“ポータルサイトそのものが遊びに”――ついに姿を現した新生“my GAMECITY”

 コーエーテクモゲームスは、2012年3月14日、“my GAMECITY記者発表会”を開催し、同社のポータルサイトGAMECITYが“ゲームSNS”として新生することに関して、詳細の発表を行った。また、発表会の終了と同時に、本日15時よりmy GAMECITYの正式サービスがスタートした。my GAMECITYの詳細については、こちらの記事(“my GAMECITY”SNSとゲームが融合した新サービスが本日(2012年3月14日)スタート)も参照してほしい。

 my GAMECITYは、コーエーテクモゲームスが長年サービスを継続してきたPC向けポータルサイト“GAMECITY“が、まったく新しいコンセプトのもとに生まれ変わったもの。“my GAMECITY”構想は、2011年8月30日に開催された同社のネットワーク事業戦略発表会でも、戦略の柱のひとつとして大々的にアピールされていた事業だ(記事は【コチラ】)。構想発表以来、半年以上の期間を空けての本格始動となったわけだが、発表内容の随所にコーエーテクモゲームスの“本気”が滲み出る、活気のある発表会となった。

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 発表会の冒頭には、コーエーテクモゲームス代表取締役社長にしてmy GAMECITYのゼネラルプロデューサーを務める、シブサワ・コウこと襟川陽一氏が登場。まず同社のゲームポータル“GAMECITY”の歴史を振り返り、インターネットを使った新しいエンターテインメントとして『信長の野望インターネット』が郵政大臣賞を受賞した1999年から、業界の先陣を切ってサービスを押し進めてきたことを強調。現在に至るまで、ネットワーク事業の中で重要な役割を担い続けてきたことを説明した。
 そのうえで、新生“my GAMECITY”は、ゲームとSNSが融合した新しいコミュニティーサイト“ゲームSNS”という新しいコンセプトのポータルサイトとなることを力説した。

 ちなみに、ふだんからネットワーク事業に対する強い意欲を語ることが多い襟川氏だが、この発表会での熱の入りかたは相当なものだったようだ。段取りとしてはこの後に発表されるはずの情報までフライング気味に語る場面もあり、襟川氏の“my GAMECITY”に対する熱意と自信が強く表れたスピーチとなっていた。

コーエーテクモのノウハウを結集

 続いては、コーエーテクモゲームス執行役員の藤田一巳氏から、実機による実演デモも交えながら、“my GAMECITY”の詳細が説明された。藤田氏によると、いまではソーシャルゲームを集めたポータルサイトや、アバターで楽しめるゲームサイトは珍しくはないが、“my GAMECITY”はそれらとは異なり、「端的に言うと、“プラットフォームがゲームになる”です」(藤田氏)。
 基本となるコンセプトは“プラットフォーム自体が遊びを持つ”というもので、具体的には、“my GAMECITY”自体が街作りのソーシャルゲームとして遊べる構造となる。また、『信長の野望』や『デッド オア アライブ』、『アンジェリーク』といったコーエーテクモゲームスの持つ有力IPに沿ってデザインされた建物などを自由に配置し、ユーザーの好きなようにカスタマイズすることができる。たとえばユーザーが熱烈な『信長の野望』ファンなら、自分の街を『信長の野望』一色にすることもできるし、バランスを取ってバラエティーに富んだ街並みを作り上げることもできるわけだ。
 さらにその街は、プレイヤーとの交流の場ともなるのはもちろん、今後投入されていくソーシャルゲームの“入り口”としての役割を果たすことになるという。言葉で説明すると複雑そうに思えるかもしれないが、藤田氏いわく、コーエーテクモゲームスがゲームメーカーとして培ってきたノウハウを最大限に発揮し、「気軽さと奥深さを両立させた、ログインするだけでも楽しいポータルサイトになります」(藤田氏)とのことだ。

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▲藤田氏のサポート役(?)として、myGAMECITYのニャブラハム市長も登場し、実演デモに華を添えた。
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▲最初は閑散とした街も……。
▲これだけ賑やかな街に。
▲コミュニケーションも可視化される。
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▲街から、『信長の野望』などコーエーテクモゲームスのIPにちなんだ遺跡に挑む“クエスト”も用意される。

 ひと通り実機での実演が披露された後、藤田氏から今後の展開についても説明された。まず明日(2012年3月15日)からは、コンテンツの第1弾として『100万人の三國志Special』がサービス開始となる。その後も、コーエーテクモゲームスの人気IPを投入するのはもちろん、オリジナルの作品も投入していく構想があるという。またそのうえで、my GAMECITY内の特定の施設が別のゲームにリンクしたり、my GAMECITYでゲットしたリワードが別のゲームのリワードになったり、逆に別のゲームで獲得したリワードがmy GAMECITYのリワードになったり……と、双方向で楽しめる仕掛けも実装していくとのこと。また、my GAMECITYのオープンに合わせて、ゲーム内で利用するバーチャルマネー“GCコイン”サービスもスタートしたが、ゆくゆくはGCコインのモジュールをオープン化し、サードパーティーの参入も視野に展開していくという壮大な構想も語られた。

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PCブラウザならではの魅力を込めた『100万人の三國志Special』

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 つぎに、my GAMECITYに投入されるソーシャルゲームの第1弾、『100万人の三國志Special』の詳細が、ディレクターの松本秀氏から説明された。本作は、言うまでもなくGREEでサービス中で、会員数130万人を超えるヒット作『100万人の三國志』をベースにしたもの。三國志の世界を舞台に、数多の武将を従え、育成して、中原の統一を目指すゲームだ。my GAMECITY用のゲームとするにあたっては、PCで操作するメリットを活かし、「より美しく、より奥深く、より遊びやすい形になりました」(松本氏)という。
 具体的に新要素として挙げられたのは以下の点だ。
【1】武将の獲得と育成要素の強化
登用……任意の地域を探索し、好きな武将を獲得できる。
新・強化……任意の武将を育成し、好きな武将を強化できる。
【2】武将の活用
新・ボス戦……特技とアイテムを駆使した駆け引きで強敵に挑む楽しさが味わえる。
新・合戦……10人の武将を選択して工夫して編成。こだわりの編成で合戦を勝ち抜く奥深さが楽しめる。
 さらに松本氏は、「現在行っている仕様変更だけでなく、サービス中に随時改変をおこなって、楽しんでいただけるものにしていきます」と意欲を語り、本作をmyGAMECITYの牽引役として成功させる意気込みを語った。

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▲実機デモを披露するにあたって、ゲストの“歴ドル”小日向えりが登場。着用している諸葛亮孔明の衣装は自作のもので、「これで卒業式にも出ました」(小日向)のだとか。ちなみに彼女は、4月からNHK教育で放映される『高校講座 世界史』のメインMCを務めることが決定したとのこと。まさに適任!
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▲合戦では、知将、猛将、将軍の3チームに武将を編成。各チームが戦い、3戦中2勝すれば勝利となる。3チームまんべんなく編成するか、2チームに戦力を集中するかなど、シンプルながら戦略性の高いシステムだ。

会員数1000万人を“来年の桜が咲くころまでに”!

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 発表会のまとめとして、再び藤田氏が登場し、目標として掲げる“会員数1000万人”に向けて、今後の大まかなロードマップが示された。その説明の中では、今後コーエーテクモゲームスの有力IPをゲームとして投入していくとして、「新たにグループに加わったガストのタイトルなども突っ込んでいきたいと考えています」(藤田氏)との発言もあり、改めてmy GAMECITYがグループの総力を挙げて取り組んでいる事業であることを強くアピールする形となった。

 最後に質疑応答が行われた。

――プラットフォームとのことだが、サードパーティーの参入はありうるのでしょうか?

藤田氏 まずはコーエーテクモゲームスのIPを集中して投入していきたいと考えていますが、我々の方針は“全方位友好外交”ですので、このプラットフォームの思想をおもしろいと評価していただける皆様とは、今後積極的にお話を進めていきたいと、いまはそのように意気込んでおります。

――サービス中の『100万人の三國志』と『100万人の三國志Special』は別のものと考えてよいのでしょうか?また、今後の告知、プロモーションの戦略について教えてください。

藤田氏 仰る通り、『100万人の三國志』と『100万人の三國志Special』は別のものとなります。my GAMECITYの宣伝戦略については、いままであえて告知を控えていたのですが、GCコインを皆さんに幅広く使っていただくためのギフト戦略等を利用しまして、まずはコーエーテクモゲームスが深くリーチしているユーザー様方にしっかり遊んでいただいて、そこからバイラルで増やしていきたいと思っています。具体的にはまだ申し上げられないこともありますが、詳しくは、今日スタートするmy GAMECITY上、もしくはそのファンページ上をご覧いただければと思います。

――my GAMECITY内で、いわゆるガチャを実装される予定はありますか?

藤田氏 コインを投入して、アイテムを引く、というシステムですね。『100万人の三國志』でも同様ですが、そういう機能は実装していきます。

――PC以外のデバイスへの対応は予定されていますか?

藤田氏 当面はPCブラウザで展開します。ただGCコインという仕組みを使って展開していくことも考えますと、時代の流れにあえて逆らうようなことをするつもりはありません。スマートフォンやタブレット、こういったものが時代の主流を占めてくることは皆さんご承知の通りだと思いますので、そこに向けて進行していきたいと考えています。

――グローバル展開についてはいかがお考えですか?

藤田氏 もはや国内、国外というふうにリージョンを区切る時代ではないと考えています。『三国志』や『信長』などアジアに強いコンテンツ、そして『デッド オア アライブ』や『ニンジャガイデン』など欧米に強いコンテンツも、多数コーエーテクモゲームスのIPにはございますので、順次展開の準備を進めていきたいと思います。

――会員数1000万人の目標は、どのくらいの期間を想定されていますか?

藤田氏 昨夏の発表会では、3年以内、と申し上げました。でも3年というのは、私としては長いと思っています。できれば、来年の桜の咲くころには、いい報告ができるように、と思ってがんばってまいります。

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▲発表会終了後に、『100万人の三國志Special』を試遊することができた。短時間ながら触ってみた感触は、さすがコーエーテクモゲームス、といったところ。サクサクと軽快な操作性と、スッキリとみやすい画面レイアウトのおかげで、快適にプレイすることができそうだ、という印象を受けた。