“ファンタシースターオンライン感謝祭2013”第一弾、東京会場は大盛り上がり

 東京ビッグサイトでファンタシースター感謝祭2013が開催。『ファンタシースターオンライン2』(以下『PSO2』)の最新情報を中心に放送する“PSO2放送局”の公開生放送や、公式全国大会“アークスグランプリ”などの見所満載のイベントに加えて、『PSO』シリーズにちなんだグッズの物販や来場者へ『PSO2』の特典アイテム配布なども行われ、10000人近い来場者たちが会場を訪れていたのでレポートをお届け。

 会場内は、公式コスプレイヤーの方々に加え、自作の装備や衣装を身に着けたファンのコスプレイヤーも。物販ブースでは、今回のイベント限定のグッズに加え、過去に販売され、即完売となってしまったものも再販され、多くの人々でにぎわっていた。

▲会場内には、巨大なヴォル・ドラゴンの姿が。多くの人々が記念撮影を行っていた。中には、自前の装備を持ったコスプレイヤーの方々も。
▲シップごとの交流スペースも設けられていた。各シップのプラカードの下では、“プチオフ会”のように賑わっており、会場内でプレイステーション Vitaを使って、フレンド登録をするプレイヤーも多く見られた。
▲物販ブースは大盛況。飲食ブースでは、『PSO2』のコラボメニューが販売された。店員さんが元気に“ラッピーのから揚げです”と宣伝していたのを購入し、会場内をちょこちょこと歩いていたラッピーの元へ……。
▲『PSO2』の設定画が数多く展示されたブースでは、開発当時の呼び名も資料に記載されていた。

ステージイベントで行われた“PSO2放送局”

 会場のステージから生放送されたPSO2放送局では、声優の桃井はるこさん、会一太郎さん、榎本温子さんらと、開発陣のプロデューサーの酒井智史氏、シリーズディレクターの木村裕也氏、プレイステーション Vita版ディレクターの菅沼裕氏らが登場。2013年7月17日にアップデートを予定している“EPISODE2”の情報も公開され、新種族の“デューマン”と、新クラスの“ブレイバー”の発表で、会場は大きく盛り上がっていた。また、このイベントのために用意された特別企画“ダーク・ラグネVSヴォル・ドラゴン”の対決は、龍族とダーカーの敵対しあうという特性を利用したバトル観戦イベント。この勝敗予想には、ニコニコ生放送のアンケート機能も活用され、正解者が多かった場合は何かゲーム内特典を用意するという発言が木村ディレクターからあったが、結果は、大方の予想を裏切り、ダーク・ラグネが勝利。ゲーム内特典はおあずけとなってしまったが、ファンタシースター感謝祭2013のほかの会場でも、同様のイベントが行われるとのことなので、さまざまな予想をしておくといいだろう。

▲PSO2放送局でおなじみの出演者たち。会一太郎さんは、自前で用意したというオーダーメイドの甚平と、ソードをもって壇上に上がっていた。
▲デューマン、ブレイバーが7月17日から実施されるEPISODE2から追加。
ブレイバーが扱える、バレットボウは、ガンスラッシュとは違った局面で活躍が期待できそうだ。
▲スマートフォン版の開発状況も報告され、クローズドβテストの募集が開始された。

“神プレイ”目白押しのアークスグランプリ

 大会用に用意されたステージが配信され、多くのプレイヤーが腕を磨いて臨んだアークスグランプリは、PC版とプレイステーション Vita版の2部門が開催された。PC版では、“リリーパ族を飛ばし隊”が圧倒的なクリアタイムで予選を通過。ステージ上で行われた準決勝、決勝戦でも、2分前後のタイムを叩き出し、他のチームを寄せ付けない強さを見せ付けた。決勝戦でのタイムは1分58秒台と、ギャラリーたちのため息を誘うほどハイレベルなものだったが、ふだん練習している環境と若干違うため、本戦ではミスが多かったのでベストタイムはもう少し早いとのこと。リリーパ族を飛ばし隊の攻略法で特に印象的だったのは、ファイターのフォトンアーツ、“デッドリーアーチャー”の当てかた。ブレイブスタンスをかけた状態でカルターゴの斜め前からコアを狙ったデッドリーアーチャーを放ち、一撃で沈めていた。また、クロームドラゴン戦では、ほかのチームが弱点である頭にウィークバレットを貼り付けて集中攻撃をかけるという作戦をとるなか、リリーパ族を飛ばし隊は、尻尾に全員で集中攻撃をかけるスタイルをとり、驚異的な速さでクロームドラゴンを撃破していた。

▲PC版は、キーボードを使って操作するプレイヤーが多く見られた。ステップをロビーアクションや武器変更でキャンセルするテクニックを最大限に利用できるため、パッドよりもスピーディに移動が行えるのだ。リリーパ族を飛ばし隊のプレイは、生放送で配信されたため、つぎの大会以降この攻略法をベースにした戦術が流行する可能性も。メンバー曰く「真似できるものなら、やってみてほしい」とのこと。

 プレイステーション Vita版のレギュレーションでは、ふたりでタイムアタッククエストを行うため、戦闘不能にならないよう気を配った、丁寧なプレイが目立った。優勝チームの、“カーッwwwwww”は、ハンターとレンジャーというタイムアタックに適した組み合わせのクラス構成で臨み、道中の敵を安全に、素早く倒しつつクロームドラゴンのいるエリアへと進んでいた。クロームドラゴン戦では、ウィークバレットと近接攻撃の組み合わせで、大ダメージを与える戦術を見事に成功させていた。

▲プレイステーション Vita版のレギュレーションは2人1組ということで、全滅してクエスト失敗となってしまう光景も予選を通じて多く見られた。
菅沼ディレクター曰く、今後の大会では若干レギュレーションの変更を行う可能性もあるとのこと。

開発陣へのインタビュー

――東京の感謝祭を終えて、皆さんからの感想をお聞かせください。
菅沼 2年ぶりにこうした大きなイベントを行えて、すごく嬉しいです。前日から準備ができたこともあって、アークスグランプリ予選の対応がスムーズにできたのは良かったですね。EPISODE2に向けて、PC、プレイステーション Vitaともに、しっかりと楽しめる内容にしていきます。こういった機会がまた設けられるように、これからも作品に取り組んでいきます。
木村 アークスグランプリも、『PSO2』も、凄く楽しめました。今後の開発のモチベーションにもつながるイベントになりましたね。今後もどんどん面白い要素を盛り込んでいければと思います。
酒井 250万IDという数のユーザー規模のゲームの熱量を感じましたね。大会や発表に対する視聴者、参加者の方の反応も、想像していた以上に凄かったです。開発のほうもがんばっていかないとと思わされるイベントになりました。

――今日のイベントで、何か印象的な出来事はありましたか?
酒井 ユーザーの皆さんと話す機会が多くあって、『ファンタシースター』シリーズの歴史の長さを再確認できましたね。10年前に、あるユーザーさん同士の結婚式に僕が参加したことがあって、そこにいた人が今日また、このイベントに来ていてくれてたんです。これだけ時間が経っているのに、ファンでいてくれる方がいる作品に携わっているんだと思うと、嬉しくなりましたね。
木村 アークスグランプリを見ているときは、僕らがもう追いつかないくらいに、皆さんのプレイが凄いことに驚きっぱなしでした。開発でも、いろいろとテストプレイやデバッグをしているんですが、そういった段階でできることを遥かに超えたところでやりこんでいるユーザーさんが多くいらっしゃるんです。逆に、初心者の人にとっては、難しく見えすぎるようなシーンもあったりするので、バランスのさじ加減は難しいものだなと思いました。
菅沼 ユーザーさんのやり取りで、「覚えていますか?」と聞かれることがあったのは嬉しかったです。数年前のグランプリにエントリーしてくれたユーザーさんがまた来てくれていて、あのときからずっと遊んでくれているんだなと思うと、作品の重みを感じましたね。

――今後の各地区の感謝祭でも、新たな発表があるのでしょうか?
酒井 そうですね。今回発表していない細かな情報は各地区で、専用の映像を用意して発表していきます。ボスVSボスも、会場ごとに組み合わせを変えて行うので、楽しみにしていてください。

―スマートフォン向けの『PSO2 es』は、Android版のβテスト開催が発表されましたが、iOS版の進捗についてはいかがでしょうか?
酒井 もちろん、iOS版もリリースします。Android版を完成させてから、iOSに移植していくという流れになりますので、βテストはAndroid版のみになります。
木村 スマートフォン向けのタイトルで、βテストを行うということがすでに異例なんですが、『PSO2』の場合は当然、他のプラットフォームとの連動もありますので、そこをクローズドβで確認していきます。

――ファンの皆様に向けて、メッセージをお願いします。
菅沼 プレイステーション Vita版は、50万IDを突破して、ハーフミリオン達成になりました。次は、ミリオンを目指してやっていきますので、応援、よろしくお願いします。
木村 EPISODE2がもう間もなく配信されますが、今日、会場で皆さんから頂いた熱に対してお応えできるようにがんばっていきます。アップデート等ではトラブルなども起きてしまっているので、それを少しでも少なく、また、起きた場合もすぐに対応、改善できるようにしていきます。今日公開した、今後のロードマップを見てもらえばわかるように、どんどん進化する作品なので、これからも期待していただければと思います。
酒井 これから感謝祭で、全国をまわっていくということで、ユーザーの皆さんと直接お会いする機会があることを嬉しく、楽しく思っています。ぜひ、感謝祭の会場に足を運んでいただければ。ゲーム自体が成長して、発展していくというところが、オンラインゲームの面白さのひとつだと思うので、EPISODE2にも、期待していただければ嬉しいです。これからも、10年続くRPGになるように、頑張っていきたいと思います。応援、よろしくお願いします。

▲東京会場以降の感謝祭でも、新たな発表があるとのこと。近場の会場を選んで、足を運んでみよう。