発売間近の2ndアルバムについて語る

 『シュタインズ・ゲート』の牧瀬紅莉栖役や『アイドルマスター』の如月千早役などで注目を集める人気声優・今井麻美。彼女の2枚目のアルバム『Aroma of happiness』がいよいよ2011年11月30日に発売となった。表題曲『Aroma of happiness』を始め、3曲の新曲が収録されるほか、シングル未収録曲3曲も収録された、ファン待望のオリジナルアルバム。そんな2ndアルバムの魅力や聴きどころ、そして2011年12月10日より始まる、自身初のライブツアーについて語ってもらった。

牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_07

――2枚目のアルバム発売が決まった感想をお願いします。
今井麻美(以下、今井) 1年前に初めてアルバムを出したばかりなんですが、もう2枚目が出せるということで、自分の中でもあっという間の出来事に感じています。「アルバムってそんな頻繁に出させてもらえるんだっけ?」と思いながら制作させてもらいました(笑)。ちょうど音楽作りが楽しくなっている真っ最中だったので、すごく刺激的でおもしろくて、もっともっといろんな自分の見せかたを出していきたいなと思って作りました。

――今井さん本人としてのアルバムのコンセプトは?
今井 表題曲でアルバムのイメージは決まってくると思うんです。その表題曲を作ろうとなったときに、けっこう試行錯誤したんです。初めは“私らしいもの”を追求しようと思って、“ザ・今井麻美”と言われるような、いわゆる『COLOR SANCTUARY』のような「今井さんってこういう歌がすごく合うよね」と言っていただける曲がいいのかなと思って、テーマを提案させていただいたんです。でも、どこか違うような気がして。いい曲もたくさんあったんですけれど、何かが違うなー、と自分の中で引っかかるものがあって、この『Aroma of happiness』ができあがるまでに7曲作っていただきました。『Aroma of happiness』が生まれる直前に、「今回のアルバムは聴いてるだけで元気になってくるような曲がいいかもしれない」という話をプロデューサーにしたんですけど、「え? いままで言っていたのとコンセプトがまったく違うじゃん(笑)」と引かれちゃいましたが(笑)。私らしさを残しつつも爽やかな、聴いていてニコニコできるような曲にしたいと思ったんです。最初は紆余曲折あったんですが、私の中で3月の震災の影響がすごく大きくて、2ndライブにしても、ほかの楽曲にしても、あの経験がどこか自分の音楽活動に対して影響を与えているような気がずっとしていて。あの経験を経て出すアルバムと考えたときに、自分が笑っていれば、相手も笑ってくれるんじゃないかなって思ったんです。私、よく、がはは笑いをしてしまうので笑いかたが変だとか、おばさんっぽいとか言われるんです(笑)。冷静になって聴くと個人的にも嫌なんですけどね(笑)。私もうちょっとかわいく笑えないのかなって落ち込むこともありますが、ただ、そういう笑い声を聴いて、つい笑っちゃう人もいると思うし、つられて笑っちゃう人もいると思うんです。いわゆるテレビのおばさんの笑い声みたいに。だから、自分が満面の笑顔で歌う曲に、みんなが共感してもらえるんじゃないかな、と思い始めていて。この曲を初めて聴いたときに「これだな」と思いました。自分らしさもありつつ、明るさも希望もあって、ふだんの生活自体が幸せに思えることを感じさせる曲に仕上がったと思います。

――『Aroma of happiness』は、どんな曲ですか?
今井 いつも曲を聴きながら作詞をさせてもらっているんですが、この歌は、どういうテーマにしようか決まってから考えたんですよね。この曲が生まれたのが震災のあとに観たテレビの影響があって。自分は声優や歌を歌わせてもらっているんですが、別の職業になりきって書いてみたいと思って。PVも子どもたちといっしょに撮影しているんですが、保母さんとか、幼稚園の先生みたいな職業をイメージして歌詞を書いたんです。歌詞には明記されてはいないんですが、毎日朝起きて、仕事に行きたくないなという気持ちもありつつも、みんなに会いたいから出勤して、みんなと笑顔を交換しあうというストーリーをイメージしています。こういう詞にした理由というのが、テレビで放送されていた幼稚園の先生のインタビューにあるんです。その幼稚園も震災の被害を受けて、隣の町に幼稚園ごと引っ越さなければいけなくなってしまって。その先生が画面で観ていてもわかるぐらいのパワーを持っていたんですね。この人、きっといい先生だなって少し観ただけでわかるような満面の笑みで、すごく辛いことがあった直後だし、先生もお家が流されちゃっている状況だったんですけれども、「自分は子どもたちを1日でも早く笑顔にさせてあげたいから、自分が笑顔でいないと子どもたちも笑顔でいられないじゃないですか」とインタビューで話されているのを観て、その言葉が私の中に残っていたみたいなんです。それで曲を何度も聴きながら歌詞を思い浮かべていたときに、その話がなんとなくよぎって、このテーマで書けるかもしれないと一気に書き上げました。だから、そのテレビを観ていなかったらこの歌詞は生まれなかったかもしれないんです。笑顔は伝染していくということを先生もきっと実感されているからこそ、すぐに幼稚園を再開させようと思われたんだろうと思うんです。だから、この2011年に出すアルバムはやっぱり笑顔でいたいなって。だから、PVも正直な話を申し上げますと、いわゆるちゃんとした視点で見たら、私が笑いすぎだと思うんですよね。写真も笑いすぎちゃっていて、もう目がなくなってるじゃんというぐらい笑っているんですけれど、でも今回はそれでいいかなって。なので、監督やプロデューサーに全部お任せして。内心、「笑いジワが!」と思ってはいるんですけれど(笑)、まあいいやって。見た人が「今井さんめっちゃ笑ってるなぁ」と思って笑ってくれたらうれしいです。

牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_05

――PVを子どもたちと撮影するというのも、最初からイメージがあったんですか?
今井 監督から「この曲はどんなイメージなんですか?」と聞かれたときに、「幼稚園の先生なんです」と答えたら、いくつか案を出してくださって、その中のひとつがちびっこダンサーさんといっしょに踊って歌ってみようか、というものだったんです(笑)。「そんなことできるのかしらー」とすごくワクワクして、過去のPV撮影の中でイチバン緊張しましたね(笑)。でも、子どもたちがあまりにもかわいかったので、ずっと楽しくてニヤニヤしているぐらい、すごく楽しいPV撮影になりました。だから、観てくれる人がいっしょに笑顔になってくれたらうれしいなと思っています。

――PV撮影のときの子どもたちとのエピソードはありますか?
今井 年少さんから小学校3年生までの男の子と女の子だったんですけれど、お仕事として映像作品に出演することが初めてだったそうなんです。だから、ダンサーの先生やお母さんたちの緊張感がすごく伝わってきました(笑)。ただ、そんな中、子どもたちはすごく天真爛漫で。私は身近にあれぐらいの年齢の子どもがあまりいないので知らなかったんですけれど、世代は関係なく、あれぐらいの年齢の子は本当に健気で素直で、自分たちの子どものころとそんなに変わらないんだなということを実感しました。あと、正直、子どもたちに好かれるか心配だったんです。それで前日から緊張しちゃって(笑)。いまどきの子供たちはひょっとしたら、すごくませているのかもしれないと緊張していたんですが、そんなこともぜんぜんなくて。自分が子どものころ、幼稚園の先生や学校の先生ってヒーローやヒロインみたいに見えていませんでした? すごくカッコよくも、キレイにも見えていたし、先生に自分がイチバン気に入られたいみたいなのって、各々あったと思うんです。それを私に投げかけてくれるんですよ。もう、至福ですよ!(笑) とくに女の子たちが挨拶をした瞬間から、どこか憧れの眼差しで見てくれるんですよ、私のことを。もう目がキラキラキラ☆ってしていて、私の一挙手一投足を一生懸命観察している視線を背中で感じるんですよね。「いま見られてる! ちゃんとしなくちゃ!!」って(笑)。そういうのが、すごくうれしくて、ニヤニヤしちゃって。先生たちはこういう気持ちだったんだなって感じました。私も幼稚園の先生にイチバンに名前を呼んでもらいたいと思うような子だったので。だから、子どもたちとのコミュニケーションの中で、イチバン自分が大事にしたのが、すぐにみんなの名前を覚えようと。みんなの名前を会う前から覚えておいて、会ったときに最初からお名前が言えるようにしようと思っていたんです。実際に名前を呼ぶと、本当にうれしそうな顔をするんですよね。そういう雰囲気がうれしかったですね。最後のほうには完全に私がおもちゃになっていました(笑)。それぐらい打ち解けてくれて、みんなで私の奪い合いをしてくれるんですよ。人生でこんなにモテたことがないぐらい。

――最後まで子どもたちも元気に撮影していたんですか?
今井 元気でしたね。でも、けっこう過酷だったと思うんです。5~7歳ぐらいの子どもたちだったので、撮影も炎天下の中で朝の9時から、子供たちは夜の8時までやっていて。それでも、最後まで元気にがんばってくれました。今回のPVは、彼女と彼らががんばってくれた姿が映像として形に残せたので、すばらしいものになったと思います。あと、この話をすると彼らがお母さんたちに怒られそうで怖いんですけど(笑)。お母さんたちが見ているところでは、子どもたちもあまり「わー」って騒いだりしないんですよね。初めのころは緊張もしていたと思うし、なれない炎天下で何度も何度もダンスをして。監督が子どもだろうと遠慮しないんですよ。「もう1回」、「もう1回」って言っていて「監督、勘弁してあげてー」って思うぐらいの容赦のなさで(笑)。そんな中、子どもたちとだんだん仲よくなってきたときに、家の中から子どもたちといっしょに私が飛び出してくるシーンを撮ることになったんです。そのシーンの撮影のために家の中にみんなで入って、私と子どもたちとADさんだけになった瞬間があったんですね。その瞬間、私のことを質問攻めにするんですよ。「お、どうした」ってこっちがビックリするぐらい(笑)。子どもの質問攻めってこういうことか、とたじろぐぐらいにすごい勢いで。私のことを最初から「ミンゴスって呼んでね」と言っていたので、みんな「ミンゴス! ミンゴス!!」って言ってくれていたんですけれど、質問攻めの中で「ミンゴスはいくつなの?」と聞かれまして(笑)。「ドキッ!」って(笑)。どうするか逡巡したんですが、子どもの前で嘘をついたらいけないと思って、素直にいまの年齢を伝えたら「よかった~。ウチのお母さんより年上だ」って言われました。内心、そんな気はしていたんですよね。ただ、そこに「よかった」ってつくんだと思って、「子どもって無邪気だな(泣)」と少し悲しくなりました(苦笑)。でも、そうやって大人たちが見ていない中でキャッキャッキャッキャやっていたら、すごく距離が縮まりましたね。やっぱり同じ目線で、同じ対等な立場で話をするということが、どんな世代でも大事なんだと感じましたね。

――いままででイチバン楽しかったんじゃないですか?
今井 いや、本当に楽しかったですね。最後まで笑顔でやりきることができて。しんどかったと思うんですよね、子どもたちのほうが。ふだん学校とか幼稚園に行っていて、日曜日にちょっと来てもらって撮影をしたので、翌日の学校がすごく心配だったんですけれど、帰り際に「明日、学校は大丈夫? 寝ちゃったりしない?」って聞いたら、「大丈夫! ぜんぜん平気だよ!」と元気に言われまして。「そうか、私は明日寝たいよ」って(笑)。それぐらい最後まで笑顔のまま終わることができましたね。

牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_06

――アルバム用の新曲が『雪原のカルマ ~Snow Storm~』と、『サ・ヨ・ナ・ラ』という2曲があるんですけれども、『雪原のカルマ ~Snow Storm~』はどういう曲なんでしょう?
今井 じつは表題曲の『Aroma of happiness』を作っている中で没になった曲なんです。激しめの強い意思が感じられるような曲になっています。「すごくカッコよくて、キメ顔ばかりが浮かぶような曲を作ってほしい」というリクエストを出したときに作ってもらった曲なんですが、表題曲のテーマを変えてしまったので没になりまして。『Aroma of happiness』が表題曲として決まったあとに、「あの曲よかったですよね」という話をして復活しました。

――作詞は『花の咲く場所』も手掛けた、森由里子さんがされているんですよね。
今井 今回『Aroma of happiness』と『サ・ヨ・ナ・ラ』を私の作詞担当だったので、この曲はほかの方にお願いしようということで、森由里子さんに作詞をお願いしました。自分で作詞をすると世界観を自分で作れるんですが、ほかの方が作詞された曲だと、作った方の気持ちをくみ取るというのがすごく難しいんです。自分がこう描きたいと思ったものは、技量が足りないとしてもある程度はそちらに持っていくことができるんですが、別の方が作った世界観を、自分が発信しているように聴いていただくということが、私の職業ではすごく大事なことで。私の場合、タイアップも多いので、そういう誰かの作り出した世界観をつねに大事に歌いたいと思っていたので、いただいた曲をいかにイメージどおりに表現するかということに命を懸けた曲になりました。

――『サ・ヨ・ナ・ラ』のほうはどんな曲なんでしょう?
今井 作曲をされているのが、濱田貴司さんという方で。プロデューサーの濱田さんと同じ濱田さんなんですが、濱田さん違いで(笑)。わかりづらい(笑)。私が5~6年前からすごく好きな作曲家さんのひとりで、昔から私のiPodとかには必ず入っていて、ホントにホントにホントに好きだったんです。どんなにパソコンを換えても、その曲は必ずパソコンに取り込むというぐらい好きなユニットを組んでいらっしゃって。実際にライブに行ったこともありました。アルバムを作っている最中に、ふと思い出したんですよね。「私の好きだったグループって、いまどんな活動をしているんだろう」って。すでにユニットを解散していて、ボーカルの方が引退されていたことは知っていたんですけれども、作曲家さんのほうが何をしているんだろうと急に思い立ってネットで調べてみたら、個人で活動しているという情報に行き当たったので、即行で(プロデューサーの)濱田さんに連絡して、「昔から好きな作曲家さんがいるんですけど」という話をしたら(プロデューサーの)濱田さんが「それじゃあ依頼してみよう」とメールフォームから連絡してくださったんですよ。そうしたら、じつはMAGES.さんとも過去にお付き合いがあったそうで、すぐに話を理解してくださいまして、とんとん拍子で話が進んでいきました。じつは私のiPodは自分が歌う練習曲か、ほかに数人の曲しか入っていないんですよ。データの容量がいっぱいで(笑)。その数人の中のひとりだったので、すごくうれしかったです。そのあと「作詞は麻美ちゃんね」と言われて、すごく緊張したんですけど(笑)。

――詞はどんな内容なんですか?
今井 先日、大阪でイベントがあった日に、新幹線の中やホテルの部屋、喫茶店に行って歌詞を書いていたんですけれど、メロディーから呼び寄せられるかのように情景が浮かんできて。思い浮かんできた情景というのが、『シュタインズ・ゲート』の私が演じた牧瀬紅莉栖の心情を私なりに表現したものになりまして。非公式にはなるんですけれど、紅莉栖の思いを描いた歌詞になっています。紅莉栖が、自分を犠牲にしてもかまわないという決意で岡部(倫太郎)と別れるシーンに合う曲になったかなと思います。本当に自分が勝手に書いたことなので、これが公式設定というわけではないんですが、自分はこういう気持ちで紅莉栖を演じていたんだということが、皆さんに伝わればと思います。紅莉栖に対する、自分の感謝の気持ちを込めた歌になったと思います。

――そのほかシングル未収録曲3曲が収録されると。全部の収録曲が並んでいるのを見ての感想をいただければ。
今井 1枚目とは少し趣が違うラインアップになったかなと思っている部分があります。わりと力強い曲が多い印象です。かわいいながらも力強かったり。聴いている方にパワーを届けられたらいいなと思っていて。きっとジャケットやブックレットも満面の笑みの内容になってくると思うので、そういうパワーを注入できるラインアップになったかなと思います。

――BD付き初回生産盤とDVD付き通常盤に収録される1stライブの映像というのは、どんな内容になっているのでしょう?
今井 2010年12月25日に行われた私の初めてのソロライブの映像です。いままでも『シャングリラ』の音源とかは皆さんに聴いていただいたりしたのですが、映像も一応資料用として押さえていたものがありまして、それを「せっかくなので入れとくか」と(笑)。先日発売された2ndソロライブのDVDから半年しか経っていないんですが、聴き比べたり、見比べたりすると、自分でも別人みたいにぜんぜん違って感じるんです。1stソロライブのときは、たぶん自分のためにがんばったと思うんです。もちろん観に来てくださっている皆さんがいるからできたことではあるんですけれど、自分のほうも観ながら歌っていたと思うんです。2ndソロライブのときは、それがもう全部吹っ飛んでいて、完全に来てくださった皆さんに楽しんでもらいたいという思いで歌っていたんですね。終わったあとには「本当に楽しそうに歌うよね」と皆さんに言っていただけるようなライブになったんです。その第1歩目、本当に試行錯誤している最中の映像を、第1歩目の映像を観ていただきたいなと思って収録していただけることになりました。つたない部分も多いのですが、それもまた私の軌跡のひとつとして観ていただきたいです。

――ちなみに、どの曲が収録されているんですか?
今井 『regret』という曲です。私がソロ活動を開始して、初めて作詞させていただいた曲です。衣装とかも、ほかのライブでアレンジして使ったりはしているんですけれど、そのときの着方はこの映像でしか観られないと思うので、おまけ程度の気持ちで楽しんでいただければと思います。

牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_04

――2012年12月からライブツアーが決まりました。
今井 まだ実感が沸いていないというのが正直な気持ちで、ソロでライブをすることもまだぜんぜん慣れていないくて、2ndソロライブは、本当にオープニングからエンディングまで、いや、アンコールが終わるまで、いや、家に帰るまでが楽しくて楽しくてしかたがなかったんですけれど、12月10日はきっと緊張すると思いますし、最初なんで。18日は環境も違って、京都という土地柄もあるので緊張すると思いますし。25日は最後ということで緊張すると思うので(笑)。なるべく、2ndソロライブのときに、なぜあそこまで自分が開放できたのか、いまでもわからないですし、やりかたはまだまだ手探りですけれど、すべての公演で、ベストパフォーマンスが出せるように、脳内でのイメージをしっかりと組んでいきたいと思いますし、何よりも来てくれた人が笑ってくれたらうれしいなって思います。

――ライブツアーは3公演とも内容が違うそうですね。
今井 そうみたいです。困りますねぇ(笑)。とくに京都が違います。

――タイトルについてなんですが、『Aroma of happiness』とは、どんな匂いなんですか?
今井 完全にオレンジの匂いです。オレンジのアロマの香りなんです。私、子供のころから匂いに敏感で、匂いのあるものが苦手だったんです。子どものころに匂い玉とか、みんな瓶に入れたりしていたと思うんですけれど、ぶっちゃけた話、私は女の子なのに大嫌いで(笑)。敏感すぎたみたいで。それが年々、香りとか、アロマの癒しに興味をもつようになりまして。たぶん大人になってマッサージ屋さんに行くようになったからだと思うんです。マッサージ屋さんでアロマの香りが選べますって言われて、そのときに必ず選ぶのが、オレンジの香りと、グレープフルーツとユーカリを選ぶんです。オレンジは元気になりたいときにかぎたくなる匂いなんですね。朝アロマを焚きたいな、と思ったときはオレンジの香りなんですよ。夜はグレープフルーツで、寝るときはラベンダーみたいな感じでなんとなく使い分けて、ちょっと女子力上がってるんじゃないのニヤニヤみたいな(笑)。だから、自分の中では朝起きて、いまから行くぞというイメージがあったので、私の中でのテーマパフュームはオレンジなんです。

――PVでもオレンジを切るシーンがありましたね。
今井 そうなんです。撮影のときはたくさん切りましたね。ただ、裏話があって。「まだあるよ」と言われたので、どんどん切っていたんですけれど、残っていたほかのオレンジを手に取ってみたら、全部偽物だったんですよ(笑)。「あぶね!」って(笑)。なので、オレンジの香りを嗅ぐと朝だなと自分も感じますし、私の母から「オレンジを嗅ぐと元気になったり、ストレスが発散できたりするからいいわよ」と昔言われたことがあって、私の中では“元気になる=オレンジの香り”というイメージがあったと思うので、歌詞の中にもオレンジの香りがという詞がありますし、ビタミンカラーで見ているだけで気持ちよくなれる色だなということで、そんな意味が込められています。

――いつもライブでいろいろな衣装を披露されていますが、今回もいろいろ考えられていらっしゃるんでしょうか?
今井 予算次第っス(笑)。1着目は自分がイチバン好きなラインのものをお願いしました。自分がこういうのが好きだなという形や色の衣装で、少し変わった形をしているので、親とかに見せたら「畳むのがたいへんね」と言われそうですけど(笑)。ちょっと凝った形のものにしていただけるんじゃないかと。衣装は毎回楽しみですね。

――アルバムの曲の中でライブで化けそうというか、ライブ映えしそうな曲はどれになりそうでしょう?
今井 『Promised Land』ですね。もともと曲もすごく好きで、いままでの自分にはあまりなかったテイストの曲だなという印象があって。この曲は、途中に掛け合いができる部分がありまして、先日、『花の咲く場所』の東京イベントで、みんなにお願いをして、掛け合いの部分をいっしょにやってもらったら、めちゃめちゃ楽しかったんですよ。みんなも聴き込んでくださっていたのか完璧で、座りだったのにすごい盛り上がりで(笑)。この曲はみんなで歌える曲だなと思ったので、ライブのときはぜひいっしょに、皆さんも歌っていただけたらと思います。超盛り上がると思います。

――最後に読者の皆さんにひと言メッセージをお願いします。
今井 2枚目のアルバムということで、1stソロアルバムのときはまだ手探りの気持ちで作ってきたんですが、今回はブレることなく、曲選びは悩んだりしたんですが、どういうコンセプトなのかという点でブレずに作れたと思います。とにかく聴いていただいて、パワーだったり、笑顔だったりというのが汲みとっていただけるような1枚になっていると思いますので、ぜひたくさんリピートして聴いていただきたいな、と思っています。私が笑いすぎている写真やPVも、本来ならばNGになるようなものも、心を鬼にして、一切のNGなく出させていただいていますので、それを見ながら皆さんもニヤニヤしていただければと思います(笑)。

牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_01
牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_02
牧瀬紅莉栖の心情を歌った楽曲も収録――今井麻美『Aroma of happiness』インタビュー_03
■BDつき初回生産限定盤
4200円[税込]
■DVDつき通常盤
3800円[税込]
■通常盤
3000円[税込]

■Aroma of happiness
発売日:2011年11月30日発売予定
価格:【BD付き初回生産限定盤】4200円[税込]/【DVD付き通常盤】3800円[税込]/【通常盤】3000円[税込]

収録内容【CD】
01. Aroma of happiness
02. フレーム越しの恋
03. Kissing a dream
04. 海と空と君と
05. Promised Land
06. Faraway ~最後の夢~
07. サ・ヨ・ナ・ラ
08. DEPARTURE
09. 花の咲く場所
10. 夢のMAHOROBA
11. 想いの羽根 ~Angelic White~
12. 遠雷
13. 雪原のカルマ ~Snow Storm~

収録内容【BD/DVD】
01. Aroma of happiness Music Video
02. 花の咲く場所 Music Video
03. Aroma of happiness Music Video - Making -

発売元:5pb.
販売元:アニプレックス