名古屋にも4000人近いファンが来場

 東京会場に続いて開催された名古屋での“ファンタシースター感謝祭2013”にも、4000人近いファンが来場。『ファンタシースターオンライン2』(以下、『PSO2』)のシップ(サーバ-)ごとの交流スペースは、多くの人でにぎわっていた。また、東京会場と同様にプレイステーション Vitaを使って、フレンド登録をしているプレイヤーも多く見られた。物販は公式のtwitterアカウントで、完売状況がつぎつぎとアナウンスされるほどの大盛況。なかでも、とくに人気だった商品は、『PSO2』内で武器の強化を担当するドゥドゥのTシャツ。会場内で多くのファンが身に着けていた。

▲かわいらしいリリーパ族の姿も。サービス精神旺盛なのか、観客に向けていろいろなアクションを披露してくれた。
▲“らくがきコーナー”には、ファンが描いたイラストやコメントがぎっしり。力作も多く見られた。
▲“装備”を持って会場入りしている熱心なファンの姿も。

名古屋会場ならではの情報とイベント

 名古屋会場では、東京会場で発表された新情報に加えて、新たなフォトンアーツも紹介された。ダブルセイバーでは、デッドリーアーチャーのような衝撃派を周囲に放つものが動画として公開され、ダブルセイバーに待望の遠距離攻撃手段が!と色めくファンの姿も。
また、ユーザーからの強化要望の多いクラスであるガンナーの新フォトンアーツは、
シリーズディレクターの木村裕也氏は、「主戦力となるような強力なもの」になっていると発言した。また、プロテューサーの酒井智史氏からは、「ゲル・ブルフを倒すEトライアル」実装の予告があった。そして、名古屋会場以降の特別企画となる、ユーザーからのQ&Aに開発陣(プロデューサーの酒井智史氏、シリーズディレクターの木村裕也氏、プレイステーション Vita版ディレクター菅沼裕氏)が答えるコーナーでは、興味深い情報が次々とポロリ。以下に、その一部を紹介しよう。

――サウンドトラックの発売時期はいつになるのでしょうか?
酒井 『PSO2』のサウンドトラックは、9月に発売を予定している『ファンタシースターシリーズ25周年記念コンサート シンパシー2013秋』以降の4ヶ月連続CDリリースの計画の中に入っています。アイテム特典も予定しています。

――ガンナーにもう一声お願いします。
木村 先ほど紹介したフォトンアーツに加えて、今後のアップデートでは各クラスに新スキルを実装します。ガンナーのものは、ツインマシンガンとスタイリッシュロールをより楽しく遊ぶものになっているので、それが強化につながるかと思います。

――デューマンに、『ファンタシースターポータブル2インフィニティ』のインフィニティブラストに該当するものはありますか?
木村 デューマンのインフィニティブラストは予定としては今のところありません。『PSO2』のコンセプトのひとつとして、種族間の格差を目に見える形では出さないというものがあるので。見た目やパラメーターの違いで楽しんでもらえればと思います。

――デザインする上で苦労したボスキャラクターは?
酒井 ダークファルスしかデザインしていないから、ダークファルスですね(笑)。
木村 ビッグヴァーダーはゲームに落とし込むのが大変でしたね。
酒井 『PSO2』では、企画やコンセプト先行でデザインを進めるという仕組みをとっているものの、ビッグヴァーダーはゲームに落とし込むのが大変でした。
菅沼氏:僕はクローム・ドラゴンの実装が大変でしたね。ダークファルス・エルダーの登場したあとに、あれを超えるようなボスを作れといわれて、いろいろと悩みました(笑)。最初は、クエストで倒すべきダーカーまで食べてしまって、苦労させられましたね。

――今後もドラゴン系のボスが多く登場するのでしょうか?
木村 ドラゴンが飽和状態になりそうなので、抑えようと思っています(笑)

――リリーパ族を倒すクエストの実装予定はありませんか?
木村 リリーパ族は可愛いじゃないですか! でも、この要望に近いクエストのひとつを秋ごろに予定しています。楽しみにしていてください。

――ドゥドゥ討伐イベントはいつですか?
木村 強化や能力追加が失敗して、メセタやグラインダー、強化アイテムがなくなってしまいますが、彼は悪くないんです(笑)ただ、あまりに失敗が続いて、彼の顔を見たくないという声もありますので、近々、“ドジっ娘”の新人がどこかに配属されるようです。新人のほうが成功する!とプレイヤーの皆様に言われないように、ドゥドゥと全く成功率に設定していますと先に言っておきます(笑)。

――今作では、複数の“ダークファルス”が登場します。個々の設定についてお聞かせください。
木村 質問自体がネタバレに近いんですが、ちょっとだけお話すると、ダークファルス・エルダーは魚介イメージをモチーフにしています。グゥオンダ等の長という形で雷を弱点にしています。お姉さんのダークファルスは、炎属性に弱いダーカーの長というイメージですね。

――人気キャラクターのマトイの今後の出番は?
木村 EPISODE2では活躍の機会が増える予定です。そろそろ体調も回復させてあげたいですね。

――チームでできることを増やせないでしょうか。
木村 8月に新しい要素を入れる予定です。“皆でおそろい”がキーワードなので、楽しみにしていてください。

――マグの進化デバイスを武器迷彩と同じ、着脱自由なシステムに変更することはできませんか?
木村 多く要望をいただくところなので、検討中です。

――このような大きな感謝祭を開催しようと考えたのはなぜでしょうか?
酒井 ユーザーさんへの感謝を表すイベントを何らかの形でやりたかったというのがきっかけです。そして、オンライン上のプレイヤー同士をつなげるイベントになってくれればいいなと思っています。普段一緒に冒険しているチームのメンバーや、開催地区同士のプレイヤーが出会う場所になってくれていると嬉しいですね。ぶっちゃけ、超赤字です(笑)。毎年やりたいですね。

▲“PSO2放送局”でおなじみの声優の会一太郎さんが、サプライズで登壇。ユーザーからの質問をチョイス。開発陣にツッコミを交えつつ情報を聞き出していた。
▲週刊ファミ通本誌に情報が掲載された、新フォトンアーツが動画で公開された。なお、テクニックについても、各属性ごとにひとつずつ新規のものが追加されるそうだ。

ゼッシュレイダVSトランゼクシア

 東京会場で好評だったエネミー同士を戦わせる“怪獣大決戦”。名古屋会場で行われたカードは、“ゼッシュレイダVSトランゼクシア”。会場では、ホーミングミサイルを持つトランゼクシアが有利なのではと予測するプレイヤーが多かったが、ゼッシュレイダの体力を削り取るには至らず。高い防御力と、手数は少ないながらも、威力の高い攻撃を要所でヒットさせたゼッシュレイダの勝利となった。レアエネミーであるトランゼクシアのみが使用するレーザー攻撃が見られるシーンも何度かあり、プレイヤーたちからは歓声があがっていた。

▲レアエネミーのトランゼクシアとダーカーのバトルが見られる機会はめったにない。次々に大技を繰り出してゼッシュレイダを攻撃していた。
▲結果は、東京会場に続き、ダーカーのゼッシュレイダが勝利。福岡会場でも、新たな対戦カードを予定しているとのことだ。

アークスグランプリ名古屋大会

 アークスグランプリのPC版大会では、東京会場を騒然とさせた、クローム・ドラゴンの尻尾にウィークを貼り、デッドリーアーチャーで瞬殺するというパターンを攻略に取り入れた“シャングリ・ラ”が2分台前半の驚異的なタイムで予選を通過。彼らの練習でのベストタイムは、1分40秒台とのことで、圧倒的な優勝候補としてみなされていた。エリア1の道中でも、ブリアーダの複数出現するポイントに、オーバーエンドの振り下ろし部分をクリーンヒットさせて一掃するという、オリジナリティ溢れる攻略で会場を沸かしていた。このチームに待ったをかけたのは、東京会場の抽選に外れてしまったという、“ご飯たべたら考える”。ガンナー×3、ファイター1という構成で臨んだこのチームは、クローム・ドラゴンの頭にウィークバレットとチェイントリガーを叩き込むことで、驚異的なボス討伐タイムを叩き出していた。練習でのタイムでは“シャングリ・ラ”に劣る“ご飯たべたら考える”だったが、ミスを最小限に抑えて進むというチームコンセプトを見事にステージ上で発揮。決勝戦では、自己ベストタイムを更新する2分3秒12の記録を叩き出した。対する「シャングリ・ラ」は、ブリアーダとクローム・ドラゴンの動きのアルゴリズムに愛されなかったこともあり、決勝でまさかのミスが多発。東京のファイナルでのリベンジを誓っていた。

▲攻略パターンの違いも、タイムアタック大会の見所のひとつ。また、今大会から、スケープドールが各自にひとつ持たされるようにレギュレーションが変更された。

 プレイステーション Vita版の大会では、近接クラスをふたり擁する“ありんこに駆除されたい”が会場の注目を集めていた。ブレイブスタンスを乗せたデッドリーアーチャーをしっかりと弱点に当てる正確なプレイで、好タイムを叩き出して予選を突破し、決勝でも相手チームの“終焉の銀河”にひけをとらないスピードでエリア1を突破したものの、エリア2のクロームドラゴンにプレイヤーのひとりが倒されてしまうという事故が発生。緊張する大会だったが、いざステージ上でプレイを始めたら楽しくなってしまったという“終焉の銀河”が5分32秒16のタイムで優勝を飾った。

▲PC版、プレイステーション Vita版の優勝、準優勝チームは、ディファ有明で行われる決勝大会への出場権が与えられる。

大会結果

・プレイステーション Vita部門(2人1組)
優勝:終焉の銀河 クリアタイム5分32秒16
準優勝:ありんこに駆除されたい クリアタイム5分46秒45

・PC部門(4人1組)
優勝:ご飯たべたら考える クリアタイム2分03秒12
準優勝:シャングリ・ラ クリアタイム2分18秒34

 名古屋会場のファンタシースターオンライン感謝祭2013も大盛り上がり。今後もこのイベントは、福岡(6月29日)、大阪会場(7月14日)、ファミ通CUP(7月21日)、札幌会場(7月28日)、決勝会場(8月3日)での開催となっている。『PSO2』のプレイヤーはもちろん、これから初めてみようと思った方は是非とも、開発陣とプレイヤーたちが作り出す、感謝祭の暖かい空間を経験してみてほしい。