こんにちは。ライターの忍者増田と申す者でござる。
現在、ゲーム機の性能の向上とともに、巷にはビジュアルの美麗さばかりをウリにしたRPGが氾濫し、昔ながらの骨太なダンジョンRPGが少なくなっていると聞きます。いや、本当はよく知らないんだけど、そうしとかないと話が進まないので、そういうことにしといてください。
じゃあ「骨太なダンジョンRPGって何よ?」と聞かれると、じつはこれも思いつきで言ってしまったので、自分でもよくわかってません。だけど、たぶん『ウィザードリィ』みたいなRPGってことなんじゃないかな、と思います。なぜかというと、これもそうじゃないと話が進まないからです。
『ウィザードリィ』は、いまから30年以上も前にアメリカで発売されたRPGの大御所的作品。シビアで無愛想で人を選ぶ内容にも関わらず、いまだにさまざまなハードで続編が発売され続けているスーパー長寿ゲームでござる。そして拙者も、いまだ飽きもせず本作を遊び続けているファンのひとりというわけでござるな。
そんな『ウィザードリィ』のよさといえば、ゲームのクリアー以外に、プレイヤーが自分で目的を見つけて長く遊べることだと思う。アイテムのフルコンプを目指したり、キャラクターをひたすら強くして究極のパーティーを作り上げたりなど、本筋以外の楽しみかたは人それぞれ。ただエンディングに達しただけでは、『ウィザードリィ』を半分も遊んでいないと言ってもいいくらい。
そこで、『アンチェインブレイズ エクシヴ』。いやあ、ようやくここで名前が出てきたでござるが、拙者、1週間ほどサンプルを借りて遊ばせてもらいました。このゲームの魅力はいろいろあれど、拙者をとくにうならせたのは、キャラクター育成に関する部分。『ウィザードリィ』同様、キャラクターをぐりぐりいじくり回して長〜くプレイできそうなゲームだなぁと感じたわけでござるよ。
たとえば本作では、キャラクターひとりに対し、戦って仲間にしたモンスターを“フォロワー”として最大4匹までつけられたりする。モンスターは200体以上存在し、パーティーの4人それぞれに4匹のフォロワーがつけられるとなれば、無限の組み合わせが考えられるでござろう。「このモンスターをフォロワーにつけたらどうなるべ?」とか「今度はこのモンスターを育ててみるべ」とかやってるうちに、いい意味で本編そっちのけになりそうでござる。
また、“スキルマップ”でのキャラクター育成も奥深く、ハマりがち。各キャラクターは、レベルアップ時に得るSPを消費してスキルマップ上のルートをたどり、技や魔法を覚えたり、能力値を伸ばしたりすることができる。結果レベルアップが心待ちになり、つい物語を進めるのを忘れてダンジョンでバトルし続けてしまうのでござる。スキルマップは広大で、ルートをたどって線をつないでいく行為に、幼いころによくやった“点つなぎお絵描き”のような楽しさを感じるのは拙者だけでござろうか? そしてルートは枝分かれしているので、選んだルートが違えば、覚える技や伸ばす能力値にも個人差が生じてくる。
以上の要素により、長く遊べることはもちろん、キャラクター育成にプレイヤーの趣味が色濃く反映されるところが、『アンチェインブレイズ エクシヴ』の特徴のひとつであると思う。100人プレイして100人が同じようなパーティーになるより、育成によって各々のパーティーが違ったものになるほうが拙者は楽しいなあ。
結論として本作は、けっして豪華な制作陣だけがウリのゲームではなく、『ウィザードリィ』のように1本筋の通った、マニアもガッツリやり込める内容を持つ骨太ダンジョンRPGだと言えると思うのでござる。ニンニン。