<『Halo 4』スタジオツアー 記事リンク一覧>
その1 343 Industriesこれまでの歩み
その3 マルチプレイの架け橋となる新搭載モード“スパルタンオプス”
その4 “ウォーゲーム”の新ルールが明らかに
その5 最新ビジュアルを一挙公開

ミッション1とミッション3をプレイ!

 日本マイクロソフトから2012年11月8日に発売が予定されている、Xbox 360専用ソフト『Halo 4(ヘイロー 4)』。発売を約2ヵ月後に控えた9月某日、同作の開発を担当する343 Industriesのスタジオツアーが開催され、さまざまな新情報が明らかとなった。この記事では、ついにプレイアブル解禁となったキャンペーンモードをリポートする。

 今年3月のスタジオツアーで初めてプレイアブル解禁され、E3 2012以降はユーザーにも体験する機会が提供されてきた『Halo 4』だが、唯一キャンペーンモードだけはデモの公開にとどまっていた。しかし、今回のスタジオツアーではそれがついに解禁。プレイできたのはミッション1“Dawn”とミッション3“Forerunner”のふたつで、前者では新たなサーガの幕開けを、後者では本作から登場する新たな敵“プロメシアン”との戦いを体験することができた。

コンパクトながら密度の濃い“Dawn”

 ミッション1“Dawn”は、(物語的な)前作『Halo 3』のエンディング直後からスタートする。人類、コヴナント、フラッドによる三つ巴の戦いにケリを付け、戦艦“Forward Unto Dawn”で、コールドスリープに入った主人公マスターチーフ。その傍らには、チーフの相棒であり戦友でもある高機能AI“コルタナ”がいた。永遠に続くとも思われる静寂が破られたのは、眠りについてから4年後のこと。宇宙を漂流する戦艦に、何者かが侵入してきたのだ。「起きてチーフ、あなたが必要なの」というコルタナの呼び掛けによって目覚めるチーフ。彼の姿は4年前とは少し違う。コールドスリープ中にコルタナがスーツのプログラムを修正し、戦ううえでより洗練されたデザインとなっているのだ。「そろそろ仕事に戻るか?」と語り、彼のトレードマークとも言えるアサルトライフルを手にするチーフ。新たな三部作“リクレイマー サーガ”はこうして幕を開けるのだ。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_03
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_07
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_09
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_08

 艦内の探索を始めたチーフは、すぐに侵入者と相対することになる。その正体は、前三部作で人類と敵対しながらも、最終的には共同戦線を展開したコヴナントだった。エリート、グラント、ジャッカルというおなじみのメンツたちが襲い掛かってくるのだが、その姿は若干いままでとは違う。より凶悪な外見となっており、前三部作で登場したコヴナントとは別物にも見えるが……じつは本当に別物である。詳細については、本記事の後半に掲載するフランチャイズ デベロップメント ディレクターのフランク・オコナー氏のインタビューでチェックしてほしいが、ひとことで言えば『Halo 4』に登場するコヴナントは、彼らの種族が持つ信仰にかたくなな者たちである。言い換えればカルト集団であり、その狂気が外見にも現れているということだろう。ちなみに、今回プレイした範囲では上記3種のコヴナントのみ確認できた。プルートやドローンなどほかのコヴナントが登場するかは現時点で不明だ。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_04
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_06
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_05

 つぎつぎと襲い掛かるコヴナントを撃退しながら、戦艦のデッキへ辿り着いたチーフ。ようやく攻撃が止んだかと思いきや、大量の援軍が船で突入してきて、再び艦内にはコヴナントが出現。一体ずつ相手にしていてはキリがないと判断したチーフとコルタナは、戦艦の外壁部分に設置されたミサイルを使って、敵艦隊の一掃を試みることに。しかし起動装置までの道のりはたやすくなく、四方を囲まれた状態での応戦(ちなみに記者はこのシーンで2回死んでしまった)、ジャッカルのスナイプが怖い船外での激戦などをくぐり抜けなければいけない。そんな困難を乗り越えてようやくミサイルを起動するも、その後の展開はまさに一難去ってまた一難といった感じ。見事着弾させたチーフだが、コヴナントの船は最後のあがきと言わんばかりにForward Unto Dawnへ特攻してくるのだ。危機一髪のところで艦内に避難したチーフだが……衝突の衝撃で戦艦は崩壊してしまう。生き残ったコヴナントたちの襲撃、あっという間に崩れていく床や壁。混沌とした艦内で出口を求めて走るチーフだが、崩壊は無慈悲に彼を巻き込み、すべてを宇宙空間へ放り出す。そして、そんな彼らを引き寄せるように出現する惑星レクイエム。ミッション1“Dawn”はここで終了となる。全体の長さは20分程度と短めだが、文字通り息つく暇もないほどスリリングな展開の連続に、盆と正月がいっしょに来たようなクライマックスの盛り上がりなど、『Halo』の楽しさが凝縮されており、満足度は非常に高かった。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_02
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_10
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_11

プロメシアンの戦闘力に圧倒される“Forerunner”

 続いてプレイしたミッション3“Forerunner”では、新たな敵“プロメシアン”との初対決が待っていた。舞台は、深く曇った空と険しく連なった山が印象的なステージ。今回はミッション2をプレイすることができなかったので、どのような経緯でチーフがここに辿り着いたのかは不明だが、ミッションの目的はステージ内にある“Pylon(パイロン)”と呼ばれる物を停止させ、国連宇宙司令部(United Nations Space Command)――通称UNSCが所有するスペースシップ“UNSCインフィニティ”との通信を復帰させるというものだった。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_20
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_18
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_12
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_14
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_13
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_15

 新たな敵プロメシアンは、最終兵器“Halo”を創造した謎の古代種族“フォアランナー”たちのガーディアンとも呼べる存在で、初めてその姿が確認されたのはE3 2012に合わせて公開されたトレーラーでのことだ。以下がその映像だが、人型の“ナイト”をリーダーに、四足で移動する“クローラー”、浮遊しながら迫る“ウォッチャー”でチームを組んで攻撃してくる特性を持っている。ちなみに、さきほど“初対決”と書いたが、じつはE3 2012およびComic-Conなどで出展されたバージョンでは、新モード“スパルタンオプス”に登場する敵として、プロメシアンとの対決はすでに実現している。なので、正しくはキャンペーンモードで対決するのが初めてというわけだ。

 記者はスパルタンオプスバージョンでの対プロメシアン戦も経験済みだが、今回キャンペーンモードで再び相まみえたプロメシアンは、以前とは段違いの強さに感じられた。開発の進展によってAIが強化されたのか、あるいはスパルタンオプスバージョンとでは難易度が異なるのか不明だが、その強さはシリーズの新たなプレイ体験の誕生を予感させるほど強烈だ。プロメシアンの登場にはだいたいの流れがある。まずクローラーたちが群れで現れてチーフを牽制。クローラーは1体ごとの強さは正直それほどでもないのが、集団であることに加えて、犬のようにすばしっこいので、気が付くと体力をゴッソリ持っていかれているなんてことも。そんな具合にクローラーに手こずっていると、やがてナイトがウォッチャーを引き連れて登場するのだ。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_24
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_23
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_25
<ナイト>
<クローラー>
<ウォッチャー>
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_16

 名前の通り、どこか騎士のようにも見えるナイトの戦闘力は恐ろしいほどに高い。まず耐久力がすさまじく、デフォルトでチーフが持っているアサルトマシンガンでは歯が立たないだろう。攻撃方法は高いジャンプからの近接攻撃に加えて、プロメシアン専用武器による射撃がある。近接攻撃はシールドがない状況で食らえばほぼ即死で、武器攻撃に関してもショットガンは同様に即死の可能性アリ。そのほかライフル、マシンガンもあるが、いずれもUNSCやコヴナントの武器よりも優秀な印象を受けた。このように、ナイトだけでも十分に厄介な存在だが、ここにウォッチャーのサポートが加わると、事態はさらに深刻だ。ウォッチャーは、チーフが攻撃をするタイミングでナイトの前方にシールドを張るのである。ただでさえ硬いナイトがさらに硬くなり、プレイヤーはもう為す術なしだ。仮にシールドを破壊して、銃撃を与えることができたとしても、ゴールはまだまだ遠い。ナイトには瞬間移動の能力があり、一定以上のダメージを受けると姿を消し、少し離れたポイントへ移ってしまうのだ。ちなみに、瞬間移動はチーフへ迫るときにも活用してくる。とにかく、攻守に隙がないのだ。いよいよ勝てる気がしないナイトだが、幸運にも倒すことができたとしよう。しかし、戦いはまだ終らない。なんとウォッチャーは、ナイトを1回だけ復活させられるのだ。瀕死のダメージを食らいながら、銃弾を使い尽くしてようやく倒した強敵が、その直後に復活したときの絶望感ときたら! しかし何よりも恐ろしいのは、これほど手強い存在が、ボスなどではなくふつうの敵として登場することだろう。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_17

 ここまで読んで、「じゃあどうやって倒すの?」と疑問に思った人も少なくないだろう。それに対する記者からの回答は……「とりあえず頭を使え! あとは根性!」である。まず大事なのは、プロメシアンの武器を入手することだ。幸いにもプロメシアンが登場するマップ内には、あらかじめ彼らの武器が設置されていることが少なくない。また、クローラーたちがプロメシアン用のハンドガンを落とすこともあるので、それをゲットするのも手だ。ちなみに、今回確認できたプロメシアンの武器はハンドガン、マシンガン、ショットガン、ライフルの4種で、近接武器はなし。ハンドガンは溜め撃ちが可能で、マシンガンは連射力が非常に高く、ショットガンは地面や壁に当たると跳弾する特性を持ち、ライフルは連射性能が高いのでオールレンジで活躍してくれる。個人的にはライフルさえ手に入れば、ナイト相手にも対等以上に戦える印象を受けた。これにショットガンが揃えば完璧だ。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_19

 もし、どうやってもプロメシアンの武器が手に入らない場合は、コヴナントの武器を拝借しよう。ミッション3ではプロメシアンとコヴナントが交戦状態になっていることもあり、当然コヴナントはプロメシアンに蹂躪されることになる。その隙にコヴナントたちが落とした武器を拾って立ち向かえばいい。

 準備が整ったら、いよいよナイトとの対決だ。が、最初にナイトを狙うのは賢くない。最優先すべきは、ナイトをサポートするウォッチャーである。しかし、実際にはナイトが邪魔をしてくるのでうまくいかない……。残念ながら今回の体験ではコレという攻略方法は見つからなかったが、目の前にいる敵をがむしゃらに倒す、という方法が間違っていることだけはわかった。

フランク・オコナー氏により詳しい情報を聞く

 今回のミッションではとにかくプロメシアンの存在が強烈で、戦闘以外のことにまで頭がまわらなかったが、じつはステージの構成にも『Halo 4』ならではの仕組みが盛り込まれていたようだ。その点も含めて、プロメシアン、そしてフォアランナーたちの詳細などについてフランク・オコナー氏に話を聞いてみた。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_01

――ミッション1、ミッション3ともにコヴナントが敵として登場しました。しかし、彼らとの戦争は『3』ですでに終わっていたと思うのですが。
フランク まず確認しておきたいのは、過去の作品で登場したコヴナントは全体の一部にすぎないということ。彼らは確かに人類との争いを一旦はやめたが、宇宙にはいまだ自身の信仰を持ち続ける狂信的グループもおり、彼らはいまも真実を探し続けている。その結果、今回のような行動に出たというわけだね。

――つまり、前作までとは違うコヴナントという認識でいいのでしょうか?
フランク その通り。カルトなコヴナントだ。

――プロメシアンはフォアランナーの守護者ということですが、なぜ彼らはチーフたちに襲い掛かってきたのでしょうか? 過去の物語を見る限り、フォアランナーが人類に対して敵意を持っていたとは考えにくいのですが。
フランク フォアランナーに対しては、ふたつの見かたがある。例えば、古代の遺跡を現代の人々が見たとき、我々は古代人に対して「偉大な建造物と文化を築いた、すばらしい人々」という認識を抱くだろう。だが、実際に調べてみると、古代の人々は決して平和的な存在ではなく、血みどろの争いを生き抜いてきたことがわかる。つまり、我々の理想と現実は異なるということだね。一方で、それがすべてというわけでもない。今回チーフたちに襲い掛かってくるフォアランナーおよびプロメシアンは確かに悪意を持っているが……これ以上は物語の核心に関わってくるので詳しくは話せない。しかし、少なくとも本作に出てくるほとんどのフォアランナーは悪役だよ。

――つまり『Halo 4』の物語によって、いままでのフォアランナーのイメージが覆されることになる?
フランク それ以上のものがストーリーには入っていると思うね。以前からの物語を知っている人はもちろん、初めて遊ぶ人にとっても満足してもらえる展開が待っているんだ。

――ミッション3のマップは、以前に比べて戦闘エリアが広いように感じました。これが本作で提唱する『Halo』的サンドボックスということでしょうか?
フランク その通りだが、ただ広いだけというわけではないね。サンドボックスというとオープンワールドを想像するが、『Halo』の場合はゲームシステム的にそれは難しい。そこで、ひとつの大きなエリア内にさまざまなオブジェがあり、ロケーションがあり、乗物、武器があるというシチュエーションを作った。これが『Halo』的サンドボックスなんだ。ファンの中には『Halo』世界の探索を楽しむ人たちも多いと聞いている。どこにでも行けるわけではないが、『Halo 4』ではそういった期待に応えたいと思ったんだ。敵に遭遇してもすぐに戦わなくていい。周囲を歩いてもいいし、敵を一掃してから探索してもいい。どうやって進むかは、プレイヤー次第なんだ。

【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_22
【『Halo 4』スタジオツアー その2】キャンペーンモードがプレイアブル解禁、物語の幕開けと新たな敵をリポート_21
▲スタジオツアーに合わせて解禁されたフォアランナーのコンセプトアート。彼らが創った建造物を描いたものだろうか?