【特別対談】NBGI×CC2――強力タッグの実情とは!? 『ナルティメットストーム3』の制作秘話、そして『ジョジョ』は!?【前編】

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『ナルティメット』シリーズや『.hack』シリーズなどのヒット作を生みだしてきた、業界大手パブリッシャー・バンダイナムコゲームスと、ゲーム制作会社・サイバーコネクトツーの強力タッグ。両社のキーマンに最新作の制作秘話を聞きつつ、その制作現場の実態を暴く!?

●NBGI×CC2――個性の強い両社のタッグがうまくいく理由とは?

 業界大手パブリッシャー・バンダイナムコゲームスと、ゲーム制作会社・サイバーコネクトツーと言えば、1998年にプレイステーション用ソフト『テイルコンチェルト』をリリースして以来、長きにわたり、コンスタントにヒット作を生みだしてきた、業界でも随一の強力タッグだ。2012年には異色のスマートフォン用RPG『ギルディドラゴン 罪竜と八つの呪い』をリリースし、2013年には期待作『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム3』(以下、ストーム3』)、『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』(以下、『ジョジョ』)がリリース予定となっており、その注目度は高まる一方だ。

 そこで本記事では、バンダイナムコゲームスからは、『ストーム3』と『ジョジョ』のプロデューサーを務める佐々木夕介氏と『ギルティドラゴン』プロデューサーを務める手塚晃司氏、サイバーコネクトツーからは代表取締役社長の松山洋氏にご登場いただき、最新作の制作秘話をお聞きしつつ、両社のタッグがいかにヒット作を生みだしているのか、その実情を詳しく語ってもらった。

 前編では、『ストーム3』と『ジョジョ』の話題を中心にお届けしよう。


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写真中央:サイバーコネクトツー代表取締役社長 松山洋氏
写真右:バンダイナムコゲームス 佐々木夕介氏
写真左:バンダイナムコゲームス 手塚晃司氏

●“松山チェック”は毎回ドキドキです

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──佐々木さんが、サイバーコネクトツーさんと最初にお仕事をされたのはいつ、どの作品からなのでしょうか?

佐々木夕介氏(以下、佐々木) 私は『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー2』(以下、『ヒーロー2』)からのお付き合いになりますね。最初の『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー』(以下、『ヒーロー』)は、私の先輩である内山大輔(バンダイナムコゲームスのプロデューサー。『.hack//』シリーズの制作などに従事)が担当しておりまして、私は当時、ワンダースワン版の『NARUTO-ナルトー』のゲームを作っていましたが、『ヒーロー2』の立ち上げから入って、そこから11作品のプロデューサーをしています。

──内山さんから引き継いで担当されたということですね。引き継ぎにあたって、内山さんからは、サイバーコネクトツーについてどんな話がありましたか?

佐々木 いえ、まったく引き継ぎはなかったです(笑)。

──えっ? 両社がお付き合いするにあたっての、心構えのようなことを教えてもらったり、などは……?

佐々木 まったくなかったので、最初は驚きました(笑)。実際サイバーコネクトツーさんは、ほかのデベロッパーさんと違って、特殊なんですよね。通常、版元様への監修やテレビアニメ監督へのプレゼンは、弊社が行うのですが、松山さんはどうしても自らプレテを行ないたいと言うのでテレビアニメの伊達監督に御忙しい中、時間を割いていただき実機プレゼンを行なったところ、 監督が出された細部にわたる要望を、すべて反映させてしまったんです。そのこだわりはすごいと思いましたね。ただ私の立場的には、スケジュールが変わって、もうたいへんでしたが(笑)。見切り発車と、その帳尻合わせが我々の仕事でしたね(笑)


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──サイバーコネクトツーさんのゲームで発売延期というケースは記憶にないですし、どちらかというとスケジュールを厳守するイメージがありますが……。

松山洋氏(以下、松山) いえ、もう本当にそこに関しては、毎度ご迷惑をおかけしています。そのかわりと言ってはなんですが、我々のマスターROMは、いったんマスターアップすると、バージョンがほとんど変わらないんですよ。一般的には、“バージョン1.11”とかいっぱい出すような作りかたをするケースもあるようですが、我々は、基本的にきちんと完成してから出すようにしています。それもあって、ギリギリまで粘ってしまいますね。

佐々木 マスターアップのギリギリ前に“松山チェック”が入るのですが、そこに引っかかって「作り直せ」と言われたりもしますね。それがスケジュールギリギリだったりすると「いまから!?」と驚くこともあったりして。だから毎回、“松山チェック”はドキドキですよ。最近“松山チェック”でひどかったのは、マスター前ではないですが、『ジョジョ』の東京ゲームショウ 2012(以下、TGS 2012)用試遊バージョンはすごかったですね。

松山 通常、1本のゲームを作るとなると、開発が始まる数ヵ月前には、ある程度の工数やコスト、キャラクターが何体で、モーション数はこれくらいで、といった仕様を決めて、契約書を交わしますよね。『ジョジョ』のときは、その見積もりでの1キャラあたりのボリュームを100とすると、TGSの時点で250くらいになっていたんです。単純に2.5倍のモーション数になっていた、ということですね。もちろん、最初からそのつもりで作ったわけではなくて、開発当初は予定通りに進めていたんです。でも、それだと“ふつう”なんですよ。『ジョジョ』は2012年7月に発表した映像に対するお客さんの反応がすごくて、現場も盛り上がって「いまのままじゃダメだろう。もっといいものにしよう!」とがんばっていったら、1体に手を入れすぎて、佐々木さんのお話のような事態になったわけです。そうなると、残りのキャラクターも全部そのクオリティーで作らないといけませんよね。いったいどうするんだと(笑)。しかもいまは2.5倍どころか3倍くらいになっていて、増え続けているという……。

佐々木 「よりいいものにしたい」というこだわりがあるのは大歓迎なのですが、それゆえにスケジュールがオーバーになることは、本当に多いですね。

――いかにもサイバーコネクトツーさんらしいエピソードですね。そのほかに、ご苦労された思い出などはありますか?

佐々木 テレビアニメが少年編の『NARUTO-ナルト-』から、成長した『NARUTO-ナルト- 疾風伝』に変わったときのことなのですが、テレビアニメが放送スタートした2ヵ月後に、『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のゲーム『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットアクセル』(以下、『アクセル』)を発売したことがありました。そのときは、期間が短かったので、まだアニメのキャストも決まっていなかったんですよ。でも、『NARUTO-ナルト-』の世界では2年半が経っていて、見切り発車で制作を進めるわけにもいきませんでした。通常、ゲームのアフレコの場合は、ひとりひとりキャストの方をお呼びして作業をするのですが、キャストがどう決まるのかわからなかったので、伊達監督と音響監督にもアフレコに参加してもらったんです。つまりテレビアニメのアフレコよりも先に、ゲームのアフレコをすることになったわけですね。

松山 アニメのスタッフに入ってもらって、スタジオもアニメと同じ場所で、でもアニメよりも先にアフレコを行いました。演出についても、アニメと同様に指導をしてもらって。ですから、ゲームとアニメをいっしょに作っていくような進めかたでしたね。


●「『ストーム3』の制作進行は本当にヒドいです(笑)」(佐々木氏)

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──『ナルティメット』シリーズは、いまや世界に轟く人気シリーズになっていますが、やはりPS3の『ナルティメットストーム』シリーズで桁違いに進化を遂げたことが大きかったと思います。でもハードがPS3に移行したときは、佐々木さんも「これでナルトを作るのか……」と悩んだのではないですか?

佐々木 『ナルティメット』シリーズは、横からみた画面の対戦ゲームだったのですが、3Dの『ストーム』シリーズになって、奥にも手前にも自由に動けるようになったときに、ゲームとして成り立つのかという不安はありました。『アクセル』とはまったく違うゲーム性ということで、楽しさが出せるのか? と。でも結果的には、素晴らしい内容になりました。

松山 PSからPS2というのは、おそらくユーザーが望んだ形のスペックアップだったと思います。でも、個人的な意見としては、PS2からPS3の場合は、かなりのジャンプアップだったんですよ。「そんな超高性能が必要なのか!?」というほどの。これには、我々クリエイターも、現場も悲鳴をあげたとは思います。

――そこで挑戦した結果、PS2ではなしえなかったすごいものができあがりましたよね。

松山 PS3が登場して、「これからは、触って気持ちいいアクションだけでなく、見ただけで“触ってみたい”と思わせるような表現力が求められる」と痛感したんです。どこかにコンセプトを絞る必要があると。そこで、日本人の武器を活かして、世界でも色あせないパワーを持つ作品を作ろうと思ったときに浮かんできたのが、アニメなんですよね。

――“超アニメ表現”は、いまやサイバーコネクトツーの代名詞ですね。

松山 私は、スタジオぴえろの伊達監督から、10年以上に渡ってダメ出しを受けてきました。それはつまり、それだけ指導を受けてきたということですよね。『.hack//』シリーズでも、貞本義行さん(アニメーター、漫画家。『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターデザインなどを担当)といっしょにゲームを作ってきました。そんなアニメの一線級で活躍されている人たちと仕事をすることで培った技術と経験を、世界中の人にゲームの形でアウトプットすることができたら、世界がびっくりするんじゃないかな、というのが『ストーム』シリーズのコンセプトだったんです。アニメをスムーズにPS3で動かすのが、この作品のひとつの目標でした。とは言っても、プリプロダクション(映像制作の前段階の作業の総称)時では、どちらかと言うと「こんなので、本当に大丈夫なの? できるの?」というようなものだったんですよ。それを、試行錯誤しながら、なんとかギリギリのところで「……できた。これだ!」というものに仕上げることができました。

――やはりあれだけのものは、そう簡単には産まれてはこないのですね。

松山 『ジョジョ』も同じような感じですよ。プリプロダクションのときのポルナレフとか、もう本当に似ていなくて(笑)。「どうするんだよ!? あと数週間しかないのに!」というところからスタートして、それでも試行錯誤して作り直して、でも全然うまくいかなくて。「どうするどうするどうする!?」とギリギリまで追い詰められたときに、ポンっと、ようやく積み重ねてきたものが形になってくれるんです。『ジョジョ』の描画に使われている映像エンジンは“JOJO・シェーディング・レクイエム”という名前なのですが、これは最初のシェーディングプログラムを一度捨てて生まれ変わらせているから“レクイエム”と名付けられています(笑)。


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▲『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』

――おいそれとはマネのできない、おそろしい制作過程ですね(笑)。

佐々木 サイバーコネクトツーさんがすばらしいものを制作してくれていることは、ワールドワイドで認められています。『ストーム2』では、出荷本数が世界累計で100万本を越えたり、いろいろな賞をいただきましたが、これらは松山さんの理念が評価された証ですよ。そのぶんスケジュールが押したりもしますが、そこをどう調整するかは我々の仕事ですから。いま開発中の『ストーム3』もそうですしね(笑)。

松山 まさにいまですね。毎度毎度、「今回の作品は、我々にとって過去最大の戦いだ!」と言っていますから(笑)。

佐々木 『ストーム3』の制作進行は本当にひどいですよ(笑)。最後の最後でラスボス戦を変えてしまいましたからね。

松山 ちょっと、ひどいとか言わないでくださいよ!(笑) だっておもしろくなかったんですよ。

佐々木 こんなタイミングでやったら絶対に終わらなくなるだろう、という状況で「ここをこうしたい」という話が出てくるんですよね。いいものになるのはわかるんですが……(笑)。

──それは、いつごろの話なのですか?

佐々木 ギリギリのマスタースケジュールで進行している時です。

松山 ついこのあいだまで、そうでした(笑)。

──海外では3月に発売するんですよね!? いまの段階でそれって……すごいことですね。

佐々木 ボス戦を変えただけでなくて、ほかにも手を入れていましたからね。

松山 もうとっくにできあがって、あとはデバッグして調整という段階で、デバッガーたちの横でまだ作っていましたからね(笑)。

──佐々木さんは、「やめてほしい」とは言わないのでしょうか?

佐々木 それは言いますよ! 「いい加減にしろ!」って(笑)。

松山 弊社では、毎週、東京と福岡の会議室を映像で繋いで、バンダイナムコゲームスさんとの定例会議を行うのですが、そこでは佐々木さんの怒号が飛び交っていますよ(笑)。


●「『ストーム3』は正真正銘、過去最大の戦いでした」(松山氏)

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──『ストーム3』は、ナルティメットシリーズ累計1000万本出荷ということもあり、いろいろと特別な作品になりそうですね。

佐々木 原作の『NARUTO-ナルト-』が“第四忍界大戦”という最終決戦をやっていることもありまして、『ストーム3』でも第四次忍界大戦を盛り込んでいます。ただ、原作でもまだ進行中のお話ですから、ゲームとしてはどういう風にストーリーを持っていこうかと、いろいろ検討をしました。ゲーム作品としても、これまでの集大成としたかったので、版権元様にお願いして“九喇嘛(クラマ)モード”というナルトの最新バージョンを入れさせていただきました。

――全体にボリュームが尋常ではなさそうですね。また、物語演出にもかなり注力されているそうですが。

佐々木 物語は、前作の『ストーム2』以上になりました。

松山 原作がクライマックスに向かって盛り上がっているので、お話のひとつひとつがおもしろいんですよ。本作は、各章を1本の劇場版を作っているくらいのつもりで作っているところはあります。ですから、たとえば今日、どこか一章分を遊んでもらったら、映画を1本見終わったかのような満足感を持って寝られると思います(笑)。

佐々木 とくに驚いたのは、ストーリーモードの第四章ですね。ナルトの母親であるクシナの回想で“九尾事件”を描く、原作でも感動的なエピソードなのですが、『ストーム3』では、そのエピソードをフルで入れているんです。ほとんど戦闘がなく、イベントシーンだけで1時間半くらいのボリュームがあるのですが、立ち絵で進めるのではなく、すべてリアルタイムポリゴンでキャラクターを動かして作ってあります。

松山 第四章の九尾事件は、人が死ぬ話でもあり、愛があるエピソードですので、とくに力を入れていますね。一方で、ボスバトルも、前作で一定の評価をいただきましたが、それを超えようという気概を持って作っています。

佐々木 デバッグプレイで僕がプレイして泣きましたよ。私が初めてゲームで泣いたのは『ストーム2』だったのですが。

松山 私も、『ストーム2』の開発時は、自分が作ったゲームで初めて泣きましたね。

佐々木 『ストーム3』はそれを超える完成度になっていると思いますよ。正直「やり過ぎだよ」と言ってしまうくらい(笑)。

松山 “過去最大の戦い”というのはウソではなく、事実そうなんですよ。作品を重ねるごとにキャラクターは増え続けていきますので。プレイアブルキャラクターは過去最多で、80名以上になっています。原作では、一度死んだキャラクターが、新たな術を会得して生き返ったりもするので、一向に減らないんですよね(笑)。術の数も増えていく一方ですから、作るのはそれはもうたいへんです。ドラマのほうも、シリーズとして高い評価をいただいていますので、過去最高のクオリティーで仕上げています。


──「これはたいへんなことになるな」という思いは、佐々木さんにもあったのではないですか?

佐々木 ええ。第四章のイベントも、最初は「『ストーム2』と同じように立ち絵が中心のイベントかな」と思っていたんですよ。エピソードもすべて盛り込むのではなくて、適度に省略しながら、といった内容を予想していたんです。ところが実際にプレイしてみたら「ここまでやるの!?」というほどのこだわりようで。

松山 からくりを言うとですね、去年『ドットハック セカイの向こうに』という劇場用3Dアニメーションが公開されました。そのために“sai -サイ-”という映像チームを組んだのですが、『ストーム3』では、そのsaiの演出担当を開発チームに入れたんです。というのも、先ほどもお話したように、ひとつひとつの章を1本の映画のように作るためには、RPGでありがちな、“キャラクターが突っ立っていてメッセージが下の方で流れていく”というスタイルでは実現できないんですよ。もちろん、そういうシーンも必要なのですが、ストーリーが盛り上がるところは、全部きちんと演出しようと、saiのスタッフが中心になってひとつひとつコンテを切り直して、立体としての演出も込みで作りました。本作は3D立体視に対応していますが、それもどこを出してどこを引っ込めるかと部分も考えて調整しています。劇場用3Dアニメーション『ドットハック セカイの向こうに』も3D立体視対応でしたので、そのノウハウが活かされていますね。

佐々木 ぜひ全世界のファンの皆さんにも観て欲しいと思いましたので、この第四章を、映画館を貸し切って上映会をやりましょうということになりました。台湾、フランス、そして日本でも、2月16日にスペシャルイベントを開催してプレイ上映しました(詳細リポートは【コチラ】)。ところで、海外での話と言えば、4月にパリマラソンがあるんですが……。

松山 ドキッ(笑)。

佐々木 サイバーコネクトツーの『NARUTO-ナルト-』チームのモットーは“あきらめないド根性”ですよね。それで前作も本作も、きびしい状況のなか、がんばって作り上げたのですが、ただひとり、諦めた人がいたんですよ(笑)。

松山 はい! それは私です(笑)。去年、パリマラソンでナルトのコスプレをして参加したのですが(関連記事は【コチラ】)、恥ずかしながらリタイヤしてしまいまして。今年こそ“あきらめないド根性”を体現するために、また参加するつもりなんです。

佐々木 昨年は、バンダイナムコゲームスの『NARUTO-ナルト-』シリーズ出荷累計1000万本突破記念ということで、渡航費から宿泊費、医療チームまで、すべて弊社の予算で参加したのですが、今年は、全部松山さんのポケットマネーで参加します(笑)。松山さんが完走できれば、チーム全員が一丸になって「あきらめないド根性」をなしとげられるのではないかと思います。……冗談みたいに話していますが、今回はちゃんとトレーニングをされているので大丈夫だと信じています。

松山 去年から身体作りはしていますので、今度は大丈夫です!


●自信満々の“神PV”で幅広くアピールを

──佐々木さんと松山さんのコンビと言えば、『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』もまさに制作中ですよね。こちらの状況はいかがでしょうか?

松山 先日、発売日などが公開されましたので(詳細は【コチラ】)、限定版の予約がスタートしているかと思います。限定版の内容については、我々も、誰よりも原作が好きで、ファンの代表を自負していますから、アイデアを出させていただきました。ゲームの内容についても同様ですが、バンダイナムコゲームスさんとのミーティングでも「自分が欲しいものが、みんなが欲しがるものだ」と考えて、いちばん欲しいと思えるものを詰め込んだつもりです。

佐々木 パッケージも何十パターンも作って、「これが最高だ!」というものにしています。私自身もファンのひとりですが、本当にいろいろな嗜好のファンの方がいらっしゃいますので、皆さんが納得できるものを作らないといけないと思っています。

松山 25年にわたって連載されている作品ですから、ファンの年齢層がとても広いんですよね。だから注目度も高くて。先日PV第4弾を公開しましたが、PV第1~3弾までが、YouTubeだけで合計600万再生を超えているんですよ。原作を知らない人でも“ジョジョ立ち”は知っている、というくらいの作品ですし、セリフや擬音なども有名になっていますので、いい感じで盛り上がってきていると感じています。我々としても、バンダイナムコゲームスさんとお付き合いして培ってきた18年間のすべてのノウハウを詰め込んだ集大成が『ジョジョ』だと思っています。

──なるほど。一方で、それだけ大きな作品だけにプロモーションも難しそうですね。コアなファンばかりではなく、ライトなファンにも訴える必要がありそうです。

佐々木 コアなファンの方には、ゲームショウでの試遊や、サイバーコネクトツーさんの体験会などを通じて遊んでもらって、意見をいただくつもりです。ライトな方へのアピールという意味では、PVで訴えかけたいと思っています。作品全部を知らなくても、「ここは見たことがある!」と思ってもらえるように、印象的なシーンを多数織り交ぜた作りにしていますので。まずはコアなファンの方々にアピールして、そのまわりにライトなファンが集まってくるという形を目指します。


──ファミ通.comでも、『ジョジョ』関連の記事に対する反応はすさまじいです。反響が大きいぶん、プレッシャーもかなりのものではないですか?

松山 それ以上に、大きな期待に応えたいという気持ちが勝っていますね。不思議なことに、『ジョジョ』の開発スタッフは、『ストーム3』のPVを観ながら『ジョジョ』を作っているんですよ。ほかのチームのPVを見ることがいちばん燃えるみたいで、お互いに「あのチームよりいい作品を作る!」と刺激し合っていますね。

──ちなみに新たなPVを公開するときは、自信満々の状態なのですか? それとも不安半分といったところでしょうか?

松山 いやもう、自信満々ですよ(笑)。佐々木さんの作られるPVは、ことごとく“神PV”と呼ばれるのですが、バンダイナムコゲームスさんで作られたPVは、一度弊社に送られてくるんです。それを、こちらでチェックして修正点や変更点などを送るという、いっしょに制作するスタイルを採っています。最初のPV第1弾にいたっては、岸辺露伴のシーンなどは、すべてサイバーコネクトツーが描き下ろしたものですから。

──このPVのためだけに、ということですか?

松山 ええ。PV第1弾のシーンは、ゲームには出てきません。

佐々木 ゲームのよさというのは、体験版で遊んでもらうのがいちばんなのですが、なかなかプレイしてみようと思わせるところまではいかないですよね。せっかくいい作品ができても、見てもらえなければ広がることもできませんので、PVをあれだけの人が観てくれたというのは、とてもいいことだと思います。

松山 これまで、『NARUTO-ナルト-』のPV再生数は、海外再生がメインだったのですが、『ジョジョ』でサイバーコネクトツーを知った人が、世界で多数いたようです。PVの発表後に、グーグル検索の人気ワードに弊社の社名があがっていたくらいですから。海外のゲームユーザーは、「あの『NARUTO-ナルト-』のゲームを作った会社が『ジョジョ』のゲームを作っている」ということで注目してくれて、逆に『ジョジョ』のファンからは「その『NARUTO-ナルト-』のゲームというのはどういうゲームなのか?」とまた見てくれて、いい相乗効果が出ています。おかげで『ストーム3』も『ジョジョ』もPVの再生数が上がってきていますね。

佐々木 弊社の製品では、開発会社の名前をパッケージ裏に出すことはあまりないのですが、サイバーコネクトツーさんについては、PVにしても、パッケージの裏にしても、社名ロゴを入れさせていただいています。海外ユーザーには『NARUTO-ナルト-』で、国内では『ジョジョ』で、サイバーコネクトツーさんをもっと多くの人に知っていただけたらと思っています。これらの状況は、ひいてはバンダイナムコゲームスにとってもプラスになりますね。

松山 ようやくいいことを言ってくれましたね(笑)。弊社と組んでうまくいったことは、ほかの開発会社にも情報として出していくべきでしょうし。それで、みんないいものを作っていくようになったほうが絶対にプラスになりますよね。


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──最後になりますが、読者へのメッセージをお願いします。

佐々木 皆様に支え続けていただいたお陰で、シリーズ10周年を迎える記念すべき年に、『ナルティメット』シリーズの全世界での累計出荷本数が1000万本を突破しました。本当にありがとうございます。最新作『ナルティメットストーム3』は、日本では2013年4月18日に発売となります。最高の内容ですので、期待してお待ちください。『ジョジョ』も、とても大きな期待をかけてくださってありがとうございます。我々はそれに応えるべく、最高の『ジョジョ』ゲームを作りたいと思います。もうしばらくお待たせしますが、最高のものに仕上げるべくがんばりますので、よろしくお願いします。

松山 『ストーム3』は、シリーズとして記念すべき年に、キャラクターゲームのお手本の最高傑作ができたと思いますので、世界中の人に遊んでほしいですね。ただ、世界で100万売れるゲームが、国内だと10万そこそこと、そこまではまだいっていないんですよ。その点については、まだまだ我々の努力も足りないと思います。この記事を読んでいただいて、我々とバンダイナムコゲームスさんとの関係や作品に興味を持った人は、最新作の『ストーム3』からで十分楽しめると思いますので、ぜひ遊んでみてほしいですね。

 『ジョジョ』に関しては……じつを言うと、いままで「『NARUTO-ナルト-』以外の版権タイトルも作ってくれ」とお声掛けされることもあったのですが、10年くらいずっと断わり続けてきたんですね。それじゃあ今回、「その禁を破ったのか?」と思われるかもしれませんが、『ジョジョ』は浮気ではなくて本気なんです(笑)。集英社さんからは、担当者に「浮気しないって言ったじゃないですか!」などと責められましたが(笑)。でも、当時は、本当に『NARUTO-ナルト-』以外に手が回らなかったんですよ。近年になって会社も成長して、ようやくほかのタイトルにも手を回せるようになり、集英社さんには、それでお受けしたと説明してご納得いただけました(笑)。キャラクターゲームは、じつはオリジナルのゲームを作るよりも覚悟がいるんです。よそ様のキャラクターを預かる以上は責任が生じますし、そこにお客さんに対する責任も積み重なって、ものすごく重い責任になってくるんです。3倍の覚悟があって3倍の期待に応えないといけない。ひと昔前は、キャラクターがゲーム内で動いてさえいればよかったのですが、いまはそんな時代ではなく、本当におもしろいキャラクターゲームを出さないと、まず支持されません。我々は強い覚悟を持って制作していますので、楽しみにしていてください。


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 前編は以上で終了。松山氏、佐々木氏が並々ならぬ意欲をもって最新作を制作していること、そしてバンダイナムコゲームスとサイバーコネクトツーの、特異な関係性(?)の一端がおわかりいただけたのではないだろうか。
 後編では、『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』制作現場の秘話とともに、いよいよバンダイナムコゲームスとサイバーコネクトツーの関係性の中核に迫っていくので、そちらもお見逃しなく。

★【特別対談】NBGI×CC2――『ギルディドラゴン』制作秘話、そして強力タッグの未来は……!?【後編】
【コチラ




(C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ (C)2012 NBGI
(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
(C)2013 NBGI
※画面は開発中のものです。

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