXHIBITION E 10,994”は、深海の映像が上映されるエキシビションで、“EXHIBITION F 75”は、昆虫の世界をテーマにしたウォークスルータイプのエキシビションだ。

 ちなみに、“EXHIBITION”の名称の数字は、それぞれのコンテンツをモチーフにしている。たとえば、“EXHIBITION A 40,000”は、世界一周が40000キロだから付いたもの、“EXHIBITION C 60”は、コモドドラゴンの歯の数が60本であることに由来している。“EXHIBITION C -89.2”は、地球上でもっとも寒い観測気温が-89.2℃であるところからきている。

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▲130万頭のヌーの大群の中にいる体験が味わえる“EXHIBITION B 1,300, 000”。床が微妙に振動したりします。
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▲地球一周40000キロの旅ができる“EXHIBITION A 40,000”。大型湾曲スクリーンを駆使。
▲こちらは3D映像でお届けする“EXHIBITION C 60”。コモドドラゴンの映像が流される。もちろん、シートにも仕掛けが……。
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▲-20℃の寒さを体験できる“EXHIBITION D -89.2”。控え室(?)の0℃でも寒いと思っていたのだが、-20度はさらにすごかった。風速1mを-1度として、風速20mの風に見舞われる。笑っちゃうくらい寒い。
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▲カメラの認識機能を使って、等身大で表示されたCGの動物たちにタッチできる“アニマルペディア”。さわると動物に関するトリビアが出現する。
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▲“ベースキャンプ”は施設の中心にあるお休みスペース。ブロックが積まれた壁面にはプロジェクションマッピングにより映像が表示される(左)。同じく“ベースキャンプ”にあるのが“モーフィング・ストーン”。巨大オブジェにこちらもプロジェクションマッピングで生物が表示される。
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▲“AFTER SHOW&SERVICES”では、メイキング映像やショップなどがある。2階のレストランにはオリジナルメニューなども用意されている。

“Orbi Yokohama”には、世界中の最先端のテクノロジーが集う

 最後に、セガ エンターテインメントパーク事業部 クリエイティブディレクターの長谷川敦彦氏と“Orbi Yokohama”館長の田井村勉氏に行われた囲み取材の模様をお届けしよう。

――BBCとの提携の経緯を教えてください。
長谷川 本当にたまたまなんです。とある方のご紹介でBBCの方とセガが接触する機会がありまして……。BBC EARTHさんとしては、彼らの映像作品をもっと直接お客様に体験してもらうコンテンツを作りたいという意識があって、テーマパークのような施設をできないかというお話をされていたんですね。一方で、セガも若い方を対象としたジョイポリスなどを展開しているのですが、会社としてさらに幅広い層に訴求できるコンテンツを……ということで親子三世代が楽しめる施設作りを検討していたんです。そこでひとつ上がった候補が“ネイチャー”や“動物”でした。で、BBCさんにセガの企画をご提案したところ、大いに受けまいて、「ぜひ、BBCもやりたい」ということになりました。そのときに上げた企画と、いまできあがったものは、ほとんど変わっていなかったりします。それがちょうど4年くらい前になります。それからは、BBCのスタッフと「こういうものをテーマにしたらどうか?」ということを、彼らとディスカッションしていきました。

――セガさんの技術力を活かして、「こんなところは注目してほしい」といったところを教えてください。
長谷川 今回、通常のテレビでは見られない規格で映像を制作しているのですが、なるべく現地にいるような感覚になっていただけるように、なるべくワイドで、改めて編集し直しています。そこはBBCの方と協議して、1枚絵に見えるように特殊な加工をしています。
 基本的には今回の施設を作るのに、セガの技術だけではなくて、世界中の最先端の技術を取り入れています。iPhoneの中身に世界中のテクノロジーが集結しているのと似ていて、今回はセガの技術だけにこだわっていなくて、世界中の最先端のものを集めて、我々に最適化したものは何がいいか? ということで、いろいろ探したんです。ワールドワイドに。今回、世界展開も目指していますので。

――企画が立ち上がってから4年とのことですが、それだけ時間がかかった理由は?
長谷川 実質的にそんなにかかっていなくて、2年くらいですね。あとは、建物を確保するのに時間がかかるんですね。我々の施設事業は建物がありきなので、そこを見つけるのは結婚といっしょで、タイミングがけっこう重要なんです。今回タイミングよく、新築のMARK IS みなとみらいさんにお願いすることができました。我々の建物は特殊なので、条件に合うものをたいへんでした。たまたま4年という期間がかかっていますが、実際の制作期間は2年くらいです。

――ワールドワイドで展開されるとのことですが、将来的なプランは?
長谷川 じつは世界中からたくさんのオファーが来ています。その方たちとは、実際に施設ができたら、ご相談しましょうということになっています。かなり興味を持っていただいていて、テーマがものすごくいいので、海外の官庁関係のオファーが多いです。そのほかにも、皆さんがご存じの海外のショッピングエリアですとか、そういうところからのお誘いも来ています。

――BBCの本国のイギリスからも?
長谷川 もちろん、来ていますよ。

――それぞれのエキシビションのサイクルは?
長谷川 短いもので半年、長いもので1年から1年半くらいで、どんどん映像を更新していく予定です。メインとなっている“THEATRE 23.4”は、1年で2~3本ペースで作っていきますので、半年に1回は確実に新しい体験ができることになります。それにあわせて、ほかのエキシビションも徐々に変えていく予定でいます。

 “Orbi Yokohama”は2013年8月19日にオープン。営業時間は10時~23時(最終入館21時)までとなる。チケットは、大人(高校生以上)が2600円[税込]、小中学生が1300円[税込]、幼児(4歳以上)が500円[税込]、シルバー(60歳以上)が2000円[税込]となる。オンラインでのチケット予約も可能になるとのことだが、ただいま準備中だ。

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