すべてのゲーム開発者に今夜は乾杯!

『風ノ旅ビト』がゲームオブザイヤーほかGDCアワード6冠!【GDC2013】_07

 米時間の2013年3月27日、GDC 2013(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)会場で、GDCアワードとIGFアワードの授賞式が行われた。

 GDCアワードは、ゲーム開発者によるゲーム賞。今年はthatgamecompanyの『風ノ旅ビト』がさまざまな側面から評価され、ゲームオブザイヤー(年間ゲーム大賞)を含む6冠を獲得。
 元が日本語のゲームでありながらBest Narrative(物語賞)にノミネートされた『極限脱出ADV 善人シボウデス』ほか、『新・光神話 パルテナの鏡』、『GRAVITY DAZE』など日本からノミネートされた作品の受賞は惜しくもなかった。受賞作の一覧は以下(ノミネート作品の一覧はこちら)。

Best Downloadable Game(ダウンロードゲーム賞)
『風ノ旅ビト』

Best Narrative(物語賞)
The Walking Dead

Best Visual Arts(美術賞)
『風ノ旅ビト』

Best Technology(技術賞)
ファークライ3

Best Design(ゲームデザイン賞)
『風ノ旅ビト』

Best Handheld/Mobile Game(携帯ゲーム機・モバイルゲーム賞)
The Room

Best Audio(音響賞)
『風ノ旅ビト』

Best Debut(デビュー賞)
Subset Games(『FTL』)

Innovation Award(革新賞)
『風ノ旅ビト』

Audience Award(観客賞)
Dishonored

Game of The Year(年間ゲーム大賞)
『風ノ旅ビト』

IGFアワードは『Cart Life』が3冠!

『風ノ旅ビト』がゲームオブザイヤーほかGDCアワード6冠!【GDC2013】_01

 優れたインディーゲームを称えるIGFアワードでは、『Cart Life』が大賞を含む3部門を受賞した。
 プレゼンターを務めたアンディ・シャッツ氏(2010年のIGFアワードで大賞を受賞したインディーゲーム『Monaco』のクリエーター)は、昨今のインディーゲームの成長を背景に「我々はもうカウンターカルチャーじゃない」、「でも依然としてパンクだ」と宣言。事実、家庭用ゲーム機のプラットフォーマーでさえも次々とインディーゲーム開発者を意図した施策を発表しており、大手の作品と比べると小規模ながらも表現がソリッドに詰まったインディーゲームへの注目は今後ますます高まりそうだ。受賞作は以下(ノミネート作品の紹介はこちら)。

Excellence in Visual Art(美術賞)
Kentucky Route Zero

Nuovo Award(革新的なゲームに与えられる賞)
『Cart Life』

Excellence in Audio(音響賞)
140

Excellence in Narrative(物語賞)
『Cart Life』

Technical Excellence(技術賞)
Little Inferno

Best Student Game(学生賞)
Zineth

Audience Award(観客賞)
『FTL』

Excellence in Design(ゲームデザイン賞)
『FTL』

Grand Prize(大賞)
『Cart Life』

業界の貢献者の表彰ほか、亡くなられた開発者を追悼するコーナーも

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 そのほかGDCアワードでは、業界に大きく貢献した人を称えるアンバサダーアワードに、サン・マイクロシステムズで活躍したほか、3年以上をかけて大規模な展覧会“The Art of Video Games”を立ち上げたクリス・メリシノス氏を、そして先駆者を称えるパイオニアアワードにビデオゲームの元祖『Spacewar!』を開発したスティーブ・ラッセル氏を選出。
 また生涯功労賞にBioWareの創設者であり、先日退任したレイ・ムジカ氏とグレッグ・ゼシュク氏を選び、長年の功績を称えた。
 そして今年のGDCアワードでは、亡くなった開発者たちを惜しむコーナーももうけられ、伝説的ピンボールデザイナーのスティーブ・コーデック氏らとならび、飯野賢治氏の姿が映し出されると、ひときわ大きな惜別の拍手がおくられた。

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▲恒例の映像ギャグ集団MEGA64のネタは『風ノ旅ビト』(のコスプレをして何も言わず街をうろつく)、『Hotline Miami』(のコスプレをして街中で突然撲殺しあってみる)、「ゲームストップを守ろう」など。
▲最後にプレゼンターのティム・シェーファー氏からプレゼントとして、KickStarterで出資を集めていた例の新作のトレイラーが!