巨大ショッピングモールにPCゲーマー大集結
2012年4月29日、NVIDIAが中国の上海でNGF(NVIDIA Gaming Festival)の初日を開催した。基調講演の内容をすでにお伝えしたので、それ以外の内容をまとめてお届けする。
会場となったSuperBrand Mallは、10階建ての巨大ショッピングモール。イベントはその9階のイベントスペースを使って行われ、数千人のPCゲーマーが集結した。プロゲーマーが数多く参加する『StarCraft2』、『DotA』、『League of Legends』の大会(GeForce LAN)と、NVIDIA関連のプレゼンテーションがミックスされた内容で、会場は終始盛り上がっていた。
『Hawken』は日本でのサービスも視野
Adhesive Gamesが開発中のメカFPS『Hawken』は、【【基調講演で“GeForce Experience”を発表する際に、】】その対応タイトルとして紹介され、デモ映像が流れされていた。GeForce Experienceとは、サーバーに環境情報を送信することで、そのマシンでそのゲームをプレイするのに最適なグラフィック設定を自動設定してくれるというサービス。『Hawken』はその美麗な映像で世界を沸かせたが、GeForce Experienceを利用することで、PCのグラフィック設定に通じていなくても、自分のマシンに最適な設定で遊ぶことができるのだ。
この発表に合わせて、パブリッシャーのMeteor EntertainmentからBill Wagner氏が来場しており、合同インタビューに参加することもできた。
“12年12月12日”というゴロのいい日にオープンβテストを開始することを発表している本作。現状でゲーム開発は70%ほどが完了しており、8月にはローンチ時のコンテンツが出揃う見込みだという。4対4から6対6のマルチプレイ対戦をサポートし、シングルプレイのコンテンツはトレーニングモード程度の模様。対戦ルールはデスマッチ、チームデスマッチ、そして“シージモード”を予定。シージモードはエネルギーを奪い合うモードで、タレットを起動したり、敵の基地を破壊する空中戦艦を動かすのに使う。本作に注目している人なら、「ゴゴゴ……」と音がしそうな巨大戦艦を見たことがあるだろう。
そして、F2P(基本無料)モデルを採用している本作だが、課金のバランスには特に注意しているほか、課金ポイントで買えるすべてのものはゲーム内ポイントでも買えるとのこと。そのほか、DirectXはDX9とDX11に両対応。
率直に「日本で遊びたいです……」と言ってみたところ、中韓だけでなく、日本も視野に入っているとの力強い答え。「だがオープンサービスをやるにはパートナー企業が必要だ」と続いたので、「日本のパブリッシャーとコンタクトはしているのでしょうか」と質問を重ねてみると、「恐らく、しているんだろうねぇ」と、ニヤリと交わされてしまった。
本作を離れて、家庭用ゲーム機でのF2Pについて、PlayStation NetworkがF2Pをサポートしていることについてオンラインゲームのパブリッシャーとしてどう感じているか聞いてみたところ、プラットフォーマーがF2Pの可能性を広げているのは喜ばしく感じているとのこと。「マイクロソフトもサポートしてくれると嬉しいんだけどね……」というコメントは率直なものだろう。本作がPCでもXbox 360でも遊べたら、アメリカのメック熱が再燃するぐらいのポテンシャルはあるはずだ……。
東洋FPSへの挑戦! 『P.L.A.』
一昔前、中国産オンラインゲームと言えば、どうしても韓国産より一世代落ちるようなイメージがあったが、DirectX 11の技術をバリバリ使ったようなタイトルもどんどん増えてきそうだ。
DX11世代の技術を駆使したベンチマークを披露したのは、Giantの『P.L.A.(Passion Leads Army)』。日本占領時代の上海を舞台にしたFPSで……と書くと、『血戦上海灘』というタイトルを思い出す人もいるかもしれないが、説明によると本作はああいうノリではなく、単に東洋的なFPSを作りたくて題材を探していた際に、昔の上海はいろんな勢力や人々が集まっていて刺激的ということで舞台に選んだとのこと。まぁ中国でPLAと言うとPeople's Liberation Army、つまり中国人民解放軍だったりしますが……。
ちなみに、マーシャルアーツもゲームプレイに組み込むとしているのが何とも気になるところ。ぜひクンフーに柔道で対抗したい、ってそれは「ドラゴン怒りの鉄拳」ですね、ハイスイマセン。ビジネスモデルはF2Pで、今年中のサービスを予定。日本にも持ってきたいとか。
フィールドを吹き抜けていく葉っぱ、自然なパーティクルの爆発、破壊表現、テッセレーションなど、ベンチマークは技術てんこ盛りだったが、ゲーム自体はDX9とDX11双方に対応予定。DX9ならGeForce 8600クラスで毎秒30フレーム~35フレームは出せるそう。DX11ではGTX 460ぐらいでの動作も下限として想定しているという。ちなみにベンチマークプログラム自体は、来月中旬にもNVIDIAのページほかで公開予定とのこと。
Crytek、『Warface』で基本無料FPSに進出
CrytekのCEOであるCevat Yerli氏も登壇し、NVIDIAとの協力関係をアピールしていた。CryEngine 3のツールでいかにDX11世代の技術を簡単に利用できるか紹介したほか、『Crysis 3』の映像を流し、さらにF2Pモデルに挑戦するオンラインFPS『WARFACE』についても言及。
本作は2012年にリリース予定で、TENCENTが中国の、ネクソンが韓国と台湾での権利をすでに獲得している。Crytekの公式サイトの本作のコーナー(http://www.crytek.com/games/warface)では、映像なども公開されているので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
Physxはカジュアルゲーム方面でも注目
中国のオンラインゲームも、技術的にハイエンドなものが増えてきているらしいことを先程も触れたが、NVIDIAの提供する物理エンジンPhysxについてのステージでは、カジュアルゲームでも使われていたのが印象的だった。
デモ映像が披露された『QQ Dance 2』は、スクリーンショットを見てもわかる通り、カジュアルプレイヤーが多いダンスゲーム。ここで重要なのが、ダンスゲームの収益の多くはアバター要素から得られるということ。より自然でかわいい衣装や髪の毛の動きをだすためには、Physxの力を借りるのが一番効果的というワケだ。まぁもちろん、カジュアルゲーマーがDX11世代のPCを使うかという問題もあるが……。
もうひとつ『Age of Wushu』は、武侠モノのオンラインRPG。なんだか武侠アクション全開で、こちらはこちらでおもしろかったとお伝えしておこう。
ラストはお姉さん特集
まぁなんだかものすごい活気にあふれていた会場から、初日リポートの締めくくりとして各ブースのお姉さんをお届け。え、ゲーム大会の話がないって? 取材の連続でほとんど見られなかったんですよ……。
ちなみにお姉さんたちは、すごいかわいいのに、思いっきりお客さんの前でスマートフォンを眺めていたり、鏡を見て化粧をチェックし始めたり、手持ち無沙汰になっておもむろに髪の毛をくわえはじめたりするのがカオスで最高でした。