●ジャパニーズ・ダークヒーローの葛藤を感じてほしい

 2011年9月15日〜9月18日(15、16日はビジネスデイ)の期間、千葉県の幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2011。コーエーテクモゲームスブースにプレイアブル出展されているプレイステーション3・Xbox 360用ソフト『NINJA GAIDEN 3(ニンジャガイデン3)』(2012年発売予定)のプロデューサーを務める、Team NINJAの早矢仕洋介氏に話を伺った。

Team NINJA リーダー
早矢仕洋介氏

――『NINJA GAIDEN 3(ニンジャガイデン3)』のプレイアブル版の見どころはどこですか?
早矢仕 最近はメディアが発達して、いろんなところでゲームの動画が見られますよね。そういった動画を見て、「これはこういうゲームなんだな」と思いこんでしまう人が多いと思うんです。でもアクションゲームは、触ってみて初めてわかることが多いと思うんですね。今回は『NINJA GAIDEN 3』を日本の皆さんに発売前に触っていただく貴重な機会ですので、“刀で斬る”という部分を体感していただきたいと思い、力を入れて体験版を作りました。コントローラを持って触るのと、動画を見るのとでは、ぜんぜん違いますので、ぜひ体験していただきたいと思います。おもしろさを感じていただけるデキになっていると思いますので。

――先日行われた“Team NINJA NIGHT 2011”(リポート記事はこちら)では、“報い”というテーマに重点を置いているとうかがいましたが。
早矢仕 「大人のプレイヤーが本当に熱中できるアクションゲームの形は何だろう」と考えていたとき、単純に1面、2面と淡々と進んでいくのではなく、プレイしていく中で“敵を倒す”ということの意味を、物語の主人公もプレイヤーも感じられるようなものがいいと思ったんです。“刀で人を斬る”ということは、人を殺めることなのだということを感じてもらい、そのことを主人公のリュウ・ハヤブサも悩んでいるということを知っていただきたかった。大人のプレイヤーに楽しんでもらうため、私たちは“報い”をテーマとして、このゲームに入れ込んだんです。

――今回のプレイアブル版では、怯える男性を斬る場面がありますね。
早矢仕 アクションゲームで、敵をデフォルメして表現する場合は、そういう様子は描かなくてもいいことなんです。ですが、本作のリュウ・ハヤブサは“ジャパニーズ・ダークヒーロー”です。ダークヒーローは、やりたくなくてもやらなければならないことに対し、葛藤を抱いている人物のことを指すと思います。同じく、プレイヤーの皆さんも、「いけないことをしてしまった」という葛藤を感じていただきたかったので、あのシーンを入れました。あの場面は、デモシーンで描いても意味がない。プレイヤーの皆さんがボタンを押すことに意味がありますので。ぜひ皆さんにもこの葛藤を体感してもらい、そしてその先のストーリーを楽しんでいただければと思います。

――人を斬ることの重みは、プレイヤーの心に訴えかけてくるだけでなく、アクションそのものにも影響してきますよね。
早矢仕 リュウ・ハヤブサは、右腕に“人殺しの業”による呪いを受けています。人を斬れば斬るほど、呪いが身体を侵食していきます。敵キャラクターを何体か斬ることで、右腕が赤く光り、絶技(必殺技)を使えるようになるんです。人を斬ることでパワーをもらえるが、ますます呪いが侵食していく、という逃れられない業を、アクションでも表現しています。

――プレイアブル版を触った方々の反応はいかがでしたか?
早矢仕 このようにメッセージ性の強いアクションゲームはいままであまりありませんでしたし、実際にプレイしていただかないとわかりづらい部分だったと思います。ですので、今回触っていただいた皆さまに「『NINJA GAIDEN 3』でTeam NINJAが目指しているものがわかった」と言っていただけたのは、とてもよかったですね。

――そろそろ発売時期が気になるところですが……。
早矢仕 2012年の春ごろには……と思っています。東京ゲームショウで実際に触っていただいた感想を、ツイッターなどで教えていただければ、どんどん改善していきたいと思いますので、ぜひご意見を送ってください!
※Team NINJAのアカウントは“@TeamNINJAStudio”

――ツイッターといえば、先ほどステージイベントで、ツイッターでファンから届いた質問に答えていましたが……PlayStation Moveに対応するとおっしゃっていましたよね?
早矢仕 はい。PS Moveを振ることで、ゲーム中でも刀を振る、という仕組みを実装しています。PS Moveを持ってリュウ・ハヤブサになりきってプレイするというのもひとつのスタイルだと思いますので、PS Moveをお持ちの方はそちらも楽しんでいただければと思います。なお、Kinectについては、刀を振る手ごたえを感じがたいかと思い、対応しておりません。

――ちなみに、先日発表された『デッド オア アライブ5』のこともちょっとだけ聞きたいんですけど……。残念ながら出展されていないんですね。
早矢仕 はい、残念ながら。『デッド オア アライブ5』については、まずは開発しているということだけを発表させていただきました。この作品は、“格闘エンターテイメント”というコンセプトでお送りする予定です。ただ、公開しているトレーラー(※こちらで見られます)では、エンターテインメント部分をあえてお見せしていません。次回、ゲームの詳細が発表されたときに、“格闘エンターテイメント”という言葉に我々が込めた意味を感じ取っていただければと思います。そんなに遠くないうちに情報はお出ししたいと思っています。

――明日(2011年9月17日)以降、ゲームショウに行きたいと思っている読者に向けて、メッセージをお願いします。
早矢仕 『NINJA GAIDEN 3』は、プレイスタイル制を導入しています。いままでのシリーズ作品のようにハードコアに遊びたい方は“NINJA”、初めて遊ぶ方は“HERO”というガードや回避をサポートしてくれるスタイルを選んでください。アクションゲームが好きだけど、『NINJA GAIDEN』は遊んだことがない、という方は後者で遊んでみていただければと思います。『NINJA GAIDEN』大好きだ! という人は、NINJAスタイルの、さらにHARDを選んで、手ごたえを感じてください。