「『DQX』は皆さんといっしょに作る『DQ』です」(堀井)
千葉県にある幕張メッセで2011年12月17日と18日に開催されたジャンプフェスタ2012。スクウェア・エニックスブースのステージでは、『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』に関するトークイベント“「開発者にガンガン聞こうぜ!」出張版”が両日開催された。
“「開発者にガンガン聞こうぜ!」出張版”では、『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』の3回目までは齊藤陽介プロデューサーと藤澤仁ディレクターが同作の魅力や質問に答えていたが、最終ステージとなる4回目にはスペシャルゲストとしてゼネラルディレクターを務める堀井雄二氏も登場した。
“「開発者にガンガン聞こうぜ!」出張版”はその名の通り、開発者に質問がぶつけられ、それに答えていくというQ&A方式で進められるトークイベント。17日に行われた同イベントと同じ質問は→こちらを参照していただくとして、ここでは4回目に取り上げられた質問をピックアップして紹介しよう。
今年で25周年を迎えた『ドラゴンクエスト』シリーズ。これからの『ドラゴンクエスト』もオンライン作品となるのか、という質問が取り上げられた。これについて堀井氏は、25年も続いたシリーズの中でオンラインもあっていいだろう、との判断でオンライン作品として開発することを決定した発言。また、「25年間、開発スタッフで作ってきた『DQ』ですが、『DQX』では、(βテストも含め)“みんなで作る『DQ』”になります」(堀井)と、変化していくことが特徴のオンラインゲームをユーザーとともに育てていきたいと語った。もちろん、堀井氏もオンラインの世界に入り、一般ユーザーといっしょにプレイする予定とのこと。ちなみに、オンラインでのプレイヤーネームはまだ秘密とのこと。
ニンテンドー3DSのと連動要素は……?
続いて、ニンテンドー3DSとの連動に関する質問については、たとえばの話として「プレイヤーキャラクターを通信でニンテンドー3DSに持っていって、街に出かけてすれちがい通信をして、その後、そのキャラを『DQX』に戻したとき、街ですれちがった人、『DQX』の世界でもすれ違ったら、何かいいことがあるとか」と、その構想について言及。さらに、「ニンテンドー3DSなどからバザーをチェックしたり、友だちに手紙を書いて連絡を取ったり」(齊藤)、「外出中などに自分のキャラクターがサポート仲間(いっしょに遊ぶ人がいないときなど、酒場で仲間にできるAIキャラクター。プレイヤーキャラクターをサポート仲間に登録して、ほかのプレイヤーに使ってもらうこともできる)として使われているかどうかチェックできたら楽しい」(堀井)と、つぎつぎとアイデアが披露された。これには藤澤ディレクターもタジタジとなりながらも「がんばります」と宣言。『DQX』ではニンテンドー3DSとの連動がいろいろと実現しそうだ。
自キャラ以外に兄弟も作る!?
前日の質問にもあった「人間のキャラクターは使えないのか?」という質問に対しては、藤澤ディレクターから「すべてのプレイヤーは人間です。ロゴに描かれた人間ふたりと扉、空のようなイラストがヒント」との発言があったが、さらに堀井から「オンラインは通常、最初にプレイヤーキャラクターを作りますが、『DQX』では兄弟(姉妹、兄妹など)も作ってもらいます」と驚きの発言が。“兄弟”、“目覚めし五つの種族”……『DQX』はいままでのオンラインゲームにはない、いろいろなアイデアが詰まった作品になることは間違いなさそうだ。
また、会場に集まったファンからも質問が募集された。「五つの種族以外の種族の存在は?」という質問に藤澤ディレクターは「あくまで今回目覚めたのは五つの種族で、それがすべてかどうかはわかりません」と回答。齊藤プロデューサーは「いい質問」と発言し、ゆくゆくは新たな種族が目覚めることに含みを持たせた。
さらに、従来の『DQ』シリーズの武器は存在するのかという質問には、現時点で特定の武器の存在は答えることはできないとしつつも、『DQX』には武器鍛冶屋があり、ユーザーが武器防具を作ることができるのだが、「プレイヤーが作ることでしか存在しない武器・防具はたくさんあります」(藤澤)と楽しみな回答も飛び出した。
βテスター募集も始まり、その開始時期が気になるところだが、応募数は「すごい数が来ています」(堀井)とかなりの手応えを感じている様子で、「(βテストは)2月ぐらい」(齊藤)から始めたい意向とのこと。トークイベントの最後に、齊藤プロデューサーは「現在、開発をがんばって進めているので応援してください」、藤澤ディレクターは「オンラインの『DQ』をご自身の目でぜひ確かめてください」と挨拶。そして堀井ゼネラルディレクターは、「25周年を迎えた『DQ』の最新作は、皆さんといっしょに作っていけたらと思っています」と締めくくった。