●2日目に行われた4つのイベントをリポート!

 “4年に1度の開催”をコンセプトとするゲーム音楽フェス“4starオーケストラ”(2011年9月30日〜2011年10月2日開催)。ここでは、開催2日目となる2011年10月1日に行われたイベントをまとめてリポート! なお、夜の部に行われたバンドステージはこちらの記事をチェックしてほしい。

■ピアコンズLIVE
 リハーサル室で最初に行われたのは、“ピアコンズ LIVE”。“ピアコンズ”とは、レトロゲームの楽曲をピアノで演奏するユニットで、ピアニストの江草啓太氏、同じくピアニストで『ピアノ・コレクションズ キングダム ハーツ』などに参加している中山博之氏(通称:中山ショパン氏)、そして『モンスターハンター』の人気曲『英雄の証』などの作曲で知られる、作曲家の甲田雅人氏の3名が参加している。ライブでは、『マッピー』や『ファンタジーゾーン』、『魔界村』、『ファイナルファンタジーIII』などの人気曲を演奏。目の前で披露されるピアノの演奏に観客たちが聞き惚れていた。なお、ライブは11時30分から行われた“1st Stage”と、19時から行われた“2nd Stage”があり、公演によって演奏する曲目が異なるのも特徴だった。

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▲甲田雅人氏。

▲中山博之氏。

▲江草啓太氏。

 なお、ピアコンズは、『ファイナルファンタジーII』の「メインテーマ」や、『MOTHER』の「Snowman」が収録されたCD『ピアコンI/ピアコンズ』と、『魔界村』の「スタートデモ〜1st&2ndBGM」や、『ファンタジーゾーン』の「OPA-OPA」などが収録された『ピアコンII/ピアコンズ』を発売中。気になる人は、CDもチェックしてみては?

■浜渦正志×黒田亜樹 ピアノ&トークLIVE
 ピアコンズと同じくリハーサル室で行われたのは、『ファイナルファンタジーXIII』や『サガ フロンティア2』などの作曲で知られる浜渦正志氏と、『ピアノ・コレクションズ ファイナルファンタジーXIII』の演奏などで知られるピアニストの黒田亜樹氏による“ピアノ&トークLIVE”。以前に、おふたりは横浜などで同様のピアノライブを行なっていたが、今回はその4star出張版となる。

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▲浜渦正志氏。

▲黒田亜樹氏。

 ライブは、黒田亜樹氏の見事な腕前に加えて、曲の合間に浜渦氏と黒田亜樹氏のトークが行われた。曲の収録時の苦労話などを語る黒田亜樹氏と、のんびりとやさしそうに話す浜渦氏の掛け合いは絶妙で、笑いの溢れるトークを展開。なお、浜渦氏はライブでだいぶしゃべるようになったようで、黒田亜樹氏から「以前よりだいぶしゃべってくれるようになりましたね(笑)」とツッコまれていた。

 演奏された楽曲は、『ファイナルファンタジーXIII』や『ファイナルファンタジーX』がメインで、“1stStage”では『サガフロンティア2』、“2ndStage”では『武蔵伝II』、『アンリミテッド:サガ』の曲が演奏されるなど、一部の楽曲を変えつつ、多くの楽曲が披露された。

 また、ライブの中盤では『サガ フロンティア2』の「Rosenkranz」を浜渦氏みずからが弾く場面も。今後も同様のライブが行われたら、浜渦氏がピアノを弾く場面が見られるかも!?

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▲ライブの終わり際には、ピアノから遠かった観客を自由な場所に座らせて、ピアノを観客が取り囲むようにしてライブを行うサービスが!

■ゲ音団のすべらない話
 研修室で行われたのは、ゲームサウンドクリエイターが集まった“ゲ音団(ゲームの音屋の団体の略称)”のトークライブ。ゲ音団は、数々のアーケード作品に加え、最近では『ダークソウル』の効果音や『ぽかぽかアイルー村』などの楽曲を手掛けているTECHNOuchi氏や、『聖剣伝説2』&『聖剣伝説3』、そして最近では『ソウルキャリバーV』の楽曲を手掛けている菊田裕樹氏が中心になって結成されている団体で、このライブには、TECHNOuchi氏、菊田裕樹氏に加え、ヨナオケイシ氏(最近の作品は『星霜鋼機ストラニア』)、MANYO氏(最近の作品は『Rewrite』)、川越康弘氏(最近の作品は『涼宮ハルヒの追想』)、Naoto氏(フリーランスのコンポーザー)、桐岡麻季氏(最近の作品は『トレジャーリポート 機械じかけの遺産』)の7名が参加する豪華なトークライブとなった。

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 トークは、もともとケイブのアレンジアルバムを制作することをきっかけに集まったゲームサウンドのコンポーザーが、「このまま別れるのはもったいない。飲み会ができるといいね」と連絡先を交換して集まったのが、ゲ音団の結成のきっかけだった、というゲ音団の結成秘話から開始。さまざまな質疑応答に答えるなど、まさに生の声が聞ける貴重なイベントとなっていた。

 なお、4star会場限定で、40名近い作曲家による40曲を収録した『スーパーレアトラックス』というCDが発売されていたが、「今後ユーザーの投票を集めて『レアトラックス』のベスト盤を、冬コミあたりで出そうかなと思っています」(TECHNOuchi氏)とのことなので、ゲ音団ファンはもちろんのこと、今回のCDが買えなかった方もぜひチェックしてほしい。

■DETUNE PRESENTS KORG M01 GAME MUSIC REMIX SHOW
 ゲ音団と同じく研修室で行われた“DETUNE PRESENTS KORG M01 GAME MUSIC REMIX SHOW”。
これは、ニンテンドーDS用のシンセサイザーソフト『KORG M01』を使ったイベントで、DETUNE(デチューン)の佐野電磁氏が司会となり、6人の有名な『KORG M01』プレイヤーが、ゲームの有名曲をアレンジして披露するという内容になっていた。

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▲「今回は、ちゃんとメーカーさんに許諾を取ってやっています!」と相変わらずトーク絶好調の佐野電磁氏。

 イベントの冒頭では、『ゼルダの伝説』の「タイトルBGM」をリミックスしたものや、『モンスターハンターポータブル 3rd』の「鮮烈なる蒼光ジンオウガ」を『KORG M01』でどこまで忠実に再現できるか迫ったものなどを披露。とくに後者は、原曲そのままに聞こえる再現度を実現しつつも、そこからリズムトラックだけを変えてアレンジバージョンのようにしていくという技を見せ、集まった観客たちを魅了していた。

 『KORG M01』は、インターネットショッピングサイトの“Amazon”で販売中。シンセサイザーを経験したことがある人も、まったく音楽に触れたことがない人も、ぜひチャレンジしてみてほしい。