笑いあり、サプライズありでイベントは大賑わい!

 2012年4月28日、エンターブレインにて、ゲームデザイナーである桜井政博氏の著書『桜井政博のゲームを遊んで思うこと』、『桜井政博のゲームを作って思うこと』の2冊同時刊行を記念したイベントが行われた。この2冊は、週刊ファミ通に連載されている桜井政博氏のコラムから、桜井氏がゲームを“遊ぶ”ことにこだわったコラムと、ゲームを“作る”ことにこだわったコラムをそれぞれ集めた内容で、絶賛発売中となっている。イベントでは、桜井氏のトークイベントと、氏が手掛けたニンテンドー3DSソフト『新・光神話 パルテナの鏡』(以下、『新・パルテナ』)の“天使の降臨”モードを使った対戦大会を開催。対戦大会の予選は4つのブロックに分かれて勝敗を競うトーナメント戦で行われ、事前の抽選をくぐり抜けた3人ひと組のチームが32組エントリー。4つのブロックに分かれて戦い、計4組が決勝トーナメントに駒を進めた。

桜井政博氏の著書発売記念イベントが開催! 『新・パルテナ』の大会も!!_01
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▲練習の成果を出そうと、気合を入れて臨むチームも。

 予選大会に続いては、今回の本題である桜井氏のトークイベントへ。壇上にはイベントの司会を務める週刊ファミ通のブンブン丸と、主役である桜井氏が登場。書籍が2冊同時に刊行された理由や『新・パルテナ』の制作エピソードなどが語られ、会場に詰め掛けた大勢のファンは熱心に耳を傾けていた。ちなみに、このコーナーでは桜井氏が企画者のひとりを務めるゲーム音楽のオーケストラコンサート“PRESS START”が再び開催されることが明らかになったほか、同コンサート内で『新・パルテナ』の曲が演奏されることも判明。演奏される楽曲は第12章の空中戦で流れる「初期化爆弾の恐怖」で、演奏中に桜井氏が第12章のホンキ度9.0(最高難度)に挑戦するとのこと。こちらにも注目だ。

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▲ブンブン丸(写真左)と桜井氏(写真右)のふたりでイベントは進行。桜井氏は2冊の著書を手に、内容について語った。

 フリートークが終わると、“『新・光神話 パルテナの鏡』高ホンキ度チャレンジ”と題し、桜井氏がホンキ度9.0に挑戦。イバラの狙杖で第14章“電光石火の激突”にチャレンジし、解説を交えつつ攻略テクニックを披露した。桜井氏は、「狙杖はボスのエレカと相性が悪い」と語りながらも、“死んだふり”の奇跡の無敵時間を利用してエレカを難なく撃破。卓越したプレイと開発者ならではのわかりやすい解説に、会場からは大きな拍手が送られた。
 また、ファンからの質問コーナーでは、「どうすれば桜井さんのようになれますか?」、「ストレス解消法は?」といった質問に桜井氏が答えていく。ここで、「好きなキャラクターは?」という質問に差し掛かり、桜井氏がナチュレと答えると、「あーっはっはっは。わらわの魅力にメロメロのようじゃのう」という、『新・パルテナ』ファンには聞き慣れた声が響く。この瞬間、会場には「マジで!?」と、“ある人物”の登場を期待する歓声が上がった。桜井氏とブンブン丸はその声を無視して進めようとするものの、謎の声は「シカトですかー」と少し寂しそうにツッコミ。ここで「わかりました、出番ですよ」と桜井氏が呼び込んだのはもちろん、“ある人物”こと、“自然王ナチュレ”の声を担当した声優の大本眞基子!! 彼女を加えた3人によるトークでは、セリフの長さを確認するために、大本がゲーム中のすべてのセリフを仮で収録したエピソードなどが語られた。大本によるハデス(声は大塚芳忠)のモノマネで、会場がドッと沸くひと幕も。

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▲『星のカービィ』のカービィや『MOTHER』のネスの声も担当する大本(写真左)。桜井氏とは長い付き合いだけあって、掛け合いは息ぴったり。

 トークイベントの後は、いよいよ決勝トーナメントがスタート。A~Dブロックを勝ち上がったチームがステージ上で熱い戦いをくり広げ、桜井氏が解説を行った。見事決勝戦を制して頂点に立ったのは、Cブロックを勝ち上がったチーム。ひとりで参加したプレイヤーと、ふたりで参加したプレイヤーが即興で組んだチームながら、声を掛け合うなどチームワークのよさを見せていた。破竹の勢いで勝ち進んだ決勝戦では、絶体絶命の状況から、まさかの大逆転。これには桜井氏も驚いた様子で、優勝の瞬間には会場も大きく盛り上がっていた。この優勝チームには、ピット、パルテナ、ナチュレのイラストがそれぞれ描かれた記念盾(桜井氏のサイン入り)を進呈。イラストはここでしか手に入らない特殊なARカードになっており、優勝チームは賞品を仲よく分けあっていた。

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▲桜井氏は、画面を見ながら各チームの特徴をピックアップして解説。神器や奇跡の構成から、立ち回りを語っていた。
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▲優勝チームは、兄弟でエントリーしたサトシさん(写真中央)とNESSさん(写真中央左)にむねゆきさん(写真中央右)を加えた3人。それぞれ、ビッグ死神の破掌、マグナの巨塔、豪腕コンパクトを使って優勝を勝ち取った。

 桜井氏は今回の大会を振り返り、「攻撃力を重視しているプレイヤーが多くて、一瞬で勝負がつくようなことが多かったですね。そういう点を踏まえて、つぎに生かせるといいなと思いました」と感想を語ってくれた。『新・パルテナ』の今後の展開にも、ぜひ注目しておこう。
 ちなみに、このイベントの詳細なリポート記事は、週刊ファミ通5月31日号(5月17日発売)に掲載予定。こちらもぜひお楽しみに!