ドラゴンをみんなで倒すための特許出願中のアイデアとは!?

 カプコンのプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ドラゴンズドグマ』が、いよいよ2012年5月24日に発売となる。これに先立って、5月16日に都内で同作の完成発表会が開催。プロデューサーを務める小林裕幸氏、ディレクターの伊津野英昭氏、そして特別ゲストも招き、事前応募で選ばれたユーザーの前で、期待の大型新規タイトルの完成を報告した。

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▲会場内には巨大なドラゴンも!
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▲ホールには貴重な資料も展示されていた。
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▲プロデューサーの小林氏。

 「長かったです! 3年くらいの開発期間を経て発売されるわけで……イベントが終わったあとは涙を流しながらおいしいお酒を飲んでるんじゃないかと思います(笑)」と、冒頭の挨拶で無事完成したよろこびを語った小林氏。続けて、ソフト発売に向けてゲーム内容を改めて紹介する、最新プロモーション映像を公開した。ドラゴンの目覚めと、主人公“覚者”の邂逅――そしてポーンたちの出会いや迫力の戦闘シーンなど『ドラゴンズドグマ』の見どころがギッシリ詰まった映像で、最後は「思い描いた冒険が、ここにある」という本作を象徴するようなセリフが映し出される。「こうやって見ると、ハリウッドの大作映画3部作の第1部公開という感じもしますね」と小林氏も自画自賛する迫力の内容となっていた。

 ここでディレクターの伊津野氏も合流して、壇上ではトークセッションがスタート。司会者から向けられるさまざまなテーマについて、それぞれが長かった開発期間を振り返りながらコメントした。最初のテーマは『ドラゴンズドグマ』のコンセプトについて問うもので、小林氏は同作の企画が最初に上がった時点ですでに「世界中の人に遊んでもらえる、ハイファンタジーの世界を冒険する作品」というテーマがあったことを明かし、その企画を作成した張本人である伊津野氏は“そもそもの話”に言及。いわく、伊津野氏は中学生のころに“ゲームブック”で本格ファンタジーに触れ、その世界に魅了されたのだという。そしてゲームブックを読んでいるときに味わった「ページをめくるドキドキを、いまの技術を使って、多くの人に味わってもらいたい」という思いから、『ドラゴンズドグマ』を企画することになったそうだ。

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▲トークセッションでは開発秘話などが明かされた。
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▲ディレクターの伊津野氏。

 続いてのテーマは“描きたかった世界”。小林氏はハイファンタジーの世界を描くためにヨーロッパ取材を行ったエピソードを紹介し、伊津野氏は“リアルさ”が映像的にもゲームシステム的にも重要であったと語る。「ここでこうしたらこうなる――といった具合にリアクションが想像できるようにしたかった。ひとことで言えば生活感。巨大なモンスターがいることが遠くからでもわかるなど、我々がふつうに思っていることを体感できるものにしたかったんです」とその真意を説明した。

 ゲームプレイの部分にも話はおよび、“アクションへのこだわり”というテーマでは「既存のゲームにある固定観念を取り払って、アクションのルールをゼロから作ってみようと思いました。モンスターの弱点を攻撃するために、登って攻撃したい――などのユーザーが思うであろう“こうしたい!”を表現することにこだわりました」(伊津野)とコメント。また、プレイヤーとともに冒険する“ポーン”については、オープンワールドRPGの醍醐味である“自分だけの冒険”と、それとは相反するとも思える“人とのつながり”を両立する存在であると説明した。

 トークセッションのあとは実機デモで、PVなどでちらっと映っていた“イビルアイ”との戦いを紹介。イビルアイは最高級の魔法生命体で、大きな一つ目から触手が生えているという禍々しいデザインで、基本的には物理攻撃も魔法も受け付けないというとんでもない特徴を有している。さらに攻撃も、あらゆる状態異常を引き起こす光線や瞬間移動、触手を使った遠距離攻撃など、見た目以上に凶悪。とても倒せる気がしないモンスターだが、もちろん攻略法は存在している。今回の実機デモではそのヒントを見せるつもりだったのだが……パーティーの相性が悪かったこともあって、蹂躙されてしまう。けっきょく、ほとんどダメージを与えられないままデモは終了となったが、デモ中の伊津野氏の言葉から推測するに“目が口でもある”という点と“触手はダメージを与えれば斬り落とすことができる”という点が、ヒントになっているようだ。

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▲勝てる気がしない強敵イビルアイ。

 そんな強敵イビルアイだが、実機デモに続いて紹介された新モンスター“ウルドラゴン”は、イビルアイを遥かに上回る存在となりそうだ。ウルとは“始祖”を意味しており、つまりウルドラゴンは“最初のドラゴン”ということになる。そしてウルドラゴンは、プレイステーション3とXbox 360の世界にそれぞれ1体しかおらず、世界中のユーザーが協力して倒す存在なのだという。ウルドラゴンには数十ヵ所のダメージポイントが設定されており、討伐に参加したユーザーはダメージを与えるだけでボーナスを得ることができ、倒した人には驚くほどのボーナスと「そうとうな名誉」(伊津野)が与えられる。世界中のユーザーが倒しにかかるとなれば、自分が“そうとうな名誉”を得られる確立はかなり低くなるはずだが、伊津野氏いわく「学校で先生にあてられるくらいの確立で倒せる」とかなり現実的な確立で討伐できるのだという。それを実現する方法については明かされなかったが、秘密にする理由が特許出願中だからとのことで、あっと驚くようなアイデアが期待できそう。なお、ウルドラゴンは誰かが倒した後も2代目、3代目と代替わりしていくので、1回きりで終わるシステムではないようだ。

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▲イビルアイ以上に勝てる気がしないウルドラゴン。
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 そのほかの新情報としては、『ドラゴンズドグマ』の魅力をプロモーションするために結成された“芸人ポーン隊”のメンバー、お笑い芸人の井上聡(次長課長)、堀内貴司(コンマニセンチ)、鈴木Q太郎(ハイキングウォーキング)の3人をモデルにしたポーンが、ソフト発売と同時に配信されることが発表に。顔だけでなく、足の細さや腕の長さといった体格にまでこだわった仕上がりで、完成度はかなり高い。なお、詳細はこちらの記事をチェックしてほしい。

 完成発表会後半では、特別ゲストとしてタレントの真野恵里菜と山本裕典が登場した。この日のステージに向けて予習してきたというふたりだが、「映像を観させてもらいましたが、とても迫力があって気付いたらゲームのとりこになっていて、早く遊びたい! という気持ちになっていました」(真野)、「見た瞬間に“やりたい!”と思って、体験版を遊ぶうちに“これはもうソフトを買って、上級ジョブでいろいろやるしかない!”と考えるようになりました」(山本)と、すでに『ドラゴンズドグマ』のファンになってしまった模様。「現実の世界では魔法はどうがんばっても使えないから、みんなの後ろから攻撃していたいです」(真野)、「大きなモンスターに立ち向かっていく自分や、どんな魔法で倒してやろうかと考えたり、ポーンでどう戦っていくかが楽しみですね」(山本)など、冒険への意気込みも語っていた。そして、そんなふたりのために、開発陣からプレゼントが。なんと、真野と山本それぞれをモデルにしたキャラクターでのデモプレイを用意していたのだ。ゲーム内で動く自分をモデルにしたキャラクターを見たふたりは「前髪の分け目がいっしょだ! 自分に似せるのもいいけど、皆さんに自分を作ってほしいとも思いますね」(真野)、「ゲームの主人公になるのは男の夢。これはアガりました!」(山本)と興奮した様子で語っていた。

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▲真野恵里菜。
▲山本裕典。
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▲自分そっくりのキャラクターに、ふたりとも大興奮。

 ゲストステージの後は、ソフト発売に合わせて実施されるさまざまな企画などが発表に。カプコンバーおよびカラオケパセラでの期間限定メニューや、“Bizarre”、“Des Pierre”といった有名ブランドとコラボしたアパレル、“新日本プロレス”とのコラボTシャツ第4弾などが実施されるまた公式コミュニティサイト“ポーンコミュニティ”の開始およびそこから発信される情報紙“THE GRAN SOREN TIMES”の発行や、スマートフォンアプリ『ドラゴンズドグマ情報通ガイド』の無料配信など、ユーザーサポートの態勢も万全だ。詳細については以下の関連記事をチェックしてほしい。

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[関連記事2]『ドラゴンズドグマ』“カプコンバー”期間限定メニューや多彩なコラボグッズが一挙公開

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 盛りだくさんの内容となった『ドラゴンズドグマ』発表会。最後に小林プロデューサーは「最初は本当に完成するのか不安もありましたが、伊津野を始めとするスタッフのおかげで完成することができました。皆様の期待に恥じないような内容、本当にすばらしいオープンワールドRPGになっています」と開発スタッフおよびユーザーに感謝の言葉を述べ、「なかなか新規タイトルを作りづらい昨今ですが、カプコンはこれからもチャレンジしていきたいと思っています」と締めくくった。

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