『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』北瀬・鳥山氏インタビュー完全版【E3 2013】

2013年6月11日~13日(米国時間)に、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたE3 2013。スクウェア・エニックスブースに出展されていた『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』について、プロデューサーの北瀬佳範氏と、ディレクターの鳥山求氏にお話をうかがった。※本インタビューはE3期間中にファミ通.comで掲載したものに追記したものです。

●ライトニングのさまざまなウェアも公開

 2013年6月11日~13日(米国時間)に、アメリカ・ロサンゼルスで開催された世界最大級のゲーム見本市“エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ 2013”(E3 2013)。スクウェア・エニックスブースに出展されていた『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』(以下、『LRFFXIII』)について、プロデューサーの北瀬佳範氏と、ディレクターの鳥山求氏にお話をうかがった。

※本インタビューはE3期間中にファミ通.comで掲載したもの(→こちら)に追記したものです。


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■ユスナーンの太守、スノウ

――まずは、公開されたトレーラーについておうかがいします。スノウは衣装や表情などがだいぶ変わりましたね。

鳥山 いつまでも“熱血まる出し”のキャラではないと(笑)。もちろん、熱い思いは秘めているのですが、それを表面には出しません。彼が振るう斧も、それを象徴するかのように氷で覆われています。シリアスでダークなキャラクターになっていますよ。

北瀬 デザインは、キャラクターデザインを担当している野村(哲也氏)が起こしています。前作の主人公であるノエルも、少し色味がダーク寄りになっていて、武器も変わっています。

――ふたりとも、500年の時を経て大きく変化しているんですね。トレーラーでは、スノウがライトニングと戦ったり、彼の腕に“ルシ”の紋章が浮き出たりと、気になるシーンが見られました。

鳥山 前作で、唯一ルシとして残されていたのがスノウでしたが、彼はいまだルシのままです。ルシの力を使って、太守として“ユスナーン”という大陸を守っています。

――何から大陸を守っているんですか?

鳥山 モンスターもいますが、人間どうしの争いからですね。ユスナーンには、この世界に生活物資を供給する、唯一の“ファルシ”がいます。スノウは、その物資の配分を決める役も担っているんです。この街が正常に機能しないと世界全体が滅んでしまうので、スノウはさまざまな悪意からファルシを守ることで、大陸を守護しています。


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▲神に近しい偉大なる存在、ファルシによって選ばれ、印とともに強大な力を得た者のことをルシと呼ぶ。スノウの腕の印は、以前と比べて形が変化しており、使命を果たすまでの期限が間近に迫っていることを示している。

――『FFXIII』で見られたような、人類に役立つものを生み出すファルシがいるんですね。スノウとそのファルシは、何か関係が?

鳥山 そのファルシから使命を負わされたわけではないので、特別な関係にはありません。ただ、スノウの印はだいぶ進行していて、ルシとしての限界に近づいています。

――使命を果たせばクリスタルに、使命を果たさなければ魔物に、というのがルシの行く末でした。スノウがどうなるのか、気になるところです。ところで、ルクセリオに住む人々は神に祈りながら静かに終わりを待っていますが、ユスナーンの住人は正反対で、にぎやかな暮らしをしているようですね。

鳥山 ユスナーンは、退廃のなかでの貴族的な絢爛を象徴する、現実世界で言うならルネサンス期のような文化を中心に、エスニックな中東地域の雰囲気もあるような街で、ファルシの恩恵によって物資が豊富にあります。そのため、「どうせ世界は滅びるんだから、楽しくやろうぜ」という享楽的な人が多い。物資を平等に分けているつもりでも貧富の差が生まれてしまうなど、影の部分もあります。

――残りふたつの大陸、“デッド・デューン”や“ウィルダネス”には、大きな街はないのでしょうか?

鳥山 デッド・デューンは、住むのも困難な砂漠で、遺跡に眠る宝を探す盗賊だけがいる状況です。広大な自然大陸であるウィルダネスには、集落が点在し、世捨て人のような人々が暮らしています。この世界の人口のほとんどは、ルクセリオとユスナーンに集中していますね。


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▲デッド・デューンに巣食う盗賊たち。彼らの首領は、ライトニングのことを知っているらしい。なお、ウィルダネスは、2013年1月のフランスのメディア向けイベントにて限定公開された大陸で、緑豊かなフィールドであること以外、詳細は明かされていない。

――ユスナーンでは、スノウの婚約者であり、ライトニングの妹であるセラに酷似した少女、ルミナも登場しました。

鳥山 ルミナはオープニングムービーに出てきて、スノウなどこの世界に生きる人々はルミナのことを知っていますが、ライトニングとは初対面です。物語の鍵を握るキャラクターになります。

――トレーラーで“ひとりの英雄が邪悪な解放者を倒す”という伝承が語られていたのも気になりました。“解放者は悪”という概念があるんですか?

鳥山 解放者の存在は伝説に等しいもので、さまざまな形で人々に伝わっています。“人の魂を解放する”ことから、イコール“人の魂を奪い、命を失わせる”というように、悪い意味に解釈されているケースもあります。ルクセリオでは、解放者が世界を救うとされていますが、ユスナーンでは、解放者が世界の終わりに現れる“死神”であるかのように恐れられているんです。スノウは、どこかで「解放者が自分を楽にしてくれる」と思いながらも、抵抗して戦っているような状況です。


■“ノックアウト”システムと勝利ポーズに注目のバトル

――E3 2013に出展された試遊版について、どういったところを見せるためのものなのか、コンセプトをお聞かせください。

北瀬 スタイルチェンジを搭載し、バトルが新しくなりました、ということをお伝えするための試遊版です。本来なら、ワールドの構成や、広大で自由に移動できるフィールド、時間の流れに沿って息づいている世界など、『LRFFXIII』にはさまざまな新要素があるのですが、すべてを短い時間で伝えることはできないので、今回はバトルに絞りました。

鳥山 今回触っていただいたのは、製品版の序盤の部分になります。オープニングムービーの直後から始まる、ユスナーンでのエピソードです。スタイルチェンジという新しいバトルを、チュートリアルを交えながら体験できるようになっています。

――試遊版をプレイさせていただきましたが、だいぶアクション寄りに踏み切った印象がありました。

鳥山 いままでパーティーメンバーは3人でしたが、今回はライトニングひとりのバトルになっているので、集中して操作ができるようになりました。そのぶん、プレイヤーのスキルを活かしやすい、アクション性も取り入れたシステムになっています。

北瀬 確かに、じっくりとコマンドを選ぶ形ではないですし、敵の攻撃に合わせてジャストガードする、という要素もありますので、従来のバトルよりはタイミングが重要になる部分もあります。ですが、今回のシステムは、あくまでもコマンド形式のRPGの延長上にあるもの、と思っています。アクションゲームのように、タイミングでの勝負がメインになるのではなくて、敵の出かたを見ながら対応して戦えるという戦略性の部分が強いので。

――バトルでは、前作の“チェーン&ブレイク”にあたる“ノックアウト”をいかに狙うのかが鍵になりそうですが、以前のバージョンからはUI(ユーザーインターフェース)が変わりましたね。敵のHPゲージの背後に青色の波形が表示されていて、弱点属性の攻撃を当てると、その波が一瞬赤くなる。攻撃を続けるとその波が大きくなっていき、ノックアウトするという。

鳥山 以前のバージョンでは、弱点属性の攻撃を当てると、それが小さいステータスアイコンで開示される仕組みでした。UI変更後は、ノックアウトの目安となる“ノックアウトウェーブ”という波形が表示されるようになっています。モンスターは複数の弱点を持っていますが、それらの弱点を突いたときの反応を、ノックアウトウェーブで総合的に表現しています。


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▲最初は表示されていないが、弱点を突いた攻撃を行うと、敵のHPゲージの背後に出現するノックアウトウェーブ。

――波形のみで、数値やアイコンは表示されませんよね。

鳥山 そうですね。ノックアウトが近くなると、波が大きくなるので、それを目安にするイメージです。

――バトルを重ねるうちに、感覚で会得していくわけですね。試遊版の最後には、“Zaltys”というドラゴンとの戦闘がありました。ドラゴンは、ノックアウト中に攻撃を重ねることで、もう一度ノックアウトできたのですが?

鳥山 ノックアウトには段階があり、敵によってはノックアウトしているときに、さらにノックアウトさせられます。ノックアウトさせて、打ち上げて追撃し、またノックアウトさせて……という攻めかたが可能な場合もあります。

――このドラゴンは、サンダーなどの魔法をくり返すことでツノが折れました。中ボスにはすべて、そういったギミックがあるのでしょうか。

鳥山 ボスに限らず、各ワールドにはアクセントになる比較的強いモンスターがいます。そういったモンスターは、ツノが折れたり尻尾が切れたりする“部位破壊”の要素があり、それによって攻撃力の低下や特定の技の封じ込めを狙えます。なお、アクセントモンスターは、倒すと“★”の数でリザルトランクが表示されるのですが、そのスコアをユーザーどうしで競えるような機能も搭載しています。短時間で倒したり、ノックアウトすることで高スコアを得られるので、いかに戦いかたを工夫していくか、攻略のし甲斐があると思いますよ。


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▲試遊版で戦えたZaltys。スノウを追うライトニングの前に謎の少女ルミナが現れ、突如このドラゴンをけしかけてくる。

――試遊でZaltysの尻尾を切ろうとしたんですが、できませんでした(笑)。

鳥山 あのモンスターは切れません(笑)。同じ系統のモンスターでも、破壊できる箇所に違いがあったりするんです。

――そうなんですね。部位破壊を狙うとき、GPで発動する“オーバークロック”を使用したのですが、これで時間の流れを緩やかにして集中攻撃を行えたのが爽快でした。

鳥山 部位破壊を狙うには、いろいろなやりかたがありますが、オーバークロックは本当に重要です。オーバークロックを使ってノックアウトするか、ノックアウトしてから一気にオーバークロックで決めるかといった選択肢があり、プレイヤーの戦いかたに幅を持たせています。『FFXIII』や『XIII-2』と比較して、さらにテクニカルに戦えるように進化しているんですよ。


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▲オーバークロックの効果時間はさして長くはないが、ATBゲージの消費を気にすることなく技を連発できて爽快! 発動に必要なGP(グローリーポイント。海外版ではEP(エナジーポイント))は、おもにクエストのクリアーで溜まる貴重なものなので、使いどころが重要になる。

――ちなみに、部位を破壊したり、切断すると、報酬が変わったりは?

鳥山 部位破壊をすると、武器強化などに有利な、特別報酬が手に入ることがあります。もちろん、尻尾を切ると、尻尾を使って出す技を使えなくなるというメリットもあります。

――うまく立ち回るうえでは、ガードの使いかたも重要になりそうですね。同じガードでも、“Lesser Guard”と“Block”(いずれも北米用の試遊版での名称)がありましたが、何が違うのでしょうか?

鳥山 同じガードでも、ATBの消費量は少ないものの、強力な攻撃の場合は防ぎ切れずにHPを削られるガードもありますし、逆にATBの消費量が多いぶん、大技でもある程度防げるガードもあります。ガードだけでなく、攻撃アビリティも、同じタイプでいくつかの種類があるんです。カスタマイズの際の選択肢は豊富にご用意していますので、好きなものを選んでいただければと。

――試遊版で使用できるアイテムの中に、フェイス(魔法攻撃力を上げる魔法)やブレイブ(物理攻撃力を上げる魔法)の効果があるポーションがあったのも気になりました。アビリティとしてのフェイスやブレイブはなくなったのでしょうか。

鳥山 現在も調整中なのですが、前作までのエンハンサーやジャマーのアビリティにあたるものは、アビリティとして残るものと、アイテムでの発動になるものがあります。

――今後、変更の可能性もありそうですね。演出面では、魔法などのエフェクトがだいぶ変わっていて、見た目の新鮮さがあるのも印象的でした。とくにブリザラは、毎回軌道が変わるほか、氷の表現が本当にキレイで。

鳥山 『LRFFXIII』は、ライトニングの衣装やモーションが変わっていますし、モンスターの一部を流用しているくらいで、フィールドマップやエフェクトなどは一新しているんですよ。

北瀬 エフェクトに関しては、3作目という制約のなかで、一般の方が見ても「変わったな」と思うものを目指す、というテーマを掲げています。いまのお話を聞いて、担当スタッフも非常に喜ぶと思います(笑)。

――ぜひ、お伝えください(笑)。戦闘後の勝利ポーズも凝っていて、見た目の華やかさがあります。ほかのポーズも見てみたくなりました。

北瀬 ライトニングのウェアは、十数種類の系統に分かれているのですが、勝利ポーズや、ポーズ時のボイスは、その系統ごとに決まっています。

――そんなにあるんですね。試遊では、脇を見せるセクシー勝利ポーズ見たさに、トドメを指す直前にウェアをチェンジしていました(笑)。

鳥山 解放者の衣装の“ヒラリズム”に続き、“わきわきライト様”と呼んでいたんですが、あのポーズは世界最大のゲームショーであるE3向けのサービスです。……ちょっとやりすぎたかな(笑)。製品版では、ライトニングらしいポーズに修正予定なので、E3会場限定のレアなセクシーポーズということになります。


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▲ヒラリズムとは、ライトニングが最初に着用している衣装“アンビバレンス”が、静止しているときはそうは見えなかったのに、動いているところを見たら、裾などがヒラヒラして意外と露出が多かったことから鳥山氏が発した言葉。端的に言うなら衣装がヒラヒラすることによるチラリズム。

――確かに大胆すぎましたかね。残念なような、ホッとしたような(笑)。それとですね……若干、胸揺れがあったような気もするんですが……。

北瀬 それも、ウェアの系統によって違うみたいです。鎧などだとわかりませんが、露出の多いウェアだと多少揺れるのかな?(笑)。ライトニングの魅力を引き立てるウェアは、たくさんご用意しています。

鳥山 ウェアは、スクウェア・エニックス メンバーズとの連動やコラボレーション用のものなども含めると、80種類ほど作っています。今回は、プリレンダリングのムービーがほとんどなく、リアルタイムでのイベントがほとんどなので、好きな衣装を反映することができるのも、楽しみのひとつになりますよ。


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▲E3 2013会期中に配信されたストリームチャンネル“SQUARE ENIX PRESENTS”の番組内で、『LRFFXIII』と『FFXIV: 新生エオルゼア』及び『FFX/X-2 HDリマスター』のコラボ衣装が公開。入手法は、今後発表されるという。なお、画像は公開されていないが、『FFXIII』と『FFXIII-2』のセーブデータがあると、両作品当時にライトニングが着ていた衣装を、最初から入手できるとか。

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▲同じく“SQUARE ENIX PRESENTS”の番組内でお披露目された、初公開のコスチューム。セクシー系からワイルド系、ドレス、執事まで、幅広いウェアが用意されているようだ。

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■ゲームの自由度は高いがライトニングには門限が!?

――『LRFFXIII』では、持ち歩けるアイテムの数が少なく、アイテムは希少品の部類に入りますよね。回復が、かなりきびしいのでは? 前述のような特殊なポーションを持っておくかどうかも、悩みどころになりそうです。

鳥山 そうですね。今回はバトル後の自動回復がないこともあって、HPをいかに温存するか、いつ回復するかを考えていくのも遊びのひとつになります。これまでのシリーズの感覚からすると相当シビアですが、ポーションなどのアイテムのほかにも、街の食堂で食事をしたり、宿屋に泊まることなどでも回復はできるので、手段を選んでもらえればと。現在のバージョンはギルも貯まりづらく、貧乏旅行状態なので、宿屋にはなかなか泊まれないですけれど(笑)。開発チームでは、このデザインポリシーを“阿部ノミクス”と呼んでいます。今作は節約が重要なんです!


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▲飲食による回復では、価格が高いほど回復効果も高いようだ。なお、ユスナーンには、スノウの看板を掲げた高級店も存在。どんなメニューが並ぶのか?

――ゲームデザインディレクターの阿部(雄仁)さんの指針なんですね。阿部ノミクス、もうちょっと生活を楽にしてほしいです(笑)。試遊版では、アイテムを6個だけ所持できましたが、この所持枠は増えるのでしょうか……。

北瀬 所持枠は、クエストをこなしていくと増えますが、大幅には増えないですね。

――バトルのエンカウント時に敵を攻撃できればアドバンテージを得られますが、接触してバトルに入るとこちらのHPが減った状態から始まりますよね。そういったところからも、HPの管理がきびしすぎるようにも感じるのですが。

北瀬 現在、最初から最後まで通してプレイできるようになっているので、そのあたりの難易度は調整しているところです。ただ、これはたとえですが、『DARK SOULS(ダークソウル)』のようなシビアなゲーム性も、ありと言えばありかなと。

――いままで、『FF』は大きなタイトルであるがゆえに、あらゆるユーザー層をフォローするような間口の広さを意識されていましたよね。そういった難易度の設定は、3作目だからこそできるチャレンジ、ということでしょうか。

北瀬 それだけではなく、今回は自由度が高く、『FFXIII』のように、どこかのバトルでつまづいたらストーリーを先に進めるのが難しくなる、という作りではないんです。そのため、尖ったバランスでも成り立つのではないかと思っています。まあ、バランスを取る時間はこれまでの作品よりも長めにあるので、今後の調整次第ですね。

鳥山 ある程度完成度が上がり、公開できるようになったら、一般のユーザーさん向けに体験会を行いたいですね。自由度が高く、プレイヤー全員が同じルートで攻略をすることはないと思うので、皆さんがどんなプレイをするのかを拝見したいです。

――体験版を配信する予定はないのですか?

鳥山 自由度が高いゲームデザインになっているので、体験版用に一部だけを切り出すのが難しいんですよね……。ユーザーさんには、まずは体験会という形で触れていただきたいと思っています。

――その“自由度が高い”ゲームデザインというのは、具体的には?

鳥山 ライトニングがいちばん最初に降り立つユスナーンと、その後に向かうルクセリオの導入部までは、チュートリアルとしてルートが決まっているのですが、そこから先は、どの大陸からでも攻略できるようになっているんです。

――ルクセリオをすべて攻略してからほかの大陸に行く、というわけではないと。

北瀬 以前はそういうバランスだったのですが、ひとつの大陸を集中して攻略する形だと、待ち時間の発生などでテンポの悪いゲームプレイになってしまって。なので現在は、大陸間の移動手段を増やし、NPCの台詞での誘導などを追加していって、大陸を渡り歩きながら遊ぶゲーム性になってきています。

――列車以外にも移動手段があるんですか?

鳥山 GPを消費して、テレポで各大陸に複数あるポイントまで移動できます。メインクエストは、それぞれの大陸で完結するようになっていますが、サイドクエストは大陸をまたぐ場合もあるので、そういったクエストのクリアーを目指すときにも便利です。


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▲各大陸を結ぶ列車。ほかに、移動手段としてチョコボに乗れる大陸も存在するようだ。

――しかし、大陸ごとに敵の強さが違いますよね? そうすると、おのずと攻略の順番は定まってくるのでは?

鳥山 バトルバランスはこれからの調整になりますが、モンスターの強さに関して言えば、固定されているわけではなく、世界の終末に向かって時間が経過すると強くなっていきます。アクセントモンスターなどは、放置しているとどんどん強力になりますね。とはいえ、必ずしも毎日一律で強くなっていくわけではないですし、時間帯によって出現する敵の種類が変わったりもするので、いつ、どこを攻略するのがベストかを考えながらプレイすることになります。『FFXIII』や『FFXIII-2』のときとは異なる頭の使いかたをする必要があって、それがわかってくるとおもしろいですよ!

北瀬 やはり大陸間の移動をしつつ遊ぶほうが、断然おもしろいんですよね。じつは、ルクセリオの物語を通しで遊べるようになったときに、最短ルートでの攻略にチャレンジしてみたんです。そうするには、ホープのところへ帰る前にクリアーしないと、クエストの発生タイミングの都合でつぎの夜まで待たなくてはならないので、超特急でクリアーしました。でも、やってみたら味気なくて。

――すみません、“ホープのところへ帰る”って何のことですか?

北瀬 ああ、毎朝6時に、ホープのところに帰らなきゃいけないんです、ライトニング。プレイに夢中になっていると、ホープに呼び戻される(笑)。

――えっ、門限!?

北瀬 実際、「箱入り娘か!」というセリフがあるよね。

鳥山 “箱入り娘”と“門限”という言葉は入れてくれと言っていて(笑)。あれ、“箱入り娘”はなくなったんだったかな……。

――その門限制度は、どういった意図で導入されたのでしょうか?

鳥山 『LRFFXIII』には13日間という期限がありますが、いきなり13日ぶんの時間を渡されて使うより、節目があったほうが1日1日を大事にできるだろうと。プレイヤーに時間の感覚を与えつつ、使いかたを考えていただきたくて導入した要素です。

――なるほど。ところで、ライトニングはなぜホープのところへ?

鳥山 わかりやすく言えば、“クエストをこれだけクリアーして、人々の魂を救いました”という成果をホープに報告するためです。そうすると、世界の残り時間が増える。世界の寿命は、ホープのところでしか延ばせないんです。ちなみに、期限は13日と言っていますが、厳密に言うと最初は残り時間7日のところからスタートして、さまざまなクエストをクリアーしていくうちに13日まで延ばせるようになるんですよ。

――ホープはライトニングのナビゲーションだけでなく、そういった役割も担うんですね。彼はどこにいるんですか?

鳥山 “箱舟”と呼ばれる特殊な空間にいて、ライトニングを見守っています。呼び戻されることで時間をロスするなどのデメリットはありません。また、ホープのところへ戻ると、ライトニングのHPやGPが回復します。ですので、「そろそろホープに呼び戻されるから、食事で回復するのはやめておこう」といったこともあると思いますよ。


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▲こちらは、『FFXIII-2』のホープ。『LRFFXIII』では、ライトニングのよき補佐役として、彼女の旅をサポートする。

■ボリュームは最終作にふさわしいフィナーレサイズ!

――現在、通しでプレイできる状況とのことでしたが、全体で何時間ほどのボリュームになるのでしょうか?

北瀬 私はまだ自分で最後までプレイできていないのですが、前2作と同等のボリュームにはなっていると思います。

鳥山 13日間という限られた時間を使っていくゲームなので、開発初期は、クリアーまでは短めで何周も遊ぶようなイメージをしていたのですが、やはり最終作ということでだんだんとボリュームが増えてきて……(苦笑)。

北瀬 周回プレイが基本になっているのは変わらないんですけれどね。

――ゲーム中で時間が経って、どうにも世界を救えない状況になることもあると思うのですが、その場合、何か救済策はあるのでしょうか?

鳥山 いつでも最初の日からリトライできるようになっています。その際、ウェアやステータスなどは引き継げて、いわゆる“強くてニューゲーム”状態で新たな攻略手段に挑戦できるようになっています。

――基本的には、クエストクリアーでの時間延長と、効率のいい攻略ルートの確立を、バランスよくやっていく感じになるんでしょうか。

鳥山 そうですね。メインのストーリーを追うだけでは、なかなかキャラクターが成長しませんし。ある程度、サイドクエストをこなして世界の残り時間を増やしつつ、ライトニングを強化していくことも必要になります。

――キャラクターは、どうやって成長させるんですか?

鳥山 それを、いままさに調整しているところで。まず、基本となるパラメーターは、サイドクエストをクリアーすることで成長します。モンスターを倒していれば強くなるとか、従来作のクリスタリウムのような成長ツリー型のシステムとは違います。また、ウェアによって、ATBゲージの初期値や最大値、回復スピードなどが異なるなど各種パラメーターへの影響もあるので、どのウェアをメインにするかでも違ってくると思います。

――さらに、武器や盾、アクセサリによるステータスの強化もあると。

鳥山 バトルで入手した素材を合成して武器を鍛えたり、詳細はまだ言えませんが、アビリティの合成を行えたりもします。バトルにはウェアを3つ持ち込めますが、どういったアビリティをセットしておくかなどのカスタマイズ次第で、バトルの難度が変わってきますね。


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▲E3 2013用の試遊版では、同名のアビリティでも、実行するのに必要なATBゲージの消費量が異なっていた。これは、同じアビリティでも、合成による強化段階によってATBゲージの消費量が違ってくるからだという。

――カスタマイズを間違えると、バトルに勝てずにやり直しということもありそうです。

鳥山 そうですね。バトルはいつでもリスタートが可能でエンカウント前に戻れますが、リスタートすると1時間経過するので、けっこう痛いですよ。

――リスタートで1時間失うとなると、気軽にはできそうになりですね。やはり、前作と比べて歯応えがあり、「難しい」と感じるユーザーが多そうです。

鳥山 難度に関しては今後の調整によりますが、イージーモードでのフォローもありますので。前作までのイージーモードはバトルの難度を下げるものでしたが、今回はそれに加え、時間に影響する機能があります。たとえば、バトルのリスタートをしても、時間経過がない、というようなことです。


■時間ごとの生活感を出す試み

――試遊やお話を通じ、『FFXIII-2』からシステムがだいぶ変わっているのがよくわかりました。3作目とは思えない新鮮さです。

鳥山 作品ごとに変えていく、というのはポリシーではあるのですが、今回はその幅がすごいことに(笑)。

北瀬 しかも、開発期間は短いという(笑)。

――開発状況は何%くらいなのでしょうか。

鳥山 70%です。グラフィックがフィックスする段階にきていますね。前作からだいぶシステムが変わっているので、調整の時間を長く取っています。

――だいぶ形になってきていると。全体像が見えてきた現在、開発で苦労されているのは、どのような部分ですか?

北瀬 『FFXIII』のときは、バトルに関する要素を別で作っていて、開発のかなり後期にゲームに落とし込んだんです。それでも、さすがにいままでの経験がありますから、想像していた通りのバトルになりました。今回は、まずバトルを組み込んでから、テストなどを経て調整し、徐々に作り上げる形を取っています。その点で、やりかたが違うぶん、試行錯誤がありますね。

――鳥山さんはいかがですか?

鳥山 都会の雰囲気を作ることです。デッド・デューンやウィルダネスのような自然大陸のほうが、オープンワールド的な遊びは作りやすいですね。都会は、NPCを生活させないといけないのが難しい。いま、生活感を表現するのに苦心しているところです。

――その生活感というのは、どのような部分を指すのでしょう?

鳥山 たとえば、NPCがある地点から目的地へと移動する場合、直線的に向かうのではなく、あいだにあるいろいろなものに興味を示したり、知人がいれば話しながら移動をします。夜に家へ帰るときなら、食堂に寄ってテーブルについて食事をし、そこに人が来たら会話をします。そういった行動の調整の部分が大きいですね。ここを作り込んでいこう、というのは最初から思っていたのですが、これがなかなかたいへんで(苦笑)。

――時間の流れがあるので、それに即した行動を取らせる必要があるんですね。

鳥山 そうなんです。セリフも変わるので、ボイスもすごく多いんですよ。『FFXIII』と比較すると、倍くらいあります。先日、さまざまなゲームのボイス数を調べたのですが、単一の言語のボイス数としては、『LRFFXIII』が世界一かもしれません。

――そんなに! ほかに、時間の流れがあることで、想定していないようなことが起こったりはしますか?

鳥山 そうですね……各大陸でのイベントが、時間帯によって周囲の状況や景色が変わることでしょうか。昼は人が多くにぎやかな場所も、夜だと人がいなくて、まるで深夜の空港に降り立ったような寂しさがあったり。こちらとしては、「このイベントはこの時間帯に見てほしい」、という気持ちがあったりするので、ちょっとだけ複雑です(笑)。でも、プレイヤーによって印象が変わるのはおもしろいですし、2周目、3周目は違う時間帯でイベントを見てもらえれば、新鮮に感じていただけるかなと。


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▲クエストの発生タイミングや敵の強さなど、時間の流れはいろいろな要素に影響する。“生きた世界”を作るために、さまざまな苦労があるようだ。

――長く遊ぶ仕掛けとして、周回プレイのほかにも、ダウンロードコンテンツがあると思うのですが、今回はどのようなものを配信するのでしょうか。

北瀬 まだ未定です。ひとつ言えるのは、前作のような追加エピソードはまったく考えていないということです。今作は、本編のみで物語が完全に完結します。これは断言します。しかし、ゲームプレイの幅を広げるバトルアイテムなどは、検討するかもしれません。

――ネットワークを使った仕掛けもあるとおうかがいしています。そちらについてもお聞かせください。

北瀬 今回は、ゲームと現実世界が“ワールドドリブン”というコンセプトでつながることをひとつの目標にしていて、いろいろな仕掛けを導入しています。まず、先ほどお話した、アクセントモンスターのリザルトスコアを投稿できる仕組みですね。ランキングの上位者には、ウェアなどのリワード(報酬)をプレゼントするといったことを考えています。つぎに、コメントやスクリーンショットの投稿機能。今回は、ゲーム内に投稿機能があるほか、FacebookやTwitterでもスクリーンショットの投稿や自由なコメントの書き込みができます。3つ目に、ネットワークを介して、『LRFFXIII』をプレイしている人がNPCとして登場する仕掛けがあります。

――本作の制作発表会の折、会場限定で公開された動画では、頭上にアイコンと名前が表示されているNPCがいました。あれは、その3つ目の仕掛けと関連するものですか?

北瀬 そうです。ネットワークを介してランダムで入ってくるNPCは、ひと目でわかるようになっています。話しかけると、投稿機能を使って書き込んだコメントや、そのプレイヤーのライトニングのステータスを確認できます。

鳥山 コメントには、自分のストックからアイテムをひとつ、“おみやげ”として付けることができます。コメントにポーションを付けておくと、そのユーザーを呼び込んだ人は、ゲームに登場したNPCからそのポーションを購入できるという具合です。おみやげとして付けられるのは消費アイテムや素材などで、わりとレアなものも付けられるようになるかもしれません。なお、これはお店のようにいくつも購入できるわけではなく、1ユーザーのアイテムにつき、1回のみの購入となります。

――購入する際に支払ったお金は、アイテムを付けた人のところに還元されるのですか?

鳥山 直接ギルが支払われるわけではなく、“応援”のような、ボランティアポイントが貯まります。あくまでプレイを補助したり、いっしょに楽しむものとして考えていただければと。人があまりいない、デッド・デューンの遺跡などにアイテムを持ったNPCがいると、補給ができてとてもありがたいですよ(笑)。

北瀬 ちなみに、Facebookに登録していれば、特定の知人をNPCとして呼び込むこともできます。たとえば、Facebookの私のタイムラインに、鳥山の『LRFFXIII』に関する投稿が流れてきたとします。その投稿を私が読み込むことで、鳥山の名前のNPCが、私のゲームプレイのなかに登場するんです。NPCの鳥山に話しかけると、Facebookに投稿した内容をゲーム内で見られたりもします。

――コメントの投稿機能があると、ネタバレをされる可能性があるのでは?

鳥山 情報を受け取る度合いをコンフィグで選択でき、“ネタバレ禁止”などの設定をすることができます。従来通りの“おひとりさま”プレイを楽しみたい方のために、ネットワーク機能をオフにもできますよ。

――自分のプレイスタイルに合わせられるんですね。それでは最後に、このたび発売日が決定したということで、改めてユーザーの方々にメッセージをいただければと思います。

北瀬 2013年秋発売予定と発表していましたが、11月21日にリリースすることが決定しました。……ぎりぎり秋、ですかね(苦笑)。これは、開発が遅れたわけではなく、今年は『X/X-2 HDリマスター』や『XIV』といった『FF』シリーズのリリースが複数ありますので、各タイトルを遊んでいただけるようにバランスをとってこの日付になりました。『LRFFXIII』は、今世代のハードの集大成となるタイトルとなりますので、ご期待ください。また、7月18日には、『FFXIII-2 デジタルコンテンツセレクション』と『アルティメットヒッツ FFXIII-2』が発売されます。そちらを遊びながら、お待ちいただければと思います。

鳥山 ひとつのハードで、『FF』を3タイトル作るというのは初めての経験です。『LRFFXIII』は、今世代のハードの性能を使いきって作った、まさに集大成のタイトル。『FFXIII』や『XIII-2』よりリッチになっているカットシーンもあります。とてもかっこよく美しいライトニングをお見せできますので、楽しみにしていてください。



ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII
メーカー スクウェア・エニックス
対応機種 プレイステーション3 / Xbox 360
発売日 2013年11月21日発売予定
価格 7770円[税込]
ジャンル RPG / ファンタジー
備考 ※ライトニングサーガ3部作が入った『ファイナルファンタジーXIII-LIGHTNING ULTIMATE BOX-』は26000円[税込]

(C)2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
※画面は開発中のものです。

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