意外な裏話も!? キャストトークショウが熱い!

みんな起きろ!? テレビアニメ『アマガミSS』オールナイト上映会リポート その2_01

 人気恋愛シミュレーションゲーム『アマガミ』を原作としたテレビアニメ『アマガミSS』のオールナイト上映会が、2011年11月11日と2011年11月19日に行われた。この上映会は、『アマガミSS』の第2期である『アマガミSS+ plus』の放映決定を記念したもの。『アマガミSS』は、原作に登場するヒロインごとに用意されたストーリーがオムニバス形式で放送された作品だ。上映会は薫・紗江・逢・美也編(2011年11月11日開催)と、はるか・梨穂子・詞・裡沙編(2011年11月19日開催)の2回に分けて行われたが、第2回となる今回は、はるか・梨穂子・詞・裡沙編のイベントの模様をリポートしよう。

※第1回となる薫・紗江・逢・美也編の上映会のリポートはコチラ。

 イベントでは、『アマガミSS』の上映会のほか、アニメのキャストが登場するトークショウも開催。司会進行役は、アニメ版で主人公の橘純一を演じる前野智昭が担当した。キャストトークショウ第2回には、今回上映される話のヒロインとなる、森島はるか役の伊藤静、桜井利穂子役の新谷良子、絢辻詞役の名塚佳織が登場。前野智昭を含めた4人でトークショウはスタートした。

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▲前野は、『アマガミSS』での屈指の名ゼリフ、「グラマラスボディー!」とつかみのひと言。言葉の意味が知りたい人は、『アマガミSS』の紗江編を観るべし。
▲左から名塚佳織、新谷良子、伊藤静、前野智昭。

 
新谷「第1回の時はあすみん(美也役の阿澄佳奈)が司会をやって、キャストの呼び込みのときに言葉に詰まったみたいなんですけど、前野さんも呼び込みが噛み噛みでしたね(笑)」

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前野「僕、MCとか司会とか、"回す"役って苦手なんですよ。楽に乗っかることが多いので、すごく緊張しています。さて改めて、第2期の制作が決まりました『アマガミSS』ですが、皆さんいかがですか? 発表を聞いた時の感想は」

伊藤「第1期ですでにお話は完結していたじゃないですか。はるかのお話に至っては10年後まで時間が進んだので、第2期ではどんなお話になるのかな? と」

新谷「今度は(純一と)ラブラブできるのかな! と思いました。『アマガミSS』の梨穂子編は、"茶道部アニメ"になっていたので(笑)、『アマガミSS+ plus』で、梨穂子の恋する一面も見られるといいなと思っています」

名塚「私も、第2期がスタートすると聞いてビックリしました。詞は第1期でお母さんになって子どももいましたし……。詞の子どもが橘くんみたいな変態紳士に出会う話になるの?(笑) とか、最初は考えていましたね」

前野「僕はですね……発表された当時は、第2期のことをそれほど知らされていなかったので、純一役は別の声優さんになるんじゃないかと思っていました。大人の事情で、たまーにキャストが変わことがあるじゃないですか。ヒロイン役の皆さんは必須ですけど、主人公役は変わる可能性がね……」

新谷「いやいやいや……、そんなことあるわけないよ(笑)」

名塚「(笑)」

伊藤「やだ、そんなすさんだ世の中(笑)」

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思いも寄らない感想を聞いた女性陣から口々に励まされると、前野智昭は「引き続き演じられてうれしい」と語った。そしてトークは、『アマガミSS』の感想へと続く。

前野「『アマガミSS』では、各ヒロインごとに4話ずつ描かれていて、どのヒロインもキレイな形でお話が終わっていましたが、今回はひとりのヒロインにつき2話で完結するということで、どんなお話になるのか楽しみですね」

伊藤「オムニバス形式は、とてもおもしろい仕組みだなと思っていました。でも、主人公は自分が演じるヒロインとラブラブになるんですけど、つぎのヒロインのお話では別のヒロインと仲よくなるじゃないですか。私が演じる森島はるかのお話だと、劇中では10年経ってもはるかとラブラブなのに、翌週にはほかのヒロインの女の子にゾッコンなのを観ると、ちょっとした殺意が(笑)。はるか編が放送されたのは1話から4話までだったので、4話以降はずっとメラメラしたまんま(笑)」

新谷「『アマガミSS』がオムニバス形式だと知らなかったときは、絢辻さんルートを全話通してやるんだろうなって思っていましたが、全ヒロインのお話が描かれると知ったときはうれしかったですね。アニメなら、そういう展開もあるんだなと思って」

名塚「そう言われてみると、いろいろなストーリーが観られておもしろかったなと思いますね。私が演じる詞のお話は順番的に最後だったので、主人公とほかのヒロインのラブラブっぷりにあまりメラメラすることはありませんでしたね(笑)。ヒロイン役の声優さんたちの演じる恥ずかしいシーンはずっと観てきたので、詞編のお話はどうなるんだろうって、すごく心配でしたけど(笑)」

前野「皆さんそう言いますけど、僕もたいへんだったんですよ? (アフレコ中に)背後からいろいろ言われながらも必死でやっていたんですから!」

一同「(笑)」

前野「さて、第2期では、詞のストーリーから始まるようですね」

名塚「そうなんです。トップバッターで」

伊藤「私の気持ちを味わうがよい!(笑)」

名塚「じつはもう収録が始まっているんですが、詞がだいぶ怖いことに(笑)」

前野「そんなことない!」

名塚「そう思いますか?(笑)」

前野「『アマガミSS+ plus』もオムニバス形式で展開して、各ヒロインの物語は2話で完結します。展開はスピーディーだと思います。どうやって演じるのかを試行錯誤しながら収録しているんですけど、恥ずかしいシーンで、寺島くん(梅原正吉役の寺島拓篤)が後ろで笑っているところを見ると、テスト収録中でもすごく心が折れそうになるんですよ。今回も気合を入れて、収録をがんばりたいと思います。さて、第1期の収録の感想をお聞かせいただけますか?」

伊藤「忘れられない収録でしたね。まさかあんなに恥ずかしい収録の連続になるとは……。あの収録を経験して、すごく強くなれたと思います。もうどんな収録の現場でも堂々としていられますね(笑)」

新谷「私は心が折れることはなかったのですが(笑)。梨穂子のお話では物を食べるシーンが多かったんですけど、そのシーンに対して前野さんがすごく文句を言っていたことが印象に残っていますね」

前野「言ってないから! それあちこちで言われているけど、言ってないですから!!」

新谷「言ったでしょ!(笑) 皆さんとはゲーム版の収録のときからのお付き合いなので、スタジオの空気は和気あいあいとしていて、収録していて非常に楽しかったです」

名塚「最近は、自分の中で詞の黒い部分がスラスラと出てくるようになってきたことにビックリしています。最初は「ここはこういうふうに演じよう」と考えながら声を収録していたのですが、何回も詞を演じるうちに、いろいろなニュアンスで詞の演技ができるようになって、自分を再発見した気持ちです。最終的に、「そんなに(性格を)黒くしないでオーケーです。ちょっと怖いです」とスタッフの方に言われてしまったり(笑)」

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前野「僕の場合、純一役は4話でヒロインに対する感情をリセットしなければいけないので、たいへんでした。とくに、森島先輩のお話は物語が強烈で苦戦しましたね。(ゲームで言うところの)ラスボスです」

伊藤「『アマガミSS+ plus』では最後に待ち構えていますので(笑)」

前野「よろしくお願いします(笑)。さて、エンディングテーマについてのお話もお伺いできますか?」

伊藤「曲の歌詞が、はるかのストーリーにピッタリだったので歌いやすく、レコーディングは1回だけで終わりました。すごく元気な曲で大好きですね」

新谷「梨穂子の曲は、梨穂子のつぶやきだと思っていました。この曲の歌詞のまま、純一に想いを伝えればいいんじゃないかなといつも思っていました」

名塚「詞の曲は切ない歌詞だったので、練習しているときに悲しくなったり(笑)。「誰かに愛されるでしょうか」とかね。80年代の歌謡曲みたいな(笑)。でも、とってもいい曲です」

前野「(原作ゲームの方では)梅原だってキャラソンがあるのに、僕はまだ歌ってない(笑)。純一にはキャラソンないんだよなぁ」

一同「笑」

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 それぞれの『アマガミSS』の思い出を振り返った後には、伊藤静、新谷良子、名塚佳織が第1期の印象に残るシーンを語る、プレイバックコーナーへ。

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▲伊藤静が選んだのは、主人公が、はるかの膝裏にキスをするシーン。「このシーンの収録をするときに、初めてスタジオ内の空気が変わったことを覚えています」とのこと。
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▲新谷良子が選んだのは、梨穂子が主人公に手袋をプレゼントしたときに、純一が梨穂子の頬に触れたシーン。「こういうふうに自然に接してくる主人公と、それを意識しちゃう梨穂子の関係性がこのシーンに詰まっていて、幼なじみって切ないなと思っていました」
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▲名塚佳織が選んだのは、詞が純一のネクタイをつかむシーン。このシーンが画面に表示されたときに、会場からは驚きの声が上がった。「恋愛アニメとは思えないワンシーン。ここから絢辻さんがスタートしたと言っても過言ではないと思います」と名塚佳織は語る。

 ちなみに、前野智昭の印象に残ってるシーンは、はるか編では、主人公がはるかにラーメンを食べさせるシーン。梨穂子編では、梨穂子がいろいろなパンを食べ続けるシーン。詞編では、主人公が掌底からの連続コンボを叩き込まれるシーンだったとのこと。……掌底からの連続コンボ?

 また、トークでは、名塚佳織と前野智昭は、スケジュールの都合でいままで顔を合わせずに別々に声を収録していたとの苦労話も語った。このふたりは、『アマガミSS+ plus』ではほかのキャストがいる前で声を演じたので、若干恥ずかしかったとのこと。その後、そのほかに印象深いシーンのエピソードを語ることに。

伊藤静「薫編が好きでした。薫がとくに好きなキャラクターなので、楽しく観させていただきました」

前野「僕は逢編の収録が恥ずかしくてたいへんでした」

新谷「ゆかなさん(七咲逢役)も恥ずかしがっていましたしね。全体を通して観ると、逢編の主人公がいちばん変態紳士?」

伊藤「はるか編の主人公も相当だと思いますけど、逢編のほうがレベルが高いと思います(笑)」

新谷「若干ジメッとしている感が(笑)」

一同 「笑」

前野「『アマガミSS+ plus』は2話にお話が凝縮されているので、どんな演技をすることになるのかちょっと怖かったり。まだ、原作の恥ずかしくて恐ろしいエピソードが、いっぱい残っていますからね(笑)。僕は、ドラマCDからの参加だったのですが、こんなにも長いあいだ橘純一役を担当させていただけるとは思っていませんでした。恋愛シミュレーションゲームの主人公役は、プレイヤーの皆さんの代表として役を担当しているので、いまも緊張していますが、これからもがんばりますのでよろしくお願いいたします」

 前野智昭が締めくくると、会場からは拍手が巻き起こり、ここでフリートークコーナーは終了。そのつぎには、前回のイベントでも大好評だった、azusaのミニライブが開かれ、『アマガミSS』よりオープニングテーマ『i Love』と『君のままで』の歌声を参加者に届けた。

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azusaは、「『アマガミ』イベント皆勤賞のazusaです。『アマガミSS+ plus』では、オープニングテーマとエンディングテーマを担当させていただくことになりましたが、どちらの曲も違う観点から曲を書きました。エンディングテーマは"告白"というタイトルなのですが、この曲は、告白をする前の、張り裂けそうだけど甘い胸の内を表現したバラードになっています。ぜひ聴いてみてください」と語った。

 イベントの最後は、登壇した5人がイベントの感想をコメント。

azusa「イベントに参加させていただいて、本当にありがとうございました。『アマガミSS』のマンスリーイベントが終わるころに、ヒロインの女の子たちが歌ってくれた『stories』という曲を書かせていただいたのですが、その曲には、アニメは終わってしまうけれど、また未来で会えたらいいな、という想いを込めました。この『stories』のように、また皆さんの前で歌うことができて、うれしく、そして楽しく思っています。ありがとうございました」

名塚「『アマガミSS』の放送が終わったのにも関わらず、こんなにたくさんの方に集まっていただいてうれしく思っています。第2期も恥ずかしい感じで収録が進んでいますので、今日、『アマガミSS』のアニメを振り返っていただいて、ぜひ第2期を楽しみにしていてください」

新谷「私は阿澄佳奈ちゃんとずっと『アマガミ』のラジオ番組を担当させていただいていますが、第2期が決まったときにも、それを喜んでいただいているメールをたくさん頂戴しました。すごく愛されている作品のアニメが第2期につながっていくことがとてもうれしいです。来年の『アマガミSS+ plus』を楽しみにしていただければと思います」

伊藤「『アマガミSS』の放送は終わっていますが、そんなに経ったという感じはありません。またこうやって『アマガミSS+ plus』に参加することができて、いったい今度はどんなプレイ(笑)が待ち受けているのかと、いまから胸をときめかせながら楽しみにしています。皆さんもぜひ放送を楽しみにしていてください」

前野「先ほども言いましたが、橘純一というキャラクターは皆さんの分身でもあるわけですけれど、僕はこれからも、皆さんの代表として、皆さんの気持ちを大切に、丁寧に、そして大胆に表現していきたいと思っています。ゲーム、アニメ、コミックス、ラジオともども、今後も『アマガミ』をよろしくお願いいたします」

「この上映会に2回連続で参加した人」という質問に対して手を挙げる参加者の数も多く、『アマガミ』の人気の高さがうかがえる本イベントはこれにて終了。キャストトークショウの後には、『アマガミSS』のはるか・梨穂子・詞・裡沙編の上映が開始された。

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