『逆転裁判』に続くカプコンと宝塚歌劇のコラボレーションが実現

蘭寿とむ・蘭乃はな・明日海りおが『戦国BASARA』の世界を表現! 宝塚歌劇花組公演『戦国BASARA』制作発表会リポート_22

 2013年3月18日、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂にて、宝塚歌劇花組公演『戦国BASARA』の制作発表会が行われた。

 すでにこちらの記事でお伝えしているとおり、この発表会にて、カプコンの『戦国BASARA』シリーズでは初となるミュージカル、宝塚歌劇花組公演『「戦国BASARA」-真田幸村編-』が、2013年6月15日~7月1日に、東京・渋谷の東急シアターオーブで行われることが明らかになった。ここでは、制作発表会の模様を詳しくリポートしていく。

 発表会では、始めに、主役の真田幸村を演じる蘭寿とむ、オリジナルヒロインキャラクターいのりを演じる蘭乃はな、幸村と相対する上杉謙信を演じる明日海りおによるパフォーマンスが行われた。

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上杉謙信
宝塚歌劇団 月組 明日海りお
(C)宝塚歌劇団
真田幸村
宝塚歌劇団 花組 蘭寿とむ
(C)宝塚歌劇団
いのり
宝塚歌劇団 花組 蘭乃はな
(C)宝塚歌劇団
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▲トレードマークである二本槍を構える蘭寿。
▲幸村に密かに思いを寄せる幼なじみ、いのりを蘭乃がけなげに演じる。
▲明日海演じる上杉謙信。中性的な魅力を醸し出している。
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 蘭寿は、ゲームで使用された楽曲に歌詞をのせた歌も披露。ゲームと宝塚が見事に合わさったパフォーマンスが来場者を魅了した。

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 パフォーマンスの後、キャスト3人と、宝塚歌劇団 理事長の小林公一氏、演出家の鈴木 圭氏、『戦国BASARA』シリーズのプロデューサーを務めるカプコンの小林裕幸氏がステージに揃い、本作にかける意気込みを語った。

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▲宝塚歌劇団 理事長の小林公一氏。東急シアターオーブで、宝塚歌劇初の公演を行うにあたり、「従来のものとは違う、新しい公演を」という思いから、カプコンにコラボレーションをお願いしたのだという。
▲カプコンの小林裕幸プロデューサーは、『戦国BASARA』に登場する上杉謙信と、忍びの“かすが”は、“宝塚のような演出で描く”がコンセプトだったと語り、「まさか宝塚本家の方に演じてもらえるとは思っていませんでした」と驚きとよろこびを表した。
▲宝塚歌劇『逆転裁判』シリーズでも演出を担当していた鈴木 圭氏。以前から『戦国BASARA』を舞台化したいと考えていたそうで、「やりたかった」という思いを作品に投入し、全精力を注いで取り組みたいと語った。
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▲花組トップスター蘭寿とむ。以前、宝塚歌劇『逆転裁判』と、その続編で主演を務めた蘭寿は、再びカプコン原作の舞台で主役を演じる機会を得られて、「とても幸せに思っております」と述べた。
▲花組トップ娘役の蘭乃はな。宝塚歌劇『逆転裁判』の公演では客席から観る側だったという蘭乃は、舞台に立てることの喜びを語るとともに、「1日も早く『戦国BASARA』の住人になれるようお稽古に励んでいきます」と意気込みを見せた。
▲2013年3月25付けで花組に異動になる明日海りおは、「ご期待を裏切ることのない、宝塚歌劇ならではの、そして明日海りおならではの上杉謙信像を作りたい」とコメント。

■作品の見どころ
ゲームのファンタジックさを舞台で活かすこと、宝塚の出演者がキャラクターをいかに吸収して魅せるかが見どころです、と鈴木氏。また、独特のコスチュームを活かした演出、東急オーブシアターでしかできない演出をしていきたい、とも語った。ストーリーの中では、“川中島の戦い”に臨む真田幸村の、生きざま・葛藤が描かれるとのこと。

※現実の真田幸村は“川中島の戦い”後に生まれているが、本公演では、幸村が“川中島の戦い”に参加するという設定で物語が描かれる。

■役への意気込みについて
・蘭寿とむ
衣装が動きにくく、座っているのもたいへん、と言って会場を沸かせた蘭寿。とはいえ、原作を忠実に再現しているこの衣装を見たときは、「とても興奮した」と述べ、「二本槍を振り回すための筋トレをしなければ」と語った。

蘭寿は、幸村を演じるにあたり、ゲームを購入してプレイをしたそうで、「自分が本当に強くなったような気分で、どんどん戦っていけるので、本当に楽しい」、「女性もハマるのがよくわかる」と、ゲームの魅力を語り、このゲームの楽しさと、宝塚の楽しさが合わさった公演になると思う、とコメントした。

・蘭乃はな
「かわいいコスチュームを着せていただけて、とてもうれしく思っております」と蘭乃。オリジナルキャラクターであるいのりは、観ているお客様の隣にいられる、お客様に共感していただける、そんな存在にしたいと目標を語った。

・明日海りお
上杉謙信の衣装について、密閉されているところがあり、暑い……と、蘭寿と同じく、着る苦しみを語った明日海。中性的な役割を担う上杉謙信の、メイクや着こなしを研究していきたいとのことだ。

■原作をどこまで表現するか?
まだ脚本・演出はできあがっていないものの、『戦国BASARA』の真田幸村を語るうえで外せない要素は取り込んでいく、と鈴木氏。また、物語にはもちろん“かすが”も登場し、謙信とかすがのやり取りでは、ゲームファンが喜ぶような演出を入れていきたい、とも語った。

■なぜ“真田幸村編”なのか?
取材陣からの、「なぜ真田幸村を主人公に選んだのか?」という質問に対し、鈴木氏は「主演が蘭寿とむということで、僕の中ではもう、真田幸村しかないと思った」と回答。熱血漢な幸村が、蘭寿にピッタリだと考えたのだという。

■音楽について
公演には、ゲーム『戦国BASARA』シリーズで使用されている楽曲が、積極的に取り入れられるとのこと。また、宝塚ならではの“ロマン”を表現するオリジナルの主題歌は、作曲家の千住 明氏が手掛ける。

■役作りについて/明日海りおの印象は?(蘭寿、蘭乃への質問)/蘭寿、蘭乃の印象は?(明日海への質問)
・蘭寿とむ
熱血漢で、忠誠心溢れる幸村を、自分の個性を盛り込んで演じたい、と蘭寿。明日海とは『ベルサイユのばら』で共演した仲で、クールで美しい、でも中は熱いという印象を持っているとのこと。

・蘭乃はな
「いつの世も、愛する人を戦場に送りだす女性の葛藤や苦しみは不変だと思います」と語る蘭乃は、自らの意思で戦場に行く幸村を応援する“いのり”を大切に演じたい、と述べた。明日海については、以前月組にいたときに、とてもお世話になったとのことで、「少しでも「成長したな」と思ってもらえるようにがんばりたい」と抱負を語った。

・明日海りお
『戦国BASARA』シリーズはまだプレイしていないが、上演中の『ベルサイユのばら』が終わったら、千秋楽の翌日に購入してプレイしたい、と言う明日海。策略家であり、男か女かわからない神秘的な部分、クールな部分を作り出していきたいとコメントした。蘭寿については、“冷静一直線”、“ザ・仕事人”と表現。集中力の高さを間近で感じ、とても勉強になったという。蘭乃については、月組のときから変わっていない、妹のようなかわいい存在だと述べた。

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 すでに制作はスタートしており、じょじょに衣装や曲、踊りができあがってきているという宝塚歌劇花組公演『「戦国BASARA」-真田幸村編-』。チケットの販売は2013年4月21日(日)にスタートするので、楽しみに待とう。

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<公演概要>
宝塚歌劇花組公演 ミュージカル・ロマン「戦国BASARA」-真田幸村編-
上演期間:2013年6月15日(土)~7月1日(月)
会場:東急シアターオーブ
チケット価格: S席 8500円[税込]、A席 6000円[税込]、B席 3000円[税込]
チケット取扱プレイガイド:宝塚歌劇オンラインチケット、TBSオンラインチケット、Bunkamuraオンラインチケット、Bunkamuraチケットセンター、チケットぴあ、CNプレイガイド、ローソンチケット、e+(イープラス)にて2013年4月21日(日)より前売開始
おもな配役:真田幸村役 蘭寿とむ、いのり役 蘭乃はな、上杉謙信役 明日海りお
原作・監修・制作協力:株式会社カプコン
脚本・演出:鈴木 圭
主題歌:千住 明
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:TBSテレビ・TBSラジオ・阪急電鉄 / 特別協力: Bunkamura

■物語
時は戦国時代――。さまざまな群雄が割拠し領地争いにしのぎを削る中、甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信もまた、互いの雌雄を決するべく、川中島で幾度となく烈しい合戦を繰り広げていた。

甲斐の虎、武田信玄から厚く信頼されている、武田軍の若き闘将、真田幸村は、情熱的で忠誠心が強く、合戦の場では二本槍を自在に駆使する圧倒的な力で、武田軍の攻撃の要として活躍していた。

幸村の幼馴染として密かに想いを寄せるいのりは、甲斐の国で幸村の戦果を耳にするたび、彼のあまりにも実直すぎる生き方や、わが身も顧みない烈しい戦い方にその身を案じていた。

一方、武田軍と相対する上杉謙信は、その人知を超越した戦いぶりから越後の軍神として畏怖されていたが、戦場を疾風迅雷の勢いで進撃する幸村の姿に瞠目し、敵ながらその力を認めるのであった。

戦国の世に異なる夢を描きながら、直接対決へと向かっていく幸村と謙信。それぞれの運命がまた大きく動き出していく……。