コンセプトは「アミューズメントゲームで集めた“トレッタ”を家でも楽しめないか」

 ポケモンとタカラトミーアーツ、マーベラスAQLの3社によるアミューズメントマシン『ポケモントレッタ』。その『ポケモントレッタ』をニンテンドー3DSを使って楽しむことができる『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』が8月10日に発売されることが決定。

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 本作は、ニンテンドー3DS本体に“トレッタスキャナー”をセットし、『ポケモントレッタ』から手に入れることができる“トレッタ”を読み取ることができる。読み込ませたトレッタのさまざまな情報をゲーム画面上で確認することができ、『ポケモントレッタ』をさらに楽しく遊ぶことが可能だ。

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▲ニンテンドー3DS本体を本商品のトレッタスキャナーにセットすると、“ポケモントレッタ”(配出物)を読みとることができる。読み込ませたトレッタのさまざまな情報をゲーム画面上で確認することができ、ポケモントレッタをさらに楽しく遊ぶことが可能。
※ニンテンドー3DS、ニンテンドー3DS LLに対応
※ニンテンドー3DS本体は商品に含まれません。

 今回は、そんな『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』について、ポケモン代表取締役社長でポケモン総合プロデューサーの石原恒和氏に話を聞いた。

※本インタビューは、週刊ファミ通5月23日号(5月9日発売)に掲載したインタビューの加筆版となります。

『ポケモントレッタ』とは

 2012年7月より稼動しているアミューズメントマシン。画面上でつかまえたポケモンが“トレッタ”と呼ばれる配出物として実際にマシンから出てくる。“ポケモンをさがす、ポケモンをつかってバトルする、ボールを投げてつかまえる”という『ポケットモンスター』本来のおもしろさの一部が再現されているところが魅力のひとつ。

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ポケモン代表取締役社長
石原恒和氏
Tsunekazu Ishihara

――稼動から1年足らずの『ポケモントレッタ』ですが、子どもたちの間で大ヒットを記録しています。その人気の秘密は?

石原恒和氏(以下、石原) 『ポケモントレッタ』は、『ポケモンバトリオ』の後継機という位置づけなのですが、『ポケモンバトリオ』は硬貨を入れると“パック”が手に入り、それを使って遊ぶ仕組みでした。それに対し、『ポケモントレッタ』では、ゲーム内でつかまえたポケモンが“トレッタ”として手に入り、さらにそのトレッタを使って新しいポケモンをつかまえに行くという、『ポケットモンスター』シリーズ本来の遊びの仕組みが喜ばれている要因だと思います。つかまえたポケモンが物理的なトレッタとして配出される仕掛けは、簡単に見えて工夫が必要で、開発には苦労もありました。ですが、現在、全国に約3000台ある筐体では、ときには行列ができるほどの支持をいただき、とても好調です。親子で楽しんでいただきたいと思っていましたが、お子さんが手に入れたトレッタを親御さんがリスト化していたり、親子で熱心に遊ばれているところを見ると、うれしいですね。

――そのトレッタをニンテンドー3DSで利用できる『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』ですが、まずは開発の経緯から教えていただけますか?

石原 ある日、弊社のスタッフから「見てほしいものがある」と言われて見せられたのが、マーベラスAQLさんが製作された『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』のプロトタイプでした。実際に作動させてみたとき、「これはスゴイな」と驚きましたね。『ポケモンスクランブル U』(※)もうそうですが、物理的なものからデータを読み取って遊ぶ、というちょっとした驚き、遊びの深まりかた、というもの自体、僕自身も好きですし、子どもたちにも楽しんでもらえるのでは、と思いました。そこで岩田さん(任天堂 代表取締役社長 岩田聡氏)にも見ていただいたら、「これはおもしろいですね」と仰っていただき、これをそのまま製品化すれば皆さんに楽しんでいただけるに違いない、と確信しました。

――開発はスムーズに進んだのでしょうか?

石原 ニンテンドー3DSのふたつのカメラを立体視撮影に使わず、トレッタの情報の読み取りに使うというアイデアなど、さまざまな工夫を施したものになっていますので、試行錯誤はありましたが、ひとつの製品としてエレガントにまとめることができたと思います。また、トレッタスキャナーをニンテンドー3DSとニンテンドー3DS LLにどう対応させるかというのは悩みどころでしたけれど、製品を2種類に分けたくはなかったので、アダプターの付け替えで両機種に対応させることにしました。家族で別々の機種を持っている、という方も意外と多いようですし。

――アミューズメントマシンと家庭用ゲーム機の橋渡しとなる製品で、『ポケモントレッタ』の広がりにも期待できそうですね。

石原 結果的にそうなればいいのですが、じつはビジネス的な側面は二の次で、まずは『ポケモントレッタ』に熱心な子どもたちがどんな道具が欲しいか、どんなものが喜ばれるか、より深い楽しさをどう提供できるか。そこが考える原点でした。ビジネス的な側面から考えると、答えが出ないことが多いです(笑)。先ほども述べたように『ポケモントレッタ』は、『ポケットモンスター』本来のおもしろさの原点を際立たせた遊びになっています。自分のポケモンの強さや相性などは、家でじっくりと研究したいですよね。

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▲トレッタアナライザー:読み込んだトレッタの情報を表示するモード。バトルに役立つ情報はもちろん、そのポケモンの特別な能力もわかる。さらに、ゲーム画面はニンテンドー3DSの機能である3D表現によって、視覚的な楽しみも。
▲オートバトル:トレッタを2枚読み込み、簡易版のバトルを楽しむモード。CPUが選んだポケモンとのバトルを楽しむこともできる。

――そのための『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』だと。

石原 はい。家で研究できるツールという意味で“ラボ”という単語をタイトルに入れています。『ポケモントレッタ』をプレイされている方の多くは、トレッタを50~100枚くらい持っていらっしゃるようなのですが、遊び応えのある道具になっていると思いますので、アミューズメント施設と家でじっくりと遊んでほしいですね。

――『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』から始める人もいると思うのですが。

石原 3枚のトレッタを同梱する予定ですので、初めての人はどんな遊びなのか、ということを試していただいて、もっとトレッタが欲しいと思ったら、お店にポケモンをつかまえに行ってほしいですね。

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――今後、『ポケモントレッタ』は、『ポケットモンスター』本編との連動などはお考えでしょうか?

石原 秋に発売する『ポケットモンスター X・Y』と何かできないか、というのは考えています。現在は研究段階ですので、実現するかどうかはお楽しみにということで(笑)。また、ニンテンドー3DSの機能を使った遊び、たとえば、すれちがい通信など、そういった部分も研究していきたいと思っています。もちろん『ポケモントレッタ』自体もアップデートで進化していきますので、『ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS』もそれに対応させていく予定です。

――発売は8月10日ですね。秋には『ポケットモンスター X・Y』も発売されますし、夏以降は『ポケモン』が相当盛り上がりそうですね。

石原 今年は相当盛りだくさんな年になると思いますよ。

※2013年4月24日に発売されたWii Uダウンロード専用ソフト。Wii U GamePadに本物のフィギュア“ポケモンスクランブル U NFCフィギュア”をかざせば、NFC(近距離無線通信)を使った仕組みにより、そのフィギュアと同じポケモンがゲームにも登場する。


ポケモントレッタラボ for ニンテンドー3DS
対応機種 3DSニンテンドー3DS
発売日 2013年8月10日発売予定
価格 3800円[税込]
備考 ソフト提供:ポケモン、発売元:タカラトミーアーツ、企画・開発・販売:マーベラスAQL ※本商品は、ニンテンドー3DS、ニンテンドー3DS LLの両機種に対応しています。