ダイレクト配信機能、大会へ向けたクランサポート機能なども強化
既報の通り、Meteor Entertainmentが運営するオンラインFPS『Hawken』では、7月より日本での正式展開を行う。
衝撃的な超絶トレイラーが公開されてから、はや2年。本誌では、開発元Adhesive Gamesのトップにメールインタビューを敢行したり、パブリッシャーにやっぱりメールインタビューしたり、いろいろ追ってきたが、感無量。
しかしまだ正式サービスは始まっていないし(現在はオープンβテスト中)、今後の行方も気になる。ってなわけで来日中のシニアプロデューサー、ポール・ロインド氏に話を聞いた。
次世代機への展開も興味アリ
――オープンβ中ですが、現状についてはどう捉えていますか?
ポール・ロインド氏(以下、ロインド) 現状の運営については基本的に満足しているが、まだまだやらなければならないことは沢山ある。あらゆる面で調整を進めて行かなければならない。マッチメイキングも改善の余地があって、課金部分もやっている。非常に忙しいね。もちろん新機能の開発も進めていて、そのテストも沢山やっているよ。
――今回日本に正式展開することになった理由は?
ロインド 日本には沢山のゲーマーがいるし、メカ文化もあって受け入れられやすい土壌がある。我々は特にメカにこだわっていて捻りなども加えているので、もっと多くのゲーマーに気に入ってもらえたら嬉しいね。
――今いる日本のコミュニティについてはどうですか? 例えばアメリカのプレイヤーとは異なると思いますが。
ロインド 非常にいいコミュニティだ。多くの時間を費やしてくれているプレイヤーも多いし、トッププレイヤーもいる。実際、日本はマネタイズの点でも成功している地域なんだ。これは我々のやってきたことを気に入ってもらっているがゆえだと認識しているよ。
――日本には本作に影響を与えた横山宏先生など、カッコいいメカを生み出す優れたメカデザイナーが沢山いますが、コラボレーションモデルなどを作ってみたりしませんか?
ロインド イエス。
――え、まじですか!
ロインド ハイ(笑)。もうすでにそういった話は始めているんだ。というのも、地域にあったローカライズコンテンツを展開しようと思っていて、中でも日本では力を入れたいと思っている。僕もこのプランについては興奮しているよ!
――プレイステーション4では、『Hawken』と同様にPCでサービスしているオンラインシューターの『Warframe』がサービスされることが発表されました。次世代機ではPCに近いアーキテクチャを採用したことで、家庭用ゲーム機への移植もやりやすくなっていると思いますが、『Hawken』の場合はいかがでしょうか。
ロインド PCに近いアーキテクチャが採用されたことは非常に興味深いことと感じている。今言ったように、『Hawken』のようにPCで作ったものを移植するのは今世代よりも簡単になっているからね。我々としても、『Hawken』をプレイステーション4やXbox oneにリリースすることには非常に興味がある、やってみたいことだね。
まずは『Hawken』の成功を
――本作のデベロッパーであるAdhesive Gamesは現在どれぐらいになったんですか? 当初は6人ぐらいでスタートしていたはずですが。
ロインド えぇと……36人だっけかな?
――『Hawken』はMeteor Entertainmentにとっても最初のタイトルだったと思うのですが、プロジェクトがスタートしてMeteorも大きくなったのでは? また、さらにタイトルを獲得していく予定は?
ロインド 僕が入った時には8人だったのが、今では40人ぐらいになってオフィスも大きくなったね。非常に早いスピードで拡大している。我々としては当然もっとさまざまなタイトルをパブリッシングしようと考えているけれども、今はまず『Hawken』をとにかく成功させることに全力を注いでいる。
――デベロッパーにとって、Meteorと組むメリットはなんでしょう? 例えば先ほど挙げた『Warframe』だと、彼ら(Digital Extreme)は自分たちで運営もやっていますよね。
ロインド Adhesive Gamesとの交渉の中では、確かに『League of Legends』のRiot Gamesのように、全部を自分たちでやろうかという選択肢もAdhesiveにはあった。しかしそうなると会社の組織を『Hawken』の開発・運営のみに特化して作り込まなければいけなくて、それ以上の成長が難しくなってしまうと思うだ。
それと比べて、我々と組んで彼らは開発に集中し、運営やマーケティングは我々がやると役割分担すれば、お互いより人的・金銭的リソースを集中することができる。そうすることによって、今はお互い『Hawken』に集中しているけど、彼らは別のタイトルの開発や検討を、我々は他のデベロッパーとの交渉などをいずれできるようになる。我々はファミリーとしてお互いに成長できると思うんだ。
――クリエイティブ面でのコントロールについてはどうでしょう? よくあるパブリッシャーとデベロッパーの関係では、パブリッシャー側の要請を受けて、軸としていた部分を変えなくてはならなくなったという話も耳にすることがありますが。
ロインド クリエイティブの根幹については、クリエイティブ・ディレクターのKhang Leのビジョンを信頼しているよ。ただ、『Hawken』はAdhesive Gamesの最初のタイトルなので、経験が足りない部分もある。そこを我々が補うといった感じだね。
Meteorには15年から20年ゲーム業界を渡り歩いているベテランが揃っているので、陥りがちな罠などについて事前に助言することができる。ゲーム開発について全般に口を挟むというようなことはせず、本当にうまくいかなそうな事項についてアドバイスしていくというスタイルを取っているんだ。
――パブリッシャーのモデルも昔とは変わってきていて、Devolver Digitalのようにダウンロードゲーム専門のパブリッシャーも出てきています。Meteorが将来的に、オンラインゲームではなく、ダウンロード販売するようなゲームを扱う可能性はありますか?
ロインド うーん、今すぐってことはないけれども、可能性としては十分に考えられる。Steamなどもあるし、最近はみんなパッケージの物理メディアである必要を感じなくなってきているからね。ダウンロードであることは重要で、パッケージが市場からなくなってしまうということもないし、マシンを買い換えてもプレイできるというのは大事。こういった方向は進んでいくんじゃないかと思っている。
ダイレクト配信機能も搭載予定
――メカシューターという点で……今年のE3に『Titanfall』というゲームが出てましたけど、どうでした?
ロインド (通訳される前に)『Titanfall』をどう思ったかって? ゲーマーとしてはとても興奮したよ。とても楽しそうだ。Meteorの一員としては……競合になりうるかなと思う。でも『Titanfall』には歩兵のパートもあって、『Hawken』は全部がメカのゲーム。直接的な対抗相手ではならないかもしれないなと思う。それよりも、メカジャンルに色んな人が集まってきてさまざまなゲームが出てくるというのはうれしいよね。
――メカゲームやSFゲームはまた復活してきていますよね。
ロインド 開発者が、自分たちが何が好きなのかに従って作るようになってきたということを反映しているんだと思う。何が受けているかを考えて作るのもいいけど、「よしじゃあ僕らも『コール オブ デューティ』を作ろう」とやってもあんまりうまく行かないよね。自分たちが何に秀でているかを考えて、好きなものに情熱を注ぎ込む。『Hawken』もそうやって作られているんだ。
――今後、正式サービスに向けてどんなコンテンツが入ってきますか?
ロインド 新機体、新マップ、新武器……そして新ゲームモード。PvE(協力プレイ)モード、eスポーツに関連するモードも入れようとしていて、観戦モードなども実装したい。そしてクランのサポートとデディケイテッドサーバー(プレイヤーが立てるサーバー)などを考えている。
――大会を開く予定はありますか? 日本とアメリカのトップクランが戦ったりしたらカッコいいと思いますが。
ロインド そうだね。クランのサポートはもちろんそのためなので。地域で誰が一番のメック乗りなのか決めて、それでバトルできるようになったら最高だよ。
――観戦モードは超いいですよね。僕はもっといろんなゲームにつけばいいと思っています。ユーザーが実況付きの大会とかを開きやすくなりますしね。
ロインド その通り。みんなで見れば盛り上がるしね。
――クライアントサイドからのダイレクトストリーミング機能はいかがでしょう。Twitch.tvなどへの配信をサポートすれば、コミュニティももっと盛り上がってくると思うのですが。
ロインド 観戦モードの後になると思うけど、すでに計画にあるんだ。Twitchとも話を始めているよ。もうTwitchで配信しているファンも一杯いるけど、環境を用意するのが面倒だし、直接配信できるに越したことはないよね。
――では最後に正式展開にあたって、日本のゲーマーとメカファンにメッセージを。
ロインド 『Hawken』は日本の文化抜きには生まれなかったものだと思うので、日本への恩返しのつもりでゲームを作っています。なのでまずは、ありがとう。そして一緒にプレイできることを楽しみにしています。
というわけでお待ちかねのプレゼント!
というわけで先の予定もいろいろ聞けたんですが、いかがでしたでしょうか? 日本のデザイナーとのコラボ計画は完全にアイデアとして喋っただけなんですが、まさかの的中でビックリ。
そして読者プレゼントを貰ってきたので、AセットとBセット、それぞれ1名に差し上げます。締め切りは7月5日の午後9時まで。当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。なお、発送は7月後半を予定しています。
HawkenグッズAセット(1名)
ストラップ・iPhoneケース(4/4s用)・コミック(フルバージョンの書籍)・シール・バッジ
HawkenグッズBセット(1名)
キャップ・iPhoneケース(4/4s用)・コミック(一話デジタルダウンロード用のコード)・シール・バッジ