“鉄騎”と呼ばれる二足歩行兵器の戦いを、巨大な専用コントローラーを用いて驚愕のリアリティーで表現した、Xbox専用タイトル『鉄騎』。その最新作が、Xbox 360で10年ぶりに登場する。本作では最大の特徴として、巨大な専用コントローラーの代わりにKinect(キネクト)という最先端技術を使って二足歩行兵器“鉄騎”を操作するのだ。本特集では、ソフト発売に向けてゲームの内容を改めて紹介するとともに、開発者インタビューや著名人インタビューなどを、複数回にわたってお届けしていく。
ソフト発売前からお届けしてきた『重鉄騎』の特集記事もいよいよ最終回。そこで今回は、最後にふさわしいスペシャルなゲストに登場……ならぬ"搭乗"をしてもらう。お笑いコンビ"インパルス"の板倉俊之さんだ。板倉さんは、芸能界屈指のサバゲー(サバイバルゲーム)好きで知られ、同時に「ハマると廃人になるまでやる」ほどのゲームフリークでもある。ミリタリー&ゲーム好きということで、『重鉄騎』を遊んでもらうのにこれほどふさわしい著名人はそうそういないだろう。果たして、芸能界最強(?)のサバゲー芸人は、『重鉄騎』の戦場でもその実力を発揮できるのか!?
『重鉄騎』に関して「いろいろスゴイという噂は聞いています」とプレイ前に話していた板倉さん。本作のキモであるKinect(キネクト)による操作も初体験だったため、チュートリアル中も「へぇ〜! スゴイっすね、コレ!!」と動作ひとひとつに感動しっぱなし。一方で、コントローラーを使った移動や照準操作は、さすがふだんからFPSをやり込んでいるだけあって、玄人肌のスムーズな動きを見せてくれました。難なくチュートリアルを終えたあとは、いよいよ実戦へ。選択したのは最初のミッション"凱旋"で、遠方の敵を最初に片づけるという堅実な立ち回りからは、サバゲーでの板倉さんのスタンスも垣間見ることができました。しかし、『重鉄騎』の戦場は時間との戦いでもある。慎重に進み過ぎた結果、味方歩兵が全滅してしまい、作戦失敗に……。つぎのプレイでは、敵軍の砲撃でスリットが破損。「おおおおっ! コエーー!!」と動揺しているあいだにやられてしまいました。気を取り直して3回目のプレイでは、事前に作戦内容を把握して指定されたルートを順調に進行し、あっさりとミッションをクリアー! プレイ終了後に「これは新しいロボゲーの誕生だ!」と晴れ晴れとした表情で語っているのが印象的でした。
——『重鉄騎』遊んでみていかがでしたか?
板倉 いやー、自分の中の魔物が目覚める感じがありましたね。もうちょっと操作がうまければ、もっと楽しいんだろうなとは思いましたが
——Kinectを触るのは今回が初めてなんですよね。
板倉 そうなんですよ。初めてだからまだまだ不慣れなところもありましたけど……これはマスターすればかなり気持ちがいいでしょうね。ただ、『重鉄騎』ってコントローラーも使うじゃないですか。だから、プレイ中にコントローラーをどこに置いておけばいいのか、というところで迷いました(笑)。膝に置けばいいのか、それとも片手に持てばいいのか……とか。
——基本的に、コントローラーはずっと手に持っておくのがいいと思いますよ(笑)。『重鉄騎』のKinect操作で、とくに感心したところはどこですか?
板倉 イスから立ち上がると、ゲーム内でコクピットのハッチを開けて外が見られるというのは感動的でしたね。『重鉄騎』って、頭の中にコクピットをイメージして「あのレバーはここらへんにあって……」とかを想像するのが楽しいんですよ。最初は難しいけど、たぶん慣れてくればコッチ(Kinec)のほうがコントローラーで操作するよりもシックリ来るんじゃないかな。
——Kinectというデバイスについて思うところなどはありますか?
板倉 なんでしょうねぇ……驚愕するとともに、若干の怖さも感じますよ。
——怖さ……とは?
板倉 このまま技術が進化すると、何もかもがコンピューターで済んでしまう時代が来るのでは、と。まさに『重鉄騎』の世界観が訴えているところにも重なりますね……。
——Kinectからそこまで深いメッセージを受け取るのは、板倉さんぐらいかと……。
板倉 いやー、でも本当に思いましたよ! 「このままではコンピューターに支配されてしまう!」って(笑)。だって、Kinectが今後さらに進化したら、将来的にコントローラーが必要なくなってしまうかもしれない。たとえば、レースゲームもハンドルを握るようなジェスチャーをすれば動かせるみたいな……。
——それ、すでにKinectで実現されています。
板倉 マジですか!? それはマズいですよ。コンピューター支配の時代が近づきつつある……。
——ええ、非常にマズイ状況ですね。しかし、Kinectを平和利用するという手もあります。
板倉 少しエッチなゲームを作るとかね(笑)。Kinectで美女に抱きつくとか。いや、でも『重鉄騎』のコクピット操作も考えようによっては少しエッチかもしれない。ジェスチャーで舐め回すように計器類やレバーを触る感覚が……。
——あと『重鉄騎』では女性隊員が出てきて、ちょっとしたセクシーハプニングも起こるそうです。
板倉 なるほど! 『重鉄騎』はソッチの路線もサポートしているんですね……つまり、もう始まっているんですよ。恐るべきコンピューター支配の時代が!
——ではいままでの話を踏まえたうえで、改めてKinectへの印象をお聞かせください。
板倉 いやー、じつにおもしろい! もうすべてのゲームがKinectになってしまえばいいと思うくらいですよ(笑)。
——『重鉄騎』に限らず、ミリタリー系のゲームとは相性がよさそうですよね。
板倉 そうそう、ふつうの戦争ゲームでマガジンの交換とかをKinectでできたら、すごい感動的ですよ。でも、Kinect操作を突き詰めていくと、最終的には「あ、実際にサバゲー行けばいいじゃん」と悟る日が来てしまう気も(笑)。
——プレイ終了後に「これは新しいロボットゲームだ!」と仰っていましたが、『重鉄騎』はロボットゲームとして、どのあたりが新しいと感じましたか?
板倉 ロボットゲームって、どんどん新しいほう新しいほうへ進化して、デザインや機能も洗練されてきているじゃないですか。でも、本作に登場する鉄騎は、いい意味で古臭い。動作に関しても、あえて不自由な方向へ突き抜けている。個人的にこの感覚はすごく好感が持てました。
——板倉さんはサバゲー好きでも知られていますが、サバゲープレイヤーの視点から見て『重鉄騎』の戦場はいかがでしたか?
板倉 サバゲーはまあ……爆発とかないですからね(笑)。装甲車も出てきませんし……あ、でも"バトルシティー"っていうサバゲーの施設があるんですけど、そこに戦車みたいな道具がありました。とは言え、ソレはエンジンが付いているわけではないので、3人くらいが中に入って人力で動かす(笑)。あれはある意味で"リアル鉄騎"かもしれない。
——え、動かすだけなんですか!?(笑)
板倉 ええ、攻撃手段はないです。砲手は飾りです。だから陰に身を隠して、進むだけ。あと、その戦車もどきは足元が隠れていないんですよ。だから、そこを狙い撃ちされてしまう(笑)。考えようによっては鉄騎のスリットから攻撃を受ける感じに似ているかもしれません。
——ある意味、『重鉄騎』の戦場はサバゲーのフィールドがうまく再現されているわけですね!
板倉 そ、そうですね(笑)。それにしてもあの戦車もどきは、鉄騎を見習ってもう少しカスタマイズするべきですよ。足元からペットボトルロケットを発射できるようにするとか! そうすれば『重鉄騎』で得た知識や経験も、活かせるようになると思うんですけどねえ(笑)。
——『重鉄騎』では武器や兵器の描写にもかなり力が入っています。ガンマニアでも知られる板倉さん的に、グッときたりしますか?
板倉 グッときますねぇ! とくに歩兵が持っている武器はたまらないものがありますよ。さっき観たデモ画面で、M16に似たやつを持っている兵士がチラっと映りましたよね。それだけで「おおお!」ってなりますから。あと鉄騎の操縦に関しては、コントローラーの振動がかなり雰囲気を出していると思います。振動対応というのは、いまのゲームでは当たり前のことですが、『重鉄騎』はそれが繊細な印象を受けました。振動があるとないじゃ、鉄騎との一体感がまったく違いますよ。
——コクピット内の描写はいかがでしたか? スリットのガラスが割れたとき、思わず声が出ていたようですが。
板倉 アレはまじ怖かった! 「やばい、本当に殺される」って不安になるくらい。あと、割れる前の段階でガラスにヒビが入るのもよかった。「何も見えないよ!」っていう恐怖感は、たぶん本物の戦車でも実際に起こっているんだろうなあ、と。
——サバゲーでも似たような状況はありますか?
板倉 サバゲーをやるときはゴーグルを付けるんですけど、激しく動くと体温で曇ってしまうことがあるんですよ。そのときの感覚に近いと思いました。ちなみにサバゲーではそういった現象が起こるのを防ぐために、ファン付きのゴーグルっていうのがあります。体温と外気温の差で生じる蒸気を、ファンで換気するんですよ。でもまあ、夏場は何をやっても曇っちゃいますけど。
——じゃあ、サバゲーは秋冬あたりを中心に?
板倉 いやー、いっちゃいますね。オールシーズン(笑)。
——(笑)。ちなみに板倉さんは、サバゲーだとどんな役割が多いんですか?
板倉 フィールドによって変わりますね。たとえば森でやるときは、“ギリスーツ”……これはカモフラージュスーツの一種で、草木に溶け込めるやつなんですけど、なんて言えばいいのかな。"ムックみたいな形状だけど、ガチャピンみたいな色をしているやつ"っていうのがわかりやすいですかね(笑)。とにかくまあ、森でやるときはそのギリスーツを着て、スナイパーに徹します。
——本物のギリスーツを持っているんですか!?
板倉 ええ、持ってますよ。ふつうに売ってますから。
——ふつうに売っていても、買う人は少ないような……。
板倉 いやいや、そんなことありませんって! 15000円くらいで非常にお買い得ですから(笑)。30回くらい使えば、元は取れますよ。
——ちなみに、サバゲーはふだんどれくらいの人数でやっているんですか?
板倉 少ないときは3対3くらい、多いときは100対100なんてこともありますね。100人で戦うときなんて、本当の戦場みたいですよ。『重鉄騎』ではCo-op(協力)プレイもあるとのことなので、みんなで遊ぶのが楽しみですね。
——『重鉄騎』のCo-opではどんな立ち回りをしたいですか?
板倉 仲間に指示をするとかよりは、好き勝手に動いていたいですね。サバゲーでもけっこうそんな感じなので(笑)。気づかないうちに戦果を上げるって、いちばんカッコよくないですか?
——一匹狼的な戦いかたですね。それはカッコイイです。またサバゲーに話が戻りますけど、サバゲーで強い人はどんな動きをするんですか?
板倉 うーん、その日の体調によって違うかな。でもまあ、ヘタな人はホントにヘタ。「そこ行ったら、どう考えても撃たれるだろ!」ってところにフラ〜っと行ってしまう(笑)。だから、そういう人には『重鉄騎』のCo-opで戦場の立ち回りかたを勉強してほしいですね。
——ちなみに板倉さんはゲームにハマると「廃人になるまでやり続けてしまう」とのことですが、『重鉄騎』はどうですか?
板倉 これは確実になりますね。僕は、ゲームにハマったときの症状として"気づかないうちにコンタクトレンズが取れる"というものがあるんですけど、『重鉄騎』も"コンタクト取れゲー"になりそうですよ!
——なるほど、『重鉄騎』は"取れゲー"と(笑)。では、最後にメッセージをお願いします。
板倉 『重鉄騎』はミリタリーゲームとしての新しいおもしろさが満載な一方で、これまでのミリタリーゲームで学んできたことが無駄にならない作品です! ぜひ遊んでみてください!
特集ページの第4回でもお伝えしたが、『重鉄騎』は映画的なシーンが多数盛り込まれた作品だ。なかでも戦争映画ファン的にグッと来るであろう場面が、序盤に訪れる橋爆破。ここでは鉄騎から降り、ほふく前進して起爆装置を起動するという一連の動作をKinectで行うことになる。一瞬遅れて訪れる爆風の衝撃など、細かいところにまでこだわった演出にも注目だ。
巨大な鉄騎は狭い路地で動きが制限されてしまうため、敵歩兵の接近を容易にしてしまう。たとえば、荒廃したニューヨークでの市街戦では、"カンカンカン"と何者かが鉄騎の上を歩いている音が聞こえたつぎの瞬間、ハッチが開いて手榴弾がコクピット内に投げ込まれる! なんてことも。あるいは、鉄騎の左側面に空いた装甲の隙間から、ナイフを握った敵兵の腕が突っ込んできて通信兵を狙うといった、スリリングな展開も用意されているのだ。
とあるミッションでは、広大な砂漠を鉄騎で進軍することになる。うだるような暑さは隊員たちの士気を下げていく。プレイヤーは鉄騎の小隊を率いる身として、彼らのケアもする必要があるだろう。たとえば、喉の渇きを訴える隊員に水を渡すとか……。もちろん、水は自分自身が飲むこともできれば、他に搭乗している男性隊員にも渡すことができる。しかし、ここで同乗している女性隊員に渡してみるとどうだろう。とてもセクシーな言葉を聞くことができるかもしれない。どんな言葉が聞けるのか……それは諸君ら自身で試してほしい。
国連軍の最終兵器"重鉄騎"は、ゲームのタイトルになっていることからも分かる通り、本作のキーとなる存在だ。特集記事の第1回でも簡単に紹介したが、重鉄騎はコンピューター技術が失われたこの時代において、異次元的とも言える精密な動作でプレイヤーたちに襲い掛かってくる。物語の中では当然その理由も明かされるのだが……そこで判明する真実は、戦争の真の恐ろしさというものを、プレイヤーへ提示してくるだろう。詳細はここでは明かさない。ぜひ自身の手で、『重鉄騎』の戦場で起きている、悲惨な現実と向きあってほしい。
『重鉄騎』の発売を機にKinectデビューを検討している人に朗報。
Kinectセンサーとソフトの同梱版が、数量限定で発売されるのだ。
価格は19800円[税込]。なお、本同梱版には数量限定ダウンロードコンテンツとして 鉄騎の外観を変化させるだけでなく、性能もアップする“特殊迷彩『カーボンアサシンパック』ダウンロード ご利用コード”も封入されている。
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