本体の販売台数の減少などにより減益に

 2013年5月9日、ソニーグループの2012年3月期の決算短信が発表された。それによると売上高は前年度比4.7%増の6兆8008億円。営業利益は前年度の673億円のマイナスから回復して2301億円、税引前利益が2456億円となった(⇒関連記事はこちら)。売上高の増加に関しては、折からの為替の好転に加えて、ソニーモバイルの連結子会社化などが寄与した模様だ。

 ただし、ゲーム分野に関しては、売上高7071億円(前年同期比12.2%減)、営業利益は17億円(94.1%減)と大幅な減益に。売上高の減少に関して決算短信では、おもにハードウェア(プレイステーション3、PSP、プレイステーション Vita)の販売数量の減少によるものとのこと。一方、営業利益の減少は、PSP本体及びソフトの減収、ならびに2013年2月に日本で実施したプレイステーション Vitaの戦略的価格改定の影響によるものとしている。

 2014年3月期の業績予想に関しては、ゲーム分野では「2013年度にプレイステーション4(以下、PS4)を導入する予定であることなどにより、大幅な増収を見込んでいます。営業利益については、増収による改善要因があるものの、主に、PS4導入にともなう研究費や広告宣伝費の増加によりほぼ前年度並みを見込んでいます」(決算短信より)としている。

 ソニー全体の業績予想に関しては、円安及びエレクトロニクス事業での増収を見込んでいることなどにより、売上高7兆5000万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は2300億円、税引前利益は2100億円と予想している。