次世代のWeb 標準技術を活用して作られたモーグリのツイートキャッチ

 スクウェア・エニックスからついに発売されたプレイステーション3、およびXbox 360用ソフト『ファイナルファンタジーXIII-2』。同作は<XYLISH>とのキャンペーン→(詳細はこちら)や東芝の液晶テレビ<レグザ>との共同プロモーション→(詳細はこちら)など、アグレッシブなコラボ、共同プロモーションを展開している。こちらの記事でお伝えしたWebブラウザ“Internet Explorer9”との共同キャンペーン“モーグリのTweetCatch”もそのひとつだ。ここでは、その共同プロモーションについて日本マイクロソフトで“「モーグリのツイートキャッチ」プレス ラウンドテーブル”が実施されたので、その模様をリポートしよう。ちなみに、「日本マイクロソフトのWindows本部が“Internet Explorer”のプロモーションでゲームメーカーとコラボするという取り組みは今回が初」(日本マイクロソフト Windows本部 シニア プロダクト マネージャー 溝口宗太郎氏)とのことだ。

 Internet Explorer 9で使用されているHTML5は、音声や動画の再生、 2Dグラフィックの描画や、位置情報の取得などがサポートされ、Flashやプラグインを用いなくてもリッチなWebコンテンツやWebアプリケーションを実現することできるという特徴がある。実際に、それらの機能を使った共同キャンペーンサイト(→こちら)を閲覧すると、キャラクター紹介などのページではイラストの拡大縮小や切替といった、従来の機能では重くなりがちな動作もサクサク、グリグリと表示されることがわかる。

『FFXIII-2』とInternet Explorer9共同キャンペーン“モーグリのツイートキャッチ”はこうして生まれた_05

 その共同キャンペーンサイトのスペシャルコンテンツが“モーグリのツイートキャッチ”だ。同コンテンツでは、画面上のモーグリをクリックして投げると、投げられたモーグリが『FFXIII-2』関連のツイートを探索してくれ、ツイートを楽しむことはもちろん、気に入った人をフォローできたりと、ハッシュタグなどを使わないと共有できないファンどうしのコミュニケーションの広がりにひと役買ってくれるものとなっている。ツイートを集めるとプレミアム特典としてTwitterアニメーションアイコンがダウンロードできたり、Windows 7用のカスタムテーマなどが入手できるオマケも用意されているのもうれしいところだ。

 Webの最新技術が使ったスペシャルコンテンツに具体的にどういった技術がどこに使われているかを、日本マイクロソフトがみずから解説しているページがあるので、そういった技術に関心がある人は→こちらを参照してほしい。

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▲モーグリは、『FFXIII-2』のメインキャラクターやサブキャラクター、地名など16のカテゴリーのキーワード検索からヒットしたツイートを表示してくれる。
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▲ゲーム中のモーグリ投げ。
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 ところで、異色とも思える今回の共同キャンペーンへの取り組みはどういった経緯で始まったのか? これには『FFXIII-2』の開発コンセプトが大きな背景にある。『FFXIII-2』は、前作『FFXIII』でユーザーから寄せられた意見を徹底的にフィードバックするということをひとつのコンセプトにおいて開発された作品。スクウェア・エニックス 宣伝部 シニア宣伝プロデューサー:大藤昭夫氏は“どう変わったか”について「ユーザーの意見・感想を全面に出す」ということをプロモーションの中枢に据え、と同時に『FFXIII』や『FFXIII-2』のファンのコミュニティーの活性化ということも大きな目標のひとつとした。そのプロモーションの一環として公式サイトで“JUDGE13”などを展開。だが、Twitterを使った草の根的な意見をどう可視化するかが課題のひとつとして残っていたという。そんなとき日本マイクロソフトから共同プロモーションの話が持ちかけられたことが発端となり、モーグリのツイートキャッチが生まれたという。当然のことながら、Internet Explorer 9に搭載された新技術の数々を使った制作はすんなり進んだわけではなく、さまざまな試行錯誤があったようだが、実際にモーグリのツイートキャッチを制作したクレアテック(スクウェア・エニックスの各タイトルの公式サイトを多数手掛けているコンテンツプロダクション)は、日本マイクロソフトのサポートを受け、ひとつひとつ問題を解決していったという。また、見た目はもちろん、触っても楽しく、しかも『FFXIII-2』らしい遊びかたが実現できたのは、このクレアテックによる力が大きかったということだ。

 Internet Explorer 9を使うことになったことについては、これまでスクウェア・エニックスの各タイトルの公式サイトがほとんどFlashで制作されており、デザインを突き詰めるがゆえに“重く”なってしまってしまう傾向にあった。「ユーザーからもデザインはいいが、“重い”という意見が多く、我々も改善すべきだと考えていました」(大藤氏)。しかも、最近の流れとしてPCだけではなくスマートホンなどからも快適に閲覧できるよう対応しなくてはならない。そこで、注目したのが凝ったデザインかつ動的なページが作成できるHTML5だったというわけだ。「今回の共同プロモーションのおかげで、日本マイクロソフトさんからHTML5の技術提供を受けることができ、我々としてもとても感謝しています」(大藤)。だが、今回のスペシャルコンテンツはまだまだ実験的とのこと。開発を進める中で、「さまざまなアイデアが多数出てきた」(大藤)ということで、今後も日本マイクロソフトといっしょにさまざまな展開を進めていく予定だとのことだ。

 ちなみに、共同キャンペーンサイトはInternet Explorer 9でしか動作しないワケではなく、パフォーマンスの違いは出るもののChromeのバージョン12とFirefoxは5以降でも動作する。Internet Explorer 9はまだ使っていないという人もぜひアクセスして、“モーグリのツイートキャッチ”を体験してほしい。そしてその機能に満足したら、より動作が快適になるInternet Explorer 9(およびWindows 7)の導入を検討してみてはいかがだろうか。