バラエティーに富んだKinectでのアクションは必見

 ディズニーランドというと、やはりぼくたちにとって特別な響きを持つ。日本人にとって身近な存在として東京ディズニーランドがあるが、ちょいと調べてみたところ、東京ディズニーランドが開園したのが、1983年4月15日。以降、デートや家族と楽しむ“夢の空間”として、東京ディズニーランドは存在してきた。大切な人との想い出のひとときを、記憶の引き出しのなかに大切にしまっているという方も多いはずだ。かくいう記者自身、ディズニーランドという言葉を聞くと、楽しいやらなつかしいやら、胸中に独特の感覚が広がるのを感じるのを抑えることができない。ちょっと極論になってしまうかもしれないが、ディズニーランドは、“幸せな体験”の象徴の場であるのかもしれない。ディズニーランドを“大切な場所”として感じる人は、けっこう多いのではないだろうか。

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 で、『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』である。『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』は、世界で最初に誕生したカリフォルニアの「ディズニーランド・パークをゲームの世界で表現してしまおう」という、相当にスケールの大きなコンセプトを、“Kinectだからこそ”ということで実現しえた一作だ。アメリカのアナハイムにある世界最初のディズニーランド・パークをモチーフに、パークのレイアウトをゲーム内で表現。アトラクションを楽しむのはもとより、パーク内を自由気ままに歩き回る……といったことも可能となっている。この、“パーク内を自由気ままに歩き回れる”というのが、おそらくけっこう大切で、パーク内にいるミッキーマウスやミニーマウス、ドナルドダッグなど、おなじみの仲間たちと交流を図れるだけで、多くのゲストは(ここではあえて、ディズニーの慣例にならって“ゲスト”と呼ばせていただくが)ワクワクしてしまうのではないだろうか。そして、ここがまさに“Kinectならでは”の真骨頂だと思うのだが、『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、Kinectの前で“ハグ”や“ハイタッチ”などのしぐさをすることで、ディズニーランドの仲間たちとコミュニケーションが取れる。もちろん、あくまで擬似の“ハグ”であり、“ハイタッチ”ではあるのだが、自分のアバターがミッキー・マウスとハグできるというだけで相当にテンションが上がる。記者も意味もなく、何回もハグしてしまったほどだ。

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▲パークに入園すると、まずは自分のアバターを決める(左)。まずは我らがミッキーマウスがお出迎え(右)。
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▲パーク内では、魔法を駆使してコインを集めるということも。パーク内でもできることはけっこう多い。
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▲パーク内には40を越えるディズニーの仲間たちが待っている。パーク内で彼らに会えるだけでワクワク。

 ちなみに、ゲストはディズニーの仲間たちから適宜「○○をしてください」といったお願い(タスク)を与えられ、その目的に則ってパーク内を歩き回ることになる。パーク内でこなすお願い(タスク)というのは『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』のゲーム性の大きな柱のひとつだ。このお願いはキャラクターとのミート&グリートやアトラクションのチャレンジ、パークの探検すべてが関連する。さらに言うならば、『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、“コレクション”も大きな要素を占める。アバターのアイテムを収集したり、ディズニーキャラからもらったサインを集めたり、ディズニーの仲間たちと撮影した写真をアルバムに残してコンプリートしたり……と、ディズニーファンの心をくすぐらずにはおかない“コレクション”要素が満載なのだ。ディズニーランドフリークなら、パーク内に随所に“隠れミッキー”が散りばめられていることはご存じのことと思うが、『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、この“隠れミッキー”もマップのいたるところにある。ゲストは“隠れミッキー”を写真に撮ることが可能で、コンプリートを目指してディズニーファンの腕も鳴るというものだ。『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、ゲストひとりひとりの思いをそれぞれ体験することができ、パーク内を歩き回るだけで時間が過ぎるのを忘れてしまうほどだ。

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▲ディズニーの仲間たちと写真を撮影したり、“隠れミッキー”を見つけたり、ピンやコスチュームを集めたり……とコレクション要素も充実している。

 とはいえ、もちろんアトラクションの存在を外すわけにはいかない。『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、実際のアトラクションをモチーフにしたゲームが楽しめるわけだが、そのゲームがまた秀逸。たとえば、“ビッグサンダーマウンテン”では、猛スピードで疾走するトロッコのハンドルを握って暴走する鉱山列車を止めたり、“ピーターパン空の旅”では、ネバーランドの空を飛び、海賊船で宿敵フック船長と剣で戦ったり……といったアトラクションの世界が楽しめる。まず実感させられるのが、バラエティーに富んだKinectのアクションが堪能できるということ。あるアトラクションではレースを体験したり、ほかのアトラクションでは空を浮遊したり、さらに別のアトラクションでは、果物を投げて相手に当てたり……と、「これでもか!」とばかりに用意されたバラエティー豊富なKinectのアクションはゲストを飽きさせない。ゲームファンにとっても、「Kinectでこんな楽しみかたができるんだ」と新鮮な驚きにとらわれるのではないか?

 そして、アトラクションの数々が、ゲーム化にあたってどのようなアレンジを施されているのかを確認することも、ディズニーファンにとっての大きな楽しみと言える。先ほども触れたとおり、『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、実際のアトラクションをモチーフに、ゲーム化が施されているのだが、「自分の好きなアトラクションがどんなふうにゲーム化されているのか?」というのは、そのアトラクションのファンであればあるほど、興味深いポイントになるのではないだろうか。そこで、そこはかとなく感じるのが、ゲーム開発者のディズニーの世界に対するこだわりと愛。たとえば、“スペース・マウンテン”や“ジャングルクルーズ”といった記者も大好きなアトラクションをモチーフにしたゲームをプレイしてみると、「そうくるか!」という驚きとともに、実際のアトラクションの世界観をちゃんと咀嚼して、しっかりとゲームに落とし込んでいるということを実感させる。そこにゲーム制作者のディズニーに対する深い愛を感じるのだ。まあ、そのへんはあくまでライトなディズニーファンである記者がプレイした上での私見に過ぎず、熱心なディズニーランドファンの方には、実際に本作を体験して確認してほしいところだ。ちなみに、『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』では、ゲーム開始時で18ものアトラクションがプレイ可能で(⇒アトラクションの詳細はこちら)、いつでも簡単にアトラクションを楽しむことができる。

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▲バラエティーに富んだアトラクションがゲストを待つ。ひとつのアトラクションは2~4つのステージから構成されている。たとえば、“ピーターパン空の旅”は、“第一幕 ロンドンの空”、“第二幕 ジョリー・ロジャー号のたたかい”、“第三幕 ネバーランドへ”、“第四幕 フックとのたたかい”の4幕から構成。それぞれに、映像で物語も楽しめゲーム性が異なる!
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▲スプラッシュ・マウンテン。
▲ビッグサンダー・マウンテン。
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▲スペース・マウンテン。
▲マッターホーン・ボブスレー。
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▲本物さながらの花火も楽しめる。まさに、いたれりつくせりといったところ。

 Kinectのさらなる普及を促すタイトルとして、2011年12月8日に発売予定の『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』。2011年6月に開催されたE3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2011での発表直後に同作を体験したときは「ミニゲーム集かな?」との印象があったが、今回じっくりと試遊する機会を得て、そのときに感じた第一印象は快く裏切られた。『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』は、まさにディズニーランド・パークそのものを体験できるアドベンチャーゲームだ。そういう意味では、Kinectだからこそ実現できたタイトルと言えるだろう。ディズニーファンや家族でいっしょに遊ぶと楽しいこと請け合いな『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』だけに、メインターゲットはどうしてもライトユーザーということになる同作だが、ゲームファンが遊んでみても、新鮮な驚きが待っているのではないか。Kinectで“夢の空間”を堪能してみてはいかが? (ファミ通.com編集部/古屋陽一)

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『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』
発売元:日本マイクロソフト
対応機種:Xbox 360
発売日:2011年12月8日
価格:5880円[税込]
備考:Kinect専用