sako氏に直撃インタビュー
2012年4月30日に開催された“ラグナロクオンラインファン感謝祭2012”。同イベントにて、プロゲーマーsako氏を招いてPS Vita用ソフト『ラグナロクオ デッセイ』のタイムアタックが行われた。sako氏は、週刊ファミ通編集者のジャスト野島と組んでタイムアタックに挑んだが、惜しくも開発スタッフチームに敗れてしまった。今回は、本作のプランナーを務める大河原氏に同席いただき、タイムアタックを終えたばかりのsako氏に直撃インタビューを敢行。
ジャスト野島(上段左)
sako氏(上段右)
ディレクター入江氏(下段左)
プランナー大河原氏(下段右)
――格闘ゲームで活躍されてプロゲーマーになったsakoさんですが、格闘ゲーム以外の仕事についてどう思われましたか?
sako 最初は自分が受けていいのかな? という思いがありました。正直に言うと、『ラグナロクオデッセイ』はタイトルすら知らなかったゲームなので。
あきき(sako氏のマネージャー兼妻) でも「『ラグナロク オデッセイ』はこんなゲームだよ」とsakoに動画を見せたら、「やろう、やろう」とふたつ返事だったんですよ。
――巨人と戦っている動画はインパクトがありますよね。
sako そうなんですよ。動画を見たらすごくおもしろそうに感じました。すごく大きな敵にインパクトを受けましたし、キャラクターの動きもすごく早いので「これを自分で動かせられたら、おもしろいんちゃうか」と。
――実際に本作をプレイされたのは、どのくらいの期間ですか?
sako 実際にプレイしたのは1週間ほどです。すごくおもしろかったので、格闘ゲームを休憩してずっとプレイしていました。タイムアタックの条件を聞いていなかったので、とりあえずすべてのボスと戦えるところまでチャプターを進めようと。
――実際にプレイしてみていかがでしたか?
sako 最初はよくあるマルチプレイ型のアクションゲームという印象がありました。でも操作に慣れてくると、ジャンプやステップで空中を動き回れるようになるのですごく新鮮でした。さらに、豊富なスキルを活かしたカスタマイズのバリエーションがすごくて、自分なりの戦略を組み立てるのが楽しそうだと感じました。
――sakoさんは格闘ゲームで独自の戦術を考えるのが得意なので、このゲームに合っているかもしれないですね。
sako はい。そう感じました。カスタマイズのバリエーションが豊富というのはものすごく魅力的です。でも俺はカードの引きがすごく悪いんです(笑)。
――アイテムの引きがよくなるファミ通本誌に付属された特典カードを装備しないと!
sako 逆になかなか出ないから、欲しいカードを集めるのも楽しかったですよ。
――本作にはくり返し遊ぶ楽しみもありますからね。ちなみに、1週間の準備期間でタイムアタックに挑戦してみていかがでしたか?
sako イベントの2日前にタイムアタックのルールを聞いて、そこからは相当練習しました。ただ、本番直前までマルチプレイをできなかったのがきびしかったですね。
――シングルプレイとは勝手が違うところもありました?
sako 敵が狙っているキャラクターが、自分なのか、パートナーなのかがわからなくて「あれ? どっちを狙っているんだろう」と戸惑うことがありました。
大河原 ボスの攻撃は、予兆となる事前動作を見たら回避行動を取るというのがセオリーなのですが、シングルプレイとマルチプレイでは見え方が変わってくるので、慣れが必要になるかもしれませんね。
――とくにタイムアタックの対象となったボス“グレンデル”の場合は、トリッキーな動きが多いからどちらのプレイヤーを狙っているのかわかりずらいところはありますね。
sako そうなんですよ。シングルプレイなら避けられている攻撃を、巻き添えを食らってしまうことがありました。
――マルチプレイを初めて体験してみていかがでしたか?
sako シングルプレイと違ってかなり新鮮でした。ただ、正直なことを言ってしまうと、自分の操作でいっぱいいっぱいだったので詳しいところはまだ見えていません(笑)。
――ははは(笑)。sakoさんとチームを組んだジャスト野島はどう感じましたか?
野島 かなりやりすかったですよ。今回のタイムアタックでは俺が回復役を担当したんだけど、sakoさんの体力がまったく減らなくて「俺がいる意味ねー」って(笑)。
――たった一週間でそこまでのレベルになっていたんですね。
野島 sakoさんは相当上達が早いほうだと思いますよ。ふつうの人は、一週間でこんなにうまくならないからね。
sako 格闘ゲームを捨ててずっとやり込んでいましたから(笑)。
――どのくらいプレイされていたんですか?
sako 仕事が終わったあとはずっとプレイしていました。限られた時間しかなかったので、タイムアタックの対象になるであろうボスがすべて登場するチャプター8まで進めました。
――さきほど楽屋で聞いた話によると、あききさんに手伝ってもらったと伺いましたが?
あきき そうなんですよ。「俺が仕事に行っている間にチャプター進めておいて」、「朝8時からやって」とsakoに言われて……。
――タイムスケジュールまで組まれているんですね(笑)。
あきき 「私もやることがあるんだけど」という感じでした(笑)。
――女性の視点から見て、本作はどのように感じましたか?
あきき 私はすごく楽しかったです。「ボスが出たよー」とか「やっと倒せたよ―」と、仕事に行っているsakoにメールで報告していたくらいでしから。だけど、sakoが仕事から帰ってくると横取りされちゃって……。
sako 「早く代わって」とね(笑)。
あきき 新しいボスに辿りついたときなんかは代わりたくなくて……。
――sakoさん以上にあききさんがハマってしまったんですね(笑)。女性からみてもとっつきやすいゲームだと?
あきき そうですね。私はとっつきやすかったですし、すごく楽しめました。
――それを聞いて本作のプランナーを務める大河原さんはいかがですか?
大河原 序盤の難度は抑えておいたのがよかったのかもしれませんね。とはいえ、中盤以降の難度は高めに設定してあるので、あききさんがチャプターを進めていたということに驚きですね。
sako いきなりチャプター5からプレイさせましたよ。
大河原 チャプター5は難度がぐっと上がるところだから、かなり難しいはずですよ。
あきき そうなんですよ。sakoが序盤を進めたから序盤のチャプターをまったくプレイしていないんですよ。それなのにいきなりチャプター5(笑)。だからどのクエストも制限時間いっぱい使ってクリアーする感じでした。
――かなりギリギリの戦いだったんですね。
あきき 正直な話、本体を投げてしまいたいくらい強くてイラっとするボスもいました。でも悔しいから「もう1回」って(笑)。
――1度負けて、その反省点を活かして再挑戦するというアクションゲームの基本的なおもしろさもありますよね。
あきき それも感じました。ボスを倒したときの達成感はひとしおでした。
――sakoさんはタイムアタックでメイジを使用していましたが、その理由は?
sako 一応ひと通りの職業でプレイしてみたのですが、メイジは近距離で戦えて、中遠距離戦にも対応できる自由度の高さが気に入りました。
――自由度の高いキャラクターが好きというのは、格闘ゲームと同じですね。
大河原 じつは、ゲームクリアーまでであればメイジがいちばん進めやすいキャラクターなんですよ。だからsakoさんのメインキャラクターがメイジと聞いたときは、強い職業を見極める嗅覚に驚かされました。ちなみに、本作のアクションについては格闘ゲームを意識して作っている部分もあるんです。
――そういった部分が格闘ゲーマーにとっつきやすいと感じさせるのかもしれませんね。僕も最初は自由度が高いと思ってメイジを使っていたのですが、接近戦が難しいと感じて、ガードが使えるうえに、打撃が爽快なソードウォーリアに変えてしまいました。
sako たしかに打撃はソードウォーリアのほうが気持いいかもしれませんね。でもメイジは魔法を使った連携がメチャクチャおもしろいですよ。それに接近戦ができるメイジはほかのゲームでもなかなかいないですし(笑)。
大河原 我々としては、もう少しメイジらしいアクションを増やしていければと考えています。
――今後のアップデートでは、アクションの増加も考えていらっしゃるのですか?
大河原 いつどのような形で追加するのかは未定ですが、個人的には着手したいと考えている部分ですね。そもそもスキルによってアクションパターンを変えたいと思っています。
sako それが実現したらすごくおもしろくなりそうですね。
大河原 ただ、それを実現するためには、タイトルを育てていかなければなりません。ユーザー様の声を取り入れてブラッシュアップしていきたいと考えています。
――sakoさんから見て、『ラグナロク オデッセイ』のここを変えるとおもしろくなるという点はありますか?
sako 雑魚敵が少し強すぎるかなと感じました。
大河原 なるほど。開発チームとしても難易度調整は課題のひとつに挙がっていますので、今後とも考慮したいと思います。
――少し話しはそれますが、sakoさんは格闘ゲーム以外のジャンルもプレイされるんですか?
sako だいぶやっていますよ。タイトル数だけなら、格闘ゲーム以外のジャンルのほうが圧倒的に多いですね。
――sakoさんは音ゲーがうまいという噂を聞いたことがあるのですが、そのほかにはどういったジャンルをプレイされるのですか?
sako RPG、アクションゲーム、パズルゲーム、シューティングゲームとほとんどのジャンルをプレイしています。シューティングゲームは、あるゲームのスコアで世界31位にもなりました。
――おーすごい。本格的なスコアラーなんですね。
sako トップレベルかどうかをべつにすれば、どのジャンルもそれなりにプレイできます。スポーツゲームとギャルゲーだけはプレイしていませんが。
――対戦ゲームでもスポーツゲームをプレイしない理由は?
sako スポーツはすごく好きなんですよ。実際にスポーツをする楽しみを知っているから、わざわざゲームでやらなくてもいいかなと。格闘技はなかなか実際にやれませんからね。
――たしかに、実際にやったら血だらけになっちゃいますね。多彩なジャンルのゲームをプレイできるsakoさんに、今後もお仕事を依頼することはあるのでしょうか?
大河原 そうですね。Sakoさんは相当ゲームがお好きで、ゲームを盛り上げていきたいという想いは我々と同じだということが今回のイベントを通じてわかりました。今後もご協力いただければと考えています。
――なるほど。それではsakoさんファンに向けてメッセージをいただけますか?
sako 協力プレイには、格闘ゲームでは味わえない楽しさがあるので、アクション好きの人であればぜひ一度『ラグナロク オデッセイ』をプレイしてみてください。あと、今回のタイムアタックは納得のいくレベルまでやり込めなかったので、もしつぎの機会があればしっかりとやり込んで人に見られても恥ずかしくないプレイをしたいと思います。
――今回は恥ずかしかったんですね(笑)。
sako 正直ちょっと恥ずかしかったです(笑)。
――それでは次回のやり込みに期待しています!