開発者にとっての『ファイナルファンタジー』
『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)が、1987年12月18日に発売されてから25年。2012年12月27日に発売された週刊ファミ通2013年1月17日増刊号では、『FF』シリーズ25周年の歴史を振り返るとともに、新作情報や、いのまたむつみ氏ら8人の豪華イラストレーターによる『FF』25周年記念イラストなどを掲載した、特別付録冊子を同梱している。また、その冊子には、『FF』シリーズの25年の一部を創った現在の主要スタッフ、そしてこれからの未来を担うスタッフに、『FF』の思い出、未来の『FF』に向けた想いを語っていただいたコメントも掲載中。ただし、その一部の方のコメントは、誌面スペースの都合により、編集したものを掲載させていただいた。そこで、ここでは冊子に載った36人のクリエイターのコメントを完全版で掲載させていただく。『FF』シリーズ25年に寄せる、クリエイターの想いを感じ取っていただければ幸いだ。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
プロデューサー
北瀬佳範氏
Kitase Yoshinori
『FF』の制作でもっとも印象に残っている思い出は、『FFVI』の最初に行った企画会議の出来事です。「さて、今回はどんな世界観にしよう」というブレスト会議だったのですが、そこで当時のプロデューサーである、坂口さん(編注:坂口博信氏)がみずから持ってきたシナリオ案のひとつが"1999年のニューヨーク"が舞台設定の物語。もちろん、私たちはビックリ! 結果的には皆さんご存じの通り、別の案が採用されたわけですが、私がここで学んだのは、「えっ! こんなのアリなんだ!」と思うようなことが『FF』だということ。これからもファンの皆さんに、「こんなのアリ!?」と思われる『FF』を届けていきたいですね。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
ディレクター
鳥山求氏
Toriyama Motomu
『FF』を制作するときの楽しみは、作品ごとに、壮大な新たな世界をゼロから生み出していけることにあります。『FFVII』のミッドガル、『FFX』のスピラ、『FFXIII』のコクーンなどの世界やその街並、クリスタルの神の視点から生命の種を生み出し、ときには建築家のように設計し、ときには政治家や起業家のように行政経済のシステムを作り上げ、みずからが世界の住人となったときのことを想像し、そこに住む人々の暮らしぶりをリアルに感じながら"『FF』の世界"を作り上げていきます。ファンの皆さんも、『FF』シリーズのなかでさまざまな思い出となる場所があるかと思いますが、その記憶が、まるで現実世界で経験した旅の思い出のように、皆さんの心に刻まれていくことが、『FF』を作る者たちの最高の幸せであります。これからも皆さんがいい旅を続けられるように、未来に向かって出発します!
『FF ヴェルサスXIII』
ディレクター
野村哲也氏
Nomura Tetsuya
今年で『FF』は25周年ですが、自分は入社してかれこれ21年になります。きびしい冬を迎えていますが、皆様どうか風邪などひかぬよう、健康管理に気をつけてください。暖かい春がやってくるのを待ち望んでいます。
『FF ブリゲイド』、『FF アートニクス』、『シアトリズム FF』
プロデューサー
間 一朗氏
Hazama Ichiro
こムズカシイ話しは誰ぞにお任せして、自分からはサラリと。皆さま、『FF』を好きでいてくれて、ほんっっっっとありがとうございます。サンキュー! サンキュー!! いまウチのスゴイ連中が、スゴイ『FF』をちゃんと制作しておりますので、その辺りは何とぞご安心ください。で、そのスゴイのができあがるまで、ちょいと自分とこのタイトルでも遊んでいただけましたら光栄です。『シアトリズム FF』とか、オススメでしてよ!
『FF零式』
ディレクター
田畑 端氏
Tabata Hajime
『トキまど』(詳しくは→こちら)は、“乙女ポイント”を消費して行動する、基本プレイ無料の“F2P(フリー・トゥ・プレイ)”ゲームです。この企画の真の狙いは、プレイヤーの女子力を向上させること。乙女ポイントで行動するほど女子力が上がり、さまざまなスキルも身につく。すると、知らず知らずのうちに、現実の女子力もグンと上がっていく。そんな恐ろしく実益あるゲームですが、実現可能かは分かりません。『FF』25周年ということで、『FF』を支えてくださるファンへの恩返しに、そんな夢物語なゲームを提供できたらおもしろいと思って、いちおう、本気でプランを練りました(笑)。また機会があれば考えたいです。『FF』についての直近の想いは、「おおー! やっぱ『FF』ってこうだよなー!!」と大興奮してもらえる、“新しい『FF』”が作りたいです。遊んでいて大興奮、隣で見ていても大興奮、おまけにキャラクターたちが織りなすドラマにも大感動。そんな非日常の、特別な体験ができてこその“FINAL FANTASY”かなと思います。作れるかどうかは別として(苦笑)。現在、そういう『FF』の開発にチーム全員で挑戦していますので、応援よろしくお願いします。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
アートディレクター
上国料 勇氏
Kamikokuryo Isamu
『FF』25周年ありがとうございます。私が初めてこのタイトルに関わったのは『FFX』からですが、ちょうど開発が始まって間もないくらいで、まわりのアートスタッフはみんな自由な発想でイメージ画を描いていました。『FF』を作る過程のなかでも、すごく盛り上がり大事なことが決まる瞬間です。みんないい素材を作ってやろうと、作り手どうしのつばぜり合いがあちこちで起きて楽しい時期です。これだけ長く続くシリーズなのですが、これからもこういった新鮮な気持ちを大事に、楽しんで作っていけたらなと思います。
『FF零式』
アートディレクター
直良有祐氏
Naora Yusuke
自分は『FF』シリーズ制作において『VI』からの参加なので、『FF』25周年展で『FFI』から最新作までの開発資料を見渡して、何か不思議な気持ちにさせられました。そして、そのときにお会いしたユーザーの方々を通して、いままでシリーズを支えてくださった皆様を感じて、身が引き締まりました。これからもよろしくお願いします。
『FF ヴェルサスXIII』
プロデューサー
橋本真司氏
Hashimoto Shinji
『FF』25周年を迎えまして。早いもので『FF』25周年。自分は、『FFVII』より参加させていただきました。『FF』シリーズに参加できるなんて思いもよらず、たいへん幸運でした。ここまで来れたのも、皆さんの応援あってのことです。これからも応援をよろしくお願いします。これからもスタッフの一員として、究極のファンタジーを目指し、がんばっていく所存です。しかし、『FF』に関わっていると、いろいろなことが起きるので、年を取るのが早いです(笑)。
『FFXI』
プロデューサー
松井聡彦氏
Matsui Akihiko
私がスクウェア・エニックス(当時はスクウェア)に入社して、初めて携わったプロジェクトが『FFIV』でした。その前のファミコン3部作が、毎回ドラスティックにゲームシステムを変えていたこともあり、『FF』として守らねばならぬルールなど何もなかったような気がします。イベントを担当された時田さん(編注:時田貴司氏)と、「俺たちの『FF』を作るんだ」などと生意気なことを言っていたことを思い出しました(赤面)が、それが許される現場でした。当時のスクウェア開発にはすばらしい伝統がありまして、最初のボーナス(功労賞)をもらうまでは、先輩の飲み会についていくとロハ(または先輩がとっても多めに払ってくれる)というもので、給料日2週間も前から残高におびえて暮らす私がなんとか生きてこられたのも、この伝統を有効活用したおかげです(笑)。そして、この飲み会で、熱く、多く、ゲーム(『FF』に限らず)について諸先輩方と語り合えたことが、"俺たちの『FF』"とゲームデザイナーとしての自分に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。さて、『FF』の25周年となる今年は、『FFXI』の10周年にもあたります。これだけ長い期間運営を続けていけるなど、10年前は想像もできませんでした。かつて、MMOを開発するために何がいちばん大事かと問われたとき、生意気にも"覚悟"などと答えてしまいましたが、10周年を迎えたいま問われれば、"運"もしくは"縁"と答えるべきではないかと思っています。いろいろな幸運に助けられ、いろいろな縁に支えられてここまできました。もちろん、ただ座って幸運を待っていたわけではありません。やるべきことをやらなくては運をつかむことはできません。開発チームや運営チームと連携を取って、どんどんアップデートを続けていきます。ヴァナ・ディールが、冒険者の皆様にとって、いつでも訪れたくなる第2の故郷となれるように、『FFXI』チームは努力を惜しみません。これからも応援をよろしくお願いします。
『FFXI』
ディレクター
伊藤泉貴氏
Ito Mizuki
『FF』はタイトルごとにファンの皆様がいて、タイトルごとの続編を望む声があります。そんな『FF』の中で、『FFXI』は続編を作り続けることが宿命となっている稀有なタイトルでもあります。『FFXI』が10周年を迎えられたのも、ファンの皆様の声に応え、続編を作り続けてきたからかもしれません。もしすべての『FF』が、それぞれの世界観で続編を作り続けていたらと思うと、鳥肌ものです。それぞれの『FF』の続編を望む声が尽きないのは、そんなステキな妄想が止まらないからかもしれません。これからも『FF』が作られていく原動力は、ステキな妄想だと思います。今後も私たちとステキな妄想を抱き続けましょう。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
プロデューサー兼ディレクター
吉田直樹氏
Yoshida Naoki
1.『FF』25周年を迎えて
25年前に『ファイナルファンタジー』がファミコンで発売された当時、吉田は中学生でした。当時、ファミコンのドット絵ながら"映画的演出"を意識したオープニングや、工夫を凝らしたバトルシステム、ファンタジー要素満点のアイテム群、細密な天野先生のイラストを再現したモンスターたち……。何もかもが、衝撃的だったことをいまでも覚えています。当時、「ゲームプログラマーになる!」と漠然と将来のことを考えていた自分が、「こんな世界を作ってみたい」と考えるきっかけになったゲームでもあります。それから25年、当時からファンだった自分も含め、本当に多くの、そして世界中のファンの皆さんに支えられ、『ファイナルファンタジー』シリーズも25周年を迎えることができました。こんなにシリーズを重ね、こんなにもファンの皆さんに愛されるゲームは、世界を見渡してもそうはないと思っています。これもひとえにお客様、ファンの皆様、メディアの方々、ハードメーカーの皆さん、流通の皆さん、そうした沢山の方々に支えていただいたおかげです。本当にありがとうございます! そして、そんな人々に支えていただいているタイトルの制作に関わり、チームを率いている自分は、本当に幸せなんだと改めて思います。
2.制作時の印象深い思い出
吉田にとって。『FFXIV』が初めて製作に関わるシリーズとなります。まさか、いきなりプロデューサー兼ディレクターとは、本当に想像もしていなかったことなので、とにかく「『FF』って何だろう?」を考える毎日でした。全14作にも及ぶ『FF』の世界は、シリーズごとにその様相を変え、これまでの25年間続いてきました。吉田には吉田なりの『FF』が、お客様ひとりひとりにも、それぞれの『FF』がきっとあるんだろうなあ、と思ったのが出発点でした。自分の考える『FF』が必ずしも、ほかの人にとって『FF』ではないかもしれない。25年という歳月は、世代を大きくまたいで成長してきたことの証です。ですので、悩むよりは「自分が考える『FF』らしさを全部入れてみよう!」という意気込みで、この『FFXIV』の制作に当たっています。スタッフと会話するときにも「これって『FF』として、どう思うかねえ?」という会話が、いまだによく出るくらいです。建物の中の家具ひとつとっても、アートの段階から、世界観に合うかどうかだけでなく「『FF』としてどう見えるか」をとても大切にして制作しています。もちろんグラフィックスリソースだけでなく、BGMもSEも、いつも頭を悩ませながら『FF』を作っています。そんなこだわりが詰まっているのも、『FF』シリーズの特徴だと思います。
3.ファンへの感謝
吉田が担当している『FFXIV』は、オンラインゲームであり、MMORPGです。世界中のプレイヤーがひとつの世界を冒険する、『FF』ファンが24時間、365日"集える場所"にすべく、日夜開発を続けています。そんな『FFXIV』の世界を支えてくださるファンの皆さんは、時に温かく、時にきびしく我々を応援してくださっています。「『FF』は遊びじゃない」という言葉を見るとき、プレッシャーを感じると同時に、皆さんの愛の強さを感じられて、とても誇らしい気分にもさせていただいています。これからも、世界中のファンの皆さん、そしてこれからファンになってくださる皆さんのために、『FF』シリーズは、歩みを止めず、全力疾走を続けたいと思っています!
4.これからの『FF』について
『FF』シリーズは25周年を迎え、これからもさらに"挑戦"を続けながら、皆さんに驚きと感動、そして何より"おもしろさ"をお届けしていく作品であり続けたいと思います。ぜひ、30周年、そして40周年へと進化を続ける『FF』シリーズにご期待ください!
P.S.……さて、次はどんな"『FF』らしさ"を盛り込もうかなあ :)
スクウェア・エニックスCTO 兼Luminous Studioゲームエンジン開発責任者
『FFXIV: 新生エオルゼア』技術ディレクター
『Agni's Philosophy』プロデューサー兼ディレクター
橋本善久氏
Hashimoto Yoshihisa
「『FF』とは何なのか?」。この問いへの答えはファンの皆さんによって異なると思いますし、開発者によっても異なります。『FF』は毎作品、「過去の『FF』を超える!」という想いで新たな世界がイチから作り出されますが、結果的には不思議と共通の“『FF』らしさ”が醸し出されるのが、『FF』のおもしろい部分のひとつだと思いますし、私はこの"変化を恐れない挑戦"こそが“『FF』らしさ”のひとつだと思います。今後も、言葉には表現しきれない"『FF』らしさ"が保たれつつも、いまだかつて誰も体験したことのない"極上の世界体験"が提供されるように、関係者一同挑戦を続けていきたいと思います。未来の『FF』の、イメージのひとつとして、映像作品『Agni's Philosophy(アグニズフィロソフィー)』も楽しんでもらえたら幸いです。
スクウェア・エニックス ビジュアルワークス部
チーフクリエイティブディレクター
野末武志氏
Nozue Takeshi
長きにわたり、『FF』を応援いただきありがとうございます。『FFIX』から関わらせていただき、私自身ももう13年になりました。振り返ってみれば、制作現場はまさに『FF』の冒険のように山あり谷ありでしたが、ファンの皆さんに応援し続けていただけたおかげで、現場のスタッフも走り続けることができました。新しい発見や驚きを提供し続けられるよう、現在も大きな山を登っている最中です。引き続き、応援よろしくお願いします。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
デザイナー
上野功士氏
Ueno Norihito
ゲームプレイでいちばんおもしろい場面は、均衡が崩れる一瞬だと思います。能力を高めて何度も挑戦して、接戦の末についに突破する瞬間は、苦労をともなっても楽しく、充実した感覚になります。これまで誕生した多様な『FF』のなかでどれだけの人がその世界を歩き、心動いた場面があったかを想像すると、25年という年月はズシリときます。未来の『FF』では、どんな場面を誕生させるのか。いまからとても楽しみです。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
プランナー
鯨岡武生氏
Kujiraoka Takeo
僕にとって『FF』は、クリエイターを目指すきっかけとなったゲームです。そして"『FF』らしさ"とは、当時の僕や友人たちが受けた、さまざまな"感動"のことを指すのではないかと思っています。作り手となったいま、今度はその“感動”を皆さんにしっかりとお届けしなければなりません。時代に合わせて届けかたは変わっていくかもしれませんが、この点だけはガッチリ守って、次世代につなげていきたいですね。あまり関係ないですが、『ディシディア FF』以降、『FF』の新作が出るたびに「このキャラだったらこんな性能で……」と妄想する癖に困っています(笑)。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
デザイナー
小山理恵氏
Koyama Rie
「私もこんなCGを作ってみたい!」と初めて思ったのは、『FFVIII』のオープニングムービーを観たときでした。そのときは、まさか『FF』の開発に携わることになるとは思いもよりませんでしたが、こんな風に、多かれ少なかれ『FF』から影響を受けて何かをしたいと思った方は、たくさんいらっしゃると思います。そして、そういう思いも25年間に詰まっているのだと考えると、身が引き締まります。「これからも『FF』が皆様の心に響く作品であり続けて行けるように精進せねば!」と思います。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
デザイナー
寒河江将太氏
Sagae Shota
私が『FF』と出会ったのは小学生のころで、子どもながらに『FF』が持つ圧倒的なスケールと物語に感動し、将来は『FF』のような、世界の人々に夢と感動を与えられる仕事をしたいと思わせてくれるきっかけを与えてくれました。これからも『FF』が人々に感動を与え、いつまでも心に残り続ける作品としてあり続けてほしい。そのために、VFXデザイナーとして、これまでのシリーズを通して研磨されてきた、斬新かつ洗練されたビジュアルを昇華させていきたい、壮大な世界観や物語を彩るためのエフェクト表現の研鑽に励みたいと思っています。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
プランナー
澤田 唯氏
Sawada Yui
『FF』がこの世に生まれた25年前、それは僕が生まれた年でもあります。同い年である『FF』の最新作。そんな作品に自分が携わっているというのは何とも不思議な気分ですが、ここから新しい『FF』の25年が始まるのだなと思うと、いまから楽しみでなりません。25年後、そしてその先にある未来の『FF』が果たしてどんな姿になっているのか、いまは想像もつきません。ですが、人の想像を超える進化をくり返して来た『FF』はこの先もその進化を続け、未来でも多くの人たちに驚きと感動を与えてくれるのだと思います。そんな未来の『FF』を形作る第一歩になるだろう、『ライトニング リターンズ FFXIII』。どうか発売を楽しみに待っていていただければ幸いです!
『ライトニング リターンズ FFXIII』
プランナー
松岡伸幸氏
Matsuoka Nobuyuki
自分が子どものころ、つねに新しいものに挑戦する『FF』というタイトルを、いつもワクワクしながらプレイしていました。これからの『FF』でも、自分が感じていた"新しい『FF』へのワクワク感"を皆さんにも伝えられるよう、自分も挑戦していきます。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
デザイナー
山地裕之氏
Yamaji Hiroyuki
未来の『FF』。広大な大地と、そこに息づき生活しているNPC(ノンプレイヤー・キャラクター)やモンスター。季節や天候、時間によるさまざまな変化。ハリウッド映画のようなハイクオリティーな世界を自由に冒険できるようになります。その世界を多くのユーザーが共有し、それぞれの行動によって刻々と環境が変化、つねに変わり続ける世界で飽きさせません。好きな場所で好きな時間にプレイしていただけるようになります。完成されたリアルなファンタジー世界。いつでも遊びに行ける、もうひとつの世界として、世界中の人々の幸福に貢献できるよう、これからもいい作品を作り続けていきます。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
プログラマー
楊 迪寧氏
Yo Deinen
時代が変わっていくとともに、『FF』もこれから先はひとつの形に留まらずに、いろいろ変わっていくでしょう。そんな変化のなか、それでも何か昔と変わらない感動や楽しみを伝えられる作品を作っていきたいと思います。
『ライトニング リターンズ FFXIII』
プログラマー
李 ミンソプ氏
Ri Minsopu
『FF』というブランドは、私にとっては“夢”そのものでした。初めて『FFV』をプレイしたときの感動はいまでも忘れません。幼いころには冒険という夢を見て、それはゲームプログラマーという夢へ代わっていました。その夢を与える側となったいまは、つねにユーザーに"夢・感動・衝撃"を与えられる作品を作るために、全力を尽くしています。ゲームの形は変わっても、『FF』はJRPGの現状を示す代表的な作品になることは変わりません。私はそう信じて一歩ずつ進んでいます。
『FFXI』
モーションリーダー
小口仁史氏
Oguchi Hitoshi
未来の『FF』は、世界に負けないグラフィックの品質向上を求める声がチーム内でも多いので、一度は現実と区別がつかないほどの高いクオリティーを目指して進むのでは、と思います。そのなかでモーションは、過去の伝統を生かしつつ、ファンタジー特有の非現実的な動きを、まったく違和感なく導入して、ユーザーの皆さんに提供していけたらいいな、と思います。また、端末をいっさい気にしない、ネットワークを介した遊びへの進化もありそうです。データ制限がある中での魅せかたは、昔から『FF』の得意分野のひとつなので、快適に遊べて、クオリティーが高いものが作れたらいいな、と思っています。
『FFXI』
イベントプランナー
齋藤富胤氏
Saito Yoshitsugu
ヴァナ・ディールの誕生から、早10年。これから先も、あの世界に骨をうずめる覚悟を胸に抱き、冒険者の皆さんとともに、あの世界を大事にしていきたいです。気づけば、人生の3分の1を捧げているんですよね……。いろいろな意味で驚きです。
『FFXI』
OBJテクスチャリーダー
西川 悟氏
Nishikawa Satoru
ユーザーの支持がある限り、更新をがんばっていこうと思います。『XI』というナンバリングタイトルですが、オンラインということで敬遠している方も、機会があればぜひプレイしてみてください。
『FFXI』
アソシエイトディレクター
藤戸洋司氏
Fujito Yoji
2012年は"『FFXI』の準備の年"と位置づけて、さらなる飛躍のための下地作りに専念してきたわけですが、さすがサービス開始10周年を迎えるだけの重み、積み重なりですね……。たくさんの壁や問題に出くわしました。明らかに不具合とわかる部分については何とか対応を進めてこれたのですが、根本的な仕組みが相手の場合は、本当に「完全に作り直した方が早いかも?」という考えに囚われることもしばしば……。そういった意味では、"FFXI -OFFLINE-"とか"FFXI-2"とか、別の展開に逃げてしまう妄想は非常に魅力的でしたね! 実際それを望まれるお客様もいらっしゃることは知っています……。とはいえ、そういった別タイトルを作るということは、現状を止めるということにもつながりかねず、ヴァナ・ディールというひとつの文化圏を形成しているこのタイトルに、生活の一側面としてなじんでくださるお客様がいらっしゃる限り、この世界を維持していく責任があると
重く重く感じている今日このごろです。この先どこまで行くのか、オンラインタイトルならではの悩みではありますが、目の前の道は確実に歩み進められるように、最高に心地よい、そして故郷のように帰れる場所となるように整備していこうと思います。
『FFXI』
モデルリーダー
溝杭達哉氏
Mizokui Tatsuya
『FF』というシリーズは、つねに挑戦し続けるようなハイエンドな作品もありますし、古典的でベーシックな世界観の作品もあります。作品の許容できる幅が、ほかのタイトルよりも圧倒的に広いですね。自分にとっては『FF』でつぎに何ができるのかというのは、なかなか難しい課題なのですが、ゲーム開発に携わる者にとっての『FF』というタイトルは、さまざまな人たちからのうれしいお言葉やきびしい意見などを同時にたくさんいただくためのカテゴリーなのかなと感じています。そういった部分も含めて、今後の『FF』も、私自身も、さまざまな挑戦ができればいいのではと思っています。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
リードプログラマー
春日秀之氏
Kasuga Hideyuki
新しい物語でありながら、ひとつの名前で表現される。そんな作品がシリーズを重ね、世代を越えて多くのユーザーに受け入れられ続ける。改めて、25年という月日と『FF』というシリーズについて言葉にしてみると、その重さと大切さを感じます。自分自身、『FFXI』以降のいくつかの作品で制作に関わってきました。そのなかで、ネットゲームに関わることが多かったため、作品を支えてくださっているのは本当に『FF』を好きなファンの皆様なんだな、ということを強く感じています。これからも新しい『FF』が皆さんのもとに届けられます。その『FF』も皆さんが気に入って、楽しんでいただき、できれば、それが最高の『FF』であってほしいと思っています。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
リードプランナー
河本信昭氏
Komoto Nobuaki
1.『FF』25周年を迎えて
25周年のうち、スクウェア(当時)に入社したのがおよそ16年前、純粋にユーザーとして触れた時間のほうが短いのが、いまでも不思議な気がします。それぐらい、ユーザーとしての『FF』の印象は鮮烈でした。ファミコンで『FFI』~『FFIII』まで遊んだ後、受験のためにスーパーファミコンを買うのを我慢し、『FFIV』はお預けにしていました。そして受験が終わり、『FFIV』を手に取ったとき、美しいグラフィック、感動的なストーリー、緊張感のあるバトルに、のめりこむようにプレイしていました。ゲームにこんな可能性があるのか……と思い、この業界の門を叩いたわけですが、本当に毎回新たな進化を見せる『FF』は、開発者となってもワクワクさせてくれる、宝箱のような存在です。
2.制作時の印象深い思い出
『FFIX』は、イベント完成後、イベント班全員でいっしょにイベントを見て意見を交換し、いいものに仕上げていく、というプロセスを取っていました。それはエンディングも例外ではなく、当初作られたものから、大きく変更されています。自分はエンディングのイベント担当ではありませんでしたが、エンディング導入部の変更案を考えて担当者に渡したところ、「こうくるなら……」ということで、担当者は大幅に全体を変えました。そうすると、曲も当然変わるわけで、その変更の結果、"最初からこれしかなかった"、と言えるような結末となりました。あまりに短時間での大幅な変更でしたが、こういったスタッフ間でしのぎを削るように組み上げていくことこそ、『FF』の原動力になっている、と信じています。
3.ファンへの感謝
オンラインの『FF』に関わるようになってから、イベントなどで、ファンの方々に直接お会いする機会も増えました。オンラインでは、自分の力の至らなさから、お叱りの言葉も多くいただきます。ただ、直接お会いするとファンの皆様は本当にやさしく、「がんばってください!」と笑顔で声をかけてくださいます。この笑顔と声に応えられるように、これからもがんばりたいと思います。いつもありがとうございます!
4.これからの『FF』について
これから『FF』には、どんどん新しい作品が出てくると思います。ただ、オンラインになったことで、『FFXI』、『FFXIV』と、その中でずっと同じ世界で紡がれ続ける物語もあります。また、スピンオフのように、ひとつのナンバリングから派生する物語も数多くあります。おそらく、ユーザーの方々にとっての『FF』とは、まるでクリスタルのように、見る角度によって違った形になっていくものだと思います。でも、それこそが『FF』の魅力ではないかと。それぞれの時代の『FF』を、いろいろな世代が楽しく語り合えるように、我々開発陣もがんばりたいと思います。そして、『FFXIV』もその一翼を担えるように、新生に向けて邁進します。これからもよろしくお願いいたします!
『FFXIV: 新生エオルゼア』
リードデザイナー
鈴木健夫氏
Suzuki Takeo
1.『FF』25周年を迎えて
遊んでいる立場、まわりで作っている姿を見る立場、実際に作る立場などいろいろ経験させてもらった25年で、貴重な体験をさせてもらったなと思います。
2.制作時の印象深い思い出
とても最近なのですが、『FFXIV: 新生エオルゼア』のαテストを無事スタートできたこと。新体制になって、ほぼすべてのグラフィックを作り直すことを決意してから、一部だけでもお客様の元へ届け始めることができてホッとしています。
3.ファンへの感謝
とくに『FFXIV』では、ファンの皆様のお陰で気づけたことが多く、感謝しています。この先もがんばりますのでよろしくお願いします。
4.これからの『FF』について
この10年間でオンライン、携帯ゲーム機、携帯電話などに広がった世界が、この先どこまで広がるのかが楽しみです。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
サウンドディレクター
祖堅正慶氏
Soken Masayoshi
1.『FF』25周年を迎えて
長い! 0歳児が25歳児だ! もうバリバリ働いちゃってるわけじゃん……! マジか! って、よく考えたらこの"25年"のうち、半分以上スクエニに勤めている自分がいまでも信じられないです。なんと言いましょうか。ファンタジーとかいう世界とは、無縁の生活を送っているもんで……。
2.制作時の印象深い思い出
毎日毎日大量にやることがあって、毎日毎日何かに追われている感じです。気がついたら1ヵ月過ぎていた……という生活をいま現在も送っているので、ひと段落ついたときに印象深い思い出とか出てくるのですかね。どうなんですかね。いま、まさに大激流の渦中に身を投じているので、印象とかよくわかんないです…………。
3.ファンへの感謝
ここ2年はファンの皆様に支えられていた、という感情が大きいです。またそれはプレッシャーとなって襲いかかるわけなんですが、技はすべて受けきる! プロレススタイル!
4.これからの『FF』について
ちゃんとした(?)『FF』に関わるのは、『FFXIV』が初めてです。それ以前は「『FF』にできないことをやってやらぁ!」の精神で、完全レジスタンスモード炸裂で仕事していましたが、いざ『FF』という世界で仕事をし始めてみて、先人達が毎回思いを込めて全力で作っていったことが手に取るようにわかるようになりました。その歴史を踏みにじらないよう、そしてファンの皆様の期待に答えるべく、これからも全力で取り組んでいきます!! うおおおおっっっ!!!
『FFXIV: 新生エオルゼア』
アシスタントディレクター
髙井 浩氏
Takai Hiroshi
1.『FF』25周年を迎えて
ナンバリングの『FF』には、3度関わらせてもらっています。初めては『FFV』の開発になるのですが、そこからでも20年近く経っているのですから長いシリーズですね。タイトル毎にスタッフが入れ替わる不思議なシリーズもので、関わっていてもいなくても新鮮でした。ここまで歴史を重ねていることがうれしいです。
2.制作時の印象深い思い出
『ロマンシング サ・ガ』の開発が終わって休んでいたら、当時のディレクターから電話がかかってきて、「いつから作業できる?」と唐突に言われたのが、『FFV』でしたね。確か「エフェクトの作業やらしてくれるんなら、やりますけど?」と答えたような気がします(笑)。そこからVFX畑の仕事がメインになったのですから、自分にとっては分岐点だったのかもしれません。
3.ファンへの感謝
とにかくいままで支持してくださった『FF』ファンの皆様には、「ありがとうございます!」の言葉に尽きます。これからもさまざまな形の『FF』が世に出て行くことでしょう。いままで以上におもしろさをを提供していけるようにがんばっていきますので、これからもどうかよろしくお願いいたします。
4.これからの『FF』について
『FF』というのは、その時その時に関わったスタッフたちの想いが形になっていくタイトルだと思っています。自身としては、現在は『FFXIV』の開発に携わっていますが、『FF』の冠に恥じないおもしろさを提供できると思っていますので、「ご期待ください!」と言っておきたいですし、さらに未来のまだ見ぬ『FF』には、ファンの皆さんと変わらない期待感を持っています。新しい『FF』はどうなるのかな? 楽しみです。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
アシスタントディレクター
玉井進太郎氏
Tamai Shintaro
ファンの皆様、25年間ありがとうございます。いま、まさに『FFXIV: 新生エオルゼア』の開発が佳境を迎えているところですが、『FF』の名と“新生”という言葉に偽りのないデキのゲームになりつつあると、我々開発も手応えを感じ始めているところです。これからも、皆様の温かく、ときにはきびしいご意見をお待ちしています。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
アシスタントディレクター
新納一哉氏
Nino Kazuya
まずは1ゲーマーとして、25周年を迎えるようなシリーズがあることを誇らしく思います。そしてそれが、自分が子どものころから遊んでいたゲームであったことがとてもうれしい。自分が『FFXIV』の開発者に加わったのはほんの1年前ですが、現在進行形でその25年を濃縮したような毎日を楽しんでいます。「個人的に言わせてもらえば――」、そんな語り口で始まるキャラクター議論がたいていヤバい。俺にとってのシド、俺にとってのギルガメッシュ、それは歴史のあるシリーズだからこその光景で、"1ファンとして"、"1開発者として"のバックボーンをぶつけ合うような開発が、僕にとっては新鮮で、なんだかうれしいです。その気持ちはきっとプレイヤーの皆さんとも共有できるものだと思うし、開発者として誠実に向き合っていくべきものだと思っています。それでこそ、皆に望まれる『FF』50周年が待っているのだと感じます。"開発者として"なのか"1プレイヤーとして"なのかはわかりませんが、自分もその50周年を、ともに迎えられたら幸せです。
『FFXIV: 新生エオルゼア』
リードUIアーティスト兼リードWebコンテンツアーティスト
皆川裕史氏
Minagawa Hiroshi
1.『FF』25周年を迎えて
すごい、四半世紀ですね。初代『FF』を高校をサボって買いに行ってた兄ちゃんが、完全体のおっさんになるわけだ……。自分も最初はプレイヤーのひとりでした。いろいろな縁があって『FF』の開発に携わることになりましたが、その前まで、自分にとって『FF』は"敵"であり"壁"でした。同業者として、とにかく負けたくない、どこかひとつでいいから勝てるところを作りだしたいという想いで、勝手にライバル視してもがき続けていました。製作者としての自分は、『FF』の開発をしていないときも含めて、先達の『FF』開発者と、そのファンに育ててもらいました。ありがとうございます! そして、これからもよろしくお願いします。
2.制作時の印象深い思い出
印象深い思い出はたくさんありすぎて、どれかひとつというのは難しいのですが、『FF』というタイトルが皆さんの手に届くまでには、社内外、本当にたくさんの方と話をしたり、飯を食ったり、酒を飲んだりします。あ、もちろん仕事もします。本当にいろいろな才能に出会います。この仕事をしていたからこそ出会えた人がたくさんいて、きっとこれからも多くの印象深い思い出が増え続けると考えると、「この果報者めっ」と改めて思います。
3.ファンへの感謝
僕たち開発者は、遊んでくださる方々の反応・感想、叱咤激励をガソリンにして動いています。「おもしろい!」という感想はもちろん、「ここがダメ」、「アホ」、「ウンコ!」と言われることも、「これならどうだっ!」という創作エネルギーに変換活用させてもらっています。遊んでくださる方なくして、ゲーム開発者は生きられません。本当にありがとうございます。また、作ったゲームを遊ぶ人に届けるまでにも、たくさんの方の力、仕事に支えてもらっています。感謝です!
4.これからの『FF』について
『XIV』は『XI』に続くオンラインの『FF』ですが、自分の学生時代にこんなゲームがあったら、人生はどうなっていたことか……。いまはもうアタリマエですが、僕のようなおっさん世代からすると、友だちといっしょにダンジョンに潜れちゃうとか、ヤバイ。子どものころに妄想していたゲームそのものですから。でも、まだまだ足りません。もっと広い世界を爆速で走り回ったり、飛び回ったり、ビルぐらいのモンスターに1000人くらいでよじ上って戦ったり、現実ではできないバカなことをたくさんやりたいですよね。みんなでいっしょにバカをやれるすてきな世界を目指して、いまできることをしっかり積みあげていこうと思います。