シングルもマルチも楽しい、コミカルでファンシーなアクションアドベンチャー

 究極の自由度で世界中のゲームファンの度肝を抜いたRPG『Fable(フェイブル)』シリーズをモチーフにしたアクションアドベンチャーが登場! 最大4人までのマルチプレイに対応し、さらには今秋発売予定のKinect専用同シリーズ最新作『Fable: The Journey』と連動する機能を搭載。そんな注目作のプレイインプレッションを、ライターの豊臣和孝がお届けする。

最大4人で気持ちよく大暴れ!『Fable Heroes』インプレッション_01
最大4人で気持ちよく大暴れ!『Fable Heroes』インプレッション_02
▲コミカルでファンシーなグラフィックが印象的。従来の『Fable(フェイブル)』シリーズとは異なるカジュアルな魅力がギッシリ!

 『Fable(フェイブル)』シリーズの世界観をベースにした本作は、プレイヤーが英雄となってワールドマップ内の各ステージを冒険するというもの。ステージ最奥にいるボスを倒すか、ルート分岐先に用意されたミニゲームをクリアーすると次のステージに進めるようになる。キャラクターは人間ではなく“パペット”と呼ばれる人形の姿をしており、これがなかなか可愛らしい。パペットは後々アンロックして種類を増やすことが可能だ。

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▲ゲームはステージクリアー型。最奥にいるボスを倒すか、またはミニゲームをクリアーすれば次ステージがアンロックされていく。一度クリアーしたステージはボス戦やミニゲームだけをプレイすることも可能になる。

 操作方法は、左スティックがパペットの移動、Xが弱攻撃、Yがフラッシュムーブ、Bが回避動作、Aが宝箱を開けるなどのアクション、RTがライフを1個消費する範囲攻撃、LBとRBがパペットの表情きりかえ、BACKがマップ表示、LTがプレイヤーのアイコン表示となっている。

 攻撃アクションはパペットごとに「接近戦が得意」、「飛び道具」、「魔法攻撃」などタイプが異なるが、いずれもXボタンが基本。Yボタンのフラッシュムーブは、威力こそ大きいが攻撃判定の発生が遅く、そのすきに敵からダメージを受けやすい。RTの範囲攻撃はライフをひとつ消費するが、周辺の敵を一掃できるのでピンチのときは素直にぶっ放したほうがいい。

 敵出現ポイントの広さ、さらにはカメラアングルにもよるが、4体のパペットが暴れまわる戦闘は“混沌”としがち。10体以上の敵が同時に出現することも珍しくなく、攻撃エフェクトや敵を倒したときのコインなどが折り重なって「誰が何をしているのかわからない」といったことも日常茶飯事。乱戦状態で×ボタン連打は死角からの敵攻撃を避けられないので、乱戦に巻き込まれそうになったらBボタンの回避で間合いをとり、乱戦の外からしっかり敵を捉えていくことをおすすめする。

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▲戦闘は乱戦になりがちで、状況によっては自分が何をしているかさえわからなくなることすらある。そんなときは慌てずBボタンの回避で間合いをとり戦いやすいポジショニングをしよう。

 本作は、オン・オフ問わず最大4人までのマルチプレイが可能。4人に満たないときは、残りのパペットをCPUが担当してくれる。少人数スタート後、他プレイヤーが途中から参加することもできる。

 ステージ構成は基本的にワンウェイ。ステージによっては終盤に二股の分岐が用意されていることもある。道中で出現する敵を倒したり、オブジェクトを破壊して“ゴールド”を獲得しつつ先に進んでいく。ステージクリアーの際は“総ゴールドが多い人”から順位が与えられる。ここで「順位ってなんぞや?」と思われるだろうが、実はコレ、ステージクリアー直後に出現するボードゲーム風のマップ「アビリティボード」で使えるサイコロの数に影響する。

 アビリティボードは、サイコロを振って出た目の数だけ進み、止まったタイルでパワーアップしたい項目を選んで購入できるというもの。タイルによっては「いくつかのタイルを選んで移動できる」、「ランダムでパワーアップ項目がリストアップされる」、「サイコロを振りなおすか、○タイルぶん進む、×タイルぶん戻る」といったものがあり、根気よくプレイすればフルパワーアップはそこまで難しくない。ただし、パワーアップはアカウントではなくパペット単位のため、全パペットのフルパワーアップを目指すなら結構な手間と時間がかかる。まずはあせらず、お気に入りのパペットを集中的に能力アップさせていくといいだろう。

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▲ステージクリアー時に獲得したゴールドで順位決定。ゴールド総額に応じて「アビリティボード」で振ることができるサイコロの数が決まる。道中にアイテム「サイコロ」を拾っていると、そのぶんもプラスされる。内側のタイルはゲームを進めていくごとに実績解除で少しずつアンロックされていく。

 既にお気づきの方も多いと思うが、プレイヤーと一緒に戦うパペットたちは、仲間であるとともに“ステージクリアー時の順位を競うライバル”でもある。頼りになる仲間といえど、ゴールド獲得となれば話は別。ゴールドの獲得要素は、敵に与えたダメージ、倒された敵が落とすコインとオブジェクト破壊で出現するコイン、サバイバル形式の対戦ミニゲーム勝者といった4つの入手経路がある。

 このうち、敵に与えるダメージで得られるポイントは特に重要。敵にダメージを与えるごとにアバターアイコン横にあるゲージが増えていき、MAXになると得られるポイントの倍率がアップ。最初は2倍が上限だが、キャラクター成長項目の「ポイント倍率の上限アップ」を取るとゴールド獲得効率がさらに向上する。なお、ゲーム中で敵から攻撃を受けると倍率ゲージが一定量失われてしまう。せっかく増やしても敵からバシバシ攻撃を受けていては意味がないため、やみくもに攻撃せずBボタンの回避をうまく使ってポイント倍率を維持していきたい。

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▲ゴールド獲得で重要になってくるのが敵に与えるダメージとポイント倍率。スタート時は最大2倍だが「アビリティボード」で対応するタイルに止まれば倍率アップの上限を伸ばすことが可能だ。

短時間でワイワイ遊ぶにはもってこい ~『Fable: The Journey』との連動にも期待大!~

 ゲームの難易度はイージー、ノーマル、ハードの3段階。イージーは獲得ゴールドをチーム全員がシェア。ノーマルは獲得ゴールドが個別で、全員がライフを失ったゴースト状態になってもゲームオーバーにはならない。ハードは獲得ゴールドが個別で、全員ゴースト状態になるとゲームオーバー。デフォルトのライフ数は、難易度が上がるにつれて減っていく。

 難易度や遊び方にもよるが、各ステージはだいたい10~20分程度でクリアーできるボリューム。操作も簡単なので、アクションゲームが苦手なフレンドも気兼ねなく誘えるのがいい。基本的にはライバル同士のため、他プレイヤーのパペットを直接サポートする機能はないが、獲得ゴールドを共有する難易度イージーを選べば「あっ、ずるい! お前ばっかりコインとってんじゃねーよ!」などのギスギス展開とは無縁。逆にシビアなプレイがお望みとあれば、難易度ノーマルやハードでゴールド獲得合戦が思う存分楽しめる。

 さて……本作は発表時点で“とある機能”に注目が集まっている。それは冒頭でも触れたとおり、今秋発売予定のシリーズ最新作『Fable: The Journey』との連動機能だ。『Fable Heroes』で稼いだコインを『Fable: The Journey』に持ち込んだり、双方で特典アイテムがアンロックされたりと、ファンには見逃せないプレミアム機能が用意されている。『Fable: The Journey』正式発売まで連動機能はロックされたままだが、まずは『Fable Heroes』で他プレイヤーたちとワイワイ大騒ぎして楽しんでいただきたい。

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▲単体でも楽しいが、今秋発売予定の『Fable: The Journey』と連動させれば楽しさの幅がさらに広がるだろう。

 
著者紹介 豊臣和孝
フリーライター。ここ10年ほどはWebゲーム媒体メインで執筆中。「ファミ通 Xbox 360」ではインディーズコーナーを担当。


Fable Heroes (Xbox LIVE アーケード)
メーカー 日本マイクロソフト
対応機種 X360Xbox 360
発売日 2012年5月2日
価格 800 マイクロソフト ポイント
ジャンル ファミリー / アクション&アドベンチャー