HMZ-T2は、クリエーターの意図をしっかりと伝えてくれる

 圧倒的な映像美と深い没入感を実現する、ソニーのヘッドマウントディスプレイ“HMZ-T2”。今回は、サイバーコネクトツーの松山洋氏が、みずから手掛ける対戦格闘アクション『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』をHMZ-T2でプレイ。そのインプレッションをお届けする。

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【ヘッドマウントディスプレイ “Personal 3D Viewer”HMZ-T2】
〈ディスプレイ〉●パネル:有機ELパネルx2 ●画素数:1280x720 ●仮想画面サイズ:750インチ(仮想視聴距離20m)※体感サイズには個人差があります
〈サウンド〉●サラウンド:5.1chバーチャルサラウンド ●付属ヘッドホン:密閉型インナーイヤー
〈その他〉●HDMI入力:1系統 ●ヘッドマウントユニット質量:約330グラム ●プロセッサーユニット寸法:幅180ミリx高さ36ミリx奥行168ミリ
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株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役社長 松山洋

『.hack』シリーズを始め、代表作多数。『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』では、ディレクターを務める。

――まずは、HMZ-T2でゲームをプレイしてみた感想を教えてください。

松山 ヘッドマウントディスプレイというと、小さい画面が目の前にあるという印象を持つ人もいると思いますが、このHMZ-T2はまったく違いますね。感覚としては、大画面がちょうどいい距離にあるイメージです。だから、小さな文字もしっかりと読めますよ。昔のヘッドマウントディスプレイと比較すると、このテクノロジーの進化はうれしいですね。

――有機ELパネルによる映像はいかがでしたか?

松山 見事ですね。非常に発色がいいので、映像がプレイヤーに訴えかけてくるんです。突き刺さるような感じなんですよ。当然、ゲーム制作では色使いにはこだわっていますからね。それでいてレスポンスもよく、動きや遅延を感じることもありません。とくに、格闘アクションである『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』は、キャラクターの動きも激しいのですが、アクションのひとつひとつを鮮明に映し出してくれますよ。

――HMZ-T2は音にもこだわった商品ですが、実際どのように感じましたか?

松山 音もいいですね。ゲーム制作では音にもこだわって作っていて、音を立体的に配置したりと、重要な演出のひとつになっています。でも、テレビでプレイする場合、住宅環境を考えるとボリュームを大きくするのは難しいと思うんですよ。それでボリュームを小さくすると、聞き取りにくい周波数帯の音も出てくる。それに、リビングなどでのちょっと遠くにあるテレビと、プレイヤーの耳元で音が鳴るヘッドホンの組み合わせでは、映像と音の距離感がマッチしないと思うんですね。その点、ヘッドマウントディスプレイとヘッドホンの組み合わせは、クリエイターの意図した音の演出がしっかりプレイヤーに伝わり、より没入感を高めてくれます。

――HMZ-T2とゲームの相性は、かなりいいと?

松山 そう思います。我々も開発段階でいろいろなサイズのモニターを使い、小さな画面でも楽しめるようチューニングしていますが、いまのゲーム機はHD画質が基本です。やっぱり大きな画面で遊んでもらいたいんですよ。でも、大きなテレビを置くには広い部屋も必要になります。部屋の大きさを無視して無理に置くと、キャラクターは大きく見えるけど、全体が見渡せなくなりますからね。HMZ-T2だと場所を選ばないし、何より自由な姿勢でゲームをプレイできます。ゲーム好きの人ならわかると思いますが、ゲームって遊んでいると少しずつ姿勢が崩れてくるじゃないですか。HMZ-T2は軽くて顔にピッタリ固定できるので、どんな姿勢でも最適なポジションを保ってくれるんです。寝転がった状態でも、ゲームの世界に没入していられますよ。

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『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』
プレイステーション3/バンダイナムコゲームス/アクション/8月29日発売予定/7980円[税込]

コミック『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに登場するキャラクターたちが、波紋やスタンドなど、多彩な能力を駆使して闘う、対戦格闘アクション。