今回は、米軍の残存部隊とKPA(朝鮮人民軍)により行われている武力衝突、マルチプレイ対戦についてご紹介する。戦闘は大規模なフィールドを舞台に、両軍16人ずつ、総勢32人により展開されている。
 戦場のルールは“グラウンドコントロール”、“バトルコマンダー”、“チームデスマッチ”の3種類あることが確認されている。グラウンドコントロールは、戦略拠点を占拠することが主な目的。占拠した合計時間が一定レベルに達した勢力がそのラウンドを取得し、つぎの戦略拠点が設定される。バトルコマンダーは先のふたつに付随する追加ルールで、活躍を続けている兵士が“脅威”として指定され、敵兵の一部におおよその位置情報などが開示されてしまう。だが、脅威となりながらも生存し、敵を倒して脅威レベルが上昇するごとに、より強力な能力サポートが受けられる。複数の兵士から脅威対象として狙われる状況は厳しい戦いになると思うが、敵勢力に大打撃を与えるべく奮闘されたし。最後のチームデスマッチは、とにかく眼前の敵を倒せばいいシンプルなモードだ。なお、PlayStation NetworkとXbox LIVEによるインターネット経由の戦闘のほか、同一LAN内でのシステムリンクでの対戦(最大16人まで)にも対応している。
 グラウンドコントロールとバトルコマンダーで重要となる戦略拠点。ここを取らなければ、たとえ何人のKPA兵士を狙撃しようとも、その活躍は大勢に影響を与えない限定的なものと言わざるをえない。新たな拠点が決定されたら直ちに急行し、占拠する必要がある。もちろん、拠点がすでに奪われている場合は、敵の防衛網を打破して奪還しなくてはならない。待ち伏せや偵察ドローン(無人兵器)などによる警戒が予想される。
 マルチプレイ対戦で鍵となるのが“バトルポイント”システムだ。これは、戦果に応じてもらえるポイントを消費して、各種兵装などの支給を受けられるというもの。ポイントは、ただ敵を倒す以外にも、拠点の占拠などによっても得られる。ポイントを貯めていけば、防弾ベストやRPGランチャーなどの個人用の兵装にくわえ、各種ドローンや、やがては大型の搭乗兵器なども購入できるようになる。ポイントをこまめに消費して強化を行うか、貯めて一気に大型搭乗兵器の補給に使うかは、戦況に応じて判断する必要があるだろう。
行軍――かつての住宅街を進攻する米軍部隊。装甲車や、戦車なども配備されているのを確認。
 燃料価格の高騰による軍備縮小(バックナンバー1号を参照されたし)の影響を受け、その数こそ減少しているが、M1A3エイブラムス戦車やAH-64“アパッチ”戦闘ヘリなど、かつての主力兵器もいまだ健在。効果的に戦果を挙げた熟練の兵士にこそ、貴重な兵器を預けられるというもの。使用するにはかなりのバトルポイントが必要だが、それに見合った威力を発揮してくれる。
天空からの一撃――地上の装甲車に向けてヘルファイアミサイルを一斉に放つ戦闘ヘリコプター。
とはいえ、兵器のトレンドは、燃料を湯水のように使う大型の搭乗兵器から、小回りが効いて狭いエリアの制圧に向いている無人兵器へと移っている。攻撃・偵察用のドローンや、ミサイルを2発発射可能なUAV(無人航空機)などがあり、これらを効果的に使うことで、兵士は自分の能力以上の戦果を挙げることができる。ただし、これらの兵器のコントロール中は無防備になりやすいため、使用する時と場所には注意されたし。

 ドモ―! スオミ松崎です。アメリカが大朝鮮連邦の占領下におかれるという、現実世界では想像もつかないような物語が展開される本作。恐らく目の肥えたFPS(一人称視点シューティング)ゲーマーでも魅了される作品となっているはずだ。とはいえ、シングルプレイヤーのディテール等は大先輩であるポルノ鈴木氏がすでに記事で触れているため割愛させて頂き、僕は最大32人で対戦できるマルチプレイヤーモードについて言及しようと思う。

戦闘激化――歩兵戦でスタートし、まずはドローン、やがて大型兵器が投入され、戦闘が激しくなっていく。

 つい先日のことだが、都内某所にある株式会社スパイクさんのオフィスの一室で実際に本作のマルチプレイヤーを遊ぶことができた。限られた時間の中だったが、自分が感じたことや、気付いた点を紹介していく。

 まず、本作で遊ぶことができるモードは大きく分けて3つ。

・チームデスマッチ

すでにFPSではお馴染みのモード。制限時間内に規定のスコアに到達するか、タイムアップ時にスコアの高かった軍が勝利となる。

・グラウンドコントロール

戦闘エリア内に配置された2〜3ヵ所の目標を制圧し、維持し続けることでスコアが加算される。どちらかの軍が規定のスコアに到達するとラウンドが終了し、2ラウンド先取した軍が勝利となる。なお、目標の位置はラウンドごとに変わるため、戦いかたも移り変わる。

・バトルコマンダー

グラウンドコントロールとチームデスマッチに新たにルールを追加するモード。戦場で目覚しい活躍をするプレイヤーを“脅威”として認定。この“脅威”として認定されたプレイヤーは敵軍に居場所がバレ続ける代わりに防御力や攻撃力がアップする。敵を連続で倒すことで“脅威”レベルは最大5段階まで上昇するが、逆に倒されると認定が解除される。

 トレンドを押さえたルールが実装されているので、普段からFPSを遊んでいるプレイヤーならモチロンだが、初めてFPSを遊ぶプレイヤーでも戸惑うことなく遊べるんじゃないかと思う。

 さて、気になるゲームシステムだが、本作を手がけたKaos Studiosが制作した前作『フロントライン:フュエル・オブ・ウォー』では、ゲーム中にプレイヤーがスコアを稼ぐことに応じて使用できる武装や兵器が順次使用可能になる仕組みとなっていた。ただ、すぐにリセットされてしまうため、かなり作業感が強かったのが個人的に残念だった。

 対して本作では、昨今のメインストリームとなっているプレイヤーのデータをアカウントに紐付けされる(サーバー上にデータが残る)システムを採用しており、プレイヤーが通算で得たスコアに応じて階級がアップし、使用できる武装や兵器がアンロックされる仕組みだ。例を挙げると、初期装備として所持しているM4アサルトライフルはアタッチメントが装備されていないが、階級が上がることでショットガンやグレネードランチャーなどを装着することができる。また、後述するバトルポイント(BP)を使って再出撃時に利用できる搭乗兵器も、最初はハンビーしか利用できないが、こちらも階級を上げることでM1A3エイブラムスも使えるようになる。苦労した分だけ美味しい思いができるのでアメとムチといったところか(ドヤ顔)。

 ここでBPについても説明しておかなければならない。戦闘中に敵を倒したり、拠点を制圧することで、経験値だけでなくBPも手に入る。プレイ中に貯まったBPを使用することで、防弾ベストを購入したり、航空支援のヘルファイアミサイルを使用することが可能だ。当然、航空兵器や戦車などはパワーバランスを考慮しており、高めのお値段となっている。

スオミ松崎 Suomi Matsuzaki

 このBPが意外とクセモノで、出撃時に毎回防弾ベストを購入していたせいで、目の前に敵の航空機や戦車が出現しても、RPGランチャーを購入するためのBPが尽きて何もできずに倒されるといった始末。普段から金遣いが荒い人こそ要注意なシステムだと思う。まぁ僕のことなんですが、これを機に定期預金の口座を作ろうかと思いました。

 実際に遊んでみての感想は、グラウンドコントロールが面白かった。というのも、チームデスマッチより明確な目標が提示されるため、同じ軍の仲間とワーッ! と突撃して玉砕したり、制圧に成功したりと一喜一憂しながら規模の大きな戦闘を体験できるからかな? あと、バトルコマンダーで“脅威”と認定されたときのドキドキ感もスゴい。敵に自分の居場所がバレていると考えるだけでもアドレナリン全開なのに、行く先々で戦車や航空兵器にしつこく追い回される恐怖感。体から色々な汁が噴出しそうだった。最終的に、立てこもった建物から出られなくなって、しぶしぶ外に出た所を砲撃されてしまったけどね。

 と、小一時間のプレイでしたが、マルチプレイのファーストインプレッションはこんな感じでした。32人という人数で派手なドンパチを楽しみたいならマストバイなタイトルだと思います。製品版が発売された暁には、ぜひ僕とワーワー殺りあいましょう!

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