本作『ウォーキング・デッド』は、アメリカン・コミック作家ロバート・カークマンの同名グラフィック・ノベルシリーズを原作とするアドベンチャーゲーム。原作コミックやテレビドラマ版とは異なるゲーム版オリジナルの主人公、リー・エヴェレットの視点で物語が展開される。原作コミックのテイストを意識したグラフィックは、一見、ライトなテイストをイメージさせるかもしれない。だが、プレイヤーが実際に目撃するのは、絶望的な状況下で交錯する生々しい人間模様や、“正しいと思ってしたことが、正しい結果を招くとは限らない”という過酷な世界。涙なしでは見られないような、感情を揺さぶられるシーンにも数多く直面する。ゲームにストーリー性を求めるユーザーにこそ、ぜひプレイしてもらいたい重厚な作品だ。
その日、リー・エヴェレットは殺人の罪で刑務所に移送される途中だった。だが走行中に事故に遭い、乗っていたパトカーは大破。助けを呼ぼうとしたリーだったが、移送していた警官が化け物となって襲いかかる。リーは必死で警官を倒し、逃げ道を模索する。だが、町には同じような化け物……“ウォーカー”の大群が出現していた。安全な場所を求めて逃げ込んだ家で、彼はクレメンタインという名の少女と出会う。彼女はたったひとりでウォーカーから身を隠し、両親が帰ってくるのを待っていたのだった。リーはクレメンタインを守るため、ふたりで荒廃した町を脱出し、安全な地を求めて旅立つ。
仲間との何気ない会話や、絶体絶命の状況など、さまざまな局面でリーは選択を迫られる。プレイヤー自身の価値観で選んだ選択は、何かを犠牲にしたり、あるいはまったく意図していなかった状況を招き、その後のストーリー展開や人間関係にも大小の影響を与えるだろう。沈黙することや、あえて選ばないこと、決断から逃げることもひとつの選択だが、それさえ思わぬ結果を生むことがあるのだ。
突然、ウォーカーの群れが柵を突き破り、リーたちの命の恩人であるショーンと、近くに居合わせた少年ダックに襲いかかる。とっさの出来事に、迷っている余裕はない。どちらをさきに救うべきか?
森で食糧を探していたリーたちは、トラバサミに捕らわれた男を発見。折悪しく、そこへウォーカーの群れが現われる。時間をかけて罠の解除を試みるか? 脚を切ってでも助けるか? 難しい選択を迫られる。
ストーリーは5つのエピソードに分かれており、各エピソードで波乱に満ちた展開が待ち受けている。プレイヤーの選択はべつのエピソードにも影響を与え、登場人物が変化する場合もある。
リーとクレメンタインは、偶然出会った青年ショーンに助けられてウォーカーの徘徊する町から脱出し、ショーンの実家である農場にたどり着く。しばらくのあいだ落ち着けるものと安心したのもつかの間、農場にもウォーカーが襲来。農場で出会ったケニーたち一家とともに、リーの出身地でもあるメイコンへ避難する。しかし、すでにウォーカーが群がり、老いた両親が営むドラッグストアは、多くの生存者が立てこもる砦と化していた。
生き残るために必要なあるものを探していたリーは、ウォーカーの中に見覚えのある顔を見つけてしまう。先へ進むには、そのウォーカーにトドメを刺さなくてはならない。
新たな拠点となったモーテルは、ほかの生存者も合流して大所帯になっていた。しかし人が増えたことにより、食糧不足はますます深刻化。移動を主張するケニーと、モーテルにいるほうが安全だと信じるリリーとの対立も激しさを増していた。そのようなとき、近くの牧場からアンディとダニーの兄弟がモーテルを訪れ、ガソリンと引き替えに食糧を提供すると持ちかけてきた。取り引きに応じた一同は、牧場で食事にありつこうとするが……?
10人に対して、わずか4人分の食糧を配ることになったリー。だれかに渡すと、別の誰かの視線が背中に突き刺さる……。配布役をずっと担ってきた、リリーの苦悩が窺える。
「物資を盗む裏切り者がいる」と仲間を疑うリリー。彼女に頼まれて、リーが犯人の手がかりを追っていると、モーテルが盗賊団の襲撃を受けてしまった。騒ぎに反応してウォーカーまで押し寄せる事態となり、一同はモーテルから脱出。ケニーが運転するキャンピングカーは、一路サヴァナを目指す。だが途中で放棄された貨物列車に道を阻まれ、一行は立ち往生してしまう。さらに、ケニーたち一家にも深刻な問題が迫っていた。
モーテルを脱出したケニーたち一家に、最大の決断が迫られることになる。そのとき、リーは彼らの力になってあげられるのか?