試遊台とは異なるステージを公開

『ディーエムシー デビル メイ クライ』プレゼンテーションリポート【E3 2012】_06

 『ディーエムシー デビル メイ クライ』は、カプコンのプレイステーション3・Xbox 360・PC用ソフト。2013年1月17日の発売がアナウンスされている、『デビル メイ クライ』シリーズ最新作だ。『4』までのナンバリングを捨て、イギリスのニンジャセオリーが開発を手掛けるなど、いままでのシリーズ作とは一線を画すタイトルとなっている。プレイ動画とプロデューサーの江城元秀氏のコメントは【こちら】、プレイリポートは【こちら】を参照のこと。

『ディーエムシー デビル メイ クライ』プレゼンテーションリポート【E3 2012】_01
『ディーエムシー デビル メイ クライ』プレゼンテーションリポート【E3 2012】_05

 プレゼンテーションは、カプコンの江城元秀氏が、実機でのプレイを解説する形で行われた。冒頭に、本作のキーワードは“Rebirth”であり、「いままでの世界を生まれ変わらせている」、「これまでの『デビル メイ クライ』とは違う、よりワールドワイドな作品を目指します」と、シリーズが新生されたことを強調。ダンテが“人間と悪魔のハーフ”から“天使と悪魔のハーフ”という設定になったことにも触れ、「自分を殺しに来る悪魔を逆に倒す」ゲームになっていると語った。

 実機でのプレイでは、本作の中盤のステージにあたる、悪魔が経営するクラブをお披露目。人々を誘惑し、悪の道へと誘うそのクラブを潰すために、ダンテが乗り込んでいくのだという。ちなみにクラブには、白い羽が生えた、白ビキニのセクシー天使(風の悪魔?)が! ダンテに絡むものの、冷たくあしらわれていた。

 ダンテはクラブを支配する女性がけしかけた悪魔と戦いながら、その居場所を目指すのだが、ここでは“敵を全滅させる”、“30秒以内に敵を倒す”など、さまざまな条件を満たすことで、先のステージへと進める仕組み。個々のステージは、「ROUND1、Fight!」といった、格闘ゲームのスタートコール風な声とともに開始され、それぞれ敵やギミックが異なる。ノリのいい曲がかかり、リズムに合わせて壁やオブジェクトが鳴動するなど、クラブらしい演出が随所に見られた。

 なお、ひとつのステージをクリアーして先へ進むときは、巨大なミラーボールが先導してくれるのだが、サイケデリックな色彩のなか、遠くに観音のような巨大なシルエットが見えたり、踊る女性の影が揺れていたりと、なかなかシュールな絵になっていく。暗いステージやサイバー風の場所もあったので、すべてがそうというわけではないようだが、奥へ進めば進むほど“異空間”になっていく印象だ。江城氏曰く、これは「クラブを使ったLimboの表現」だとか。「ほかの場所は、まったく違ったコンセプトになっています。Limboはリアルタイムで世界が変化する。クラブの場合はこういう表現になります、ということです」。
 
 多数で襲ってくる黒猫のような小型の悪魔や、つねに2体がペアで、片方を倒すともう片方が強化される悪魔など、試遊台でのプレイでは見られない敵もつぎつぎと登場。飛んでいる敵は、羽を打つことで落下させられたり、大型の敵は背中に弱点があったりと、「敵ごとに遊びを用意しており、それをどうやって攻略していくかが鍵になります」と江城氏。また、ダンテのエンジェルパワーとデーモンパワーを使った攻略も。青い敵(や床)はエンジェルパワーで、赤い敵(や床)はデーモンパワーでしか突破できないといったギミックがあるという。床の属性を変える攻撃を持つ敵もいるようだ。

 アクション関連では、デビルトリガーの仕様や、デーモンパワーを使った特殊な回避行動、敵の攻撃を弾く特殊攻撃のことなども解説された。江城氏によると、「新しいコンビネーションや溜め攻撃もあります。なお、ゲーム中のショップでキャラクターを強化していくのは、従来作と同じです」とのこと。マルチプレイなどの要素については「とくに入れておらず、自分で“かっこいい”と思う方向性を追求していく、従来作の楽しみかたを尊重しています」と語った。

 また、開発会社がニンジャセオリーになり、カプコンとの作業の切り分けがどうなっているのかという気になる点については、江城氏が「カプコンでは、シリーズ作のディレクターである伊津野と私のほうで、手触り感やアクションを見ており、どうすればもっと気持ちよく、スタイリッシュにできるかを伝えることに注力しています。逆に、設定やビジュアルに関しては、ニンジャセオリーの思うことを優先しています」と回答。主人公ダンテのイメージチェンジについても、「ニンジャセオリー側がかっこいい、と思う方向性を尊重していますが、カプコンの監修も入っていますよ」と説明。従来作の要素を尊重しながらも、変えるところは大胆に変えていくという意気込みが感じられた。

『ディーエムシー デビル メイ クライ』プレゼンテーションリポート【E3 2012】_02
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