インディーゲームに焦点をあてたイベントを開催
サンフランシスコで開幕したGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2013に合わせて、SCEA(ソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ)はプレス向けイベント“PlayStation Indie Arcade”を開催。インディーゲームを中心に25本のPlayStation Network配信タイトルを発表した。
プレゼンではPS3やPS Vita、PS Mobile向けに配信タイトルを開発する独立系デベロッパーを手厚くサポートすることを明らかにし、SCEのインディーゲームに対する強い意気込みが伝わるものとなった(開発者向けの公式サイトが更新され、詳細がまとめられている)。
今回のイベントで発表された配信タイトルは以下のとおり。ただし、『rain』以外のタイトルは海外向けであり、日本配信については発表されていない。
『Blacklight: Retribution』(PS4)
Zombie Studios開発による基本プレイ無料のFPS。PC版はローンチから1年で200万のプレイヤーを獲得した。
『Primal Carnage: Genesis』(PS4)
アンリアルエンジン4を採用した一人称視点アクションアドベンチャー。
『Rain』(PS3)
PlayStation C.A.M.P!、アクワイア、SCEジャパンスタジオにより開発中の日本発のタイトル。
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『Divekick』(PS3/PS Vita)
「ジャンプ」と「キック」の2種類の操作方法しかない対戦格闘ゲーム。攻撃方法はもちろんジャンプ後のダイブキックのみ。PS Vitaの2人対戦では1Pは方向キーの左と下、2Pは○ボタンと☓ボタンだけ使用(イカス!)。クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金調達が行われた。PC版が発表済み。
『Spelunky』(PS3/PS Vita)
PC版のフリーゲームとして配信され、大ヒットを記録したアクションゲーム。
『Velocity Ultra』(PS Vita)
『Limbo』(PS Vita)
『Sportsfriends』(PS3)
画面を必要とせず、PS Move モーションコントローラーだけで遊べる『Johann Sebastian Joust』をはじめ、『BaraBariBall』、『Hokra』、『Super Pole Riders』収録している。
『Ibb & Obb』(PS3)
『Guacamelee!』(PS3/PS Vita)
『Hotline Miami』(PS3/PS Vita)
『Dragon Fantasy Book II』(PS3/PS Vita)
『Thomas Was Alone』(PS3/PS Vita)
『Luftrausers』(PS3/PS Vita)
『Metrico』(PS Vita)
『Friend Network App』(PS Vita)
『A Virus Named Tom』(PlayStation Mobile)
『Beatdown in Treachery City』(PlayStation Mobile)
『Crumble』(PlayStation Mobile)
『Crystallon』(PlayStation Mobile)
『Don’t Wake the Bear』(PlayStation Mobile)
『Hermit Crab in Space!』(PlayStation Mobile)
『Oh, Deer!』(PlayStation Mobile)
『Rymndkapsel』(PlayStation Mobile)
『Ten By Eight』(PlayStation Mobile)
●記者の注目タイトル(その1) 『Johann Sebastian Joust』
モニター画面を見る必要なし、PS Move モーションコントローラを片手に持って多人数で遊べる感覚が斬新。音楽が流れたら、相手を押してモーションコントローラを揺すれば勝ちだが、自分も激しく動けないので駆け引きがアツイ!人数が多いと、なおさら!(編集M)
●記者の注目タイトル(その2) 『Hotline Miami』
PCゲームですでに買って遊んでいるタイトルなのだが、PS3/PS Vita版ともにコントローラー操作になったことでとてもヤバいのである。
って、何がヤバいのかまったく伝わらないのでそもそもの話をすると、本作は電話一本で銃を持った怖いお兄さんがうようよする事務所に素手で殴りこむ、ちょっと常軌を逸したというかアブネーというか正気かお前は?な命格安の弾丸ヒットマンになる見下ろし型のアクションゲーム(withステルス要素)。
んでもう、このゲームすげぇ死ぬ。出て行くタイミングをミスっては撲殺され、一人目を殺ったかと思えば二人目にショットガンを叩き込まれ、「ムキー!」と切れかけては近接攻撃をスカッて今度は刺されたりして、ひたすら死にまくる。まぁ、こっちもあっさり死ぬかわり、相手もかんたんに死ぬんだけどね。そんな殺伐としたループを、下手すりゃ1面クリアーするまでの数分間に何十回と繰り返すわけだ。初代『ポスタル』的なブチ切れヒロイズムがあればまだこう動機の理屈もつくけど、こっちはこれが仕事だからね、仕事。とにかく命が安いキングオブ刹那的ゲームです。
で、本作はグラフィック面、サウンド面も実にけしからん感じで、一見ドット絵風だが強烈なエフェクトで歪みまくったグラフィックと、絶妙なドヨーンとしたドラッギーサウンド。そんな視聴覚のよろしくない刺激に乗せて殺ったり殺られたりを永遠に繰り返していると、何かミニマルテクノのようなグルーヴ感さえ感じられるようになってくるのだ。
ここで話は今回のPS3/PS Vita版に戻る。オリジナル『Hotline Miami』はマウス&キーボードで遊ぶゲームだったんだけど、PCゲームを触って19年になる当方、マウス&キーボードよりやっぱりコントローラーの方が一体感を感じるんですヨ。
そんな一体感が先ほどのようなゲームに加わっちゃうとどうなるか。しかもPS3版ならリビングテレビの大画面で、PS Vitaなら手の平の中で殺伐グルーヴが展開できちゃう。もうこれは戦場カメラマンに聞かなくても実に危険です。
オールド洋ゲーマーならレーティングとかがなかった頃、ヤリスギ洋ゲーに遭遇して「あ、これはちょっと俺にはレベル高すぎるかな……」とセルフレーティング機関を発動したことがあると思うんですが、本作が仮に日本のPS Storeでも発売されたら、心の中のZZZレーティングを発動し、親族一同および会社の同僚などに発見されぬよう厳重な注意で取り扱い、メンタル的によろしくない時は心の中の医師に相談して用法用量をよく守り、細心の注意をもって遊んで頂きたい。
あとサントラはSoundCloudでチェックできたり、Steamで購入できたりもするんで、ちょっと80'sテイストを取り入れた最新サウンドとして、乾きまくったバイオレンス映画『Driver』のサントラ辺りにこっそり混ぜて聞くとよろしいのではないでしょうか!(編集部:ミル☆吉村)