教えてガミP! 『ワンフォーオール』プレイ動画その5:神崎蘭子が踊る!(ガミPインタビューもあるよ)

公開日時:2014-04-26 20:00:00

 こんにちは、北口徒歩2分です。
 『ワンフォーオール』の発売を控え、アレコレ聞いちゃいたいってことで、『アイドルマスター』シリーズの総合プロデューサーを務めるガミP(坂上陽三さん)にインタビュー! 合わせて、神崎蘭子が動きまくる動画もお届けします。

ワンフォーオール』は原点回帰

北口 『ワンフォーオール』は前作までと比べて、システムなどがガラッと変わりましたね。まずは改めて、本作がどういう方向性を目指して開発されたのかを教えてください。

坂上 『ワンフォーオール』というタイトルの通り、“みんながひとりのために、ひとりがみんなのために”というテーマを決めて企画がスタートしました。そこでこだわったのが“原点回帰”といいますか、765プロという場所を大事に描こうということでした。ユーザーの皆さんからも、「事務所で見られる、アイドルたちの掛け合いに癒される」という意見をいただいていましたし、僕自身も765プロの雰囲気をもう少し、生活感があるように表現できないかと思っていたので、本作では事務所にいるあいだは、アイドルたちが自由におしゃべりしている姿や、仕事の手伝いをしている姿などが見られるようになっています。

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▲パッケージを手にガミPスマイル。

北口 メニュー画面を開いたときにアイドルたちが後ろで動いているのも、生活感を表現するための演出と。

坂上 その通りです。メニュー画面を開いて育成方法を考える時間は、プロデューサーが机に座って仕事をしている時間に相当するので、同じ空間にアイドルたちがいる雰囲気を、より明確に伝えるための演出として取り入れました。それともうひとつ、システム面でいちばん大きく変わったのが、アイドルたちを無期限でプロデュースできるようになったということです。前作までは約1年間という期限の中でアイドルを育成することが目的でしたが、そうなるとベストエンディングを見るには、効率重視のプレイをせざるを得なくなってしまって。それをずっと、何とかしたいと思っていたんです。

北口 確かに前作までは、ちゃんと考えて育てていかないとベストエンディングが見られない作りでした。たとえば『アイドルマスター2』(以下、『アイマス2』)』だと、あまり営業でコミュを見る余裕がなかったりだとか。

坂上 でもこちらとしては、もうちょっとゆっくり遊んでほしいといいますか、いろいろ寄り道をしてほしいという思いが、1作目のころからずっとありまして。そこで今回は、効率を気にせず遊んでいただく方法として、育成期間のリミットを外すことにしたんです。そうすることで、納得いくまでアイドルたちを育てられる形にしたい、という思いが強かったですね。

北口 本作では、13人のアイドルを同時にプロデュースできるようになりましたが、それも時間的な制限をなくしたからこそ可能になった要素ですよね。

坂上 そうですね。ゲーム開始時はひとりしか選べないので、まずは好きなキャラクターを選択してプレイされると思いますが、今回は12週ごとにシーズン目標が設定されて、それを達成することでプロデューサーランクが上がっていきます。そのたびに使用可能な楽曲や同時に育成できるアイドルの数が増えていきます。そこには、「自分のお気に入りのキャラクター以外のアイドルたちのことも知ってもらいたい」という狙いがあるんです。アイドルたちが徐々に増えていくさまを通して、「段階的にアイドルグループを育成する楽しさを体験してほしい」という考えもありました。

北口 確かに、今回僕は貴音を最初に選んだんですが、複数のアイドルを並行して育てていくうちに、「響もいいな~」とか「亜美はかわいいなあ」みたいな感じになっちゃいました。

坂上 狙い通りです(笑)。

北口 グループ単位で育成するのもいいし、ひとりのキャラクターを徹底的に育て上げてもいいということで、プロデュースの自由度が大幅にアップしていますね。そして、それに伴う形で、レベルや経験値といった概念が導入されたわけですが、従来の『アイマス』のイメージからすると、かなり斬新なアイデアですよね。これらを導入することになった経緯について教えていただけますか?

坂上 前作までは、一定の期間の中でアイドルを育成していくゲームでした。しかし、今回は、無期限プロデュースとすることで、よりアイドルたちひとりひとりを自分のペースで育成できます。そこで、アイドル自身の成長に直接つながる要素を取り入れたいと考え、新たに“お仕事”という項目を作り、いろんな仕事に挑戦することで経験値が得られるシステムに変更しました。“経験値を溜めてレベルアップ”や“アイドルランクのアップ”といった概念は、成長度合をわかりやすく表現するためだけでなく、もうひとつの新要素“スキルボード”を活用するうえでも、重要なポイントになります。

北口 レベルアップのたびにsp(スキルポイント)が手に入って、それを使っていろんなスキルを取得していくという。キャラクター育成の楽しさが格段にアップしたと感じます。

坂上 じつはこのシステムは、『アイマス2』にあったお守りがきっかけで生まれたアイデアなんですよ。ちょっと脱線しますが、そもそもお守りというアイテムは、アイドルの育成がうまくいかないプロデューサーのためのお助け措置として用意したものだったんです。ところがいざ発売すると、レアなお守りの獲得が、ゲーム攻略の条件のようになってしまって。

北口 お守りの中には、本当に強いものもありましたもんね。興味レートがほとんど減らなくなるとか。

坂上 そうなんです。ただ、お守り集めがプロデューサーの仕事のようになってしまったのは、ちょっとよくなかったなと。皆さん、真っ先にお守りを買いに行かれていましたので。それで今回は、いろいろな仕事をこなしていくことでしっかりアイドルを育てていってほしいという気持ちから、レベルアップに応じて取得できるスキルの概念を導入しました。アイドルランクが上がるとスキルが開放されていき、その中から自由に選べます。各能力を均等に成長させてもよし、特殊能力を優先で覚えさせてもよし、同じアイドルでもプロデューサーによって育成方針が大きく変わってくるでしょうね。

北口 先ほど、プロデューサーの成長に併せて選択可能な要素が増えていく、というお話が出ましたが、その辺りをもう少し詳しく教えてください。

坂上 これも“原点回帰”の一環です。アイドルを成長させることは大切ですが、一方で、プロデューサー自身の成長って何かと考えて、実感を持ってトッププロデューサーに成長していくことをわかりやすく伝えたかったんです。そこでシーズン目標を設定し、それを達成することでランクアップし、楽曲やプロデュースできるアイドルが増える仕組みを取り入れることにしました。

北口 “原点回帰”にこだわられているのには、何か理由があるのでしょうか?

坂上 『アイマス2』が一段落して、「つぎはどうする?」という話になったとき、「日本を制覇したのだから、つぎは海外進出しよう」とか、「作詞作曲もできるアーティストを目指そう」といった、いろんなアイデアが出てきたんです。それはそれでおもしろそうではあったのですが、『アイドルマスター』の世界観とはちょっと違うなと思いまして。やはり『アイマス』といえば、小さな事務所を舞台に、新人アイドルたちといっしょに成長していく、というところが醍醐味ですからね。アニメや派生作品も認知され、世界観が大きく広がったところで、改めてユーザーの皆さんが大切に思ってくださる“765プロ=原点”に立ち返り、そこにある“温かみ”を描こうということで、方向性がまとまったんです。いろいろと新しいシステムも取り入れていますが、操作方法自体はシンプルなので、初めての方でも安心して楽しんでいただけると思います。

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北口 そんなこだわりを持って作られた本作ですが、ユーザーの皆さんには、どのように遊んでもらいたいですか?

坂上 いろいろな遊びかたができますが、やはり複数のアイドルを同時にプロデュースするシステムを、存分に楽しんでいただきたいですね。ひとり、またひとりと育成可能なキャラクターが増えていって、最終的には13人全員をプロデュースできるようになるので、アイドルグループの総合プロデューサーになった気分が味わえるはずですよ。

北口 なるほど。ちなみに、坂上さんがプレイされるなら、最初はどのキャラクターから始めますか? というか、亜美と真美のどちらですか?(注:坂上さんは亜美真美好きとして有名)

坂上 真美からですね。亜美と真美では、真美のほうが髪型が好みなので(笑)。

北口 そこなんですか(笑)。

坂上 いや、ちゃんと理由はありますよ(笑)。『ワンフォーオール』では、亜美に対して真美がコンプレックスを抱くエピソードがあるんですけど、そういうところも可愛らしいですよね。親心のような感じで、かまってあげたくなるといいますか、ついつい熱がこもって「この子をトップアイドルにしてあげたい!」という気持ちになってしまうんですよ。

北口 そんな真美を含めて5人でユニットを組むとしたら、誰を選びますか?

坂上 そうですね~……。美希、貴音、響、真ですかね。

北口 『アイドルマスターSP』時代のプロジェクトフェアリーのメンバー+真という構成ですが、その意図は?

坂上 単なる趣味です(笑)。まず美希は、Xbox 360版の『アイドルマスター』に合わせて作ったキャラクターですが、アーケード版の時点ですでに、登場するアイドルたちはバラエティーに富んでいました。ですから、新キャラクターは自分の趣味に走ってもいいかな~と思いまして(笑)。何でも完璧にこなすのに、ちょっと隙のある感じの女性が好みのタイプだったので、そのイメージを投影して、本当にキャラクター化してしまったのが美希なんです。

北口 坂上さんのフェチズムが明らかに(笑)。

坂上 続いて貴音は、いまではすっかり食いしん坊キャラが定着していますけど、メンバーの中でもっとも謎めいたキャラクターであり、芯が強そうなところもあるのがいいですね。美希と貴音は、並んで立つと絵的にも映えるので気に入っています。響は、元気で明るいところが好きです。しかも、動物としゃべれるという特技がすごいなあと気に入っています(笑)

北口 ちなみに、最後のひとりに真を選ばれた理由は?

坂上 アーケード版で初めてプレイしたのが真だったので、思い入れがあるんですよ。選んだ理由としては、ボーイッシュなキャラクターが好きだったから、というのが最大の理由なんですけどね(笑)。ただ、真は本当に女の子らしくなりたいと思ってるのかなと思い、もっと行動で表したらと話をしていたのが、『アイマス2』で髪型を変えるきっかけになっています。 そういった点でも、印象深いキャラクターですね。

DLCのキャラクターは続々と追加予定

北口 『アイドルマスター シンデレラガールズ』の神崎蘭子と、『アイドルマスター ミリオンライブ!』の箱崎星梨花がDLCとして登場することが発表され、話題になっていますよね。そこでお聞きしたいのですが、派生作品のキャラクターを3Dモデルとしてデザインし直すうえで、苦労した点はありますか?

坂上 イラストから3Dモデルを起こすうえで難しかったのは、造形のバランスですね。イラストに寄せて作ると、見る角度によってズレが生じてしまい、全体的にバランスが悪くなってしまう。かといってゲーム内で動かしやすいようにアレンジしてしまうと、もとのイラストと雰囲気が変わってしまうので、それらの中間といいますか、ちょうどよい落としどころを見つけて、デザインに起こす作業にいちばん時間がかかりました。手間暇をかけた分、いい感じに仕上がっているので、どちらの作品のファンの方にも満足していただけると思います。ちょうど動画を持ってきましたので、こちらもぜひご覧ください。

北口 この動画、すごいですよね。「蘭子が動いてる!」と、感慨深いものがありました。ちちなみに、率直に聞きたいのですが、なぜ蘭子と星梨花を最初に選んだのでしょう?

坂上 これはもう、開発スタッフの趣味です(笑)。スタッフの中でこのふたりが好きな子が多くて、熱意に押し切られました。

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北口 それなら納得です(笑)。シンデレラガールズやミリオンスターズなどのほかのアイドルは、今後DLCとして配信される予定はありますか?

坂上 現状では、蘭子は『ワンフォーオール』発売日の5月15日より配信開始。星梨花も、6月のダウンロードコンテンツで配信を始めたいと考えています。ほかのアイドルについては、いまの時点では何とも言えないのですが、『ワンフォーオール』を末永く遊んでいただけるよう、さまざまな展開を考えていますので、続報にご期待ください。

アイドルマスターの行く先は?

北口 さいたまスーパーアリーナで開催された“THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014”も大盛況でした。9周年ライブツアーも発表されましたね。

坂上 今年は、夏から秋にかけてライブツアーを行います。おかげさまで、会場の規模も年々大きくなってきているのですが、今年は大きさにはこだわらず、さまざまな会場でイベントを開催したいですね。また、先日は『シンデレラガールズ』としては初となる単独ライブ“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 1stLIVE WONDERFUL M@GIC!!”を開催しました。こちらもめちゃくちゃ盛り上がって、おもしろいライブになりましたね。観客席とステージの距離も近くて、お客さんからは「一体感が楽しめてよかった」といった意見が多数寄せられました。

北口 行かせていただきましたが、あれは盛り上がりましたね。

坂上 お客さんに負けないくらい、キャスト陣も盛り上がっていましたね。彼女たちにとっても、応援してくれるお客さんたちと直に交流できる貴重な機会だったので、ライブ終了後には、「第2回の開催はいつになりますか?」「今回失敗したところを徹底的に練習して、次回は完璧にこなします!」と詰め寄られて大変でした(笑)。

北口 あはは(笑)。さて、ちょっと気が早いかもしれませんが、来年はいよいよシリーズ10周年の節目ですよね。すでに進行中の企画などはあったりしますか?

坂上 水面下でいろいろと準備中です。ですがその前に、6月のミリオンスターズ初の単独ライブ“THE IDOLM@STER MILLION LIVE 1stLIVE HAPPY☆PERFORM@NCE!!”と、9周年のライブツアーがありますので、まずはそちらをお楽しみいただければ。

北口 わかりました! では最後に、『ワンフォーオール』の発売を心待ちにしている全国のプロデューサーに向けて、メッセージをお願いします。

坂上 いよいよ5月15日に、シリーズ最新作『アイドルマスター ワンフォーオール』が発売されます。『アイドルマスター』ならではの、楽しく、温かい雰囲気はそのままに、13人のアイドルを同時にプロデュースするなど、本作ならではのやり込み要素も満載ですので、思う存分プレイして、プロデューサー業務を満喫してください!

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『アイドルマスター ワンフォーオール』プロデューサー活動日誌

ゲームデータ
 タイトル :
アイドルマスター ワンフォーオール
 ハード :
プレイステーション3
 ジャンル :
シミュレーション
 テイスト:
アイドル
 発売日 :
2014年5月15日発売
 販売価格 :
7600円[税抜](8208円[税込])、ダウンロード版は7600円[税抜](8208円[税込])、765プロ 新プロデュースBOXは11880円[税抜](12830円[税込])

『765プロ 新プロデュースBOX』内容物一覧
・メインビジュアル(事務所バージョン) 特製BOX
・スペシャルドラマCD『765プロが行く! トップアイドルのお仕事見学』
・限定オリジナルデザイン衣装 プロダクトコード
・765プロ所属アイドル 営業用パンフレット
・765プロカレンダー(みんなの落書き入り)
・社長の格言入りクリーナー
・13種 短冊ポスター


『初回封入特典』
・『アイドルマスター シンデレラガールズ』、『アイドルマスター ミリオンライブ!』限定アイドルが手に入るシリアルナンバー

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