●「巨人には近づくでねぇ」と爺様は言った

 ベセスダ・ソフトワークスのオープンワールドRPG『The Elder Scrolls V: Skyrim(ザ エルダースクロールズ V: スカイリム)』のプレイリポートをお届けする。これまでファミ通.comでは、QuakeConなどでのプレイリポートをお届けしてきたが、それはライターや同僚によるもので、記者にとって実機デモは初プレイ。ついにタムリエル(本シリーズ共通の世界)へとふたたび降り立つ……。

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 オープニングはTGS出展バージョンでは出ないそうだが、プレイヤーが捕まえられ、馬車でほかの囚人たちと護送されているシーンから始まる。舞台は前作『オブリビオン』の約200年後。帝国の力は弱まり、勢力関係が変わりつつあるという。プレイヤーはどうやら、ノルドへの密入国を行おうとして捕まった様子。
 キャラクターメイキングで選択可能なのは、アルゴニアン、ブレトン、ダークエルフ、ハイエルフ、インペリアル、カジート、ノルド、オーク、レッドガード、ウッドエルフの10種族。顔の作り込みは進化しているので、女性のインペリアルなどでは美人キャラクターも作れるかも。記者は萌えオークを作ろうとしたが……それはさすがに限界がありました。
 程なくして、異音とともにドラゴンが登場! ドラゴンはタムリエルの世界で古くから存在してきたが、人々の抵抗により一度は数を大きく減らした。最近また目撃例が増えてきているというが、なぜここに? 同じく捕まっていた怪しげな男が何かしたのか、それともまさか死に直面したプレイヤーに関係があるのか。果たしてこれは偶然なのだろうか?

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 ややあって逃げ出すことになるのだが、先には帝国の男と、ともに逃げ出したノルドの反乱勢力の男がおり、どちらにつくかで序盤の展開が変わる。種族や勢力とどう関係していくかは、ベセスダ・ソフトワークスのオープンワールドRPGでは重要な要素だ。どうせ一度は捕まった身、ノルドの男についていくことにする。地下へと逃げ込んで、洞窟経由でこの男の妹が住む村へと向かうことになるのだが、ここはチュートリアル部分になっている。

 ノルドの男に枷を取ってもらい、戦闘の基本を学んでいく。さっそく片手剣の二刀流とキメて、「アタイに近付く奴は膾にしてやるよ!」と、気分はオークの女戦士。この辺りから、鍵を開けてポーションをゲットしたり、歴史書を開いてみるといった程度でも、アイテム収集が早くも楽しい。ちなみに鍵開けは『フォールアウト3』方式。拾った本は、15ページもの分量があるなかなかの大著だった。

 クマをスニーク状態からの弓(見事にクリティカルヒット!)で一撃で沈め、狼を蹴散らしたりしつつ村へと向かい、ノルドの男とその妹が見事に再会。その後、一帯を治める領主にドラゴンの被害を伝えに行くことにする。会ってみたら領主いわく「ふむ、ワシの宮廷魔術師がドラゴンの研究をしておるのだが、手伝ってくれんかね(意訳)」ということで“ドラゴンストーン”なるアイテムを取りに行くことになったのだが、ここから先が予想外すぎた!

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 城を出て、美しい月を眺めながら、くだんの石がある遺跡“Bleak Falls Temple”がある山へと歩いて行く途中、人里離れた野原に男女が立っていることに気がつき「お、月夜の密会かい?」なんて思っていると、これが何とバンパイアの男女。何とか退けたのだが、これってもしかして、ヘタしたらまた吸血病になっていたのか? 前作で吸血病を完治させるまでの悪夢を思い起こしつつさらに歩いて行くと、その先には巨人が。「でけぇ〜」と思いながら近寄ってみると、襲ってきちゃったよ! 一撃で瀕死になり、思わずダッシュで逃げまくる。そのまま城まで延々と追われたのだからたまらない。通った跡に力尽きた護衛の山を築いていく天災ぶりに「巨人には近づいちゃいけねぇ」と子々孫々まで言い伝えようと心に決める記者であった。

 ここから先は、海外で公開されているゲームプレイ動画も参考にしてほしいが、ダンジョンにはトラップや仕掛けがいっぱいで、ベセスダ・ソフトワークスお得意の、多くを語らずともアイテム配置でストーリーをそれとなく語るテクニックも光まくっている。死霊たちを退け、ドラゴンストーンを回収し、ダンジョンを抜けようとしたとき、何者かの頭骨に花が供えられているのを見たときには、感慨深いものさえあった。ここは何らかの信仰の対象で、つい最近も誰かが訪れていたのだろう……。

●TGSバージョンを遊びつくせ!

 さてここで、マイクロソフトブースに出展されているプレイヤブルデモの情報を事前に聞いてあるので、まとめておこう。ゲーム内容は、種族選択程度はできるものの、チュートリアルを飛ばしたあたりからスタートとなる予定。ローカライズは部分的に日本語化し、音声も日本語になっている部分があるとのこと。近隣の村でクエストを受けてもいいし、とにかく行けるところまで行って自由を満喫するかはプレイヤーしだい。

 プレイ時間は15分から20分程度と限られているので、タイムロスは防ぎたい。移動時間を短縮するために、LBボタンで走れることを覚えておこう。ただし、走るとスタミナを消費するので、武器を取り出すハメになったらスタミナがなかったということは避けたい。武器・魔法などはありものを装備していくしかないが、チャンスがあったら両手に片手武器や魔法を割り振ったり、本作からのシステムを試してみてほしい。まぁ、思うがままシャケや野菜を収穫して、タムリエルの石狩鍋制作を夢見てもいいんですけどね。プレイヤーの数だけ、好きなようにロールプレイできるのが本シリーズのよいところなのだから。

※画像はすべて海外版のものです。