死にたくなければ、昼を駆け抜け、夜に潜め。
E3にワーナーが出展している『Dying Light』は、Techlandが開発中の、一人称視点でオープンワールドのゾンビサバイバルアクション。
洋ゲー派の人ならピンと来たかもしれないが、一人称視点でオープンワールドのゾンビサバイバルアクションというのは、Techlandの名を一躍有名にした『デッドアイランド』とほぼ同じである。では何が違うのか? E3で見た最新デモ(恐らくPC)の模様をお届けするとしよう。
パルクールアクションが炸裂! 超高機動なゾンビサバイバルが始まる
デモは日中、政府のヘリが投下した2つの医療物資を回収しにいく所からスタートした。
舞台設定としては“感染”拡大から2ヶ月後、プレイヤーは安全がある程度確保された場所で暮らしているという状態らしい。しかし物資は確保しなければいけないというわけで、パートナーの女性と通信しながら、ひとまずは近くに落ちた医療物資を目指すことに。
プレイヤーキャラクターが動き始めると、すぐに『デッドアイランド』とは異なる挙動に気がつく。そう、本作の主人公はパルクールアクションが可能で、その機動性を活かしてゾンビを出し抜き生き残ってきたのだ。
パルクールと言ってもちょっとわからないかもしれないが、ゲームで例えると、先日続編の開発が発表された、エレクトロニック・アーツの『ミラーズエッジ』が、ちょうど一人称視点のパルクールアクションをゲームにしたものなので、丁度あんな感じ。
家屋の屋根から屋根へと飛び移り、障害物によじ登ったりしながら、スピード感を殺さずにゾンビ地獄の脇を駆け抜けていくというのが新しい。途中に出てきた巨大なゾンビも、タックルを軽快なジャンプでかわして、スライディングで穴をすり抜けてサヨウナラ。電柱によじ登ることなんかもできて、それを使って鍵がかかった家の中に入るというシーンもあった。
『デッドアイランド』風の要素と言えば、自作武器ももちろんある。デモではマチェーテに電気ビリビリな機能を足した電撃マチェーテを振るっていた。そのほかにも、スレッジハンマー、コンバットナイフ、レンチ、バットなどおなじみの近接武器が揃っていたので、それらが魔改造によりどんなオリジナル武器に変貌するのか今から楽しみ。
ちなみに、攻撃でクリティカルヒットが炸裂すると、X線写真のようなエフェクトでヒットした部位が示されるという『モータルコンバット』風の演出もある。
そんなこんなでたどり着いた第1ポイントにはガッチリ全身装備した軍隊っぽい連中が先に到着しており、「とっとと去らないと撃つぞ」とのありがたい警告により撤退を決意。どうもプレイヤーたちと対立する、なかなか厄介そうな連中が生き残っているようだ……。
夜、それは死の世界
本作には昼夜の概念があり、悲鳴を上げていた少女を救ったりしている内に、辺りはすっかり暮れかけているというイヤーな状態。何とか2個めの物資は確保したが、生きて帰れるのかどうか……。
夜になると感染者は凶暴性が増し、生存者を見つけると昼よりもアグレッシブに襲ってくるようになる。どうやら夜間になると普段いるノーマルゾンビの数倍ヤバいヤツも出てくるようで、ここまで書けば何となく想像がつくと思うが、バッチリ発見されてしまい、コイツとのチェイスになっていた(そして最後は死亡)。
というわけで夜間は日中とは異なり、機動性よりも見つからないことを意図したステルスゲームのような移動が求められるようになる。
プレイヤーはゾンビの人間認識の度合いをレーダーのように見ることもでき、見つかりかけてもうまく身を隠してやりすごすこともできるのだが、それだけ見つかるとヤバいという裏返しにしか過ぎない。
ほとんど明かりもなく、漆黒の闇に包まれた街をゾンビに追われながら一人称視点で駆けまわるというのは、本当に悪夢のような経験でしかないのだ。
グラフィックの進化も光と闇の演出に注力されており、太陽の光の下の活発なアクションと、夜の闇の緊迫感のコントラストは実に秀逸。今後の続報が楽しみなタイトルといえそうだ。