●10月にはワールドワイドでマルチプレイヤーβテストも予定

 これから年末にかけて発売予定のXbox 360用ソフトを手掛けるクリエイターが、東京ゲームショウ2011の会期に合わせて来日。会場近くのホテルでタイトルごとのプレゼンテーションを行った。2011年11月17日発売予定の『Halo: Combat Evolved Anniversary』は、ご存じ『Halo』シリーズ10周年を記念して制作された、1作目のリメイク作品。『Halo 2』が発売された直後から、Xbox LIVE対応を前提とした1作目『Halo』のリメイクに対する要望が強くなり、今回10周年ということで、ついにそのリクエストが実現したものだ。『Halo: Combat Evolved Anniversary』に関する情報は、『Halo』シリーズ10周年を記念してのイベント“Halo Fest”などでも明らかにされているが(⇒こちら)、改めてじっくりとお話を聞くのは初めての機会。ここでは、来日した343 Industriesで『Halo』シリーズを取り仕切る、フランチャイズデベロップメントディレクターのフランク・オコナー氏と、デザイナーのチャッド・アームストロング氏によるプレゼンの模様を紹介していこう。

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▲フランク・オコナー氏(左)とチャッド・アームストロング氏(右)。

 

 「1作目『Halo』をリメイクするにあたり、心がけた点はふたつあります」とフランク・オコナー氏。その2点とは、(1)Xbox LIVEへの対応と(2)まったく新しいグラフィックの実現だ。大きな課題になったのはいかにXbox LIVEに対応させるか? なぜなら前年に『Halo: Reach』が発売されたばかりで、1作目『Halo』のリメイクのやりかた次第では、『Halo: Reach』のオンラインプレイの寿命を縮めかねなかったからだ。それで343 Industriesでは、『Halo: Reach』ユーザーから1作目『Halo』のクラシックマップで遊んでみたいとの声が高かったこともあり、『Halo: Combat Evolved Anniversary』に『Halo: Reach』のマルチプレイのマップを搭載することを決意したのだという。

 『Halo: Combat Evolved Anniversary』の大きな特徴となるのは、従来までのグラフィックである“クラシックモード”とリメイクした“アニバーサリーモード”が自由に切り替えられること。当初は、こうした即座の切り替えは技術的に難しかったが、ロード時間の大幅な短縮などにより実現したのだという。「よりノスタルジアを感じてもらうには、瞬間的に切り替えられることが必要でした」とオコナー氏。

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▲“クラシックモード”(左)と“アニバーサリーモード”(右)。瞬時に切り替えられるのが魔法のよう。

 また、物語の要所に登場する接続ポイント“ターミナル”の情報がビジュアル化されたのも『Halo: Combat Evolved Anniversary』の特徴。343 Guilty Sparkを語り手にしたこちらの映像は、中には『Halo 4』に連なるストーリーもあるとのことだ。ちなみにこの“ターミナル”は、各レベルごとにひとつずつ、合計10個用意されているとのこと。ストーリーによっては、“ターミナル”を見つけられる場所も異なるようで、“ターミナル”発見も本作の楽しさのひとつとなるかも。

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▲ターミナル(左)とターミナルで見られる映像(中央、右)。『Halo 4』につながるどのような秘密が?

 3D立体視も『Halo: Combat Evolved Anniversary』の新フィーチャーのひとつ。「『Halo』 はSFゲームということもあり、3Dにはうってつけだと思います。絶対に必要なフィーチャーではないと思うのですが、皆さんに楽しんでもらえるエクストラフィーチャーです」(フランク)とのこと。『Halo: Combat Evolved Anniversary』の3D立体視に関しては、フランクも大きな自信を持っていることを口にした。

 また、マルチプレイ用のマップとして、まだ未発表のものの中から“ヘッドロング”が収録されていることが明らかに。こちらは『Halo 2』のマップ。マップ採用の基準に関しては、“『Halo: Reach』で遊んでも楽しいもの”と“10年間ファンが愛してくれたもの”のふたつがあるとフランク。

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 4人が協力して戦う“ファイアファイト”では、AIの機能を強化したことも明らかに。これによりプレイヤーが危機に陥るとNPCが助けてくれたり……ということが実現した。これにより、「もっとゲームを遊びたくなるのでは?」とフランク。

 一方、『Halo: Combat Evolved Anniversary』に実装されるマルチプレイモードとの整合性を取るために『Halo: Reach』のタイトルアップデートが2011年9月21日に実施されることが明言。さらに、10月のどこかのタイミングで、『Halo: Combat Evolved Anniversary』のマルチプレイヤーβテストが行われることもフランクの口より明らかにされた。βテストでは、プレイヤーがどのマップが好きかを測定するそうで、11月のリリース時にはβテストの結果が織り込まれたものになるという。βテストは『Halo: Reach』を持っているユーザーならば、可能になるようだ。そして、日本のゲームファンにとってうれしいのは、『Halo: Reach』のタイトルアップデートやβテストが、ワールドワイド、つまり日本も含むという点だ。日本の『Halo』ファンは心待ちに!

 そして、まったくの新情報として『Halo: Combat Evolved Anniversary』がKinectに対応することも明らかに。詳細については10月にアナウンスされるようだが、いままでの『Halo』になかったクールな機能になるとのこと。「ゲームの本質を変えるような中核的な機能ではないが、ファンの方に喜んでいただける要素になる」(フランク)らしい。現時点では、“クラシック”と“アニバーサリー”でモードを切り替えたいときは、「クラシック」と「リマスター」と言えば、画面が切り替わるようにはしたりらしいとのことだ。Kinectへの対応の詳細については多くを明らかにしてくれなかったフランクだが、Kinectへの対応を決断した理由については「ユーザーの方により喜んでいただくためには、すでに予想できるモノ以外にも、期待していなかったモノを盛り込みたかった」とのことだ。

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 さて、“Halo Fest”でのインタビュー時に、相当なラーメン好きであることが発覚したフランクだが(⇒記事はこちら)、今回の来日でも蒙古タンメン中本を堪能した模様(今回が初来日となるチャッドも蒙古タンメン 中本は気に入ったそうです)。翌日の夜も中目黒のラーメン屋で食事をしたらしい。さらには、コンビニエンスストアで日清食品のカップラーメン“蒙古タンメン 中本”を3ダースほど買い込み、シアトルのオフィスにFedExで送り届けるようにしたのだという。「343には蒙古タンメン 中本のファンが多いので、争奪戦になりそうです(笑)」とフランク。日本に滞在中はさらに数度はラーメン屋に行きたいとのことで、まさにどこまでもラーメン好きなフランクなのでした。チャッドいわく、フランクは“ラーメンオタク”というのも大いにうなずける。

 さて、そんなフランクに日本のファンへのメッセージをお願いしたところ、「βテストでお待ちしております」とのこと。この秋は『Halo』ファンにとってひときわ楽しい日々が続きそうだ。

 

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