新生『リ:デジタイズ』はどのように遊びやすくなったのか?
バンダイナムコゲームスから2013年6月27日に発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『デジモンワールド リ:デジタイズ リロード』。ゲーム内容の大幅なボリュームアップが図られている本作をいち早くプレイ。PSP版『デジモンワールド リ:デジタイズ』(以下、前作)からの進化要素を全2回にわたって詳しくリポートする。今回は、本作からの新機能を中心にお届けしよう。
冒険&育成しやすさに大きく貢献! 新デバイス&新能力値
ひょんなことからデジタルワールドに導かれた主人公。本作は、デジタルワールドで起きた異変により、デジモンたちが混乱しているところから物語が始まる。まずは、前作のシナリオ“ヴィティウム篇”に添って進行するのだが、開始間もなく、イベントやシステムから前作との違いが多く存在することに気付く。
ゲームを始めるとさっそく新機能のひとつ“デジッター”を手に入れることができる。ニンテンドー3DSの下画面に常時表示されるこのデジッター。これは、街のデジモンたちの声や、メールの受信状況、パートナーの状態などがリアルタイムに表示されていくというものだ。言葉だけ聞くと、地味な機能と思われるかもしれない。しかし、プレイを進めれば進めるほどに、この本当の価値に気付くはずだ。デジモンや人物から最新情報がドンドン入ってくることで、“いま、何が起きている?”、“これからどうしたらいいの?”といった行動の導きがひと目でわかるため、迷うことがない。登場するデジモンがとても多いゲームだけに、これは本当に便利! また、デジモンたちのつぶやきが増えいくさまも、実際のネットツールみたいでデジタルワールドのライブ感も味わえるのだ。
デジモンは、時間の経過によって成長して、さまざまな条件に応じて幼年期から完全体(もしくは究極体)まで進化していく。まさにデジタルの生き物というように、年齢と姿が変わっていくのだ。これはつまり、現在育てているデジモンは、いつかはやがて寿命を迎えてしまう……ということを表している。そうなると、新たなパートナーを育てなければならない。この“新たに育てる”ことがなかなか大変だった。何せ、さっきまでサクサクと勝てた能力の低い野生デジモンとのバトルも、幼年期の新パートナーでは大いに手こずることになるのだ。プレイヤーの新たな能力値“デコードレベル”は、そんな悩みが減る“遊びやすさ”に直結したうれしい新機能だ。これは、いわばプレイヤーの“テイマー”としての能力を示すもの。レベルが高いほど、パートナーの能力値に一定のプラス値が加わるのだ。つまり、デコードレベルの高いテイマーほど、育て直しの初期の苦労が軽減する。実際、レベルがある程度挙がった状態で、新しいパートナーを引き連れて、街周辺にいる野生のデジモンとのバトルをしてみると、その恩恵に気付くはずだ。
なお、“デコードレベル”は、パートナーに適切な育成をしてあげることで増えていく。“適切な”という言葉から、難しい条件があるのでは? と思うかもしれないが、要はデジモンの機嫌、状態を表すフキダシの“お願い”を意識して、適切なお世話をきっちりしてあげればいいのだ。ひたすらトレーニングに明け暮れて、お腹が空いているのに、空腹を満たしてあげない……というのは、“デコードレベル”以前に、テイマーとしてよくない行動であることは分かるはず。いかに、パートナーの気持ちを感じて、マメにお世話してあげるか? テイマーとデジモンの信頼を築けば順調にアップしていくのだ。
冒険のワクワク感がアップ!
デジモンに語り掛けることで発生するサブイベントの数が、本作はとにかく山盛り。ゲームが進むと、街にデジモンが増えて賑やかになるため、今度はどんなデジモンとが居るのかな? と話し掛けることが楽しみになってくる。もちろんこれらのサブイベントをこなすか、こなさないかはプレイヤー次第。やらなきゃ! という焦りに駆られることはないのもうれしい限り。
こちらのインタビューで語っていただいた通り、本作には多数の人気デジモンが追加されている。そんな新デジモンをサブイベントでも発見! デジモンたちの食料となる肉を育てる“肉畑”で出会ったのは、懐かしの“ティラノモン”! ちなみに、このティラノモンは、なぜ真夜中の肉畑に居るのか……? それはナイショ。コミカルな役回りとしてひょっこり現れるとだけ、お伝えしておこう!
さまざまなデジモンや人物が操作できるイベントも登場。ちょっとしたサプライズとして用意されているイベントなのだが、ちょっと新鮮な気分で冒険ができて楽しい! アキホがたいへんなことになっているというので、パートナー“デジトリん”(デジトリ)を引き連れて、ともにアキホを探すことに。この間で起きるバトルは、自分のパートナーとデジトリとの共闘だ。相手も複数登場することがあるぞ。
3つのシナリオがおりなすワイドな世界
本作では新たに“慟哭のX抗体篇”、“策謀の魔王編”という新シナリオも楽しめる。これらは独立した物語として進行するのではなく、これまでの“亜生命体ヴィティウム篇”と重なりながら進行。並行していくつもの物語が、リンクしながら進む展開がとてもドラマチックなのだ。とくに前作をプレイした人こそ、シナリオの絡み合いの妙を楽しんでほしいところ!
本作の追加シナリオで活躍する新キャラクター、四ノ宮リナ。そのため、“策謀の魔王編”から登場するものと思いきや、序盤からデジッターでリナからのご挨拶が! どうやら現実世界から、デジタルワールドにいる主人公たちの様子が見えているようだが……? 本格参戦は“策謀の魔王編”が展開してからとなるのだが、どう絡んでくるのか、ワクワクの予感が。
“より深く、遊びやすく”が実感できる新生『デジモンワールド』
以上、筆者が気になった前作からの進化要素をお伝えしたが、ほかにも、デジモンに肉を与えるときに“Aボタン押しっぱなしにすると、連続して与えられる”ことや、フィールドや街で“マップ画面が常時表示される”ことなど、遊びやすさを意識した工夫が至るところにみられる。これらの、小さいながらも、カユいところに手が届く気持ち良さも注目したいところ。このようなブラッシュアップの積み重ねが、新生デジモンワールド全体の魅力にもつながっているのだ!
■著者紹介:大瀬子 ヤエ(大瀬子屋)
キッズ系、レース系、アーケードゲームをこよなく愛するライター兼編集者兼何でも屋。最近、某アーケード専門誌の編集部を卒業して、ドトウのフリーランス戦線に復帰! 以前はキッズ向け雑誌の仕事も多く手掛けていた(なので、今回のお仕事はとても楽しく進めさせていただいております!)。
デジモンワールド リ:デジタイズ デコード
メーカー | バンダイナムコゲームス |
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対応機種 | 3DSニンテンドー3DS |
発売日 | 2013年6月27日発売予定 |
価格 | 5480円[税込] |
ジャンル | RPG / 育成 |
備考 | 開発:トライクレッシェンド、24Frame、キャラクターデザイン:ヤスダスズヒト、プロデューサー:羽生和正、ディレクター:友野祐介 |