続編製作に至った理由は「語りきれなかったものに決着をつけるため」

明日なきバイオレンス道中も最終章。『Hotline Miami 2』E3デモリポート【E3 2013】_01
▲Dennaton Gamesの片割れDennis Wedin氏。開幕数秒で死んだりするハードコアさが本作の特徴だが、Wedin氏も死にまくって「(イラっとした姿を垣間見せながら)ほら、俺でもキツいゲームだからね!」と言っていたのが最高だった。

 E3会場の外でプレゼンテーションが行われていた『Hotline Miami 2: Wrong Number』のデモリポートをお届けする。

 本作はDennaton Gamesが開発したインディーゲーム『Hotline Miami』の続編。基本は殺し屋として標的の屋敷に潜入して大殺戮を繰り広げる見下ろし型のアクションゲームなのだが、非常に命が安いハイテンションなゲームのテンポ(一発の銃弾で容易に死ぬので、死亡とリスタートを高速に繰り返すことが多い)、恐ろしく出来のいいドラッギーなサウンドとグラフィック、そして謎めいたディープなストーリーなどが評価されたタイトルだ。海外ではPCでリリースされた後、プレイステーション3とPS Vitaにも今夏リリース予定。

 そして登場した本作。前作が非常に優れたアート作品のように磨かれきったタイトルだったので、続編を作るというのが意外だったのだが、プレゼンテーションを行なってくれたDennis Wedin氏に聞いたところ、前作で語りきれなかった部分や使い切れなかった武器、キャラクターなどがあり、いわば本作に決着を付けるために開発を決定したのだという。

 プレイアブルキャラクターはふたりいるそうで、ストーリー構造も変化。一方で命が安く無軌道な暴力によるこの世の終末感は増していて、『Hotline Miami』最後の作品として、人生にもやがて来る“終わり”とどう向き合うかをテーマのひとつとしているとのこと。

 冒頭のイントロと数面を見せてくれたのだが、確かに世界のどん底に落ちたかのようなウルトラバイオレンスぶりは増しており、恐らくドラッグでヘロヘロになっているマフィアの大物を全員でなぶり殺しにしたり、這って逃げる女性にまたがりパンツを脱いだり(何をしているのかまでは書かない。ちなみにどちらもトレイラーで見られるシーン)と、イントロやミッション完了後のシーンも凶悪のひとこと。

 グラフィックやサウンド同様、ミッション部分のハイテンポさなどの根幹の部分は変わっておらず、Wedin氏ですらもスタート→10秒ぐらいで失敗して死亡→リスタート→5秒ぐらいで失敗して死亡……というデスループを繰り返してしまうというハードコアぶり。ちなみにパンチ一発で撲殺完了になるタイガーマスク(本作では能力の異なるマスクを被ってミッションに向かう)など、前作から共通する部分もアリ。

 前作同様、まったくもって万人にオススメできるタイトルではないのだが、ハマった人の心を掴んで離さない暴力的な魔力は変わっていないと感じた。このウルトラバイオレンスのパンドラの箱の中で、最後に何が待っているのか、前作に魅せられた者のひとりとして、見届けに行くしかないだろう。本作はPCとMacとLinuxで2013年のリリースを予定している。PS Vitaなどへの移植も前作に引き続き検討している模様だ。