3時間半の長丁場は終始盛り上がりっぱなし!
毎週木曜20時からニコニコ生放送で好評放送中の番組『電波研究社~アニメ・ゲーム・アニソン~』が、“電波研究社LIVE SPECIAL”と題し、ニコニコ超会議で開催。ラジオパーソナリティーなどで活躍中の鷲崎健、アーティストのMay’n、声優の明坂聡美という3人がMCを務め、多彩なゲストによるライブパフォーマンスがくり広げられた。
※会場の写真は後日追加予定です。
最初のゲストは、テレビアニメ『ゆるゆり』のキャストで構成された声優ユニット“七森中☆ごらく部”。三上枝織 (赤座あかり役)、大坪由佳 (歳納京子役)、津田美波 (船見結衣役)、大久保瑠美 (吉川ちなつ役)の4人が、オープニングテーマの「ゆりゆららららゆるゆり大事件」、エンディングテーマの「マイペースでいきましょう」、「ごらく部、愛と勇気と希望と友情のテーマ」の3曲を披露。ステージには、ニコニコ動画で生放送されているイベントの模様がコメント付きで見られる大きなモニターが設置されており、楽曲に合わせて弾幕(画面がコメントで埋め尽くされた状態)が流れるなど、本イベントならではの盛り上がりを見せていた。
楽曲終了後に鷲崎とMay'nを交えて行われたトークは、事前に出演者に行ったアンケートの回答を紹介する形で行われた。それによると、大久保らメンバーはカードゲームのUNOにハマッているとのことで、控え室でも楽しんでいたとのこと。これをMay’nは「UNOでこんなに盛り上がれるんだっていうぐらい盛り上がっていた(笑)」と語っていた。
続いての登場は、ニコニコ動画で歌い手として活躍し、メジャーデビューも果たしているヒャダイン。「ヒャッダイーン!」と七森中☆ごらく部にインスパイアされた挨拶で登場すると、テレビアニメ『日常』のオープニングテーマである「ヒャダインのカカカタカタオモイ-C」と「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」の2曲を熱唱。さらに、ニコニコ動画のために作ったという楽曲「僕とわたしとニコニコ動画」を披露した。
近ごろテレビなどメディアへの露出が増えているヒャダインは、2012年4月30日に放映される「SMAPXSMAP」にも出演するとのこと。こちらもぜひ注目してみよう。
ゲスト3組目は、“Activity Eco Life with Love”をコンセプトに、健康、エコ、環境問題に取り組んでいくという異色のアイドルユニット“AeLL”。赤い衣装で着飾った篠崎愛、西恵利香、石條遥梨、鷹那空実というメンバー4人が、「Heavenly Sky」を歌い上げた。楽曲の後半では、メンバーがタオルを取り出し、頭上でぐるぐる回すというパフォーマンスを披露。観客もタオルを回して応えたり、ケミカルライトを振るなど、大きな盛り上がりを見せていた。
なお、トークでは、2012年5月5日に原宿アストロホールにて、2度目のワンマンライブを行うことが明かされた。AeLLファンの方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
AeLLのライブの後、May’nは自身のステージに備えて一度退場。ここで5本のマイクがステージ上に運び込まれ、『アイドルマスター』のキャストである浅倉杏美(萩原雪歩役)、今井麻美(如月千早役)、仁後真耶子(高槻やよい役)、長谷川明子(星井美希役)、原由実(四条貴音役)の5人が登場すると、「超Novelsm@sterコンテストアフレコ」が始まった。
ご存じない方のために少し説明しておくと、“超Novelsm@sterコンテスト”とは、『アイドルマスター』の二次創作カテゴリである“Novelsm@ster”動画をユーザーが投稿し、キャスト5人が生でアフレコするというもの。このコンテストにはじつに368作品が投稿され、その中から各賞を受賞した6作品のアフレコが行われた。受賞作と投稿者は以下の通り。
・オープニングにぴったりで賞
いつもと少し違うステージ挨拶(お前らは平常運転)(タク)
・バンダイナムコゲームス賞
【ドット絵で】カップ麺カプリッチオ(Rukou)
・ニコニコ動画賞
ぷぁーぱぁ! たぁーっち!(あずたかさんP)
・アニプレックス賞
朝食戦隊スイハンジャー in 超ノベマス編(Muratan)
・審査員特別賞
必勝法(先導者P)
・アイドルマスター賞(最優秀賞)
弱小事務所の伝説の初ライブ(カマトロP)
オープニングとして放送された「いつもと少し違うステージ挨拶(お前らは平常運転)」は、キャラクターと声優(いわゆる“外の人”と“中の人”)の役割を入れ換えて演じるという作品。ライブで行われるステージ挨拶をモチーフとしており、ステージを鑑賞していたファンが観客役(「うおおおおお!」、「お姫ちーん!」などの掛け声)を担当するなど、声優とファンが一体となって作品を作り上げていた。
バンダイナムコゲームス賞の「【ドット絵で】カップ麺カプリッチオ」は、ドット絵の作品を多数製作しているRukou氏が投稿。アイドルたちが所属する765プロの日常を描いた作品で、クオリティーの高いアイドルたちのドット絵が表示されると、「おおお!」という歓声が上がっていた。
「赤ちゃんの演技を聞いてみたかった」という理由でニコニコ動画賞を受賞した「ぷぁーぱぁ! たぁーっち!」は、アイドルたちがなぜか赤ちゃんになってしまったという内容。演技が恥ずかしかったのか、浅倉は「なるべくモニターを見るようにしていましたが、皆さんの生暖かい目線が視界に入って、本当にありがたかったです」と語っていた。
「朝食戦隊スイハンジャー in 超ノベマス編」は、やよい、美希、双海亜美の3人が変身ヒーローの“朝食戦隊スイハンジャー”となり、悪の組織“テラスイーツ”と戦う物語。動画中で“オトナの事情(双海亜美役の下田麻美は不在)”により亜美がひと言も喋らない点が触れられると、会場からは笑いが起こっていた。今井と原は、テラスイーツ側のキャラクターである“アサミンゴス”と“デガラシメタボ”を熱演。今井は「逃げるんだよォォォーーー!」というセリフをアドリブで「逃げるんだよォォォーーー! スモーキーッ!」と変更するなど、終始ノリノリだった。ちなみに、今井はマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファンであり、アサミンゴスの立ち絵イラストはいわゆる“ジョジョ立ち”をしていた。「逃げるんだよォォォーーー! スモーキーッ!」は、『ジョジョの奇妙な冒険』第二部にて、主人公のジョセフが言ったセリフ。
審査員一同が気になったということで審査員特別賞を受賞したのは、先導者Pの「必勝法」。今井が「今回の全作品でいちばんカオスです」と語るその内容は、登場人物がレースをしながらひたすら「ぶぅーん」(クルマの効果音)としか発言しないというもの。わずか1分間の動画ながらそのインパクトはすさまじく、会場はかなりのカオスに包まれていた。
そして最優秀賞のアイドルマスター賞に輝いたのは、「弱小事務所の伝説の初ライブ」。投稿者のカマトロPがニコニコ動画に投稿していた「弱小事務所シリーズ」に連なる作品で、手書きフルカラーのイラストで構成されていた。シリーズに見られる“間”の芸や毒のあるセリフは、本作でも健在。大好物のおにぎりがなくなった美希が貧乏アイドルのやよいを疑うシーンでの「最近食べたお惣菜なに? 輪ゴム?」という発言には、会場、ニコニコ動画のコメントともどもドッと沸いていた。アフレコを終えた今井は、「この方のセンスがすごい」と本作をベタ褒め。選考委員会の受賞理由でも、「物語がきれいにまとまっているし、緩急の付けかたがストーリーに味をつけている。セリフ読みの尺も完璧」と絶賛されていた。
アフレコ後は、キャスト陣が6作品を振り返った。浅倉は、「どれも等しく大切な作品で、どれも等しく忘れていただきたい(笑)」とコメント。長谷川は「演じているときの顔を見られるのがとても恥ずかしい」と語っていた。また、今井によるとアフレコのリハーサルは難航したそうで、深夜まで台本読みを重ねたとのことだった。
また、このステージでは、2012年6月28日に発売されるアニメ『アイドルマスター』Blu-ray&DVDの第9巻に収録される、テレビ未放送話の次回予告が初めて放映された。“765プロという物語”と題されたこちらの回では、アイドルたちの日常が描かれるとのこと。別のイベントで今井は「今回のやよいおり(やよいと水瀬伊織が仲がいいことを表したスラング)はいいですよ!」と語っており、こちらも楽しみだ。さらに、告知映像後は、アニメ『アイドルマスター』第1期オープニングテーマである「READY!!」を披露。キャスト陣のパフォーマンスにより、観客席のボルテージは最高に高まっていた。
ここからのイベント後半戦には、MCとして明坂聡美が参加。明坂は、「待ち時間にヒャダインさんとかごらく部のみんなとUNOで楽しんでいました」と、七森中☆ごらく部のUNOネタを引っ張り、会場を沸かせていた。
後半戦のライブ1発目を飾ったのは、ニコニコ動画の“演奏してみた”カテゴリで有名になり、メジャーデビューしたロックバンドの“流田Project”。さまざまなアニメ楽曲をカバーする同バンドは、『とある科学の超電磁砲』オープニングテーマの「only my railgun」、『化物語』エンディングテーマの「君の知らない物語」に加えて、先ほど七森中☆ごらく部が歌った「ゆりゆららららゆるゆり大事件」の3曲を演奏。「ゆりゆららららゆるゆり大事件」の際には、七森中☆ごらく部のメンバーが流田Projectのトレードマークである仮面をつけてステージに登場。ロックアレンジされた同曲を歌い、会場を大いに沸かせていた。
続いては、テレビアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』から飛び出した声優ユニット“ミルキィホームズ”がステージへ。演じるキャラクターの衣装に身を包んだ三森すずこ(シャーロック・シェリンフォード役) 、徳井青空(譲崎ネロ役)、佐々木未来(エルキュール・バートン役)、橘田いずみ(コーデリア・グラウカ)の4人が、『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』オープニングテーマの「ナゾ! ナゾ? Happiness!!」と「恋の調査報告書 ミルキィホームズ」を歌った。
ライブ終了後のトークでは、千葉県南房総市の出身である徳井が、同市の観光大使に任命されたというエピソードが明かされた。また、餃子好きの橘田からは、宇都宮餃子祭りのイメージガールになりたいという夢が語られた。なお、ミルキィホームズの面々は、2012年5月20日に武道館ライブを控えている。このライブには、『探偵オペラ ミルキィホームズ』でアルセーヌ役を務める明坂もゲスト参加するとのこと。こちらも要チェックだ。
後半戦3組目に登場したのは、実力派女性アーティストとして知られる飛蘭。テレビアニメ『未来日記』オープニングテーマの「Dead END」、対戦格闘ゲーム『ブレイブルー コンティニュアムシフト エクステンド』メインテーマの「蒼穹の光」、テレビアニメ『CANAAN』のオープニングテーマ「Mind as Judgment」の3曲を抜群の歌唱力で披露した彼女に、会場は釘付けとなっていた。
なお、彼女は現在放映中のテレビアニメ『機動戦士ガンダムAGE』の新エンディングテーマ『WHITE justice』も手掛けている。『ガンダム』シリーズのファンならずとも必聴間違いなしだ。
いよいよイベントも大詰め。トリを飾ったのはもちろん、『電波研究社』のMCであるMay’nだ。テレビアニメ『マクロスF(フロンティア)』などの楽曲で知られる彼女のステージには、歌手、音楽プロデューサーなどで活躍する浅倉大介が参加。テレビアニメ『緋弾のアリア』オープニングテーマの「Scarlet Ballet」と、テレビアニメ『アクセル・ワールド』オープニングテーマの「Chase the WORLD」という、ふたりがコラボレーションした2曲を披露した。May’nは、テレビ番組『堂本兄弟』で知り合った浅倉に楽曲を作ってもらえるとは思っていなかったそうで、今回のステージが、ふたりの初共演だという。『電波研究社』で見せる姿とはまったく異なるMay’nの凛々しいステージパフォーマンスに、コメントでは「別人!?」と突っ込みが入り、浅倉もそれに乗っかっていた。
これにて、じつに3時間半に及んだ“超電波研究社LIVE SPECIAL”のプログラムはすべて終了。会場は終始満員で、ファンの熱い熱気を感じることができた。なお、本記事でも紹介しているが、このステージの出演者は、今後もイベントなどを多数控えている。こちらも目が離せなそうだ。